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◎コラム

河村衆矢 Kawamura Shuya

様々な酒と交遊関係を結びながらも
最後の友人に焼酎を選んでしまった
福岡市在住の現役コピーライター。
小説も活動の視野に、只今奮闘中!

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◎画像

Balk! (HNです。)

趣味で下手な写真を撮ってます
使っていただいて光栄です(^^ゞ

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2007/10月

  
◎性格が運動会

No.1/2007年10月1日配信

 小学校の土のグランドというのは、どうしてあんなに滑りやすいのでしょうね。小学校3年の運動会の時、スタートダッシュで滑って転んで、気を取り戻したのは救急テントの中。残念だけれど、懐かしい想い出。
 大人になってからは、地区(校区)の運動会の短距離走でスッテンコロリ。トラックのコーナー部分で滑った記憶は鮮明です。無念の捻挫。「いきなり、無理して頑張ろうとするからよ。もう若くはないんだから」と、妻のさとすような声にがっくり。
 仕事でもスタート地点に立つと、今でも、ついつい負けるまいと思って、肩に力が入ってしまう悲しい性格。けっして、他人を押し分けてという性格ではないんだけど、知らず知らずのうちに頑張ってしまうのです。
 こんな私にはスローな焼酎タイムを演出してくれる「半ぴどん」が有り難いのです。陶器のかめ壷から竹の柄杓でゆっくりとカップに注ぐ35度の芋焼酎。大量生産できない熟成本格焼酎は、慌てることを許しません。
 「それは私の性格を改善してくれる大切な薬なんだ」と力説しても、家族の誰も理解してはくれません。こんなに目尻が下がって、穏やかな表情になっているというのに。



◎自然の力、人の力

No.2/2007年10月11日配信

 幸蔵酒造は宮崎県の最南部、串間市にあります。宮崎市から約70km南下したところにあり、串間市の境界線の南隣は鹿児島県です。串間の気候は年間平均気温17.9度で暖かく、降水量、日照時間に恵まれ、火山灰で出来たのシラス土壌でのさつまいもの栽培も、これ以上望めないほどの条件です。
 幸蔵酒造の蔵を出て、清冽な水が流れ落ちる「赤池渓谷」までの案内された道中は、さつまいも畑の連続。豊かで濃い自然は、私の嗅覚を子供のころの記憶へと運んでくれます。裸足で歩いたこともある、懐かしいあの畦道とその匂い。
 8月末から収穫に入ったさつまいもを使って、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の新しい命が誕生しようとしています。すべてを手づくりで仕上げる幸蔵酒造ならではの「人の力」が「串間の自然の力」と融合することによって生まれる焼酎達。神妙な顔のまま、蔵のかめ壷見学を終えるころ、静かに瓶にラベルを貼っていた女性が顔を上げて、挨拶をしてくれました。とても、やわらかい目で。



◎幸せな季節

No.3/2007年10月21日配信

 秋真っ盛り。今年もまた、日本中に季節の贈り物が溢れています。山から、里から、海の中から美味しい秋の味覚達がどっさりと。「秋の味覚といえば?」 というアンケートでは、栗・柿や松茸を押さえて、毎年堂々の1位に輝くのが「秋刀魚(さんま)」だそうです。
 やっぱりこの季節の夕餉はジュージュー焼き上げた、秋刀魚の塩焼きが一番。それも焼くのは七輪で。脂の乗った旬の秋刀魚はまさに秋の味覚の代名詞、庶民を愛する王様の風情です。カボスやレモンをたっぷりかけていただくのが私流「食の王道」。
 もちろんお酒は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」。旬の味覚を活かし高め、さらに大きな幸せ感を膨らませてくれます。私はこの時期必ず、封を切らない幸蔵の1本を余分にスタンバイさせておくのです。フフッ、幸せを切らさないために。  純粋(?)な「食欲の秋」に目を細める私の横で、「秋刀魚って本当に助かるわ」と妻が別の意味で喜んでいます。この季節、おかずのことで争うことも少なくなるし、まあ、良いことずくめということで…深まって行く秋に感謝。







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2007/11月

◎紅葉する季節・高揚する心

No.4/2007年11月1日配信

 朝夕のピンと張った秋の空気。色づく街路樹を見かけると、山野の紅葉具合がとても気になります。私は紅葉が大好きですが、全国的に有名な紅葉の名所にはまだ行ったことがありません。日光や京都の嵯峨・嵐山などの話に聞く名所には、ぜひ一度は足を運んでみたいと思います。しかし、ちょうど毎年この時期に仕事も忙しくなるという残念な巡り合わせ。「あ〜、嵐山で紅葉狩りを楽しみながら、湯豆腐で一杯やったら旨いだろうな」とため息。私にとっては「旅の気分」と「左党の本性」を押さえ込むのに大きな力が必要な季節でもあるのです。

 カエデ科の葉っぱも日照時間が短くなると葉緑素が分解され、新たに合成される色素類の色(赤や黄色)が目立つようになる現象が起きます。紅葉のメカニズムを思い出し、少しはアカデミックに反応する我が頭に満足しながら、週末の身近な紅葉狩りに想いを馳せます。拾った紅葉の葉を持ち帰り、料理のまわりに散らして、食卓の上で深まり行く秋の風情を楽しめることって、なんて素敵なことなんだろう。だから、今週末の夕食メニューに、カレーやオムライスだけは勘弁して欲しいのだけど… 。米焼酎・伝承かめ壷造り「昔気質」が心静かにスタンバイしています。「昔気質に似合う旬の料理をお願いね」と何回も何回も妻への言葉は繰り返されます。秋の私はけっこう頑固なのです。



◎読書の秋に

No.5/2007年11月11日配信

 今年も冬至(12月22日)に向かって少しずつ夜が長くなっています。茜色の夕暮れ、真っ赤な太陽が地平線に近づいたと思ったら、すぐに落ちて姿を隠してしまいます。釣瓶がストンと井戸に落ちる様子から、秋の日入りの速さに慣用句として「つるべ落とし」が使われますね。そして、そのつるべ落としの後は長い夜が。

 夏には敬遠していたビリー・ホリディの引き摺るようなジャズボーカルが似合う晩秋の夜、手を付けていなかった一冊を取り出してみました。フランソワーズ・サガンが18歳のときに書き上げた処女作「悲しみよ こんにちわ」。その、すこし黄ばんだ文庫本をめくり読み進めると、バカンス地でこましゃくれた少女が大人達に仕掛ける危うい罠の世界にすぐにハマってしまいました。魅力的な小悪魔と絶賛された感性。その後、若い女性達からあこがれの視線を注がれたサガン。私が結婚前に妻からプレゼントされていた一冊でした。「あら、あら、そんな本読んでるの?」と声をかけられ、なんだか照れくさくなって「幸蔵」のロックをごくり。こんなシチュエーションにも違和感のないところが伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の不思議なところです。人生ではじめて、「幸蔵」とフランス文学との相性を考えさせられた夜でした。


◎キムチ鍋に魅せられて

No.6/2007年11月21日配信

 韓流が定着したのか、「キムチ鍋」が我が家でも大人気です。それまで、ナンバーワンの地位を保っていた「豚しゃぶ」、そして意外に子供にもポイントが高かった「もつ鍋」などを一気に抜き去り、今では我が家の「鍋の部ランキング1位」の栄光に輝く「キムチ鍋」。辛味の下からしっかりと味全体を支えている、豊かで複雑な甘み。そして多くの具材との相性の良さを魅せてくれる懐の深さ。子供の舌にも分かりやすい濃い旨さも高いポイント。我が家のみんなを魅了してしまったのもうなずけるわけです。
 私は「キムチ鍋」に限らず、すべての鍋料理が好きです。「豚しゃぶ」「鶏の水炊き」「湯豆腐」から我が家では少し登場回数が減るけど「牛すき焼き」(残念!)まで、すべての鍋には愛すべき個性があります。ということは、それぞれに相性の良い酒が必要になるということですね、ふふっ。私の得意領域です。「キムチ鍋」のはっきりとした自己主張をする「旨味」には、やっぱり伝承かめ壷造り・本格麦焼酎「源次郎」の深みのある力強い旨味でしょう。日韓交流はまず食卓から、ですね。
 「ふー、ふー」「あち・ち・ち」と豆腐を口の中で転がせながら飲る一杯。お金では買えない幸せ感が食卓の上に広がります。いつもより会話が増えた気がします。





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2007/12月

◎ウォーム・ビズしていますか?

No.7/2007年12月1日配信

 クール・ビズは小泉内閣時代に環境省の旗振りで始まった「環境対策軽装化」キャンペーン。今年内閣府がまとめた世論調査では、クール・ビズの認知度は91.2%。また、クール・ビズを「実践している」人も46.6%と半数近くになり、この3年でかなり定着してきているようです。

 さて、この冬はウォーム・ビズ。室内温度を「1度下げる」ほうが、冷房のときの「1度上げる」よりもCO2排出量の削減については大きな効果が認められるそうで、冬の1度は重要です。ウォーム・ビズの室内温度設定は20度が目安ですが、職場はもちろん、帰宅してからもその気持ちを持ち続けることが大切なのですね。

 ただし、室温を下げても、心の温かさまでも失ってはいけません。消費・賞味期限改ざん、産地偽称問題など「冷え冷え」とした事件が相次ぎます。「うちの焼酎造りは、自然のまんま。昔ながらの小さな蔵で、かめ壷熟成・常圧蒸留・無濾過の頑固な造り方を守り通しています」と、幸蔵酒造の蔵人の飾らない笑顔を思い出します。私も嘘など入り込む余地のない、自然のまんまの真面目な旨味が大好き! 伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」は舌を通して心に流れ、温かくしみわたります。気持ちがホッとするこの「私流、ウォーム・ビズ」なら冬の間、完璧に守り通せそうです。それだけは自信あり、です。



◎夢見るボーナス

No.8 / 2007年12月11日配信

 忘年会シーズンともなると、新聞に大きなチラシがドッサリと折り込まれることが多くなります。百貨店、ショッピングセンター、商店街が活気づく歳末商戦もまっただ中。薄型大画面のカラーテレビ、話題の新OSを搭載したノートブックパソコンがチラシの上で私に向かって微笑みかけます。ついにその時期がやって来たのです。サラリーマンの私が唯一バラ色の夢を見れる時期、多くはないけど「年末賞与」。

 フェアウェイをとらえることのない相性の悪いドライバーよりも、穂先の折れた釣り竿を買い直すほうが先だな。今度こそインターラインのカーボンロッドだ、などと口走り、その「少年の瞳」に戻れる瞬間、気分はもう最高潮に。その他、手ブレしない800万画素位の高画質デジカメも欲しいし。そうだ! 年賀状作りに今年こそ複合機能プリンターも必要だし…。少年の夢見る瞳には際限がありません。家電量販店や釣り具店のチラシをながめ、パソコンも立ち上げ、インターネット情報の上を飛び回り、気がつくと午前2時。やっとの思いで「D社の釣り竿」と35度のかめ壷熟成芋焼酎「半ぴどん」をボーナスで買うことに決定。

 翌朝、睡眠不足でキッチンに降りていくと妻がなんだか浮かない顔です。「最近調子が良くなかったんだけど、冷蔵庫が死んじゃったわ。20年以上も使ったんだし、寿命だったのね、きっと」。「ハハハ、釣り竿が…」と逃げていく夢に虚ろな笑い声をたてる私。猫のポン吉が不思議な顔をして私を眺めていました。



◎駆け抜ける一年

No.9 / 2007年12月21日配信

 カボチャを食べ、ゆず湯に入る冬至の夜。妻に贈るクリスマスプレゼント選び(えらいでしょ)に、イルミネーションの中を歩き回る会社帰り。娘が焼いてくれたケーキとグリルチキン、シャンパンで祝う聖夜。ウコンの力を借りて出かける連夜の忘年会。仕事納めの挨拶回り。「来年こそは早く出そう」と年賀状作り。「大掃除手伝ってね」の声に、洗剤を買いにホームセンターに出かける週末。今年は少し楽させようと、おせち料理を予約して、屠蘇散だけを買い入れる。お年玉のポチ袋を忘れないようにと何度も言い聞かせる29日。買ったばかりの餅も作れるホームベーカリーで餅作り。赤い実のついた千両を妻が生けるあいだに、しめ飾りをドアにつけ、三方の鏡餅にみかんをのせて床の間に。ふ〜、会社から解放されても家事が待っている年末休暇、師が走るのも理解できます。来年こそはそば打ちをマスターして、年越しそばは打ち立てを食べよう。代りばえがしないなと、文句をいいながらもついつい見てしまう紅白歌合戦。そして行く年、来る年、煩悩ばかり。厳かな108の鐘の音。

 今年を振り返ろうとすると、突然去年の年の瀬が浮かんできました。結局、去年同様、慌ただしく過ぎ去っただけの一年だったけど、「無事」に過ごせたことに感謝。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を静かに注ぎ、唐津焼のカップをゆっくり傾けました。お疲れさま。「幸蔵」がゆっくり微笑んでくれたような気がします。




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2008/1月

◎あけましておめでとうございます。

No.10 / 2008年1月1日配信

 私は郵便受けから輪ゴムで束ねてある年賀状を取り出す瞬間が大好きです。日が当たる、風のない元旦の静かな朝なら舞台は最高。遅い目覚めに少しまぶたを腫らせながら、手にする賀状の厚み。携帯メールにはない紙の温度と手触り感があります。新年特集と折り込みチラシで分厚くなった新聞を抜き取り、家の中へ。
 もう20年以上は顔を合わせていない学生時代の友人。独身時代にお世話になった食堂のおばさん。最近は声さえも聞くことのない、職場を去っていった後輩。年賀状のやり取りだけになった人も多くなりました。当時の顔がオーバーラップして、心温まる時間が流れていきます。パソコンで作ってあっても、余白に手書きコメントのある年賀状ならば心は伝わります。
 この2、3年、お屠蘇を交わした後、妻と娘はワイン片手におせちの出来に評価を下します。「この黒豆、今ひとつね」と、対象はほとんどデパートやスーパーの出来合いのもの。「人が作ったものへの評価は構わないけど、もっと心が伝わる自家製のおせちの顔を拝みたいものだ」とのどまで出かかった、私の「刺のある言葉」をいつもゴクリと飲み込ませてくれるのが「幸蔵」なのです。
 手づくりの大切さを伝えてくれ、言葉の刺をやさしく抜いてくれる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」は、今年も我が家に幸せを運んでくれるでしょう。


◎二人っきりの成人式

No.11 / 2008年1月11日配信

「あら、帰ったんと違うの?」と、成人式に帰省しなかった私を、夕方に見つけた学生アパートの管理人。私が帰省出来るだけのお金を持ってなかったことをきっと見抜いていたのでしょう。その管理人のおじいさんは、夜、私のインスタントラーメンだけの食事が終わる頃にドアをノックしてくれました。
 管理人は使い古した電熱器と小さな段ボール箱、そして焼酎の瓶を下げて部屋に入ってきました。毎夜、近所の自宅に帰る管理人は「今日はうちのばあさん、妹のとこに行っとるさかい、ワシは独り身や。一緒にどうかと思うてな」と、私に湯を沸かすよう言うと、さっさと電熱器の上で餅を焼き始めたのです。
 あんたは九州人だろうから焼酎飲めるはずと、お湯割りを作ってくれ、「砂糖醤油で食べるのがうまいんや」と焦げ目のついた餅をくれました。寒風舞う冬の都会の安アパートの一室で、おじいさんは私のために成人式をあげてくれたのです。今でも私は初めて飲んだ焼酎の味と管理人のおじいさんの顔を忘れることが出来ません。
   実はすでに、管理人さんがその夜の何年も前に奥さんを亡くされていたことを私は知っていました。米焼酎・伝承かめ壷造り「昔気質」が飲みたくなる成人式の夜です。



◎大寒の頃

No.12 / 2008年1月21日配信

 枯れ木にぶら下がった蓑虫のように、家の中でごろごろが続く季節です。「大寒」は一年中で一番寒さが厳しい時期で、地球温暖化がじわりと進む中とはいえ、けっこう身体に堪えます。こたつに入ってみかんを皮を剥きながら読む文庫本、寝ころんだままの姿勢で見るテレビ、スナック菓子に手を出してはまどろみにハマっていつしか夢の中。
 美味しいのでついつい食べ過ぎてしまうこの時期の「鍋料理」。「寒いから」を理由にウォーキングさえ延期が続き、運動不足気味の身体は重くなるいっぽうです。怠惰な時期が長く続くと、その後待ち構えているものが「どんなものか」ということが体験的に分かっているだけに、少し憂鬱です。

 今年はついに4月から、国の主導でメタボリック症候群対策のための「診断義務づけ」が始まります。ウエストが85センチ手前まで来ているのでピンチといえるのかもしれません。もう蓑虫生活から足を洗わなければなりませんね。毎日、会社までの2つ手前の駅で降りて歩く距離を伸ばすこと。コピーとりはもちろん、近くまで出かける用事は人に頼まず、さっと腰を上げること。休日は必ずウォーキングを続けること。
 もちろん規則正しく、毎日の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」は心の健康のためにも欠かさないこと。以上。




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2008/2月

◎豆より太巻き寿司

No.13 / 2008年2月1日配信

 病気や災いを払ってくれるという「節分の豆まき」を欠かさなかったのに、自転車で転んで太ももの肉がえぐれる大けがをしたり、鉄棒から落ちて腕を骨折したりと散々な小学校時代。撒かれた大豆を年の数だけ食べるものだという習わしを無視し、いつも2〜3倍の数を食べていた節分。沢山の豆を食べたものの、無病息災はもちろん身体の成長にも背を向けられ、クラス内の背の低さではいつも5番目以内でした。背が伸び始めたのは家庭内で節分行事をしなくなってからのことで、なんとも皮肉なものです。

 身体も「腹回り」も大きく成長し、うんざりする程大人になりすぎたこの数年。世間では、「太巻き寿司の丸かぶり」が注目を浴びるようになっています。節分の夜に恵方(2008年は南南東)を向いて太巻き寿司を丸ごとガブリと食べるのだそうです。願い事をしながら、それも無言状態で。今の私にとって切実な願い事は「身体についた無駄な脂肪」を減らすのを成功させることです。よ〜し、今年は太巻き寿司の丸かぶりだ、と寿司好きな私は妻に向かって高らかに「今年流の節分宣言」。願いが叶うように、太巻きは一本だけにするつもりです。

 「夕食は本当にそれだけでいいの? 無理じゃない?」と聞き返す連合いに、カップに注がれた伝承かめ壷造り・本格麦焼酎「源次郎」も、ゆっくりと表面を揺らしながら相槌を打ちました。



◎バレンタイン・デーの想い出

No.14 / 2008年2月11日配信

 校舎の出入り口にある木製下駄箱。「付き合ってください」と書かれた手紙が入っていたことが、生徒間で大きな話題になった時代のことです。クラス仲間の誰がバレンタインのプレゼントを「誰から」もらうのか、熱のこもった視線が注がれた2月14日。2〜3の照れ笑いをする男子生徒の仲間に入ることが出来ずに、まあいいやと通学自転車のスタンドを蹴り上げた高校2年の下校時間。

 「あの、これ」と言う声に振りかえると、差し出されたのがふくらんだペーパーバッグ。赤くかじかんだ指の先には少しこわばった表情のポニーテールの女生徒が立っていました。その膨らんだ紙の袋は大きな割にはとても軽く、初めてもらうのに毛糸のマフラーだろうと察しがついたのが今でも不思議です。私は後頭部を手でポリポリ掻きながら受け取り、「ありがとう」と言いました。その娘はぎこちなく笑みをつくり、ぺこりと頭を下げると振り向いて小走りで校舎の中に戻っていったのです。遠くの教室からコーラス部の練習の声が聞こえていました。

 「あの、これお父さんに」と、我が娘が手作りのチョコレートをくれた去年のバレンタイン・デー。おそらく、今年もそのパターンだろうけど、その日は秘かな想い出をたぐりながらの焼酎タイムの日になります。「お父さん何ニヤニヤしてるの?」と、妻と娘。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」はチョコレートとの相性もバッチリ、試しても損のないことを付け加えておきましょう。


◎春の足音

No.15 / 2008年2月21日配信

 地下鉄のホームに座り込んでいる高校生の姿を見なくなったのは、冬なので座ると尻が冷たいからなのかな? 最近ホームはもちろん電車の連結部に座り込む生徒もあまり見かけなくなりました。「良い子に見えること」がたまらなく嫌になる人生の若い一時期。経験的に理解は出来るけど、通行の障害になることがあるし、やはり社会的に見た目もよくありません。

 つり革につかまって文庫本を読んでいると、途中の駅でおばあさんが乗り込んできました。最近のお年寄りはけっこう元気な方が多くて、60代後半とおぼしき方でも座席を譲ろうとすると「けっこうですよ」と断られることもよくあります。この乗り込んで来たおばあさんも座席が必要かどうか、意見が分かれそうな雰囲気です。漫画を読んでいる人。ケータイメールで忙しい人。目をつぶっている人。誰も席を譲ろうとはしません。二人連れの女子高校生がスッと立ち上がり、おばあさんに席を譲りました。立ち上がった二人の女生徒は温かい足音を立てて3つ目の駅で降りていきました。その足音はまるで訪れる春の足音のようでした。

 若い世代も捨てたものじゃありません。座り込んでる大人を尻目に立ち上がる生徒達をよく見かけます。それは伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯割りのような温かさ、春はもうすぐそこです。
 



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2008/3月

◎早春の蛤(はまぐり)

No.16 / 2008年3月1日配信

 宮崎県の日向灘は「蛤」の産地で有名ですが、大型の殻は高級な白の碁石の材料になるそうです。また、「蛤」の殻は縄文時代の貝塚からも多く発見されており、歴史的にも日本人にとって貴重な食料だったことが分ります。
 私は「蛤の潮汁」が大好きです。さっぱりした塩味と潮の風味、つるりと滑らかな食感。早春の季節感にぴったりの爽やかな旨味です。「蛤」の主な旨味成分は昆布と同じグルタミンというアミノ酸や貝類特有のコハク酸だとか。旨いわけです。「蛤の潮汁」は調理に少しのだし昆布、酒、醤油を加えるものの、旨味の本質は閉じられた貝殻の中身。縄文の昔から、大切なタンパク源としてだけでなく、旨いご馳走としても人々に支持されていたんじゃないかと思うと、なんだか楽しくなります。

 桃の節句の時期になると、我が家ではいつの間にかいろいろな雛人形が家の中のスペースを占領します。この期間、玄関ではニタリと笑っている猫のお雛様から帰宅の挨拶を受けることになるのです。まあ、自分の趣味かどうかは別にして、微笑ましいからそれも悪くはありません。しかし、気になるのは「蛤」のことばかり。「すべすべの美味しさ」には伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」の優しい甘みが似合います。雛祭りが終わっても、私の「蛤祭り」はしばらく続くことになるでしょう。旬の味覚に深く感謝! 
 


◎ 卒 業

No.17 / 2008年3月11日配信

 サイモン&ガーファンクルが歌う Mrs.ロビンソンやサウンド・オブ・サイレンスが情景を盛り上げてくれた映画「卒業」。ダスティン・ホフマンが「本当に大切なものは何か」に気づいて、これまでの自分から「卒業」していくという映画でした。結婚式の教会で花嫁のキャサリン・ロスを奪い、ドアの封印に使ったのが確か十字架だったと思うのですが、薄れていく記憶の中でも印象的な場面です。古い自分や凝り固まった人間関係・社会通念との決別を、鮮やかなシーンで切り取り、魅了させてくれました。

 娘と妻が男子学生服の第2ボタンについて話をしています。「卒業式の日に、2年生の女子生徒に欲しいと言われたのでやったことあるよ」と言うと、「そんなはずはない。お父さんがモテるはずがない」と信じてくれません。「お父さんの自慢話はいつも証拠がないものばかりだから」と、釣り逃がした60センチの真鯛の時の話と一緒にしようとします。悔しいけれど、口では敵いません。退散です。

 生まれて何度か「卒業」を経験し、自分なりには「面白い歴史」を作り上げてきたなぁ、とカップに揺れる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」に語りかけます。彼はいつも静かに頷き、私を信じてくれます。FMでも聴こうかな、サイモン&ガーファンクルの曲がかかるかもしれない。
 

◎桜の季節に

No.18 / 2008年3月21日配信

 開花したソメイヨシノの花びらに目を凝らせば、頼りないほどのかすかなピンク。青空の中で、角度によっては白にさえ見える淡い桜色。その「支えてあげたくなるような頼りなさ」も、満開を迎える頃になると、堂々とした華やかな色合いに見えるようになるから不思議なものです。そうなると世の中が急に明るくなったようで、もうじっとなんかしていられなくなります。そして満開とともに訪れる、はらはらと散りゆく様は短命ゆえの「えもいえぬ」風情。季節の細やかな息づかい、自然の彩色。日本人で良かったと思える瞬間です。

 源氏物語にも花の宴の記述があるといわれるくらい、古くから楽しまれて来た花見の宴。寒い冬をくぐり抜け、待ちに待った「桜の開花」に対するその当時の喜びは、現代の私たち以上のものがあったのかもしれません。酒がふるまわれたのはもちろん当然の成り行きでしょう。

 北へ北へと足早に駆け上る桜前線が日本国中に届けてくれるのは、心の中から自然に湧き上がってくる「幸せな気分」です。それは、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のナチュラルな旨味がもたらす気分とまさに同じもの。今年はそんな幸せ気分を味わうために、愛用のスキットルに「幸蔵」を詰め、弁当を持って桜色に煙る小高い斜面を歩くつもりです。「一人で花見に行って楽しいのかしら?」と首を傾げる娘にはまだ分るはずはありません。花の命の短さも「幸蔵」との初めての野外デートに胸踊らせる男の気持ちも。
 

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2008/4月

◎古いコートは脱ぎ捨てて

No.19 / 2008年4月1日配信

 真新しい黒いスーツの若い男性が、広いストライドで横を抜けていきます。ネクタイの締め方に若さを覗かせているので、おそらく新入社員でしょう。4月、ビルの谷間に新鮮な表情が溢れ、街が一気に若返ります。証券会社のガラス窓には自分の姿が映っています。歩幅が少し狭くなったのかもしれません。背中も丸くなったでしょう。そこにはいつの間にか、外見を気にしなくなった自分がいます。

 入社式、張りつめた雰囲気の中で、多くの若者が「組織のトップ」の言葉に頷きます。社会人の仲間入りをした「歓迎の言葉」と限りない可能性を持つ「若さの素晴らしさ」が語られ、「積極的に挑戦する姿勢」と「社会人の責任」という甘えられない話に伸びる背筋。これからは何事も自分の力で切り開いていかなければならないのです。頑張れ、ルーキー達! 逃げ出したくなるような局面にも幾度となく出くわすだろうけど…。「明日、世界が滅びるとしても、今日、君はリンゴの木を植える」と開高健は色紙に書きました。

 4月が訪れる度、新入社員が街に溢れる度に「今年こそは」と、これまで出来なかった項目がいくつも浮かび上がってきます。居心地の良い古いコートを脱ぎ捨てる時が、自分の人生にも訪れているのです。少しオーバーかもしれませんが。さっそく、私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のキャップをひねります。

 「また、儀式かい? 儀式ばかりじゃねぇ」と神様の声が聞こえます。

 


◎サラダ・ガール

No.20 / 2008年4月11日配信

 おかずがズラッと並んだ、昔ながらの「セルフスタイルの食堂」は大好きです。それも家族で営業しているようなアットホームな雰囲気の食堂。皿の形で値段が決まっているのは今の回転寿司と同じ考え方です。入社当時も今と変わらないおかずが沢山並んでいました。サバやアジの焼き物、フライ、卵焼き、肉じゃが、ほうれん草のおひたし、メザシに冷奴…。

 その当時珍しかった、ホワイトアスパラも盛りつけられているボリュームたっぷりのサラダに目を奪われ、思わず「あっ、サラダがある」。「サラダ・ガール?」と聞き違えた先輩は、化粧品会社のCMに使われた「僕のサラダ・ガール」について話を始めました。ゴダイゴというグループの曲からはフレッシュサラダのように「新鮮な感じ」がして、春のキャンペーンソングとしては◎だった、と記憶に残っています。

 そういえば、春のオフィス街はサラダ・ガールに負けない新鮮でお洒落な女性達でいっぱいです。季節に負けないくらいにフレッシュで華やか。とにかく、よく目を奪われます。帰宅後、夕食に出た「セロリ」のサラダを見た瞬間、思わず「サラダ・ガール」と口走ってしまいました。いつもサラダ付けているのに、今日に限って「サラダがある」なんて変な人?とばかり首を傾げる妻。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をグラスに注ぐ音も新鮮に聞こえる季節で す。

 


◎大人の「安・近・短」

No.21 / 2008年4月21日配信

 頬をかすめていく爽やかな風、新緑の季節が手招きをします。せっかくの連休、どこか「ひなびた温泉」にでも足を伸ばしたいものです。たまには日常を離れて、自然の中でリラックスしたいと考えるのが人間というものでしょう。何度も泣いた渋滞シーンが脳裏をかすめます。ウ〜ン、どうしよう。

 最近目にした「ゴールデンウィークの過ごし方」というアンケートの調査結果では、意外にもGWは家で過ごすという人が約7割でトップだとか。「テレビを見る、ラジオを聞く、インターネットを楽しむ」がGWの家での主な過ごし方で、行楽地情報や海外旅行の状況がテレビや新聞を賑わしているものの、現実は思ったよりも派手ではありません。

 よし、今年はエコロジーの観点からも車は止めて、歩いていける範囲の行楽に徹してみよう。リュックを背負って自然が残る郊外まで足を伸ばし、農産品や鮮魚の直売所で旬の美味しいものを買い込もう。夕方早く、湯布院の湯に変身した我が家の風呂で汗を流してリラックス。そして買い込んだ季節の旨いものを、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と一緒に楽しむのです。それはもう、環境対応型「安・近・短」レジャースタイルの究極のカタチ。ウォーキング込みだし、健康にも良さそうです。違いのわかる、大人の楽しみ方ですね。楽しみです。

 




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2008/5月

◎豆ご飯

No.22 / 2008年5月1日配信

 母の日が近づいてくると、豆(グリーンピース)ご飯を思い出します。ツヤツヤとしたご飯とともにふっくらと炊きあがった緑色の豆。少年時代の毎日の食卓が質素なものだっただけに、当時は新緑の季節の「豆ご飯」がとても素晴らしいご馳走に思えていたものです。母が「さや」を剥きながら、グリーンピースをお椀に取り出すのを私はじっと眺めていました。
 「俺んちは昨日、すき焼きやった」とクラスの子が話しています。話によるとすき焼き用の鍋を使って、卓上で作りながら食べるのだそうです。今では当たり前の話ですが。牛肉が高級品だからなのか、その子は少し自慢げです。「僕も食べたことがある」と隣に座っている私の親友だった子もキッパリと言いました。私はそれを聞いて、寂しい思いが心の中に広がったのを憶えています。その頃、私は本格的なすき焼きなんか食べたことがなかったのです。我が家では牛肉がカレーに登場することさえもありませんでした。

 母が早めに他界して、もう何度目の母の日でしょう。母の荷物を整理していた父が私にぽつりとつぶやきました。「お前が書き送った母の日の手紙を、何度も読み返していたよ」と。私が小さい頃、母はどこで感づいたのか、すき焼きが食べたいのを我慢していたことも知っていたそうです。そしてそれが辛かったと、も。本当は俺の責任だったんだけどな、これが、ほらお前が出した手紙と、父が手渡してくれました。「母さんに、旬の美味しさや大切さを教えてもらった気がする。感謝しなければいけないね。ありがとう」と見覚えのある若い文字が並んでいました。

 切ない記憶が脳裏をよぎる夜、カップに注がれた伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を静かに飲み干し、妻にご飯を頼みました。ほんわりと香りたつ暖かい「豆ご飯」が微笑み、母が教えてくれたとても豊かな時間が姿を現します。

 





◎初鰹

No.23 / 2008年5月11日配信

「目には青葉
    山ほととぎす 初かつお」

 江戸時代に詠われたというこの俳句は、記憶力の悪い私でも憶えているほどです。それは鰹が「初夏」の季節に欠かせない味覚として、江戸っ子の「粋な食習慣」に支えられ、広く伝えられきたからでしょう。黒潮に乗って太平洋側を北上する鰹は、秋に親潮とぶつかる三陸海岸沖で反転して南下するのだそうです。初鰹は北上途中の5月に水揚げされるもので、南下を始める9月の戻り鰹よりも脂の乗りが少なく、さっぱりとした味わいです。

 マグロの大トロはもちろん、和牛の霜降り、豚肉でも「豚トロ」と呼ばれる部分が賞賛されるイマドキの世の中。脂が乗り切っていない初鰹にとっては、「脂の甘み」が支持されるという、アゲンストの風が吹き抜ける苦しい状況です。それでも、五月になれば気後れもせず颯爽と登場する姿は「粋」の極み。旬の代表としての重責を果たすなど、それはもう感涙ものです。まるで「五月の風」のような趣で舌に触れ、食感さわやかに喉をくぐり、そして腑に落ちていきます。江戸っ子でなくても、誰が拍手を忘れましょうか。

 「ヘルシーっぽくて、いいかもね」と娘が宣います。何がヘルシーだ、粋だよ、粋! わかんねえだろうなこの感覚が。と、急に関東風の意気込み方になる自分が可笑しくなる季節です。初鰹には伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」と決めています。どうやら粋な同士は惹かれ合うようです。

 


◎五月病

No.24 / 2008年5月21日配信

 今年新入社員として入社したK君に元気がありません。 ゴールデンウィーク後に本社から配属されてきた社員です。歓迎会の時も大はしゃぎだったし、支店勤務当初は元気いっぱいだったのに、どうしてでしょうか。忙しすぎるからでしょうか。仕事の手順を説明しているときも、何やら上の空の状態で、魂が感じられません。

 本社の新入社員研修でも、常にリーダーシップを発揮してきたという逸材。柔らかいまなざしの中にも、しっかりとしたやる気が感じられる好青年で、私の新人時代と較べれば月とスッポン。それにしても、気になる元気の無さ。五月病かな? と心配してしまいます。私の指導に問題があるのでは、と思うと何だかこちらも落ち着きません。

 問題を先延ばしにするほど、コストは大きくなる。よし、ここは伝承かめ壷造り・本格麦焼酎「源次郎」にお願いするしか無いだろうと、行きつけの飲み屋に強引に連れて行きました。「源次郎」はいつものように人の心を開かせ、問題解決に力を貸してくれます。本社に残してきた彼女とうまくやれていないそうで、早速私はK君の先輩の代わりに「本社への出張許可」を与えたのです。

 出張から帰ってきた翌日から、K君はすっきりした表情で仕事に取り組んでいます。ふふふ、男と女は会うのが一番。してやったりです。ところが、しばらくすると誰が言ったか、課長が縁を切りにいかせたという噂がまことしやかに流れてきます。実はK君の吹っ切れたような表情は違う意味を持っていたのです。ウウッ、裏目に出た、許せK君。今度はこちらが五月病になりそうな気配。  

 




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2008/6月

◎父の日のお祝い

No.25 / 2008年6月1日配信

 5月の第2日曜日「母の日」はカーネーションのイメージで、華やかに語られます。一方「父の日」は母の日ほど盛り上がらないように見えますが、それは男のヤッカミからでしょうか。「父の日」が始まったのはアメリカで、多くの子供を男手一つで育て上げた父親のために、ワシントン州の女性が感謝の礼拝をしてもらったことから始まるのだそうです。1909年6月の第3日曜日、今からおおよそ一世紀前の話です。

 私も生前の母には、毎年母の日に「贈り物」をしていましたが、 そういえば父の日にモノを贈ったという記憶がそんなにありません。父親への感謝の気持ちがなかった訳ではないし、なぜだか不思議です。ただ、最近は一緒に食事をするようには心がけています。
 一度だけですが、大きな真鯛一尾をぶら下げて父を訪問し、捌いて刺身にして父子水いらずで一杯やった経験があります。それはとてもいい時間でした。男同士は「モノ」より「心」だ。「心」が一番大切なのだと信じ続けた我が人生。今でも「ありがとう」は照れるので言えないけれど、私の心はわかってもらえているでしょう。

 我が家に父の日が近づいてくると、私は娘に対して急に冗談が言えなくなります。どうしてでしょう? 欲しがっていることを覚られたくない男の気持ちと照れが、妙な生真面目さを生んでしまうのです。本当は35度の本格芋焼酎かめ壺熟成「半ぴどん」なんか、もらえたら最高なんだけどナ、などと軽口をたたきたいけどたたけない日々。「悶々とする」迄はいかないけれど、初恋の人に声を掛けられなかった不器用な少年時代と重ね合わせては、ついつい苦笑いをしてしまいます。  

 


◎瑞穂の国

No.26 / 2008年6月11日配信

 日本における約一月半の雨期、「梅雨」。6月の梅雨は旧暦では5月に当たるので、五月雨(さみだれ)と呼ばれていました。「五月雨を 集めて早し 最上川」。奥の細道で詠われた芭蕉の印象的な梅雨の句です。基本的にはだらだらと続く五月雨(梅雨)も、近年は集中豪雨で河川の氾濫も頻発しているので気を許せません。

 面倒な雨傘のシーズンは湿度が高く、夏の気温と相まって、毎日が不快指数との戦いとなります。カビ、食中毒の本格的なシーズンが始まり、我が連れ合いは気が抜けないと、不満たらたら。エアコンの部屋が洗濯物に占領される情景には、いらだちさえ覚えてしまいます。
 とはいえ、我が瑞穂の国を支えているのが梅雨の雨。雨の多い田植えの時期があってこそ、黄金に輝く収穫の秋が訪れるというものです。日本人の食文化を考えると梅雨に文句は言えないはずですね。むしろ、恵みの雨だと感謝すべきものかもしれません。

 雨が続く梅雨の夜、氷の音をグラスに響かせながら、伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」のルーツに想いを馳せます。恵みの雨と陽光に育まれた瑞穂の国の焼酎に癒される瞬間。ふ〜っ、日本人で良かった。それに、宮崎県串間市大束のシラス土壌の畑では、サツマイモも静かに「約束の季節」を目指して成長を続けています。ふふっ、秋の幸蔵がとても楽しみです。「お父さんは楽しみが多くていいわネ」と、焼酎の原料についての蘊蓄を聞かされた連れ合いも皮肉半分、うらやましさ半分。
 

 


◎半夏生(はんげしょう)と蛸

No.27 / 2008年6月21日配信

 雑節のひとつである「半夏生(はんげしょう)」は毎年7月2日頃で、今年は7月1日だそうです。この時期に「半夏」という薬草が生えたことからそう呼ばれたのだとか。梅雨も後期、田植えも終了する頃で、この日の天候で今年の稲作を占ったり、田んぼの神様を祭ったりする風習が伝えられています。関西地方では稲の苗が蛸の足のようにしっかりと大地に根をはり、豊作となるようにと「蛸」を食べる習慣があるそうです。

 九州に住む私が「半夏生」を知ったのは、以前、新聞に折り込まれていたスーパーのチラシに掲載されていたことがあるからです。そして、この時期が真蛸の旬にあたることからも、おすすめ食材として大きく訴求してありました。「旬の真蛸」、とても旨そうです。「半夏生の風習」を越えて「旬の美味しさ」のほうに目がいくのは、私の性格上、仕方がありません。

 蛸の刺身はもちろん、蛸の天ぷら、蛸ごはんなど、どれを見ても唾液腺が有頂天になりそうなものばかり。生蛸の刺身に梅肉醤油をつけて食べたら最高だろうな、と考えるだけでわくわくします。蛸の天ぷらも酒の肴にぴったりだし、蛸ごはんなどはまさに粋の極致。四季を彩る旬の美味しさに囲まれた、日本人の感性豊かな食卓。そんな旬の味覚がこの蒸し暑い季節のストレスを吹き飛ばしてくれます。今夜は「旬の真蛸」と伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が待っています。私は今とても幸せです。

 

 


↑(半夏)

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2008/7月

◎願いを込めて

No.28 / 2008年7月1日配信

 アメリカの火星探査機フェニックスは火星への軟着陸に成功。すぐに「氷らしい物体」の撮影画像がNASAより発表されました。国際宇宙ステーションでは日本の有人宇宙実験施設「きぼう」の本体部分取り付けも完了。科学者ならずとも夢が膨らみます。

 現在、月を周回中の「かぐや」からは、月の荒涼とした大地の彼方に青白く輝く、美しい地球の画像が送られています。画像には映りっこないのですが、かつては月には餅つきウサギが住んでいたものです。かぐや姫は満月の月の都に帰っていきました。月をはじめとする宇宙はベールを一枚ずつ脱がされていきますが、幼い心を満たしてくれたあの「昔話」は色褪せることはありません。

 夏の夜、天の川をはさんで思慕の情を募らせる「織姫星」と「彦星」。天帝より引き離された二人は、年に一度、七夕の日だけに逢うことを許されています。一方、我がつれ合いとは泊まりの出張日を除いては、努力をせずとも家の中で簡単に毎日逢えます。減らず口をたたきあう毎日は銀河の瞬きほどロマンチックでも、織姫星と彦星のようにドラマチックでもありません。それでもそのつれ合いは、私にとって娘とともに大切な存在なのは言うまでもないことです。
 結構迷惑もかけています。七夕の短冊に願い事を書き込むのなら、「元気でいてくれよ」だななんて、普段は口に出せない精一杯の独り言。グラスの中で伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」がニヤニヤしています。 

 

 


◎キャンプ

No.29 / 2008年7月11日配信

 重い家型のテントを二人がかりで運んだ中学時代。分厚い生地のテントは頑丈だったけれど少年の肩にはずっしりと重く、持ち運びに苦労した想い出があります。大人になってオートキャンプを始めるころには、もう既にドーム型のテントが主流で、ずいぶん軽くて手軽なモノになっていました。テント地と骨組みが一緒になった、ワンタッチテントなる究極の便利テントだって所有した経験があります。大きな折り畳み傘を広げる要領で、さっとテントを張ることが出来ましたが、楽だった分、ドーム型の重いテントのようにキチンとした記憶になっていません。

 サンオイルの匂いと潮風は青春時代の海のキャンプ。打ち上げ花火後の線香花火の切なさに見入った星明かりの浜辺。はしゃいだ後の沈黙、そして波の音。 日焼けの熱で眠れない夜。山のキャンプは懐中電灯の光が届かない暗がりから聞こえてくる、肝試しの風の音。ガサ、ゴソ。キャ〜。私の片思いだった人の手が求めたのは私の友人の腕でした。夏のキャンプはどうしてあんなにスリリングで、甘酸っぱい想いに充ちていたのでしょうか。

 今でもキャンプの夜は絶対にたき火です。枯れ枝がパチパチ爆ぜる中、寄せ合う顔はオレンジ色。なぜかじっくりと話したくなる夜。仲間と行く大人のキャンプも捨てたものではありません。私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を連れて行きます。幸蔵ロックをシェラカップでやるのも粋ですが、今年はブロック氷とアイスピックも忘れないようにしないと。

 

 


◎土用の丑の日

No.30 / 2008年7月21日配信

 近年の夏の暑さには開いた口がふさがりません。猛暑が続くと、近所の犬よろしくハアハアハアと苦しい息づかい。このまま、地球に環境負荷をかけ続ければ、北極にはシロクマも住めなくなってしまいます。なんとかしなくては。地球温暖化防止に個人生活レベルでもやれることがあります。家では極力エアコンの使用を控えたり、使うときは設定温度を高めたり。エアコンを入れる際も「お前は本当に我慢できなくなったのだな?」と心の中で自分に必ず問いかけよう。と、いっても熱中症にならない程度にですが。

 そんな猛暑の夏を快適に過ごすには、やっぱり夏バテしない「食の環境」づくり。出来るだけ楽しめるように、食生活を整えることが大切です。楽しく、美味しく、食べて飲む。私の場合、単純だけど夏の元気はそれにつきます。

 平賀源内が夏場のうなぎが売れるようにとの相談を受けて、「土用丑の日」にうなぎを食べることを宣伝したのは江戸時代でした。今年は7月24日が土用の丑で、8月5日が土用二の丑なので、うなぎを2度楽しめるというわけです。ふふっ。蒲焼きと白焼きが目に浮かびます。飴色に光る鰻の身に山椒の粉をふりかけて、濃厚な味をガツガツガツ。レモンと塩、山葵も少々のあっさり白焼きをぱくぱくぱく。品よく食べようと思っても箸のスピードが落ちません。

 土用の丑の「濃厚系」も「さっぱり系」も上手に引き立てるのが伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」。かめ壺の中で磨きをかけられた味わいには、自己主張しすぎない「アシスト」の精神も備わっています。 

 

 


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2008/8月

◎久しぶりの笑顔

No.31 / 2008年8月1日配信

 モクモクと白い入道雲。蝉時雨がどこまでも続く石段をのぼり、流れる汗を拭きながらの故郷のお墓参り。彼岸に帰省できないことが多く、良いか悪いかお墓参りは必ずお盆に済ませます。小さい頃、兄弟で競争して駆け上った長い石段を、今年も踏みしめる予定です。掃除を済ませて墓石に水をかけた後に訪れる、清々しい気持ちは何ともいえません。

 盆の里帰りの嬉しいところは、何と言っても久しぶりの笑顔に会えることです。兄弟だって遠距離のため、簡単には会えなくなってしまいました。久しぶりに会える喜びは、毎年、年輪の外径のように大きくなっていくのが分かります。そこで感じる不思議な安心感と温かさは格別です。

 小学生のときの盆の想い出は、ふすまを取り外した二部屋続きの広い居間に、いくつも連ねた大きな座卓。親類縁者の宴会です。卓上には精一杯のお盆の料理が乗っていました。それを取り巻くコップ片手の赤ら顔と大きな声。当時の厳しかった経済状態やそれを乗り越えた苦労話。縁側から吹き込む風が止み、扇風機の首を振る音が規則正しく響く午後。どうして大人はあんなによく喋るのだろうと、私はすぐに飽きて近所の小川へザリガニ獲りに出かけたものでした。

 盆には最近はほとんど食べることのなくなった「棒鱈の煮付け」が無性に食べたくなります。細く切った油揚と一緒に煮込んだ棒鱈は幼い頃の年中行事の美味しい思い出。さあ、久しぶりの笑顔に会える日がやってきます。今年は伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」も一緒に里帰りする予定なので楽しみです。 

 

 



◎西瓜のある風景

No.32 / 2008年8月11日配信

 スーパーの果物売場でカット西瓜が赤い顔をして私を見つめています。いろいろ理由があって、大玉一個買うわけにはいきませんが、どうしても夏の盛りに食べたくなる果物です。重量の90%以上が水分だという、瑞々しい爽やかな甘さが手招きをします。糖度13度と書かれたシールが貼ってあるのできっと甘いのでしょう。私は魅入られたようにカット西瓜を手に取り、財布の中から500円玉を一枚抜き取り、レジのお姉さんに手渡しました。

 西瓜は夏の風物詩のひとつとして幼い頃の記憶に結びつきます。兄弟の数が多くて、一人当たりの分け前が少なかった時代です。少し強めの夕立に湿気の残る縁側、隣の家から流れる、音声だけのプロ野球中継。磁器の風鈴がチリンと鳴き、蚊取り線香の煙が揺らぐ時間。時々しか味わえない、夕食後の貴重な「大人数のデザートタイム」の始まりです。薄切りにされた真っ赤な西瓜は、差し出された多くの手によって、すぐになくなってしまいます。もっと食べたい思いを抑えながら、最後の種を庭に向かってピュッと飛ばしていたのを思い出します。

 大きな西瓜を腹一杯食べてみたい。半分に切った西瓜にスプーンを立てて気がねなく食べてみたい。そんなことを今でも本気で考る自分が可愛くて、笑ってしまいます。「あら、丸のまま買ってきたの。今、冷蔵庫には入りませんよ」と我が連れ合いのそっけない声。10年前のその声以来、私の夏は悔しいけれどカット西瓜ばかり。そういえば、西瓜のために小型冷蔵庫の購入を考えたこともあったなぁ。と、未だに実現できない「丸ごと西瓜激食い作戦」。残念な気持ちを今日も静かに受け止めてくれるのは伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」しかありません。とかなんとか、理由を付けて今夜もとくとくとく。


 

 


◎夏のかおり

No.33 / 2008年8月21日配信

 8月の終盤の記憶は、翳りの色をのぞかせる太陽の光。すでに原色の季節はピークを越え、涼風が熱帯夜の喘ぎをさらっていく。そんな季節の変わり目を感じさせるような晩夏のイメージも、近年はすっかり変わり果ててしまったようです。猛暑の太平洋高気圧の影響が長く続く状況が多くなりました。

 それでも夏至から日数を重ねる毎に、昼の長さは規則正しく短くなり、夕空も知らないうちに茜色の準備をこつこつと始めています。そんな夏の終わりの夕暮れ時間、ふと、この夏の出来事が脳裏をかすめます。それは過ぎ行く夏の想い出を心のページに整理しなさいと、神様がプレゼントしてくれた時間なのでしょう。今年の夏は何があったのだろう。ワクワクすることってあったかしら? 残念ながら答えはNOです。二十歳の頃とは違って、魅惑的な想い出に恵まれない最近の夏。今年は結局キャンプも中止になったし、これではいかん!

 こうやって、結局この時期、私は栄螺(さざえ)を買いに出かけることになるのです。日曜の夕方、窓を開け放って網の上で栄螺のつぼ焼きを始めると、いつもは知らんふりの娘がニコニコしながら寄ってきます。「私も一杯もらおうかしら」と連れ合いの声。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をロックでぐびぐびやりながら、味わう旬の栄螺。部屋中に漂う夏(磯)のかおりが幸せな時間を運んできます。手軽すぎる夏の想い出づくりではありますが、もう止められない習慣になってしまったようです。



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2008/9月

◎敬老の心

No.34 / 2008年9月1日配信

 しばらく前までは9月15日が敬老の日でしたが、ハッピーマンデー制度により9月の第3月曜日に変更されています。今年は巡り合わせがよく、ちょうど15日になります。アメリカなどにもグランドペアレンツデー(祖父母の日)はありますが、国民の祝日としての「敬老の日」は日本独特のものかもしれません。その日はご存知のように、これまで長い間、社会貢献されてきたお年寄りを敬い、長寿を祝うための日なのです。

 「まだ、敬老の日のお祝いなんかいらないよ。俺は爺さんなんかじゃないから」と、拒否の態度を表わすのが我が父親。本当に元気で、「お年寄り」のカテゴリーには入りそうもない程の気力溢れる人間です。おそらくこの先ずっと、子供のほうから父親に対して行う「敬老用」プレゼントなど不要でしょう。ところが、孫からの贈り物なら拒否の態度をサッサと180度変えてしまうのが我が父親の凄いところ。去年は、娘がいとこ達とお金を出し合って買った、玩具のような陶芸ろくろマシーンに早速ハマっていました。

 祖父母とも他界してしまい、私にとっての敬老の日は単なる休息日になってしまっていますが、心の中の敬う気持ちだけは消えることがありません。「おじいちゃんが買ってくれた青バット」のおかげで、野球好きになってしまった我が人生。忘れることなど出来やしません。敬老の日は明治生まれだった祖父の厳しくて優しい顔が浮かんできます。伝承かめ壷造り・本格麦焼酎「源次郎」を一杯やりたくなる日です。



◎中秋の名月

No.35 / 2008年9月11日配信

 人が満月の晩に狼男へと変身する映画を見たことがあります。満月の光の中、口が裂け、毛がはえ、爪が伸び、狼に変貌していく様子はフィクションとはいえ、けっこう恐ろしいものです。満月は人を狂わせるという言い伝えがヨーロッパにはあるそうで、風流な行事として楽しむ日本とは少々趣を異にします。

 珊瑚やウミガメなども満月の夜に産卵することが確認されているし、生き物が月の影響下にあるのは否定できないところです。そんなお月さんが美しく登場するのは初秋の夜空。空気が乾燥してくると遠くのものがくっきりと見えてくるので、夜空の満月がとっても美しく感じるようになります。

 美しい自然を愛でる心が満月の夜にはかき立てられます。「お〜い、団子だ、ススキだ」と団子など普段はほとんど口にしない人間が、家の中で叫びだします。満月になったからって狼になったり、私が狂ってしまうわけではありませんが、積極的に妻に注文を出すようになるから不思議です。

 中秋の名月を眺めつつ、好きな酒を一杯やる習慣っていいですね。風雅な心に乾杯! 今年は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で月見酒と洒落てみたいものです。ちなみに今年の中秋の名月は9月14日、 満月は15日だそうです。ウォー! さあ、楽しみな月夜だ!
 その日見れない人は、十三夜のお月見はいかがでしょうか。こちらは10月11日だそうです。



◎贅沢な季節

No.36 / 2008年9月21日配信

 私たちを取り巻く季節が秋を告げると、美味しいものが一斉に食卓を飾り始めます。秋刀魚をはじめとする海の幸、そして秋に収穫を迎えるたくさんの山の幸・大地の恵み。秋風が涼しくなってくると食欲もグンと増して、身体が収穫の季節に対応できるようになるのが不思議といえば不思議です。

 秋刀魚の塩焼きならば、カボスやレモンをぎゅっと絞ります。露地物のカボスは「10月にかけてが旬」といわれるので、大分県(幸蔵酒造のある宮崎県の隣の県・大分県はカボスの特産地)の人は幸せです。ひとつの料理で旬をダブルでいただけるなんて、凄く贅沢ですね。

 脂の乗りも良くなってきた秋アジの刺身も旨味を増し、晩酌党をワクワクさせます。独特な九州のとろりと甘くて濃い「刺身醤油」に少しつけていただきます。黒い刺身醤油の表面にさっと広がる魚の脂。おろした生山葵の味と相まって、えも言われぬ美味しさです。

 ミシュランの星が付いた店にはかなわないかもしれませんが、「秋の旬の味覚」は家庭でしっかりと楽しめるところが凄いところです。松茸は準備できなくても、良質の椎茸は手に入れることができます。大振りの椎茸のひだの部分に醤油を垂らして、バターも少々乗せて焼いてください。それに一味唐辛子をさっと振ります。旨い! 伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と相性もばっちり。私はこの豊潤で贅沢な季節が大好きです。



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2008/10月

◎ボスの日

No.37 / 2008年10月1日配信(予定)

 アメリカで半世紀前(1958年)に提唱されたという「ボスの日」って、いつだかご存知ですか? 私はやっとこれで憶えることが出来ましたが、10月16日がボスの日のようです。ボスと部下の関係を円滑にするものとして企図されたものですが、残念ながらその日に後輩より「労をねぎらってもらった」記憶はありません。もちろん、私にほうから先輩の労をねぎらったこともありません。  「望まれるボス像」ではないと確信を持てる私ですが、過去にも幾人かの素敵なボスを持つ幸運には恵まれました。そのボス達は、強い弱いはあるものの、 みんな酒の飲み方が上手かったように記憶しています。「一杯行くぞ!」と誘われては体験談を聞かされたり、いつも耳に痛い苦言を呈せられたり。

 それでも、飲んだ話しの中に問題解決のヒントが見つかったことがありました。自分の人生の中の「やる気」を上手く引き出してもらったこともあります。 上司のそれらの全てに感謝です。まだ私はボスの日にねぎらってもらうのではなく、上司に感謝の気持ちを伝えなくてはならない側の人間なのかもしれません。

 デジタルな判断が求められる性急な世の中です。残念ながら、心をつなぐ付き合いが減りつつあるのも事実です。世の中から無くしてはいけないものに危機が迫っています。さあ、部下の人もここはひとつ思い切って上司に一声。信頼できる上下関係を目指して「暖簾(のれん)」を一緒にくぐるというボスの日のご提案を。そう、私なら伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が待っているところにお誘いします。案外、その一杯が幸せな人生の扉を開いてくれるかもしれませんからね。


◎新聞少年

No.38 / 2008年10月11日配信(予定)

  少しの期間でしたが、小学6年生の時に夕刊の新聞配達をしていました。どうしても欲しい戦艦武蔵のプラモデルが欲しくてたまらなかったからです。母親に当時流行っていたプラモデルを買ってほしいなど、言えるような家庭環境にありませんでしたから、自分で調達するしかなかったのです。 雨降りの日、配達の途中で新聞の束を水溜まりの中に、思わず落としてしまったことがありました。今なら雨の日はポリ袋に入れて配達しているので問題はなかったかもしれませんが、当時は違いました。大切な新聞を濡らしてしまったので、配達も半泣きの状態です。精肉屋さんの女将さんに謝りながら、半分ほど濡れてしまった新聞を恐る恐る手渡しました。「なあに、大したことないじゃないの。毎日ご苦労さん、はい、これご褒美よ。食べていきなさい」と店頭揚げたてのコロッケをくれたのです。手渡されたアツアツのコロッケと女将さんの優しさに私は救われました。

 10月15日からの一週間が新聞週間だそうです。期間中は新聞に関する様々な催しが行われ、期間中の日曜日が「新聞配達の日」と定められています。その「新聞配達の日」は平成2年までは「新聞少年の日」と呼ばれていました。元・新聞少年は、ときどき商店街のアツアツコロッケを買いに出かけます。そんな日は伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」がコロッケのお相手です。理由を知っている連れ合いは、自分が作らなくても良いからなのか、毎回ニコニコしながらそのコロッケを頬張っています。


◎椎の実

No.39 / 2008年10月21日配信(予定)

 半ズボンをはいて走り回っていた頃の、深まる秋の想い出は「椎の実」です。小高い丘のような小学校裏山に何本も生えていた椎の大木は、子供達のヒーローでした。樹々の間のスペースを利用しての陣取り合戦、缶蹴りは楽しかった想い出です。遮るものが少ない学校の運動場ではドッジボールやソフトボールは出来ますが、陣地になる樹や隠れる場所が必要な遊びは出来ません。そんな遊びの場を提供してくれたのが椎の木の裏山だったわけです。

 私たちは夏の終わりの夕焼け時、幹を触っては、早く椎の木にドングリが実らないかなと小さな胸で願ったものです。朝夕の風がヒンヤリし始め、裏山の石段に植わっている桜の葉が紅や黄色に色づき始める頃には、もう待ちきれない思いに溺れてしまいそうでした。「昨日、椎の実が落ちてた」という友達の一声で、地面に落ちたほんの少しのドングリを目指して、放課後の校門を脱兎のごとく飛び出していました。そんな姿を思い浮かべては微笑ましく、つい口元が緩んでしまいます。

 僕たちは半ズボンの両ポケットに椎の実をいっぱい詰めて、家路を急ぎました。途中、我慢できなくなった時は二つ三つと、生のまま齧っていました。家で母によく煎ってもらいました。栗のようにはほっこりと甘くはないけど、懐かしい自然の甘みがあります。それはもう、かけがえのないおやつでした。

 椎の実は農産品直売所で売っているかもしれません。週末は郊外に出かけてみようかな。煎った椎の実の皮をポリポリ剥くと、秋の夜長が懐かしい想い出でいっぱいに満たされそうです。もちろん、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をやりながら、ですよ。



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2008/11月

◎蕎麦打ち

No.40 / 2008年11月1日配信

 昔、学生の頃、アルバイトでレストランの調理補助をやっていました。様々なプロの技を目の当たりにすることができ、いつの間にか簡単な料理くらいは自分で作れるようになったものです。幼い頃から工作やお絵描きなどが好きだった土壌があったので、料理に限らず「ものを作ること」への興味はその時点からさらに広がっていきました。
 
 面白そうだったので、当選者が参加できる無料の蕎麦打ちの講習会にも出掛けた経験があります。講習会後に食べた自分で作った蕎麦が、形はともかくけっこうな味でした。ものづくりの心に火がついてしまい、さっそく、通販で廉価な「蕎麦打ちセット」を買い求めました。毎週蕎麦粉を買いに走ったことも思いだします。

 習った通りに蕎麦粉・小麦粉・水、そして蕎麦つゆ材料を用意して数回挑戦しましたが、上手くいきません。どうしても麺が上手く打てないので、原因を蕎麦粉の中に見つけようとしたのです。東北地方の有名な蕎麦産地から蕎麦粉を取り寄せたりと、それなりには頑張ったつもりですが、遂に最後はギブアップ。蕎麦打ち能力の無さに愕然としました。くやし〜。それ以来、蕎麦打ちセットはクローゼットの奥深くで眠り続けています。

 昨年登場した「いえそば」なる玩具メーカーの簡単蕎麦打ちマシンの評判も上々で、何やら市民権も得た感じです。が、私は振り向かずに、週末には刺身包丁でアジの刺身をひきます。やっぱりソバよりアジだ、などと訳のわからない言葉を吐きながら…。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が苦笑いをした後、ぽつり。魚をさばけるなら、上出来だよと慰めてくれます。



◎晩秋の食卓

No.41 / 2008年11月11日配信

 夏の続きが終わるとすぐに冬が始まるという、奇妙な季節感覚が定着してきました。なんだか秋が夏に食い尽くされている感じです。気を許したら、コスモスや紅葉の秋があっという間に通り過ぎてしまいますね。秋大好き派の私としては、現在の地球環境が向かっている方向性に賛成はできません。

 最後の命を赤く燃やして散っていく、樹々の風景。すべてが大地に還っていく足音の静けさ。私たちは「もののあわれ」を季節の中で自然に学び取っていました。情緒を育む秋という季節の存在価値は日本人にとっては計り知れないものがあります。休日にはビル街から離れて、もっと雑木林と話をする時間が必要なのかもしれません。駆け足の秋を見逃したくなければ、注意深く見つめていなければならないという時代になってしまいました。

 季節はつかの間の晩秋。この季節になれば、心と体が強く求めるのは温かい食べ物です。数多く存在する「暖まる料理」の中でも、やっぱり鍋料理にかなうものはありません。私は寒い季節の最強の料理だと確信しています。いろいろな種類を楽しめるのが鍋料理の良いところで、飽きることがありません。地方で昔から愛されてきた伝統の鍋料理から、このところ話題になっているカレーの鍋料理まで、本当に様々です。

 野菜もしっかり食べることになるので、健康にもいいのダ、とメタボの身体も賛同します。しかし、私にとっての本当に大切な公式というのは、[鍋料理+伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」=幸せ]だということ。「幸蔵」の姿が見えない鍋のシーンはつらいものです。ワインも合うわよという連れ合いの言葉にも、一度だって縦に首を振ったことはありません。私は自分のための幸せな「食のシーン」づくりには、けっこう頑固なのです。



◎お歳暮

No.42 / 2008年11月21日配信

 お歳暮という生活歳時の習慣が少しづつ薄れつつあるのでしょうか。あるインターネット調査では「歳暮でものを贈る人」の割合は半数を下回っていますし、他のアンケートでもだいたい半数前後です。とはいえ、依然半数近くの人が贈り物をしているという訳ですから、国民の大きな風習であることには違いありません。

 お歳暮を贈り始めたのは結婚を境にしてからです。媒酌人さんへのお礼で始めた時に、両親や兄弟にも贈ることにしました。それから毎年、中元と合わせて年に2回、必ず送り届けています。最初は感謝の気持ちと儀礼的な義務感が入り交じったお歳暮だった訳ですが、それも時とともに思いが変わってくるから不思議なものです。

 媒酌人さんへのお礼の期間としては、5年くらいでいいよ、会社を退職されたからもう必要ないよ、などいろいろな考え方を聞きます。決まった答えはないので、自分で結論をつける場合には「自分なりの理由」が必要になります。感謝の気持ちは5年で終わるものではありません。五年は遥か昔に過ぎ、今では先方が断ってこられた場合・亡くなられた場合を除いては最後まで贈り続けることに決めています。

 お歳暮を送ると必ずお礼のたよりを頂きます。現況の文章の中に元気に暮らしていらっしゃることが判断できると、高齢なだけにホットします。合理的な判断を無視して贈り続ける意思が報われる瞬間です。傾けるカップの中の伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」もにこっと微笑んで頷いたようです。私と昔気質は頑固者同士。さあ、今年もお歳暮のシーズンです。



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2008/12月

◎忘年会

No.43 / 2008年12月1日配信

 胃腸薬やウコンドリンクのコマーシャルがテレビから流れてきます。忘年会の誘いが増える師走に突入しました。この一年のねぎらいを込めて行われる忘年会は、個人的には気持ちのやり取りが出来るので大歓迎です。そうはいっても、職場内や会社関連先、個人的な飲み会も含めた度重なる忘年会では胃腸や肝臓も弱ってしまいます。

 ところが、絶対に飲み過ぎないようにしようと思っていても、この一年間一緒に戦ってきた同僚の顔を見ると、もういけません。「今年もキツかったなぁ」 等と口走りながら、グイグイとやってしまいます。気をつけているはずの平日の忘年会でも、ついつい、同じことを繰り返してしまいます。

 日本の忘年会の歴史は室町時代以前に始まったという説もあるように、そんじょそこらの軽いものとは違います。今と違って、最初は和歌など詠みながら風流に行われていたのでしょうが、宴会のスタイルは変わっても、心や情けを酌み交わす重要性は変わるものではありません。むしろ、現在のストレス社会ほど、その必要性が叫ばれる時代はないのではないかと考えたりします。

 三次会後、深夜に帰宅してキッチンのテーブルを見ると、お帰りなさいと書かれた紙と一緒に、肝臓のためのドリンクが一本置いてあります。どうやら私の気持ちを分かってくれるのは、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」だけではなかったようです。



◎クリスマスの思い出

No.44 / 2008年12月11日配信

 街のデパートやファッションビルには大きなクリスマスツリーが飾られ、街路樹もLEDライトの光で綺麗に化粧されています。街に光が満ち溢れ、道行く人の表情も明るく輝く季節です。手をつなぐ笑顔の恋人たち。ツリーの前で子供の写真を撮っているお母さん。幸せな情景につい立ち止まってしまいます。

 ビング・クロスビーのクリスマスソングがゆったりとラジオから流れ、ケーキを食べることが出来る日がクリスマスだと勘違いをしていた遠い日々。「うちはキリスト教じゃないから、靴下をぶら下げてもサンタクロースは来ないのよ。正月のお年玉を待ちなさい」と、母に諭されて、残念な思いでいっぱいだった小学二年の12月。

 親が何でも買ってくれる家庭状況にないことは、幼心で分かっていても、残念な気持ちは拭いきれません。プレゼントを持ったサンタが毎年来るという友達。お母さんがケーキを焼いてくれるというハイカラな家の友達。まぶしく見える友達たちに嫉妬を覚えながらも、溶けにくいバタークリームのケーキを兄弟と競って食べたものです。25日の閉店間際に安くしてくれる、近所のパン屋さんの小さなクリスマスケーキを。

 窓の磨りガラスを通して、明るい反射光が差し込む寒い雪の朝。私の枕元には、銀玉が発射できるプラスチック製のピストルが置いてありました。目を疑ったクリスマスの朝。台所からはみそ汁に入れる菜っ葉を刻む包丁の音が、いつものように暖かく聞こえていました。怒られることばかりだったけど、最後に優しさを用意してくれていた母。12月、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の温かい湯気が、懐かしい記憶を紡ぎだしてくれます。



◎除夜の鐘

No.45 / 2008年12月21日配信

 サブプライムローン問題に端を発した金融危機が、世界を覆ってしまった2008年でした。いやでも、私たちの暮らしの上に不況という不安の種をバラまいてくれました。そして世界的な原材料価格の高騰、夏まで上がり続ける一方だった原油価格。明るい話題よりも私たちを沈ませる話題が多すぎました。

 家計をあずかる我が連れ合いもボーナスの影響か、いつにも増してぼやき気味。私も小遣いをセーブしなくてはならないのが癪ですが、それくらいのことは仕方ありません。いい時もあれば、悪い時もあります。もっと大変な状況に置かれている人のことを考えると、幸せだと思うほかはないのです。

 与えられた負の環境だけに右往左往するより、今、自分がしなければいけないことが、「ちゃんと出来ているかどうか」の方が重要なのかもしれません。私が今年、やろうと思っていて出来なかったことの多くは、世の中のせいではありませんでした。全ては自分自身の本気不足や努力不足のせいでした。

 さて、私の大晦日。テレビの「行く年来る年」から流れてくる108の除夜の鐘を聞きながら、今年一年を顧みて多くの反省点に愕然としながらも、新しい年の可能性に希望を見つけようとしているでしょう。Yes,We Can! 来年に向けてのフレーズは「新年は、信念だ!」にしようかな。今年もまた、唐津焼のカップに揺れる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と、一緒に年越しできる幸せを感じながら…。



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2009/1月

◎春の七草

No.46 / 2009年1月1日配信

 飲んで食べて、そしてごろごろ・グーグー(寝)の正月が終わる頃には、毎年決まって胃腸の調子に黄色信号が灯ります。年のはじめには兄弟姉妹と元気な子供たちが集まるので、正月の食事会は賑やかな宴会の様相に。ついつい飲み過ぎてしまいますが、仕方ありません。嬉しい飲み過ぎです。

 脳は使わず胃腸と肝臓だけを酷使した後の仕事始めは、身体も頭もシャキッとしない情けなさ。こんな時、私の心を引き締め、胃腸を優しく休ませてくれるのが「七草粥」。自分が日本人だという事を再認識させてくれる、ありがたい家庭行事です。

 せり、なづな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの「春の七草」。昔、学校で懸命に憶えた記憶があります。平安時代の「枕草子」にも、七草を使った粥の習慣が出てくるそうです。七草を6日の夜に包丁でたたき、7日の朝にそれを粥にして食べるものだとか。邪気を払い、病を寄せ付けないようにとの風習は、なんだか節分にも通じるところがあって面白いものですね。

 消化が良くて、ビタミン類を多く含む「七草粥」は、フレッシュな草(葉)の香りとさっぱりしたかすかな塩味。お腹にじわ〜っと、優しさが広がります。

 さて、お腹の次は心です。もちろんそんな夜は、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯割りに決まっています。心にじわ〜っと温かさが広がる言いようのない幸せ感。さあ、今年もガンバらなくては。



◎雪 女

No.47 / 2009年1月11日配信

 温暖な九州といえども、やっぱり冬は寒く、雪が全く降らないわけではありません。亜熱帯化が懸念される心配な温暖化現象の中でも、まだ雪を目にしない年はないようです。ただ、積もることが少なくなった事実だけは覆しようがありません。

 雪が沢山降り積もった日には、先生の「次の時間は雪合戦だ!」の声が嬉しかった小学生時代。霜焼けの両手でしっかりと雪を固めて、相手めがけて全力で投げ込んでいた事を思い出します。理科の実験ではボウルに雪を入れ、塩を振りまき、その中で砂 糖水の試験管シャーベットを作った事もあります。とても楽しくて美味しい実験だったので、大人になっても忘れる事はありません。

 大好きだった先生は山陰地方の出身で、雪が降るとなぜか嬉しそうにしていました。私たちに聞かせてくれたラフカディオ・ハーンの怖い「雪女」の話もよく憶えています。当時は雪国ほど積もらないにしろ、一面の銀世界を何度か体験していたので、話の中で雪女が登場する場面の寒さや厳しさも違和感なくイメージできました。今の子供たちはどうでしょうか。

 さて、20日は大寒。一年中で一番寒い時期に突入します。雪でも積もらないかな、雪割りの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」も面白いかもしれない。そんな事をぼんやり考えていると、「早くお風呂に入ってくださいよ、ヌルくなりますから! ガス代もったいないし」などと、雪女より恐い声がしました。 ・・・ブルッ。



◎寒サバ

No.48 / 2009年1月21日配信

 身が締まり、脂が乗って、旬を迎える時期にその美味しさにハマってしまうのが「サバ」です。全国的にはサバの旬は秋だとされるところが多いとされます。旬のものは美味しすぎ、もったいなくて食べさせたくなかったのか、昔は「秋鯖は嫁に食わすな」などと言われたそうです。もちろん、今ではそんな嫁いびりのセリフなど聞くこともありませんが。

 私の住む九州ではサバはやっぱり「冬」です。「寒」のサバが一番です。サバ大好き派の私としては、冬は大衆魚のサバの旨味が高級魚を凌駕する時期であると、信じて疑いません。脂が乗った新鮮な寒サバは刺身を刺身醤油につけると、さっと脂が刺身醤油の表面に滲みながら広がります。フフッ、もう待ちきれません。だめです、唾液腺が暴走しそうです。

 寒サバの水揚げの多い博多では、新鮮なものを「胡麻サバ」として食べさせてくれる店が多いのですが、簡単に作れるので自宅で楽しんでいます。みりんとすり胡麻を加えた醤油にさっと漬けて馴染ませ、皿に盛った後、すりゴマ・刻み海苔・小口の刻みネギをたっぷりのせ、最後にワサビを添えるだけです。

 サバには脳を活性化させる栄養成分のDHA、EPAもたっぷり含まれているので、いうことなしです。「小さい頃から好きだったし、よく食べたものだ」 と言うと、その割には記憶力が悪いんじゃないの、などと軽く毒づく連れ合い。寒サバの頃は食卓が賑やかになります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の減るペースが速すぎる季節です。



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2009/2月

◎立 春

No.49 / 2009年2月1日配信

 冬から春へ、季節の節目である「節分」の次の日が立春です。寒さも厳しい時期だけに、「さあ、春が立ち上がりましたよ」と急にいわれても戸惑いを覚えるばかりですが、とにかく旧暦では立春が一年のスタートの日なのです。節分に豆まきをして一年間の厄払いをするのは、もともと大晦日の役割があるからだといわれていますが、まあ、それについては納得できる気もします。

 この時期は毎日、夜の長さがおおよそ1〜2分/日の割合で短くなっているといわれます。我が連れ合いは「日没が遅くなったわね」と素直に喜んでいます。そういえば、子供の頃から戸外で長く遊べる夏の方が好きでしたし、光溢れる時間が伸びることは嬉しいことでした。明るい時間が長くなると、誰でも得した気分になれるものです。

 海の向こうからは、建国以来はじめての黒人大統領の「建国の夢」を語る言葉が流れてきます。難局を乗り切ろうとする強い意志。そのスピーチに心が揺り動かされるのは私だけでしょうか。今、アメリカは懸命に立ち上がろうとしています。まだまだ寒くて夜も長いけれど、光と希望を感じられる季節はすぐそこに迫っているような気がします。

 大晦日に誓った2009年の抱負を忘れかけています。今年もまだ、一ヶ月と少ししか過ぎていないのに早くもこの体たらく。いけない、いけない。もっと真剣に頑張らなければいけません。そんな不甲斐ない私を、お湯割りの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の湯気が叱ってくれたように見えました。親友のような暖かい激励が、おなかの中からじわっと体中にしみ渡っていくのを感じます。



◎海鼠(ナマコ)

No.50 / 2009年2月11日配信

 冬に美味しいナマコは漢字で2文字、「海」の「鼠(ねずみ)」と書くそうです。なんでも、姿が鼠に似ているからそういう漢字が当てられたという話も。

その姿は薄く切ってパックで売っているものならともかく、一匹丸ごとの様相は、あまりなじみのない人にはお勧めできるものではありません。

 それでも、私のようにその魅力にはまってしまった者にとっては、可愛くない姿でさえも愛おしく見えてしまうところがなんとも不思議な生き物です。そのナマコの食べ方は柑橘類(ダイダイなど)の絞り汁を加えたポン酢でいただく「ナマコ酢」が代表格ですね。ツルツル・コリコリ感と微かな甘みが特徴で、目・鼻・歯・舌、そして喉と、多くの器官を動員していただく味わい深さは他に類を見ません。それは日本人でよかったと思えた経験の中でも、上位にランクされるべきものです。

 そういった美味なナマコは中国で漢方薬としての長い歴史を持ち、滋養強壮などに利用されていたした。ナマコにはビタミンB群・ビタミンE、多くのミネラルなどの栄養成分が含まれています。また、美肌効果で話題のコラーゲンもしっかりと含んでいるのだとか。女性にとっても注目の食品であることには間違いありません。

 悔いが残らないように、旬の冬のうちにしっかりと食べておきたいものです。そういえば父親もナマコ好きでしたが、歯が弱くなっているのでもう無理かもしれません。代わりに殻付き牡蠣と伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をぶら下げて訪ねてみようかな。久しぶりに旬の味覚について、親子で語り合うのも悪くないはずです。



◎筋肉痛

No.51 / 2009年2月21日配信

 久しぶりに腰を痛めたこともあり、体力強化の必要性にかられてフィットネスクラブ通いを始めました。クラブでは若い人はもちろん、高齢の方も少なくなく、思ったより多くの人が汗を流している様子に驚かされました。近年の統計でも100人に3〜4人がフィットネスクラブに入会しているという数字が出ているそうです。

 パソコン中心の仕事で、筋肉を使うシーンがあまりにも少ない毎日の生活。それをふまえ、「一駅手前で降りて歩く距離を増やす」「エスカレーターは使わない」とか、それなりに運動量は増やしていたつもりです。しかし、足は使うものの、上半身の筋肉運動は全くしていなかったので、特に腹筋・背筋などの体幹部分が弱くなっていました。腰痛はそんな偏った体力状況のなかで起こったのです。

 フィットネスバイクのペダルを踏み、ジムのマシンで筋肉強化を始めると、さっそく余分な贅肉の下から、少なくなっている筋肉の悲鳴が上がります。翌日からは10年ぶりのキツい筋肉痛。メタボ対策のためにも、脂肪を効率よく燃焼させるには筋肉を増やさなければいけないので、ここで弱音は吐けません。

 さらに泳いだ後はサウナでサッパリと汗を流して終了です。通い始めてまだまだ日は浅いけれど、腹回りが少しだけすっきりしてきた感じです。少しの成果が希望の扉をさらに押し広げようとしているのが分かります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が「最近がんばってるね」と誉めてくれるその夜の一杯。運動後の心地よい疲労感に広がる優しい旨さ。もう止められるわけがありません。



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2009/3月

◎春告魚

No.52 / 2009年3月1日配信

 「魚」偏に「春」と書けば「鰆(さわら)」で、味噌を使って漬け込んだ西京漬けが美味しくて有名です。柔らかな身を引き締め、サッパリとした味わいを活かした、日本人の知恵が見え隠れする加工技術に拍手です。焼きあがった皮と表面の香ばしさ。そして味噌の上品な旨味がたまりません。

 さて、その魚体が1メートルもある鰆と比べる事自体があまりにも可哀想な「春告魚のメバル」。大きくなっても20センチをいくらか超える程度のミニサイズ。まん丸に見開かれた目が特徴で、早春から私のようなへぼ釣り師の相手をしてくれる可愛いやつです。鰆と違って、スーパーの鮮魚売り場には置いていないこともある地味な魚なのです。

 少年時代、メバルの想い出は煮付けの味。当時の私にとって、あまり歓迎できなかったのが煮付け料理でした。恐らく誰でも少年の頃は「煮る」ことよりも「揚げる・焼く」のパリッとした食感の料理の方が好きだったと思いますが。それでも毎日続いた醤油色の食卓。子供の嗜好だけが反映される時代ではありませんでした。

 やっぱり大人にはなってみるものですね。すべては楽しみに変わってしまいました。早春の贈り物である蕗や筍と合わせた煮物ともなれば、もう顔中の筋肉も緩みっぱなし。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との相性は言うまでもありません。さあ、週末はメバルを売っている店を探しに行かなければ!



◎春はあけぼの

No.53 / 2009年3月11日配信

 清少納言は枕草子に「春は あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる」と、書きしるしました。この有名な先人が柔らかい感受性と本物を見抜く鋭い観察眼で、春は夜明けの時間が美しいのだと述べているので、それはきっとそうなのでしょう。

 しかし、「春眠、暁を覚えず」派の私には、あけぼのの様子など分かるわけがありません。そんな私にとっての美しい時間とは、夜明けの時間でないことだけは確かです。目覚ましベルとの最初の戦いに勝利してから、何度もうとうとする時間こそが美しい幸せの時。それはもう、夜明けからはかなり時間が経った明るい朝のことです。

 春に眠くてたまらないのは、気温や日照時間の変化に伴う、体内のメラトニンというホルモンの変化が原因ではないかといわれています。そういう自然な生命現象なのだから、春は寝過ごして遅刻してもいいや、とはならないところが社会を生きる私たちのつらいところ。いくら「春眠、暁を覚えず」でも、遅刻に結びつく寝過ごしは禁物ですね。

 明日の天気は朝から晴れの予報です。早起きは辛いけど、あけぼのの時間に挑戦してみようかな。早朝の空気は、清少納言の生きた時代のようにピュアじゃないだろうけど、朝日が希望なのは今も変わりはありません。よしっ。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をぐいと飲み干し、「今日は早く寝る」と連れ合いに告げました。「あら、どこか具合でも悪いの?」連れ合いが首を傾げています。



◎桜 鯛

No.54 / 2009年3月21日配信

 季節が桜の淡いピンク色に染まる頃、産卵を控えた真鯛も身体をさらに美しく桜色に染めるといわれます。その艶やかで豪勢な魚体は縁起がいいとされ、重宝されてきました。結婚披露宴のおめでたい料理はもちろん、尾頭付きの鯛は開幕戦に臨むプロ野球選手の食卓を飾ったりもするそうです。

 特にこの時期の真鯛は桜鯛と呼ばれ、冬を越え産卵を控えた真鯛は脂が乗って美味しいものです。特に潮の流れが速い海で育った真鯛は、身が締まって無敵の旨さだとか。新鮮で身がぷりぷりしているものは、やはり刺身で食べるのが一番です。皮と身との境目の旨い部分も味わうには、皮に熱湯を掛けた霜降り状態で食べるのがおすすめです。

 「骨は硬くて、アジやサンマのように炙っても食べられないけど、こうやって塩だけで美味しい吸い物になるのよ」そういえば、初めて釣った真鯛を実家に持っていったことがありました。「捨てるところなんてあるわけがない」と母は大切そうに真鯛を捌き、料理してくれたことを思い出します。

 「お父さんは魚食べるのが上手ね」と娘が真鯛の塩焼きをつつきながら言いました。誉められることが少ない父親に向かって、たまには嬉しいことを言ってくれるものです、ふふっ。平静を保ちながら「当たり前だろ」とさりげなく伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」をカップに注ぎました。幼い頃に母から教えられた魚の食べ方が身に付いています。亡き母にありがとうと、心の中でつぶやいてみました。



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2009/4月

◎青春の旅立ち

No.55 / 2009年4月1日配信

 幼い頃からよく知っている姪っ子の、東京での大学生活もいよいよスタート。親類の伯父さん(私)とも仲良くなれるような、明るくて穏やかな性格が素敵な女の子でした。私が大嫌いだった勉強を苦もなくこなし、私が受からなかった大学にすんなりと入ってしまったので、完全に脱帽。

 順風満帆に見えるそんな彼女が、一度だけいじめの荒波に揉まれたのを聞いたことがあります。友達の誘いのすべてには応えられなかった「正直な判断力」を持っていることが、逆に災いを招いたようでした。どうしようもない仲間はずれの季節を乗り越えるための忍耐。まっすぐな瞳から流れた多くの涙を思うと今でも胸が熱くなります。

 「伯父さん、ありがとう。大学生になるので、実はこんなの欲しかったんだ」とお礼の電話がかかってきました。ちょっと奮発して本革製のシステムノートと図書カードを合格祝いに贈っていたのです。

 大学生活も楽しいことばかりではないでしょうが、君ならきっと大丈夫。公認会計士という夢を目指すということらしいけど、今度のお祝いは素晴らしい社会人になった時に一緒に「お祝いの一杯」をやりたいね。あまり取り柄のない伯父さんだけど、素敵なお酒くらいは知っているつもりです。そう、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」という美味しいお酒をねっ。



◎春のきんぴらごぼう

No.56 / 2009年4月11日配信

 暖かい春のイメージはサラダに適した春野菜とフレッシュジュースです。特にみずみずしくて色鮮やかなグリーンをよく目にするようになります。少しは健康にも気をつけるようになったのでしょうか、夕食に登場するサラダを好ましく思えるようになりました。

 春野菜にはそんな新鮮な印象が付いて回りますが、私が夢中になってしまうのはイメージ渋めの「春ごぼう」。歯が弱くなった家老が、城内で食事の時に「ごぼうは春に限るのう」と言ったかどうか。秋冬に出回っていたごぼうと違い、香りがよくて柔らかいので、サラダで食べても美味しいものです。

 「なんて言ったかしら、ほらあの〜、そうイヌリンとかリグニンとかいう食物繊維。ごぼうには沢山含まれているので身体にいいそうよ。大腸がんの予防にもいいかもね」と、我が連れ合いが得意そうに語りかけます。私は、じゃあ、きんぴらごぼうにしてくれないかと、ここぞとばかりにリクエスト。

 春ごぼうのやさしい歯ごたえを感じながら、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をゆっくり喉に流し込みます。日本人で良かったと思う瞬間を作り上げてくれるのはやっぱり旬の食材。もちろん私には、幸蔵のアシストが絶対に欠かせませんが。





◎空を飛ぶ夢

No.57 / 2009年4月21日配信

 おそらくその当時、飛行機を開発し、有人動力飛行に成功したライト兄弟のことを知っていたのでしょう。そして、それ以前に登場していた自転車に羽根が付いているような人間動力の飛行機も。小学3年生だった私たち仲良し3人組は、数本の竹棹と新聞紙を持って近所の空き地に集合しました。

 竹を裂き、羽根の骨格を組み上げ、その骨格に新聞紙を貼付けて一組の羽根を作り上げました。坂道を駆け下って羽根を広げれば、滑空に成功するかもしれない。幼い3人組は出来上がった羽根を眩しそうに眺めました。

 一番体力のある友達が飛行に挑戦するために、肩から腕のラインで羽根を支えながら立ち上がろうとしました。しかし、私たちは大切なことを忘れていました。自分たちは30キログラムにも満たない非力な身体だってことを。残念ながら「夢」は重過ぎて、立ち上がれなかったわけです。

 4月18日は発明の日(1954年制定)でした。私たちのこの便利な暮らしは、偉大なる先人たちの様々な発明のお陰です。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲みながら、蒸留技術を発明した遠い時代の文明の力を想います。いいものを発明してくれたものです。毎晩、心に羽根を生えさせてくれますからね。 





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2009/5月

◎柱のキズ

No.58 / 2009年5月1日配信

 黒ずんだ古い柱の前で、幼い兄弟4人揃って撮影してもらったことを憶えています。端午の節句に親戚の叔父さんが写してくれたものでしたが、その写真が今はどこにあるのかわかりません。みんなグイと胸を反り返らせ上を向いていたので、やけに鼻の穴が目立つ写真でした。

 こどもの日を迎えるたびに『柱のきずはおととしの 五月五日の背くらべ 粽(ちまき)たべたべ兄さんが 計ってくれた背のたけ』と、子供の頃に良く聞いた童謡『背(せい)くらべ』を思いだします。有名な『こいのぼり』より先にメロディーが浮かぶのが、なぜか不思議です。

 柱に肥後守(ひごのかみ)で、童謡のようにキズを付けて計った身長。毎年必ず数センチは伸びるのに、どうしても兄に追いつけない背丈のもどかしさ。我が家には立派なこいのぼりも兜の置物もなかったけれど、大切な成長を記録した古くて黒い大きな柱が私たち兄弟をいつも見つめてくれていました。

 新聞紙でつくった兜、菖蒲を浮かべた銭湯など、こどもの日の楽しかった想い出も朧げながら残っています。「中華ちまきが急に食べたくなったなぁ」と我が連れ合いにわがままなリクエストをしました。今夜は伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」にしよう。年に一度くらいは、子供だった頃の記憶と戯れるのも悪くはありません。   





◎緑のカーテン

No.59 / 2009年5月11日配信

 次世代型環境技術を広く普及促進させるための取り組みに、スポットライトが当たっています。低炭素化社会を目指すための太陽光発電パネル、次世代型燃料電池車が代表的ですが、不況からの脱出のためにもそんな「エコ関連産業」を発展させなければなりません。

 近年、桜の開花時期がじわじわと早くなり、ゲリラ豪雨も頻繁に姿を現すようになりました。地球温暖化がとても気になるところです。環境への理解は出来ているつもりでも、我が家では太陽光パネルの設置もハイブリットカーの購入予定も今のところはありません。

 「よしっ、今年はベランダに緑のカーテンでもつくってみようかな」と、家人に口走ってしまいました。先日、郊外のホームセンターで紹介していた「ゴーヤーの緑のカーテン」を思い出したのです。すでに市役所や小学校など、多くの取り組み例が見られるエコ活動です。

 繁った葉が涼しい日陰を作り出し、実ったゴーヤーは美味しく食べられます。自家製のゴーヤーチャンプルとロックでグイッとやる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が脳裏をかすめます。自然の恵みで造り上げられた「幸蔵」にエコなゴーヤーが合わないわけがありません。一石二鳥の夏がとても楽しみです。

私の実現しない夢物語に何度もつき合った家人(妻)がニヤニヤしています。少し、癪にさわります。





◎初夏の天ぷら

No.60 / 2009年5月21日配信

 日差しが眩しい初夏を迎えると、なぜか天ぷらを食べたくなります。この時期、旬を誇り始める魚が「キス」です。キスを漢字で書けば「魚」偏に「喜」ということになりますが、印象深いので若い頃から覚えていたものです。中国では日本から逆輸入したその漢字「鱚」を使っているのだとか。冗談のような話を聞いたことがあります。

 キスの白身はサッパリとした上品な味わいが、天ぷらネタとして重宝されます。薄めのパリっとした衣で包まれた、柔らかくてほくほくした身を思うだけで落ち着かなくなります。専門店の味にはかなわないかもしれませんが、鮮度の高い状態のものを我が家で揚げるのも悪くはありません。

 最近は天つゆではなくて、お気に入りの天日海水塩を少しつけて頂いています。味わいに変化を持たせたい場合には、塩に抹茶を混ぜるだけで洒落た付け塩になります。抹茶の香りが初夏の風情を食卓に運んでくれるはずです。

 日差しが傾いていく初夏の土曜日、夕刻。始まったばかりのプロ野球ナイター中継に見入っていると、「立派なそら豆だったので、買ってきてますよ」と妻の声。台所からは揚げ物の音が聞こえてきます。キスにそら豆の天ぷらか。粋な旬に心が躍り始めます。さあ、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の出番です。





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2009/6月

◎時の記念日

No.61 / 2009年6月1日配信

「しっかりと時間を守り、欧米並みに生活の合理化を図りましょう。時間を大切にしましょう」と、1920年に「時の記念日」が制定されました。西暦671年、天智天皇時代の宮中で初めて水時計が設置され、最初に時が告げられた日が6月10日だということで、「時の記念日」に決められたそうです。

 近年、ある時計メーカーが行った「時の記念日」認知度調査では、その記念日の存在を知っていた人はおおよそ6割でした。さらに、その日付まで知っているということになれば、認知度は約4割までに減ってしまうそうです。案外、知らない人が多いということですね。

 学校に通っている頃は先生に、そして社会人になってからも上司から時間の大切さを説かれました。時間を有効に使える者こそに勝利は舞い降りるのだと。

ところが、頭では分かっているつもりでも、いっこうに時間の使い方が上手くなりません。同じように自分のスケジュール管理も得意とはいえず、けっこうストレスがたまります。

 夜、大切な時間を刻み続けてくれた腕時計をそっと外します。仕事モードから解放された後の世界を、ゆっくりと味わいたいからです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との時間はもうひとつの大切な時間。ふ〜っ、肩の力を抜いて自分らしくいられるのが嬉しい、お気に入りの時間です。





◎夏至の風景

No.62 / 2009年6月11日配信

 夏至。梅雨の雨に打たれる紫陽花が、細かく揺れ動いている情景が目に浮かびます。高校2年生の放課後。校舎の二階より見下ろす自転車置き場の脇に咲いている赤紫の紫陽花。一人の女生徒が現れ、降り出した雨を気にしながら自転車の錠を解いていました。

 梅雨の間も通学路で何度となく出会いながら、その娘に一度も挨拶の言葉をかけられなかった情けない自分がいました。好きになった人に声をかけたい思いは募りますが、目の前にその娘が現れるとダメになります。緊張してしまって声になりません。その都度、ため息よりも重い6月の湿気が、若すぎる私を包み込んでいたのを思いだします。

 明日こそは、きっと。ラジオの深夜放送、リクエスト曲。悩み相談に応えるディスクジョッキーの声。机の上では数学の問題集が開かれたままです。悶々としながら過ぎる夏至の夜は、一年中で一番短い夜。雨音が止って、近い夜明けが机の前の窓を白くします。今日こそは、きっと。

 ふふっ、自分にも思い詰めていた可愛い頃があったのだなぁ。なぜか夏至の頃に湧き上がってくるのが片想いの記憶です。おじさんへと変貌した今の私は、イサキの塩焼きをつつきながら、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をゴクリ。昔「片想いの彼女」、今「幸蔵」。一途なところだけは、そのころと全く変わっていません。





◎イカの塩辛

No.63 / 2009年6月21日配信

 日本人は「大のイカ好き」人種で、全国いか加工業協同組合によると、日本人が一番食べている魚介類(生鮮プラス加工品)は、イカだそうです。かつては世界のイカ漁獲の半分を日本人が食べていたともいわれた時代もあったのだとか。その量を考えてみると、半端じゃない日本人のイカ好きに驚きさえ感じてしまいます。

 私も例に漏れず無類のイカ好きですが、「刺身」「リングフライ」「姿焼き」「炒め物」「煮付け」などの料理よりも、つい「塩辛!」と叫んでしまうタイプです。居酒屋で何度も「塩辛」の注文の声を出すので、間違いなく大酒飲みのレッテルを貼られてしまっていることでしょう。

 これからの季節、さらに型が大きくなる鮮度の高いスルメイカは見るだけでも楽しいものです。レシピ本を片手に何度か「イカの塩辛づくり」に挑戦した経験があるので、知らず知らずのうちに魚屋さんを覘いてしまったり。今年は久しぶりにつくってみようかな。あの肝をまぶして漬込んだ味わい深さに出会うために。

 「お父さん、イカの塩辛もらってもいい?」娘が私に「本当に上手なんだから」とお世辞を言いながら、炊きたてのご飯の上に乗せようとしています。「旨いのは当たりまえだ!」と、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をカップに注ぎながら満足そうに頷いている私。三年前の食卓の情景が蘇ってきます。





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2009/7月

◎皆既日食

No.64 / 2009年7月1日配信

 この7月22日に日本は全国で日食が見られます。日食とは、月が太陽の前を通過するために、太陽の一部、または全部が月に隠される現象のことです。今回と同じ皆既日食が見られるのは26年後の2035年9月2日になるのだとか。それまで目にすることが出来ないので、今回はぜひこの珍しい現象を見逃さないようにしたいものです。

 太陽が月によって全部隠される日食は「皆既日食」と呼ばれます。今回、奄美大島北部、喜界島、屋久島、種子島南部などではその皆既日食が、その他の地域は部分日食が見られるとのことです。福岡の部分日食では太陽の89.7%の面積が月に隠れ、東京では太陽の74.9%が隠れるといわれています。

 朧げですが、小学校の理科の時間に太陽の観察法を習った記憶があります。直接、太陽を見ると目を痛める恐れがあるので、ピンホールカメラの原理で太陽を見ようということでした。小さく開けた紙の穴を通過した太陽光は、その先の暗い影の部分に丸い形を映し出しました。

 そんな理科の実習のときに、騒いだ私たちにゲンコツをくれた先生を想い出します。今は生徒にゲンコツなんて、とんでもないことでしょうが、私にとっての愛のゲンコツは良い想い出になっています。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を愛でながら、ピンホールカメラとゲンコツのことを想える私は今夜も幸せです。  





◎冷えてます

No.65 / 2009年7月11日配信

 夏になれば「プール冷えてます」というコピーを思い出します。東京にある遊園地の広告キャッチコピーで、1980年代中頃に流行りました。この時期、 コーラやスイカが冷えているのはとても嬉しいことですが、なんとプールまでも冷えているとは。実にコミュニケーション感度の高い、楽しいメッセージです。

 しかし、その頃の若い私たちは「プール冷えてます」と巧く囁かれても、向かう先はプールではなく、いつも海辺の熱い砂の上でした。さあ、渚に繰り出しなさいと、山下達郎やサザン・オールスターズの夏の曲が誘ってくれた懐かしいあの頃。CD生産枚数がLPレコードを追い越してしまった年。バブル経済が弾ける前の、あの熱い時代の暑い夏。眩しいばかりの海辺の白い午後。

 そんな海派の私でしたが、近年は海水浴には出かけたことがありません。帰路のどうしようもない疲れと眠気。強い紫外線にも、もちろん腰が引けてしまいます。疲れ知らずの体にサンオイルを塗りまくっていた若い頃のことが嘘のようです。強い紫外線は危険なので、今なら日焼け止めのクリームを塗ってしまいます。

 すっかり緩くなったお腹周りを気にしながら、フィットネスクラブのプールに通う夏の週末。海辺の夏のあの頃と生活スタイルはずいぶん変わりました。ただし、あの頃も今も「気持ち良さ」を求める気持ちだけは変わらないようです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のオンザロックが待つ週末、泳いだ後の夜は格別です。ふふっ「幸蔵冷えてます」。   





◎美味しい刺激

No.66 / 2009年7月21日配信

 一年中で一番暑い時期ですが、近年の気温の上がり方は半端じゃなくて、夏バテ対策も真剣味を帯びてきます。夏バテ防止法はいろいろとあるのでしょうが、私の対策は至ってシンプル。とにかく美味しく食べること。しっかり食べてスタミナを蓄えておけば、猛暑もなんとか乗り越えられます。後は睡眠不足に気をつければ問題ありません。

 今年も夏の土用の期間に丑の日が二回巡ってきます。しかし、好きだからといって「うなぎの蒲焼き」ばかリ食べているわけにもいきません。そこでこの時期にお奨めしたいのがピリッと辛い韓国料理。石焼ビビンバなら手軽に作れて、食欲をグイグイ引き出してくれるので、夏バテ対策には最適です。

 キムチと野菜の和え物、挽肉、卵とご飯を石鍋で焼いて、混ぜるだけの簡単さ。醤油・ごま油・おろしニンニク・コチジャンの味付けなので、韓国を代表する美味しさそのものです。鼻腔をくすぐるごま油とニンニクの風味。キムチとコチジャンの赤い唐辛子。ジュウジュウと音を立てる旨そうな焦げ具合が唾液腺を刺激します。

 ビビンバとは混ぜるという意味です。その混ぜ合わせて出来る複雑な味覚は、高度な旨さを誇ります。アツアツの石焼ビビンバの食中酒は伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」の冷たい水割り。美味しい刺激を優しく受け止めてくれます。韓国と日本の美味しい味覚のコラボレーションに、私はうっとり。当分の間、私に夏バテは訪れそうにありません。   





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2009/8月

◎花火の夜

No.67 / 2009年8月1日配信

 16世紀、イギリスでは王室行事として花火大会がテムズ川で盛大に催されていたそうです。日本では隅田川花火大会(東京都)が古くから有名で、その歴史は江戸時代に遡ります。花火大会は四季の中では夏が多いのですが、花火が川開きに使われていたことに由来するのだそうです。花火大会は私の中でも「夏の風物詩」として刷り込まれ、夏の記憶の中では特に大きな存在感を誇っています。

 少し照れくさそうに別々に固まって歩く二つのグループ。十代の頃、男子と女子のグループ一緒に、打ち上げ花火見物に行ったことがあります。女の娘たちは申し合わせたように浴衣姿です。日没前の風が運んでくる、彼女達からの石鹸の匂いに、ドキドキさせられた経験は今でも鮮明です。

 草がまばらな地面に座り込み、かき氷を手にしながら見上げる夜空。ドンと胸に響く破裂音。打ち上げ花火が鮮やかな菊の大輪を描き、夜空を照らしては消えていきます。クライマックスの光の乱舞が、隣の少女の顔を一段と明るく照らし出します。十代の夏、花火の夜。私は最後まで花火だけを見ているふりをしていました。

 今でも花火大会が近づくと、けっこういい歳をした大人なのに、ワクワクしてきます。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を注いだカップを傾けると、去年の花火大会が思い出されます。花火が終わった後の帰り道で、妻と手を繋いで歩いたことを。何年ぶりだったでしょうか、少し勇気が要りました。   





◎みょうが

No.68 / 2009年8月11日配信

 素麺や蕎麦の薬味として、また天ぷらや酢の物として夏の食卓を飾るみょうが。独特の香りや辛みが暑い季節に美味しい清涼感を運んでくれます。その香りの成分はαーピネンといって、食欲増進や集中力を増す作用を持つということです。やっぱり、この季節には欠かせない香味野菜というわけですね。

 子供の頃に「みょうがを食べると物忘れがひどくなるのよ」と、よく母から聞かされました。何故なのか、その理由までは教えてくれなかったので、本当のところは母も知らなかったのではないでしょうか。しかし、子供の嗅覚にはその不思議な強い香りが神秘的に感じられ、私には物忘れ話もいっそう真実味を帯びて聞こえたものでした。

 宿屋を営む夫婦が大切そうな荷物を持つ泊まり客から、その荷物を奪い取ろうと悪い策略を巡らせる民話があります。出発時、荷物を宿に置き忘れさせようと、前夜の食卓で「みょうがづくし」の料理を出すようにしました。こんなみょうがの料理ばかリじゃたまらない、こんな宿には長居は出来ないと、翌朝早くにその客は宿を出てしまいました。なんとこの話には、宿賃を払い忘れて出発したという、宿の主人達には残念な落ちがついています。

 みょうがを薄くスライスしたものに鰹節がふわっと乗っています。醤油を少し注した後、私は「財布を置き忘れたりしないからね」と、女将さんが作ったお通しをつつきながら言いました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のロックを私に差し出しながら、女将さんは「どうせ大したものなど、入っていないくせに」とにやにや。すべてはお見通しです。   





◎焼肉の日

No.69 / 2009年8月21日配信

 「焼肉の日」という日があり、おそらく語呂合わせが良いので「8(やき)月29(にく)日」になったのでしょう。8月終盤ともなれば、夏バテしない丈夫な人でも厳しい残暑に辟易してきます。以前ならばこの時期、暑い九州といえども朝夕の涼しさに一息つけたものです。残念ながら、地球温暖化による近年の酷暑は9月にまで及ぶことが多くなりました。

 酷暑の夏にはスタミナ焼肉が似合います。庭やベランダで、そして窓を開け放った部屋でジュージューと焼ける音を聞きながら、家族揃って食べる焼肉は最高です。脂が気になる年齢ですが、やっぱり赤身だけの焼肉では気合いが入りません。「たまにはいいだろう」と脂身たっぷりのカルビ肉をついつい頬張ってしまいます。

 「もっと野菜も食べなきゃ」と我が家の健康管理人が、くちびるを脂で光らせている私に苦言を呈します。「肉の日だよ、肉の日」と野菜には乗り気がしない私に、「あらっ、野菜の日もあるのよ。8(や)月31(さい)日だけど」と妻は声を大きくします。はいはい、私にだって、夏の元気と健康には野菜が必要なことくらいは解っていますよ。

 市民の生活に影を落とし、長く居座ろうとしている不景気。「巣篭もり消費」に「内食」がキーワードの世の中。そういう節約事情は抜きにしても、やっぱり家族揃って家で食べる食事は美味しいものです。元気に食べる焼肉で、不景気も一緒に吹き飛ばしたい気分です。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のカップ二杯目も残りわずか。からまれたら大変!ここが潮時とばかり、我が家にはびこり始めた不景気も今日だけは、私に背を向けてコソコソと窓から退散し始めたようです。   





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2009/9月

◎エルニーニョ

No.70 / 2009年9月1日配信

 この夏はゲリラ豪雨が各地を暴れ回りました。土石流に潰された家屋、高速道路で土砂崩れに巻き込まれた自家用車。竜巻やダウンバーストで飛ばされた屋根。リアルな報道映像がTVで茶の間に沢山届きました。私の住む地域では博多祇園山笠の追い山(7月15日未明)前後に梅雨は明けるのが普通なのですが、今年の梅雨明けは8月5日になってしまいました。

 はっきりしない梅雨明け、そして日照時間の少ないジメジメとした夏が数年に一度やってきては、気分をイライラさせてくれます。エルニーニョ現象。この気候変動は地球上の大きな自然現象によって引き起こされる事が分かっています。南米ペルー沖の海水温が高くなると、私たちの住む東アジア、西太平洋地域の海水温が低くなる現象を引き起こすらしいのです。太平洋高気圧の勢力は弱々しく、めそめそと冷夏傾向を招くわけです。

 エルニーニョという名前はアンデス山脈の高地から流れてくる風を思わせますが、彼の性格はといえば、おそらく暗いのでしょう。日本の夏をけっして元気にしてはくれません。この夏は我が家の家事責任者から「ちょくちょく雨は降るし、湿度も高いし、洗濯物が乾かなくて本当に困るわ」と愚痴の直撃を何度も受けることとなり、いつにも増して私の気持ちは晴れませんでした。私もまた、エルニーニョ現象の犠牲者なのでしょう。

 エルニーニョ現象は現時点ではどうやら冬まで続きそうな見通しです。近年では2002年春〜冬と2006年7月〜2007年2月に発生しましたが、そういう年は暖冬になるのだとか。暑さ寒さも厳しいのは辛いけど、冬はやっぱり少しくらいは寒くないといけません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯割りが旨い季節を、私は今から待ちわびています。ロックグラスの幸蔵を右手に持ち、初秋の向こう側をぼんやりと眺めながら。少し気が早すぎるでしょうか?   





◎シルバーウィーク

No.71 / 2009年9月11日配信

 今年9月のカレンダーは後半に赤い休日の印がずらっと並んでいます。敬老の日(21日)と秋分の日(23日)の祝日に囲まれた22日が休日になるため、19日(土)・20日(日)を加えれば5連休になります。春の大型連休「ゴールデンウィーク」に対して、この秋の大型連休のことをシルバーウィークと呼ぶそうです。

 この9月のシルバーウィークの5連休は、現在の法律がそのまま続くものと考えて、次は2015年に出現の予定だとか。今年を逃したら、秋の5連休にはしばらく出会えません。勤労者にとっては数年に一度のご褒美はだから、ここはひとつ無駄にせず、しっかり有効に活用したいものですね。

 秋の味覚を求めて郊外の果物狩りに出かけたり、掃除をかねて彼岸のお参りに出かけたり。いくら小遣いに余裕がないと言っても、期間中じっとしているわけにはいきません。ここはひとつ思い切って高速道路を使った遠方への旅行も良いかもしれませんが、さて、どうしましょう。

 そういえば、昨夜は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が「『シルバーウィーク』というくらいだから、親父のところでも行って、一緒に食事でもしてあげれば」と、提案してくれた事を思いだしました。敬老の日でもあるし、ここはやっぱり幸蔵の4合瓶でも持って出掛けるのが男というものでしょうね。よし、父の好きな脂の乗った戻りガツオの刺身も持っていこう。   





◎新 米

No.72 / 2009年9月21日配信

 わずかな仕送りはとうに底をつき、頼みのアルバイト代も使い果たした後に待っているのは「腹ぺこ地獄」との戦いです。一袋35円の味噌ラーメンを極力太らしてありがたく食べる、一日唯一の食事。余力のない故郷の実家に「お金がないので至急送ってくれ」とお願いするわけにはいかないのです。辛抱、辛抱。ずいぶん昔、大学2年の秋の話です。

 学生アパートの公衆電話代までも節約していた私にも、重要な情報はしっかり届くので不思議なものです。久しぶりの講義から学生アパートにフラフラとたどり着くなり、管理人のおじいさんから「F君から電話があったよ」と声を掛けられました。早速、10円玉を握りしめてピンクの公衆電話に向かいます。北陸出身の友人に、故郷の親から米が届いたという話です。

 やった!友人F君の実家(農家)からの新米です。すぐに食塩の小ビンをポケットに突っ込んで友人のアパートに。ワンダーフォーゲル部に属していたF君はコッフェルの蓋を皿にして、炊きたての白く輝くご飯を僕に差し出してくれました。湯気が立つアツアツのご飯に食塩をぱらりとふりかけ、無言でご飯だけを食べ続ける二人。「ふ〜っ、旨かった」「そりゃそうや、新米やからな」「ごっつい贅沢やったな〜」「そやけどお前、なんでか塩だけは持っとんやな」 いまだにその味が忘れられません。それでこの収穫の季節になると、必ず新米を楽しむようにしています。ずいぶん交流が途絶えて久しいけど、F君は元気にしているかしら。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をやりながら学生時代を思い浮かべます。ところで、秋になると丹波篠山の実家から、どっさりと松 茸を送ってもらっていたアパートの先輩は今は何処に?松茸も旨かったな〜。少し気になる季節です。   





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2009/10月

◎秋サバ

No.73 / 2009年10月1日配信

 「秋茄子は嫁に食わすな」という諺がありますが、「秋サバ」も嫁に食わすなといわれています。「嫁に食わすのはもったいない」と嫁いびりの意味でいわれているのか、「当たったらひどいことになるから」と大事な嫁の身体を思いやっているのか、2種類の可能な解釈が面白いところです。これはお嫁さんにとっての受難の時代、封建的だった時代の話でしょう。

 脂が乗って美味しくなる秋サバというのは「マサバ」のことです。斑点のある「ゴマサバ」ではありません。マサバのその豊富な脂には健康に良いDHAやEPAなどの「n-3系脂肪酸」と呼ばれる不飽和脂肪酸が多く含まれているといいます。n‐3系脂肪酸は市販の健康本だけでなく、「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」にも、すすんで取りたい栄養素としてあげられています。

 n-3系脂肪酸は成人で一日に2.6g以上(女性は2.2g以上)が目標摂取量だと示されています。サバ100グラム中には、約3gのEPAとDHAが含まれているというので、サバ好きの人は◎。この脂肪酸群は心筋梗塞・脳血栓・高コレステロール・高血圧の予防や、学習能力の向上に役立つといいますし、もういいことずくめです。美味しいだけでないところに、サバの持つ実力の凄さが伺えます。

 「サバは脳にも良いんだ」と、家人にレクチャーすると、「でもあなた、サバ好きなのに、最近モノ忘れがひどくなったんじゃない?」とのたまいます。流石のサバにも、そこまでの責任を負わすことはできません。しかし反論よりもここは焼き上がったばかりの「サバの塩焼」。気を取り直して、ぎゅっとかぼすを搾ります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」でやる旬の秋サバ。旨い!幸蔵を愛する者にはたまらない瞬間です。

  





◎毒キノコ

No.74 / 2009年10月11日配信

 「免疫機能を強化する成分が入っているんだって。それに低カロリーだし」と、家人が数年前に健康雑誌の記事を読んで以来、我が家の食卓に登場する機会が増えたきのこ類。人工栽培きのこが一年中出回っているので、ポピュラーなものはいつでも都合よく手に入ります。それでもやっぱり旬は秋。スーパーや八百屋さんの店頭で、この季節の贈り物として、きのこ類の存在感は確実に増しています。

 秋サバや活サンマの登場ほど劇的ではないものの、それでもきのこ類がじわっと売り場に溢れてくると、それだけでとても幸せな気分になります。松茸・しいたけ・しめじ・えのきだけ・なめこ・エリンギ・マッシュルーム・舞茸。帰宅途中のスーパーで思わず立ち止まり、その中の一点にうっとりと見入る私がいます。高嶺の花、きのこの王者。う〜ん、叶わぬ夢は今年も松茸の土瓶蒸しです。

 そういえば小学3年生の頃、赤ら顔でぽつぽつと斑点のある仲の良い友人が「ベニテング茸」とか「毒キノコ」などと呼ばれていました。友人はその渾名が好きではなかったようです。そりゃ「毒キノコ」なんて呼ばれたら、子供心にだって面白いはずはありません。放課後の帰り道、私と二人ではやし立てるクラスメイトに小石で応戦したことを想い出します。

 豊穣の季節。我が家は鉄板上でたくさんの種類を焼いて楽しむ「きのこ祭り」のシーズンに突入。独特の香りや味わい、そして旨さを増幅させる歯触り。バターや醤油の焦げる匂いが食卓を包みます。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」も出番を喜んでいるようです。あの「毒キノコ」君はどうしているかなぁ。まだ赤い顔をしているかしら?3杯目の幸蔵に突入した私の顔みたいに。

  





◎おくんち

No.75 / 2009年10月21日配信

 九州の西・北部では秋祭りのことを「くんち」と言い、「お」をつけて「おくんち」と言ったりします。この一年の収穫を神に感謝して奉納する大きな祭りは、各地で盛大に催されます。他の地域では秋祭りのことをおくんちとは呼ばないので、日本三大くんちと言えば九州の「長崎くんち」「唐津(佐賀県唐津市)くんち」「博多くんち」ということになるのだそうです。

 龍踊りなどの出し物で有名な「長崎くんち」は、中国文化などの異国情緒とあいまって人気があります。それに負けないのが、毎年11月の2日夜から4日の夕刻まで、晩秋に向かう気持ちのよい空気の中で繰り広げられる「唐津くんち」です。「エンヤ、エンヤ」のかけ声で曵かれる美しい14台の曳山は豪華な漆の工芸品で、国の重要無形民俗文化財として歴史的な価値を持ちます。

 光り輝く金獅子や重厚な武田信玄や上杉謙信の兜。そして真っ赤な魚体に可愛い目をした「鯛」は、観光に訪れた家族連れの、特に「お子さん」に人気がある曳山です。前後に魚体を揺らし、そして一対のひれを微笑ましく上下させながら毎年注目を浴びています。曵き手が身につけている正絹の肉襦袢や長法被衣装がとても美しく、秋の日差しに映えて祭りを盛り上げます。また、提灯の光に照らされる宵山も昼間と違った幻想的な趣でとても素敵です。

 妻の実家がこの「唐津くんち」で賑わう町内だから、毎年滞在する私のボルテージも上がりっ放しです。唐津では正月よりも大切だと言われる「くんち」なので、飲んで、飲んで、また飲んで。私が持ち込んだ伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」も年を重ねて、もうなくてはならない存在に。今年もまた、賑やかにくんちが始まります。祭りはいいなぁ。さあ、飲もう、飲もう。   





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2009/11月

◎銀杏(いちょう)の種子

No.76 / 2009年11月1日配信

 黄金色に輝く銀杏の紅葉は沈んだ気持ちもパッと明るくしてくれます。葉っぱが「黄色」に変化するのに「紅葉」なのが面白いですね。真っ赤に染まる郊外の山々を眺めると、最後の命を燃やしているようで、静けさの中に何か懸命なものを感じます。しかし、アヒルの足のような銀杏の黄色い葉っぱには悲壮感などはなく、逆に明るい笑顔を返してくれているようです。

 東京の明治神宮外苑や大阪の御堂筋の銀杏並木が有名です。全国的には数えきれないほどの銀杏の紅葉名所があるのでしょうね。そういえば、かつて通った小学校の通学路にも銀杏の老木がありました。中学校の近くには銀杏の並木がありました。黄色に染まる美しい風景の中には、沢山の想い出が詰まっています。

 小さい私たちは黄色の銀杏の実が道ばたで悪臭を放ち始めるのを待っていました。その中の種子(ギンナン)が目当てでした。臭い果肉をとり除いた後に現れるのが堅い殻に包まれたギンナンです。おばあさんは手伝ってくれたお礼にと、煎ったばかりのギンナンを一粒だけくれました。「子供だから、ひとつだけね」と言葉を添えて。透き通った緑色のギンナンはかすかに苦くて、ほんのり甘く、弾力のある噛みごたえでした。

 大人の今、銀杏の葉が色づき始める頃になると、ギンナンを無性に食べたくなります。可愛がってくれたおばあさんのことを思ったとたん、伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」が雰囲気かもしれないな、と独り言がポロリ。先週末に直売所で買っておいたギンナンを10数個取り出して、塩と一緒に封筒に入れ、レンジに放り込みました。   





◎いい夫婦の日

No.77 / 2009年11月11日配信

 11月22日は「いい夫婦」の日です。夫婦で余暇を楽しもうよと、1988年に当時の余暇開発センターが提唱したものだそうです。制定されてもう20年以上も過ぎ、我が連れ合いにはかなり遅れをとったものの、近年、私もやっと意識するようになりました。まあ、少しばかり意識したくらいで、急に夫婦仲が良くなるというわけでもありませんが。

 当然ながら、その趣旨には賛成です。そうは思うものの、現実は仕事で神経をすり減らし、ストレスをためる毎日。仕事から解放されても、高ぶった神経はすぐには元に戻りません。たまには連れ合いにびっくりされるくらいのニコニコ顔で、帰宅の玄関ドアを開けたいものです。

 そういえば、近年、二人では旅行にも出かけなくなりました。もっと若い頃は、有名温泉地をはじめ様々な行楽地、そしてオートキャンプ場など全国的な視野で出かけては楽しんだものです。余暇の過ごし方は旅行だけではありませんが、二人一緒に行動するという意味ではとても良い過ごし方だと思います。それに、今年の夫婦の日は日曜日で3連休のど真ん中。あ〜、温泉旅行でも計画しておけばよかったかな。

 近所に、玄界灘で獲れた新鮮な魚を出してくれる、地元で人気の居酒屋があります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を置いている店なので、文句のつけようがありません。よしっ、いい夫婦の日だから久しぶりに連れ立って、美味しい魚でも食べにいくか! 私は地元で獲れた鯵の活き造りが一番好きなのですが、少しばかり奮発して、連れ合いが好きな河豚か鮃の刺身でも注文しようと思います。   





◎カキフライ

No.78 / 2009年11月21日配信

「牡蠣」は日本では縄文時代から食用とされていて、殻が多くの貝塚からたくさん出ています。「海のミルク」と言われるほど栄養価の高い貝で、その食用としての実力は誰もが認めるところです。この時期の魚売り場では、ぷりぷりと乳白色の美味しそうな身がパックされて、鍋物用の魚の近くにしっかりと並んでいます。殻付きの牡蠣も登場し、冬の近さを感じます。

 すべてに火を通して食べるヨーロッパで「牡蠣」は生食できる数少ない食品だそうです。私も生牡蠣にレモン汁をかけ、マスタードとほんの少しのケチャップで食べるのが大好きです。しかし、ご飯のおかずということを考えると、やっぱり「カキフライ」になってしまいます。一番人気の牡蠣料理といえば、日本ではカキフライになるのだそうです。

 カキフライは日本で考案された「洋食」だといわれますが、それ以前に海外にそのような料理があったという話もあります。タルタルソース、ウスターソースやケチャップ、さらには醤油やポン酢での食べ方を見ると、もう洋食というより、むしろ手軽で美味しい「日本の料理」と言った方が正しいような気がします。いや、「お母さんの家庭料理」と言うほうが近いかもしれません。

 台所では牡蠣がじゅーじゅーと油の中で音を立てています。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」も自分の出番をうかがっています。今夜のおかずはカキフライです。サクサクッとしたキツネ色の衣につるっとしてエキスがたっぷりの牡蠣の身。本当に絶妙な噛みごたえと柔らかい旨味を思うだけで興奮してきます。「あなた、ご飯ですよ」の声を待つ、土曜の夕刻。とても幸せな時間です。   





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2009/12月

◎バーゲンセール

No.79 / 2009年12月1日配信

 夕暮れ時の街はクリスマス用の灯りにライトアップされ、艶やかな輝きを放っています。暖かい光に飾られた歩道の街路樹。広場では大きなツリーが道行く人の歩みを止めさせています。イルミネーションの光がツリーを見上げる顔を美しく照らしだしています。クリスマスソングが流れ、手をつなぐ恋人達の笑顔にほっとさせられる季節です。

 とはいえ現実の風は冷たく、先の読めないデフレの不況。支給額が大幅に下がったボーナス。景況感はまるで井上陽水が若い頃に歌った「氷の世界」のようです。そんな中で、ジングルベルの曲に煽られるようにやってくるのが恒例・冬のバーゲンセール。ものが売れない2009年。売り上げの昨対割れが続く百貨店の祈りも叶えられるといいですね。

 以前に比べると買い物の数がめっきり減りました。もともと買い物の少ない方ですが、それでも私は昔からこの時期に限っては、好んでウェア類を買っていました。数少ないトラッドブランドショップのバーゲンが始まっていたからです。若い頃、VANのスタイルに憧れて、それ以来ヘビーではありませんがトラッド派を通しています。

 濃色スーツに白いソックスはだめだよ。服装もTPOをわきまえなくちゃ。クリスマスが近づき、バーゲンセールが始まると、メンズファッションの伝統的なスタイルを大切にする心を教えてくれた、故石津謙介氏を想いだします。その言葉は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の伝統の味に重なります。私は「大切なものを守り続ける姿勢」が感じられるものが大好きなのです。   





◎冬至の楽しみ

No.80 / 2009年12月11日配信

 太陽の高度が最も低く、一年を通じて最も昼が短く、そして夜が一番長くなる日が「冬至」です。厳密にいえばその日は少しズレるともいわれますが、そんなことは意に介しません。日本の昔からの習わし通り、我が家でも冬至はかぼちゃを食べて柚子湯に入ることにしています。それらの行いを通じて家族の無病息災を祈るという、日本の古くからの習わしが大好きなのです。

 冬至が近づくと柚子湯がTV番組でもよく取り上げられます。柚子には芳香成分(精油)が含まれているので、身体をしっかりと温めてくれるそうです。爽やかな柚子の香りを思うたび、ひび割れたタイルの修理箇所を眺めながら、柚子湯に浸かった子供の頃が想いだされます。「今日は柚子湯だから、100数え終わるまで湯船から出ちゃだめよ」と母の声。

 カボチャは体内でビタミンAに変化するカロチンを多く含み、粘膜を丈夫にし、抵抗力をつけてくれるといいます。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と言い伝えられていますが、今年猛威をふるっているのは新型インフルエンザだから……風邪とは違うし、う〜ん、これには無理かもしれません。ともあれ、甘くて栄養価の高いカボチャを食べない手はありません。

 昨年は冬至の日を間違えて、一日やり過ごしましたから、今年は家人のキッチンカレンダーの22日のところを丸で囲んでいます。12月の後半、温かい柚子湯に入った後の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の沁みわたる一杯。醤油で煮付けたカボチャは、私にとってどこか懐かしさを感じる優しい美味しさ。この日のカボチャの味わいは特別です。   





◎年越し蕎麦

No.81 / 2009年12月21日配信

 生まれてからずっと、一度も欠かすことなく食べているのが大晦日の「年越し蕎麦」。関東地方から引っ越してきた友人から「年越し蕎麦は『もり』や『ざる』で食べるもんだよ。温かい汁そばは年越しでは食べたことないね」と聞かされて、びっくりしたものです。学生時代を除いて、ずっと九州をホームグランドにしていたので、年越し蕎麦は「温かい蕎麦」だと疑いもしませんでした。

 大晦日に食べる縁起物として、そのいわれはいろいろとあるようですが、「細く長くしっかりと生きていけるように」と願いが由来のもとだと考えるのが一般的ですね。我家ではこの一年の最後の食事として、年越し蕎麦を食べます。年を越えてから食べると縁起が悪いといわれるので、夜食ではなくて夕食にしているのです。紅白歌合戦を見ながらのオーソドックスな食事風景です。

 蕎麦に合うのはやっぱり天ぷら。好みの具材をカラッと揚げてもらい、トッピングに、また晩酌のおつまみにと大変重宝します。近年特に好きになったのが、レンコンやごぼうなどの地下茎や根菜類です。歯ごたえのある美味しさに惹かれるようになりました。シャキシャキ感を天然塩やからし醤油で味わいながらの一杯は堪えられません。

 一年の過ぎ去り方が、年を重ねるごとに速くなっていくようです。正月の夜に伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲んだのも、昨日のような気がします。オバマ大統領の「Yes We Can」の変革から始まり、日本でも「Change」を叫んだ民主党が与党になった2009年。変わらなければいけないのは、自分自身だとは分かっているのですが、何もしないままやっぱり今年も終わりそうです。来年こそは、と念じながらいつものように、愛する幸蔵の一杯に身を委ねながら…。我が飼い猫がひとつ欠伸をして、私の脚の上で丸くなっています。まぁ、いいか。   





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2010/1月

明けましておめでとうございます。
旧年中のご愛顧、本当にありがとうございました。
伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とこのコラムを
本年も何卒よろしくお願いいたします。



◎手書きの心

No.82 / 2010年1月1日配信

 けいこちゃんから年賀状が来てますよ、と私を呼ぶ母の声に表情を固くした小学二年生の元旦。兄からのお古で肘がすり切れそうなセーターを着た私は、母からその年賀状を神妙に受け取りました。女の子からの年賀状がとても気恥ずかしく、兄弟に見られたくなかったので、年賀状を手にしたまま慌てて縁側に出てしまったのです。新春の眩しい光を浴びながら、懸命の筆文字が年賀状の上を元気一杯に踊っていました。

 あけまして おめでとう ございます、とだけ書いてある年賀状。その子はクラスで一番好きな子ではなかったけど、温かいものが身体中に広がっていくのを子供心にも感じることができました。それ以来、筆でしっかりと書かれた年賀状には、達筆ではなくても何か特別に惹かれるものがあります。

 若い人の間には携帯電話やパソコンでの「新年の挨拶」が定着してきているようです。「新年の挨拶くらいは、年賀状じゃなくてどうする」と娘に話しかけても、「古っ!」と相手にしてくれません。中学時代、高校時代も元旦は年賀状の前で結構ドキドキしたものです。気になっていた書道部の女の子から「美しい筆文字の年賀状」をもらったときには、もう天にも昇る気持ちでした。時代は変わったなぁ、と娘を見ながらため息ひとつ。

 本人が筆を持ち、きちんと書いてくれたものは格別です。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を造っている蔵人の心もそんな手書きの心と同じ。だから「幸蔵」と筆文字でしっかり書かれたラベルの焼酎こそ、正月の夜にふさわしい酒でしょう。「変わらないものに乾杯だ!」と気合いを入れて、さぁ、ぐぐっと一杯。今年は寅年。トラになっても構わない年なんです! フフッ、それではもう一杯。   


<干支ラベル> 新発売!





◎鏡開き

No.83 / 2010年1月11日配信

 あっという間に終わる正月休みの後、すぐに訪れるのが「鏡開き」です。松の内が明ける日(私のところでは11日)に鏡餅を割って食べる行事ですが、「ぜんざいを食べる日」として記憶に残っています。正月に「年神様」を迎えるお供え物が「鏡餅」で、年神様が滞在される期間が「松の内」。その松の内が明けると年神様の宿った鏡餅をいただいて、無病息災を祈るのが本来の習わしの意味だそうです。

 松の内が明けるからということで、鏡餅を割って「ぜんざい」や「しるこ」にして、社員に振る舞う職場は今でもあるのでしょうか? 若い頃の私の職場では、女性社員が腕を振るってくれたおかげで、毎年甘くて美味しいぜんざいにありつけていました。甘い物に興味がなかった当時の私にも、その甘さは優しく、嬉しかったものです。しかし、それと同時にほろ苦さも味あわせてくれた、忘れられない行事でもありました。

 女性社員のぜんざいを配る仕草が一人の男性社員に対してだけ、やけに丁寧に見えます。少なくとも私にはそう見えました。その女性は私が密かに好意を寄せている人でした。「う〜ん、先輩に気があるな、この娘は」と、力なく肩を落とした日。すぐには立ち直れない未熟な私がいました。職場の机の上にパソコンはなく、かわりに灰皿から置きタバコの煙がモクモクと立ちのぼっていた時代の話です。

 家人が小ぶりな鏡餅を透明なプラ容器から取り出して、出刃包丁で切ろうとしています。「鏡開きでは、鏡餅は割らなくてはいかんのだよ」というと、無理なこと言わないでよ、と抗議の声。まあ、いいか。私のために自家製おかきを作ってくれているのだし、文句は言えません。塩味にしようかな、醤油味にしようかな? 出来立てのおかきには、伝承かめ壷造り・本格米焼酎「昔気質」がいいかもしれない。ちょっとだけ、口中に広がる優しい揚げたての旨さを想像してみました。






◎寒ブリ

No.84 / 2010年1月21日配信

 冬になると脂が乗り、ぷりぷりとした身の食感とまろやかな旨味で食卓を飾る寒ブリ。刺身醤油にブリの刺身が触れると、さ〜っと醤油の表面を走る脂。脂肪分が多いのに、イヤな脂っこさを感じさせないのが寒ブリの凄いところです。大きめの刺身を口に放り込む幸せ感はたまりません。富山湾の冬のブリ漁が全国的にも有名なので、「ブリ好き」としては、一度くらいはぜひご当地で食べてみたいものです。

 最近はマグロ人気に押され気味とはいうものの、やっぱり九州では旨くて縁起の良い出世魚の「ブリ」をたくさん食べる傾向に変わりはありません。以前に一度、熊本の天草に旅行した際、地元の民宿風旅館に泊まったことがあります。宿の主人が「珍しなかバッテン、今夜はこれで」と断りながらブリの刺身を出してくれました。大皿に立体的に積み上げられたブリだけの刺身を見た私は思わず絶句、凄い量です。

 量の多さにたじろぐ私たちに、「村の若いもんはこんくらいペロッと食べるもんな」と宿の主人は涼しい顔。頑張ってブリ刺しのピラミッドを壊し始めたものの、積まれた刺身はすぐには減ってくれません。村の若いもんに負けないように、また主人のサービス精神に泥を塗らないようにと、懸命に食べ抜いた「美味しい苦しさの記憶」は今でもしっかりと残っています。

 切り身の塩焼きや照焼き、カマの塩焼き、大根と一緒に煮込んだブリ大根など、いずれも味わいは絶品。最近ではブリしゃぶも流行っています。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯割りで温かくなりたい季節はやっぱり「寒ブリ」に尽きます。山盛りのブリ刺しを出してくれた旅館の主人の、朴訥ながら温かだった人柄が脳裏をじわっとかすめました。一年で一番寒い時期、温かい記憶を引き出せる時間ほど、幸せなものはありません。   






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2010/2月

◎湯豆腐

No.85 / 2010年2月1日配信

 寒さのピーク・大寒を通り過ぎたとはいえ、一年の中でもやっぱり寒さの厳しい時期です。こんな時期はなんといっても温まる鍋料理が一番。野菜もたくさん食べれるので栄養もバランスもGOODです。我が家でも、晩秋からこれまでずっと懲りずに「鍋料理」を食べ続けてきました。飽きないようにと、今年も一昨年のキムチ鍋に続き、特にきりたんぽ風の鍋やトマトベースの洋風すき焼き鍋などの様々な鍋に挑戦しています。

 先日、家人たちは私を残して旅行に出かけてしまい、土曜の夜を独りで過ごすはめになりました。一応(?)私の夕食の心配をしながら出かける家族に「たまには料理するのもいいものさ。昔はバイトでよく包丁を握ったものだ」と、強がりの言葉。さて、日が傾き始めた独りの夕方。晩飯をどうするかという現実問題が浮上してきます。多少、料理の心得はあるものの、妙に心細くなっていく情けない自分がいました。

 簡単だし、やっぱり冬だから鍋にしようかな。自分の好きな具材を思いっきり楽しめるチャンスなのに、どういうわけか独りの食卓を思うと気分はしんみり。独りの鍋料理を想像しても、全く盛り上がれません。な〜に、一晩だけだから、と気力を振り絞って近所のスーパーへ買い出しに。日配品コーナーに並んでいる豆腐に呼び止められたような気がしました。一丁48円の特売品の豆腐に。

 熱量の小さい電熱器の上にはアルミの一人用ラーメン鍋。豆腐と白菜だけの水炊きが脳裏をかすめます。20歳の冬。学生アパートでは、湯豆腐ばかりの時期がありました。次のバイト代が入るまでは、鶏の水炊きも出来ません。真っ白な豆腐を見ながら、独りで夢を追いかけていた空腹の日々。北風が電線を鳴らす厳しい寒さに背中を丸めた夜。よくも孤独に耐えられたものです。シンプルな鍋料理「湯豆腐」が古い記憶を紡ぎ出します。久しぶりの独りの夜。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が「傍にある温かさ」をしみじみと感じた夜でした。   






◎菜の花

No.86 / 2010年2月11日配信

 江戸時代の俳人、与謝蕪村が詠んだものに「菜の花や月は東に日は西に」という句があります。蕪村は菜の花のある情景が好きだったのでしょうか、「菜の花」が出てくる句がいくつもあるそうです。鮮やかな黄色の絨毯を敷き詰めたような菜の花が醸し出す、うららかな春の情景には蕪村でなくても心を惹かれます。しかし、食いしん坊の私が惹かれるのはその美しい菜の花ではなくて、今、2月の野菜売り場に並んでいる「食べる菜の花」のほうです。

 かすかな辛みとほろ苦さが味の特徴で、早春の息吹を感じさせてくれるのが食用菜の花です。菜の花が舌に感じるほろ苦さは、あくまでも爽やかな大人の味。夏のゴーヤのように強く自己主張する苦さではありません。冬の舌に春の期待をもたらしてくれる美味しい刺激です。私も大人になってやっと解ってきた味ですが、今はその旨さにはまりきってしまいました。

 肉や魚の料理に較べれば地味なものの、からし醤油で和えた菜の花は色鮮やかな季節のトップランナー。固ゆでの歯触り感がたまりません。この時期に、しみじみと季節を愛でながら一杯やるのには最高の肴だと思います。緑黄色野菜として栄養価も高く、ミネラル成分やビタミンCも豊富なので、もっと我が家の食卓にも登場させて欲しいものです、とブツブツ独り言。

 これから蛤やアサリなどの貝類も美味しい季節を迎えます。蛤の潮汁に菜の花をあしらったり、アサリのバター焼きに一緒に炒めたりと、考えるだけで唾液腺が緩んできます。菜の花が咲く前に、しっかりと食べておきたい食用菜の花。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の甘さと粋な味のコラボが出来そうです。ほら、もう春の足音が聞こえてきそうじゃありませんか、菜の花の黄色い春の足音が。    






◎独り立ち

No.87 / 2010年2月21日配信

 デフレスパイラルの心配も消え去ってはいない、と心配する大学の経済学者がいます。景気の二番底を懸念する大手研究所員の記事も新聞に掲載されていました。大学生の就職内定率は2009年12月1日で73.1%(前年は80.5%)だとか。バブル経済破綻後の就職氷河期よりも厳しい状況です。もちろん、高卒の就職状況もそれに劣らず、苦しい報道がなされています。それでも頑張っている若者に出会えると「捨てたものじゃない」と嬉しくなってしまいます。

この正月に帰省した大学1年生の姪っ子と久しぶりに話すことができました。その姪っ子は都会に出ても大丈夫だろうかと、伯父にあたる私を本気で心配させたくらいのとても素直な娘です。両親思いで妹や弟とも仲が良く、親戚の集まりにも顔を見せるし、何より私によく話かけてくれるところなど、気配りにおいても凄いものがあります。まっすぐな姿勢でいつもニコニコ、勉強を嫌がらず、志望校にも一発合格でした。

 大学の寮に入っているそうで、勉強の忙しさを除けば生活はおおむね順調だとか。友達がファッションやボーイフレンドの話に夢中になっているのを尻目に、公認会計士の勉強のために黙々と塾(?)に通っているそうです。大学の授業(これもまじめに受けているとか)以外にも学習している人間がいるなんて、授業にも出なかった私には想像すら出来ません。「公認会計士の資格は難しいから、これくらいではダメかも」と笑っています。目標を持ち、精神的に独り立ちをしている笑顔です。

 それでも東京在住の19歳らしく、ずいぶんあか抜けてきました。少しだけ華やいできた姪っ子を見ていると、自分の将来のために「まっすぐに歩く」ことを始めている女性のしなやかな力強さを感じます。2〜3年後の景気の回復具合が気にかかります。彼女のためにも就職状況が改善されているといいのだけれど…。来年の正月はもう二十歳。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を一緒に飲んでくれるかしら。   






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2010/3月

◎土 筆

No.88 / 2010年3月1日配信

 春の季語になっている「つくし」ですが、漢字では「土筆」という書き方が代表的です。そういえば形状が筆の先に似ています。澄み切った小川の水や吹き抜ける風はまだ冷たくても、3月に入ればもう春です。そんな頃に一番早い春が訪れる場所は、つくしが頭を出す陽の当たる土手だったような気がします。幼い小学生の頃、母と一緒に田んぼをいくつも越えて「つくし取り」に出かけた思い出は、今でも色褪せてはいません。

 母は私たち兄弟をいつも一緒に連れ出しました。そうなると、決まって「つくし取り」の競争になります。喧嘩はもちろん、正月の雑煮の餅の食べ比べも兄には歯が立ちません。いつだって、なんとか兄の鼻を明かせないものかとチャンスを伺っているので、小さな挑戦者にとっては、この「つくし取り」がかっこうの戦いの場になりました。しかし、つくしを探し出すことは難しくないはずなのに、やっぱり兄の収穫量には及びません。

 悔しい気持ちを抱きしめて、夕日に照らされながら家路についたものです。帰りつくと、さっそく母は袴をとり、灰汁抜きをし、甘辛く煮付けてくれました。たまには、それを卵でとじて、柳川風煮込みにしてくれたこともあります。不思議なことに、子供の舌では旨味に感じられない「特有の苦み」も美味しく感じたものです。

 母が体調を壊して最初に迎えた春の日に、私は「昔、みんなでつくしんぼ取りに行ったね」とベッドの母に話しかけました。すると母は、私が兄に摘む量を負けた日には、帰り道に必ず手をしっかり握りしめて慰めてくれたそうです。「そういえば、ずいぶん食べてないねえ」と母がポツリ。そして、十数年後の今、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の湯気を揺らす春の夜には、母の一言と懐かしい「つくしの煮付け」を思い出します。「そういえば、ボクもずいぶん食べてないなぁ、母さん」   






◎もう一つの合格

No.89 / 2010年3月11日配信

「ひょっとすれば、次回の車検まではもたないかもしれませんよ、このタイヤは。細かいひび割れが見られるので、破裂するような危険性はありませんが、そろそろ交換準備をした方がいいのでは」とディーラーの担当者が、車検の結果報告を私に告げました。車は本当にいろいろとお金を食うものです。小遣いが減らされる中での、タイヤ交換は結構堪えます。

 そんなこともあって、久しぶりに愛車のタイヤの細部を見ていると、確かに細かいひび割れは認められます。「う〜ん。まだ、しばらくはもつんじゃないか?」とブツブツ。タイヤを撫でていると、昔、自動車学校に通っていた時のことが思い出されます。私の運動神経が鈍いのもあり、仮免許試験を受けるまでに補習を受けるなど、結構時間がかかりました。

 追加の補習は派生するし、無理して教習代を払ってくれている親の負担を考えると、堪らない気持ちになったものです。仮免許の試験、路上教習をくぐり抜け、やっとのことで実技試験にたどり着けたと思ったら、またまた試練の不合格。信号機のない交差点近くの道を歩いている人が、交差点手前で止まりかけようとしました。そのままスピードを緩めずに通り抜けた私の点数は75点で、合格まで5点足りませんでした。また、追加の講習。かさむ費用に、その試験時、交差点で止まりかけようとした人を憎みました。それさえなかったら。

 「そんなことを言うもんじゃない。お前が悪い。そりゃお金は掛かるが、命の大切さを学んだと思ったら、その費用なんか安いもんだ」と、私への父の言葉を憶えています。初めて運転免許証を手にして以来、長い歳月が過ぎましたが、幸いなことに大きな事故は起こしていません。命のことを考えると、やっぱりタイヤ交換しようかな。カップの中の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が、大きく頷いたような気がしました。「うん、合格だよ」って。   






◎のっこみ

No.90 / 2010年3月21日配信

「やった〜、これは大きい。50センチクラスやね!」 1.5号のカーボンロッドを大きく曲げながら、友人にタモ網の準備を頼みました。リールを巻く手にいつも以上の力が入ります。久しぶりの大物です。失敗は許されません。そして、いつもより慎重に寄せて、黒みを帯びながら銀色に輝く魚体を取り込みます。「へへッ、サイズを測ってみよう!」

 魚の口先から尾びれの先端までの長さを巻き尺で測りました。目測通り50センチはありそうです。これまで、私の仲間うちでは、まだ50センチ越えを記録したものはいません。「50センチ越え」は大きな目標であり、その達成は私達(へたな釣り師仲間)の中での輝かしいステータスになります。巻き尺を持ち、しゃがみ込む私を、周りから仲間が息を飲んで覗き込みます。

 微妙なサイズです。50センチにほんの数ミリほど足りないような。いや、尾びれをもっと引っ張れば、50センチと言ってもおかしくないような難しい判断に迫られています。う〜ん、どうしよう。私は無念さをかみ殺しながら「49.5センチだね」と意を決して告げました。記録を破られなかった安堵感が周囲に漂います。「フフッ、残念だったね」と会社の同期入社の友達がニヤリ。

 春になると、黒鯛(チヌ)が産卵の為に海岸沿いに寄ってきます。年間を通じても大型が釣れる時期で、釣り用語で「のっこみ」と言われる時期です。卵を抱えたものや精巣をパンパンに膨らませたものが多いので、釣り過ぎはいけませんが、釣りとしては本当に楽しい時期。黒鯛の刺身と釣行の楽しい話題に花を咲かせながら仲間と飲む、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の旨いこと。これがあるので明日も元気に働けそうです。   






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2010/4月

◎弁 当

No.91 / 2010年4月1日配信

 弁当を持って出社する人が増えてきました。以前は一部の女性社員だけだったのに、今は「弁当男子」とか呼ばれる男性も多いですね。世の男性は「草食男子」に続き、また一つ「優しい呼び名」をもらったわけです。「ワシ、装飾男子やけんね」「せっそうは、僧職男子バイ」とか「ソーショク系」の男子もいろいろいるけど、「草食系」が一番、現代の匂いがします。

 先日、街のお洒落な雑貨店では「弁当フェア」を開催中。カラフルで楽しいものから、「なにもここまで」と思わせるほどの機能が付いた弁当箱まで、ずらりと並んでいます。よほどしっかりした気持ちを持って選択に臨まないと、きっとデザインの海に溺れてしまいますね。私の中学時代にはアルマイトのドカベンしかなかったので、選ぶ必要などありませんでした。まあ、現代は良くも悪くも大変な時代だと思います。

 「煙や煤が入るので、窓を閉めときなさい。早くしなさい、もうすぐトンネルだから」と父が言いました。窓際に座っていた私は、列車の重い木枠窓を閉めようと頑張りますが、かたくて上手く閉まりません。小さな私にはやっぱり無理でした。トンネルに入る前に汽笛が鳴ったような不確かな記憶が残っています。兄が「俺がやる」と言って頑張りましたがタイムアウト。煙と煤に見舞われました。 「お前が、早く代わらんけん、だめやったたい」と、兄は私の頭をげんこつで「ごつん!」。

 泣きべそをかいている私に、母が折り箱の弁当から手作りのおにぎりを出してくれました。蒸気機関車にはなんとか乗れても、高価な駅弁は我慢した時代の話です。4月10日は駅弁の日。駅弁くらいは買える財布を持てるようになりましたが、今度は旅の列車に乗れる暇がありません。どこかで駅弁フェア、やってないかな? 伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の一升瓶が私をじっと見つめています。よっしゃ〜、今年こそは列車の旅だ!   








◎穀 雨

No.92 / 2010年4月11日配信

 冷たい雨の降る季節を抜けて、初夏に向かう柔らかな時季です。今年の穀雨は4月20日。穀雨は穀物の成長に欠かせない春の雨が降る頃のこと。大寒、春分、夏至などと同じ二十四節気の中のひとつで、「こくう」という語感が昔から好きで、その呼び名を忘れたことはありません。3日前の夕食のおかずさえも思い出せないのに、昔憶えたものはなぜか忘れません。とても不思議です。

 冬を越え、 春の優しい季節に育てられた野菜達がいっせいに顔を見せてくれます。先日「筍とふきの煮付け」という旬の味覚を味わったばかりですが、おいしい野菜はそればかりじゃありません。春トマト、春キャベツ、新タマネギ、新じゃが、新ごぼうなど、この季節は旨いものには事欠きません。春野菜の特徴はみずみずしさや柔らかい歯ごたえですが、とりあえずサラダでしっかりと楽しもうと思います。

 20歳の春。すでに新学期が始まっているというのに、体にチカラが入りません。パイオニアのカセットデッキを買うのに、バイトで稼いだ生活費をつぎ込んでしまったのです。FM放送を受信しては、やれツェッペリンだ、ピンク・フロイドだのと、録音に夢中でしたが、お腹が空いてたまりません。これも、好きなことを優先した報いで、次のバイト代が入るのは2週間先です。一日一食、インスタントラーメンの生活。布団にくるまっていることが多かった毎日。そんなところに学生アパートの管理人さんのドアをノックする音が。

 天国への階段を上る夢から覚めた私の目は、管理人さんが手にしている「新ジャガの箱」に釘付けになりました。管理人さんはその年の1月にも帰省できない私の為に、わざわざ餅を焼いて成人式を祝ってくれたおじいさんです。またもや救ってもらえました。私はジャガイモをそのまま蒸して食べるのは嫌いです。どうしても管理人さんの温かさが思い出され、涙が止まらなくなるからです。良い時代だったなぁ。生きておられたら、私は絶対に伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を贈っていたのに。穀雨、豊かなものを教えてくれた、あの春の優しい記憶。   






◎鯵の干物

No.93 / 2010年4月21日配信

 最近、同じマンションに住む方から、20センチ強の少し小振りな「鯵」を10尾ほどいただきました。狙いの魚が釣れなかったので、鯵でもという感じで釣ってきたそうです。もう少し大きければ刺身にできるのに、もう少し小さければ南蛮漬けが美味しいのに、とけっこう中途半端なサイズです。煮付け、塩焼きにも貫禄不足。たたきにすれば良いのだろうけど、何か気乗りがしません。

 そうだ!私は干し網を持っていたんだ。「鯵の干物」にすれば良いのです。へぼだけども、一応私も釣り師の端くれ。切れ味鋭い刺身包丁だって自前のものを持っているのです。内蔵、えらを取り、きれいに水洗いをした後で開きにしていきます。ふと、足下に生き物の気配。我が家の猫が顔をすりすりしてくるではありませんか。

 「お前がいたことを忘れていたよ、ごめん」と一尾だけは塩水の中に漬けずに、たたき状態の刺身にしてあげました。しかし、ドライフードだけで育っているので、前に飼っていた猫のようには刺身を見ても喜びません。「おいおい、せっかくお前の為に一尾つぶしたのに、その態度はないだろ、えっ」。すると、 主人の気持ちを逆なでするように、2、3度ペロペロ舐めた後「ケッ、青魚やないか」と捨てゼリフをはいて(私にはそのように見えた)隣の部屋に。

 小遣いをせびる為に、昨日私に手をすりあわせてきた娘に至っては、今日はもう感謝の気持ちもどこへやら。ベランダに干している我が鯵の一夜干しに「やめて欲しいわ、服に臭いが付くじゃない」と、ぶつぶつ。「本当ね、洗濯物が少し臭うわね」と我が連れ合いも否定的。今夜は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」に愚痴を聞いてもらわねばなりません。「おまえら、みんないい加減にせーよ! 絶対にやらんからな〜」   






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2010/5月

◎肉じゃが

No.94 / 2010年5月1日配信

 家人に頼まれて、仕事帰りにスーパーマーケットへ立ち寄りました。頼まれていた調味料を買った後、野菜売り場を通ると春の新ジャガが積まれています。そのコロコロとした小さな「メークイン」が、私に向かってニコニコと微笑みかけてくるようです。美味しそうな「肉じゃが」が脳裏をかすめるし、たまらなくなって私はすぐにじゃがいも2袋をカゴに入れてレジへと向かいました。

 独身時代、私を結婚へと踏み切らせた大きな理由の一つが「肉じゃが」でした。「肉じゃが」はもちろんその当時も、男の好きな一品として必ず上位にランクインしていました。美味しさとともにお袋の優しさも想いだすことができる、男泣かせの代表料理だったからです。外食が続く独身の食生活に割って入ってくる、彼女手作りの温かい「肉じゃが」こそ、最強の料理だといっても過言ではないと思います。

 彼女が作ってくれた「肉じゃが」は、少年時代に味わっていた「肉じゃが」とは味も見栄えも違いました。最も違っていたのは、挽肉が使われていなかったことです。きちんと柔らかい上等の薄切り牛肉が使われ、さらに彩りを添えるグリーンピースもちりばめられていました。とても華やかな印象を与えてくれた彼女のものに較べ、母の「肉じゃが」は質素すぎましたが、それでも記憶に残る美味しさだけは今でも鮮明です。

 「今度の肉じゃがは、牛挽肉を使ってくれよ」と、新ジャガを買った夜に家人へ頼みました。「本当に良いんですか挽肉で?」と首をひねる家人の不思議そうな顔。近づく母の日。さらに「肉じゃが」が食べたくなりました。今年は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」も、その挽肉の「肉じゃが」の登場を心待ちにしてくれているような、そんな気がします。   






◎黒 船

No.95 / 2010年5月11日配信

 我が家人達は、日曜夜のNHKの大河ドラマ「龍馬伝」に夢中です。おそらく、ストーリーよりも男前の主人公に惹かれて「ハマっている」のではないかと 考えられます。「君たちのように、物語より主人公ばかりに目がいくような見方はイカンね。邪道だもんね、それは」。「お父さんこそ、ひょっとしたら嫉妬しているんじゃない?」と娘がドキリとしそうな言葉を返してきます。

 そういう私も先日は、龍馬の初恋役の平井加尾のあまりの切なさに涙がぽろり。京都で過ごした龍馬との短い時間、そして別離の表情。胸に熱くこみ上げてくるものがあります。照れくさいので、涙も隠れ涼子ファンということも家人達に覚られたくはありません。すぐに 「モヤがかかっているような空間の演出、光と陰の使い方に工夫を凝らした撮影は努力賞だな」と、無理矢理、話を映像のほうに振り向けました。

 ドラマの中で龍馬が江戸で剣術の修行をしている時に黒船がやってきました。「太平の眠りをさます上喜撰、たった四はいで夜も寝られず」という狂歌で皮肉られた江戸幕府の狼狽ぶり。黒船が最初に現れた翌年の1854年に下田で、鎖国政策に終止符を打つことになりますが、妻と娘をヒートアップさせながら、物語はこのまま一気に幕末の舞台へと進展していきそうです。

 「会社に入って、改革を言い続けてきた若い頃の俺は、よく『龍馬』みたいと言われたものだ。今も金融危機というアメリカ発の黒船と戦っているし」と、娘に言えば、「え〜、ウソ〜」。「腹も昔はこんなもんじゃなかったしな」と言って、腹をポコポコ叩くと、「キモッ」と一言返ってきました。そんな家庭環境にめげずに、現代の龍馬は静かに平井加尾を想いながら、今夜もグラスの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をぐいっとあおるのです。   






◎若布の味噌汁

No.96 / 2010年5月21日配信

 先頃、世界的な話題になった「クロマグロ」はもちろん、イカだって一番の消費国はこの日本です。私たちは海の幸が大好きな民族だし、海藻だって一番多く食べるのは日本人です。若布は春から初夏にかけての季節が特に美味しいと言われますが、私もこの時期が訪れる度に条件反射的にその若布の味噌汁を飲みたくなります。

   入社間もない頃、休日前に先輩に連れられて、記憶がなくなるほど飲み歩いた後、そのまま新婚である先輩の社宅に転がり込んだことがありました。抱いていた甘っちょろい理想と現実のギャップに心を重くしていた入社後の日々。5月病だったのかもしれません。そんな時、先輩はだんだん元気をなくしていく私を見かねて、夜の歓楽街に引っ張りだしてくれたのです。

  翌朝、先輩宅で目を覚ました私はひどい二日酔いで、気分は最悪。そんな状況下でも、朝ご飯は食べた方が良い、と奥さんは勧めてくれました。ご飯はともかく、若布が入った味噌汁だけはなんとか飲めそうです。アツアツの味噌汁は、貼り付いたすべての嫌なものを流してくれるように胃の中に落ち、じわりと身体全体にしみ渡っていきました。こんなに美味しい味噌汁は久しぶりでした。

 「お酒を飲んだ後は、しじみの味噌汁が良いって言うけど、ごめんなさいね」と先輩の奥さんは申し訳なさそうです。私はお礼を言った後、すぐに社宅を後にしましたが、若さも手伝い、あっという間に元気を取り戻すことができました。5月病の部下を助ける先輩のエピソードが、私に「わかめの味噌汁」を思い起こさせる初夏。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とともに「若布の味噌汁」は私にとっての温かくて大切な宝物です。   






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2010/6月

◎ロビンソン・クルーソー

No.97 / 2010年6月1日配信

 たいした読書量ではないけれど、読みかけの本が近くにないのは寂しいものです。最近はよく市の図書館に足を運んでいます。小遣いに余裕がない時の公共の図書館は本当に助かります。図書館内は、お子さんのために絵本を借りようとしている若いお母さんでいっぱい。特にカラー印刷の絵本は値段も高く、無料で借りれる図書館は市民の幼児教育に貢献できているので◎です。

 海外の作家の棚で足を止めて眺めると、目に飛び込んできたのが「ロビンソン・クルーソー」。あぁ、これは昔、たしか少年の頃に何かで読んだことがあったなぁ、と記憶を辿るけれどもそれ以上の詳しいことは思い出せません。海難事故にあった主人公が無人島で生きていく、とても有名な本ですね。

 私はそのダニエル・デフォーが書いた青いハードカバーの本を大切に抱え、貸し出し係の司書の方に渡しました。その女性の貸し出し係は、貸し出し入力を終えたキーボードから手を離した後、私の瞳に少年の心が宿っているかを確かめるように、穏やかに頷いてくれました。その後、私が酒のショップに向かったのは言うまでもありません。

 中流家庭に生まれたロビンソンは、「堅実に生きるのだ」という父親の教えに背き、船乗りの道を選びます。結果、漂着した無人島で始まる一人っきりの孤独の生活。ぎっしりと文字が詰まった上下2段組みの340ページは手応えがあります。しかし、約3時間の3D映画「アバター」と同じように、あまり長さは感じません。今週は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」片手の幸せな冒険の時間が続きます。     






◎太陽の味

No.98 / 2010年6月11日配信

 休日の昼、久しぶりに家にいる娘が「お昼は私が作ってあげる」と、親子関係に前向きな発言です。スワッ、小遣いの無心か?はたまた、無理難題か?「お父さん、トマト味は嫌いじゃなかったよね」と、身構える私に「味」の確認。「あぁ、トマトを使ったスパゲティも大好きだし、トマトだったら、何でも大丈夫だ!」

 テーブルに並んでいるのは「トマトソース味」のラーメンでした。そして、そのラーメン丼からは湯気が立っていません。「なんだ、熱いやつじゃないのか?」と訝りながら冷たい麺をすすると、濃厚なトマトの味が口中に広がります。「けっこう、いけるじゃないか!」と言うと、「でしょ」と得意顔の鼻がさらに高くなっています。「フフッ、太陽の味でしょ!」

 総務省が発表している全国家計支出額のデータによれば、野菜の項目ではダントツの一位がトマトです。有名なトマトケチャップメーカーの調査でも、トマト調味料の伸びが顕著。今年は、素麺のタレにトマト味が売られています。そういえばスーパーでも「調理用(加熱用)のトマト」が普通のトマトの横に並んでいました。トマトラーメンのチェーン店も好調だそうです。

 新婚当時、家人が作ってくれた「トマト(生食用)と卵の炒め合わせ」に納得できなかった私も、加熱トマトの旨さを認めざるを得なくなりました。そういえば、今年の一月にはトマト味の「すき焼き」も経験済みです。しかし、私は心の中で抵抗を続けます。少年時代、暑い夏の昼下がりに井戸水で冷やした真っ赤な完熟トマトの味。あれこそが本当の太陽の味だと。グラスに注いだ伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が静かに頷く6月です。     






◎たこ焼き

No.99 / 2010年6月21日配信

 バイト代支給日の夕暮れ時、私鉄電車の駅を降り立つ私の目には「たこ焼き屋」の屋台の灯りが。バイト代はおやつよりもインスタントラーメンなどの必需品に変わりますが、この「支給日」だけは別です。その日ばかりは財布のひもを少しだけ緩めます。その屋台のたこ焼きはソース味ではない正真正銘の醤油味で、当時、たこ焼きの本場でも珍しかったと思います。

 最初はもの珍しさに惹かれて買っていました。それに、屋台のオヤジさんは私によくおまけをしてくれました。しかし、醤油味はソース味に較べ、さっぱりとした淡白な味わいなので、刺激を求めたがる若い舌にはどこかもの足りません。次第にその屋台は通り過ぎるだけのものになってしまいました。そして、いつの間にかその屋台も営業を止めたようで、卒業を控えた私の記憶からも遠ざかっていきました。

 翌年、初給料をもらったばかりの私は学生アパートの管理人さんに会いに、以前利用した電車の駅を降りました。すると、目の前にはあの懐かしいたこ焼きの屋台が出ているではありませんか。懐かしくなり、手みやげを用意していなかった私は、管理人さんと自分用に2パック注文しようと思い、立ち寄りました。「あれっ、オヤジさんはどうしたんですか?」「病気してまして、いろいろ大変ですねん」

 その若者は学生で、最低限の授業出席以外はたこ焼きを焼いているとのことでした。授業料を稼ぐのも楽やないですわ、と笑っています。「昔、オヤジさんはよくおまけしてくれたし、ん〜、10パックくれませんか」と、私は注文数を一挙に増やしました。世の中、助けられたり助けたりです。今度、醤油味を家で作ってみようかな。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」なら、その味によく馴染むに違いありません。もちろんあの頃の思い出にも。     






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2010/7月

◎祭りがはじまる

No.100 / 2010年7月1日配信

 「あんなにお尻を出して、目のやり場に困ります」と結婚する前に、家人が言ったことを憶えています。この締め込み姿が良いんだよ、と、山笠を舁く水法被を着た集団を眺めながら私は応えました。祭りがあるそれぞれの地域と同じように、7月上旬の博多の町では「博多祇園山笠」一色になります。昔ながらの狭い路地にも「オイサ、オイサ」と熱気が溢れ、勢い水が飛び交います。

 博多祇園山笠のクライマックスは最終日の早朝にある「追い山」です。15日明け方の午前4時59分に8台ある山笠の「一番山」がスタートします。それぞれが、櫛田入りとコース全体の走りの時間を全力で競うわけです。スタートの緊張感を感じようと思ったら、白い月が薄暗い中空に残る時間に、眠い目をこすりながらホテルを出なければなりません。

 祭りがある町には不思議な落ち着きがあります。祭りの様式や規模の大小はあっても、その地域の人たちの間に脈々と流れる、伝統を愛する心に変わりはありません。集団で行うから必要になる正しい規律と周りの人を気遣う姿勢。祭りはそんな精神的な財産を町に残します。ちっちゃな締め込み姿の男の子が必死でお父さんの手を握りしめています。そのシーンは次世代へ手渡せる大切な宝物です。

 「期間中はキュウリを食べてはいかんのだよ」「えっ、どうして?」と娘が首を傾げます。「キュウリの輪切りのデザインが、櫛田神社のマークに似ているからだよ」「なぜ、似ているとだめなの? ねえ、どうして?」「どうしてって、とにかくそうなっているんだよ」少し荒っぽく応えてしまいます。「分るように言ってくれなくっちゃ」と娘がやり返してきます。いかんいかん、我が家の「祭り」が始まりそうです。今夜はすこし早めに伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の時間にしよう。     






◎翼を広げよう

No.101 / 2010年7月11日配信

 7年間の時をかけて、先月、推進装置の故障などの度重なる困難を乗り越えて、小惑星探査機「はやぶさ」が無事に地球に帰り着きました。「はやぶさ」は小惑星イトカワの砂の期待がかかった採取カプセルを分離し地上に送り届けましたが、機体は大気圏に突入した際に燃え尽きてしまいました。自分の身体で我が子をかばい、命を救う母親を見るようで、とても切ない感じです。

 「はやぶさ」帰還の話題で日本中が沸き返っていたころ、もうひとつの期待が宇宙空間で広がっていました。太陽の光を利用して推進する「ソーラーセイル」の宇宙船「イカロス」が宇宙で帆を広げることに成功。この帆は軽くするために薄くする必要があるそうで、台所にある家庭用ラップフィルムのなんと10分の1以下の厚さなのだそうです。7.5ミクロン? ん〜、想像がつきません。

 太陽光が動力源なので、「はやぶさ」のように燃料切れの心配もなく、薄膜の太陽電池による発電もおこなうので、とにかく太陽の光さえあれば大丈夫なのだとか。この「イカロス」は金星に向かって飛んでいくそうですが、将来は遠い遠い木星に行くプランがあるそうです。この世界で初めての宇宙ヨットはぜひ、このままいい結果を残してほしいですね。

 先日の七夕の日、私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をやりながら、心に願いを書き留めました。もう一度、あのキラキラした瞳で夢を抱いていた若い頃のように、可能性への帆を張ろう、翼を広げよう。はやぶさのように決してあきらめることなく、今度は最後までやり抜こう!と、その時私を見つめる視線が。へ〜、また決意かい?ところで今度は何するの?と同居猫が私の顔を眺めた後、座り込んで足の肉球をぺろぺろ舐め始めました。     






◎オクラ

No.102 / 2010年7月21日配信

 独身時代、夏になると食欲が落ちてきて、元気が出ないという時期がありました。仕事で午前様が続いたウィークデー。疲れた身体、解放されない精神状態のまま、ウィークエンドの日曜日はアパートでゴロゴロ。扇風機の風では満たされない、涼を願う夏の体温。冷たい飲み物が美味しいので、ついつい飲み過ぎてしまい、食欲もなくしてしまいます。食欲が落ちてくると、何をするにも意欲が湧いてきません。

 仕事にメドがついた週末の夜、先輩に誘われて小料理屋へ出かけました。「あら、そちらの若い人、何か元気が無いわね。ボーナス出なかったの? まさかそんなことはないわよね?」と女将さんが私の顔を覗きながら声をかけてくれました。そんなんじゃなくて、独身だから生活が不規則。で、きっと夏バテ中でしょ。と、先輩が応えます。「ママ、何か元気の出るものをこいつに食べさせてやってよ」

 土用の丑には少し早いけど、鰻は大丈夫?嫌いじゃないわよね?と、女将さんが蒲焼きと一緒に出してくれた小鉢には、緑色が鮮やかなオクラのスライス。「山芋なんかもそうだけど、夏はこのネバネバとしたものが良いのよ。まあ、若い人には元気がつきすぎて、かえって問題がおこるかもしれないけどね」と、笑っています。女将さんは少し照れた私を、「ふふっ、赤くなって」と冷やかしました。

 最近、夏バテはしなくなりましたが、暑い季節になるとオクラを良く食べます。少し塩で揉んで、ゆであげてスライスに。鰹節をのせてポン酢でいただきます。オクラを食べるときに、よく当時の女将さんの声が甦ります。「あなた、何ニヤニヤしてるの?」と、不思議がる家人の問いには答えずに、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のロックをごくり。フフッ。カランとグラスの氷が心地よい音を立てました。     






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2010/8月

◎冷や奴

No.103 / 2010年8月1日配信

 昔から、夏は夏らしく暑くならなければ、景気も良くはならないといわれてきました。気温も低めで、日照時間に恵まれなかった昨年と違って、この夏の気温はうなぎ上りの連続です。夏らしい夏が訪れたので、きっと消費に火をつけてくれると信じます。ようやく景気も持ち直しかけているところなので、さらにこの「酷暑」が様々な売り上げに貢献してくれるコトを望まずにはおれません。

 昼間にたっぷりと太陽の日差しを浴びた夜、優しく涼やかに食卓で私を待ってくれるのが冷たい豆腐、そう、「冷や奴」です。夏は冷や奴で、冬は鍋で私の半生を支えてくれた豆腐には感謝せざるを得ません。身体の組織をキチンと作り上げてくれた植物性タンパク質。バイト代で生計を立てた学生時代をはさんで、家計の手助けをずっと続けてくれたその価値ある経済性。豆腐という食品を誕生させた人に心を込めて拍手です。

 食べ方はあくまでもシンプル。四等分された立方体の豆腐の上に削り節をのせた後、醤油をたらしてツルリと頂くだけです。「お父さんはいつもワンパターンなんだから。料理レシピのサイトには、トッピング例がたくさんあるので、見てみたら?」と、娘が私に知恵を授けようとしてくれます。「生姜、ザーサイ、キムチも美味しいし、ラー油やオリーブ油をかけても美味しいよ」

 娘よ、ありがとう。おそらくどれも美味しく豆腐を食べることは出来るだろう。面白い味に出会えると、話の種にもなるし、悪くはないと思う。しかし、昔ながらの食べ方を止めると、「頑張ったあのころ」の「本当に美味しかったもの」を忘れてしまいそうな気がするんだよね。君が、孫を連れて遊びに来るようになっても、さらにその子が結婚する時期になっても、私はこの食べ方を続けているだろうよ、きっと。夏は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とシンプルな冷や奴に限る。親のこんな生き方、嫌かい?

    






◎線香花火

No.104 / 2010年8月11日配信

 この夏の中元商戦まっただ中の時期に、「線香花火」がお中元ギフトになったというニュースを聞きました。面白いアイデアが次々に商品化される時代です。きっと、子供や孫が帰省で集まるお家への贈り物になるのでしょう。「美味しいもの」から「楽しいこと」へ、成熟するマーケットの消費のカタチは、様々なニーズへの対応を重ね、柔らかく膨らんでいきます。

 「衆ちゃん。東京のおじさんが、花火セット持ってきてくれたわよ」と、母が8歳の私に向かって笑顔を見せます。部屋の片隅で宿題に苦戦していた私に、東京のおじさんは片手を「やあ」と挙げてみせました。前の年には青い野球バットをプレゼントしてくれたおじさんです。私は母に促されて、おじさんに「ありがとう」と大きな声でお礼を言いました。

 私は少し不満でした。花火は大好きだったので、とても嬉しかったのですが、残念ながら私の大好きな打ち上げ式の花火が少なく、迫力のない線香花火が多いセットだったのです。女の子向けのセットじゃないのか、と思うたびに不満が成長していきます。お盆過ぎ、そんな私と兄を連れて、母は裏の空き地で「我が家の花火大会」を開いてくれました。おじさんの線香花火も「長持ち競争」で真剣になれ、思ったよりも楽しいものでしたが、小さい胸にはまだ不満がくすぶっています。

「衆ちゃん、はい、これ!」と最後の線香花火の前に、太い筒を手渡してくれました。懐中電灯の光に浮かび上がった文字はなんと「10連発」。母がちゃんと別に用意しておいてくれたのです。暗闇の中で母の横顔が線香花火の明りに輝いている中、私は満天の星空に向かって、迫力のある大きな音で発射を続けました。どうして母は私の心を見抜いたのだろう。お盆の夜は必ず、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と一緒に大切な母の記憶を探る自分に出逢えます。   






◎レバニラ炒め

No.105 / 2010年8月21日配信

 家人が「内臓系統」をあまり好まないので、私が大好きな「ホルモン焼き」や「もつ鍋」、レバニラ炒めなども食卓にのぼる回数は多くありません。「レバーはビタミンAや鉄分が豊富なので、女性も食べた方が良い」と勧めても、全く話に乗ってこようとはしません。そういった理由で、今の私の内臓系料理はもっぱら「飲み会」などの外食に限られています。

 「ここでは、みんなよくレバーのステーキを食べるよなぁ」と、私に中央郵便局の夜間バイト紹介してくれた先輩が教えてくれました。大きな郵便局内には食堂があり、夕刻から明け方迄働く私たちの「夜食」を作ってくれます。仮眠をとれるものの、私たちに課せられる夜間作業は、麻袋に入った郵便袋を宛先地名ごとに仕分けるキツい筋肉労働でした。いきおい、食堂では体力のつくメニューがもてはやされるのです。

 それ迄は今の家人と同じように、レバーを好んで食べるようなことはありませんでした。しかし、体力を要求される労働がいつの間にか私を、「レバーも結構いけるね!」「次、また食べよう」という若者に育て上げてしまったのです。バイト代が残ってるうちはよく、有名な外食チェーンのレバニラ炒めのお世話になりました。生活費が枯渇してくると、インスタントラーメンとキャベツの日々がまた始まるのです。だから、私にとっては「レバニラ炒め」はバラ色の日々だったというわけです。

 人が寝ている時間も働き続けた若い「あの体力」も、それを支える「気力」もずいぶん落ちてしまいました。年齢とともにアップしたのは体脂肪率とコレステロール量という情けなさ。残暑の夏だし、ようし、ここは一発・スタミナ料理だ!と「レバニラ」のある居酒屋に雪崩れ込むしかありません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と「レバニラ」は夏の最強タッグでしょう。「明日への活力」というフレーズが似合うメニューですが、本当は家でも作ってほしいなぁ、ぶつぶつ。     






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2010/9月

◎骨まで愛して

No.106 / 2010年9月1日配信

 じゅっと脂がはじけ、落ちた脂に火がついて、コンロの上に白い煙が立ち上ります。私たち幼い兄弟は土間の台所から漂ってくる焼き秋刀魚の香ばしい匂いに、家中が占領されるこの季節が大好きでした。姿が刀に似ているから「秋刀魚」と書くのよと、母から教えられたことに頷きながら、皿の上の身を突いた頃の記憶は今でも鮮明です。

 母は必ず私たちが食べ終わった後、皿に残った長い秋刀魚の骨をコンロの網で焼いてくれました。「『秋刀魚の骨』は柔らかいし、焼いて食べると美味しいのよ。これを食べるとあなた達の骨も丈夫になるんだから。骨まで愛してやらなくてはね」と、私たちに上手くいい聞かせながら食べさせました。醤油が染みて香ばしい秋刀魚の骨焼きは、どんなおやつより美味しかったと思います。

 今年は北海道で獲れ始める沿岸の秋刀魚が不漁です。海水温が高く8月下旬くらいまでの水揚げ量は昨年の1/10くらいだと驚かされましたが、北太平洋の海水温が低い海域には数多く分布しているとかで一安心というところです。秋刀魚が戻って来るように、日本沿岸の高い海水温には早く低下してほしいですね。行き過ぎた高温をいやがるのは人間も秋刀魚も同じだなぁと妙に納得しました。

 熱々の秋刀魚に、1/4に切ったかぼすをギュッと絞ります。醤油を秋刀魚と大根おろしに少したらして準備万端。そして初秋刀魚に合わせて栓を開く、9月の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」。秋刀魚をつつき始めるとすぐに骨が見えてきました。骨を食べなくなって何十年経つのだろう。今夜は骨を焼いてみようかな。骨まで愛してか、ふふっ。     






◎なすの漬け物

No.107 / 2010年9月11日配信

 「衆矢君、あんた今週バイト代が入ったら、故郷に帰るって言うとったなぁ。あんたんち、九州のどこやったんかなぁ?」バイト先のレストランのママさんの言葉に、学生だった私は皿洗いの手を止めました。実家のある故郷名を伝えると、「これ、お土産にもって帰りや。早よ、食べたほうがええけど、まあ大丈夫やろ、ちゃんと冷蔵庫に入れときっ」と、包みをひとつくれました。

 包みは小さいけれど、何やらずっしりしています。「京都は漬け物が美味しいさかい、あんたのお母さんも喜んでくれるやろ」と、今日、京都の実家から戻ってきたママさんは包みの中身が漬け物であることを教えてくれました。京のなすはとびきり美味しいし、そのぬか漬けはもう絶品よ、と言葉を付け加え、にっこりと微笑みました。

 やっと貯まったバイト代を使って乗り込んだ、貴重な帰省の新幹線。それなのに、途中の岡山駅に着いた瞬間、何か尋常ではない嫌な感じに襲われました。喉まで出かかっているのに出て来ない歌手の名前を思い出すのように、じれったさばかりがまとわりつきます。あ〜っ、そうだ!お土産にもらった京都の漬け物を、部屋の冷蔵庫に置き忘れてしまっている!時すでに遅く、新幹線は岡山駅を後にしていました。

 「あなた、秋なすは今夜の天ぷらに使うね!残ったのはぬか漬けにしとくわよ」と家人の声が聞こえる土曜の午後。「ああ、忘れないように頼むよ」と言ったとたん「京のなすぬか漬け」が脳裏に。グラスの中の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」は分ってくれています。私が岡山駅を出た後、次の駅でUターンして漬け物を取りにいったことを。そして次のひと月、インスタントラーメンの日々が続いたことを。






◎畳に座って

No.108 / 2010年9月21日配信

 昔の十五夜の時期はもう少し涼しく、そして年によっては、それ以上にひやっと風が冷たい夜もあったような気がします。幼い頃の曖昧な記憶ではあるけど、近年の9月の気温に比べれば、間違いなく低かったはずです。そんな気持ちのよい夜、縁側にススキや団子を飾った風流を、幼心に畳の部屋から眺めながら味わったものでした。

 私の今の住環境では、畳の部屋にごろんと横になって、「丸い月を愛でる気持ちの良さ」など味わえるはずはありません。かろうじて一つだけある畳の部屋は月の見えない北向きです。普通、そこまで考えてマンションを選択するわけはありませんね。「畳って嫌いじゃないけど、そんなにいいかなぁ?」と娘が、畳の部屋を愛する私を不思議がります。

 今年は十五夜が9月22日、そして2日後の24日が「畳の日」。「丸い月」プラス「畳」のイメージは、私が幼い頃から大好きだったイメージです。もちろん大人になってからはそれに酒がプラスされます。キチンと畳みにあぐらをかいて、清々しイ草の匂い中で伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を楽しみながらの月見が「夢」になりました。

 年間の「畳表の需要」は平成6年度を100とすれば、平成20年度の指数は38というところだそうです。畳の需要は毎年落ちてきて、私のような「畳党」を限りなくさびしくさせます。よし、私も男だ。月が見える南向きの居間を、思い切って畳の部屋に改装しようかな?「馬鹿なこといわないでくださいよ、家計もけっこう大変なんだから」と、家人の現実的な声がすぐに私の夢を砕いてしまいます。






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2010/10月

◎タニン鍋

No.109 / 2010年10月1日配信

 「お父さん、タジン鍋って知ってる?」と娘が私に問いかけました。いくら最新の情報に疎い私でもタジン鍋くらいは知っています。しかし私はすました顔をして「ん?タニン鍋か?」と、とぼけた答えを返してみました。「え〜っ、そんなんじゃなくって、タジン鍋よ、タ・ジ・ン・鍋。ほら、とんがり帽子のようなフタがついたモロッコの鍋、知らないの?」

 娘が友達の家でタジン鍋の「蒸し料理」を食べたら、とてもさっぱりとして美味しかったと言います。「蒸し煮ももちろんだけど、普通の鍋料理も出来るし便利だし、可愛いし!」と、我が家でも買おうよと言わんばかりです。「そんなの、普通の土鍋じゃいかんのか? とんがり蓋が付いていなくても、同じような料理は出来るじゃないか」

 娘と同じくらいの歳に、私が学生生活の中で最初に購入した鍋はアルミ製の小さなラーメン鍋でした。当時主食と化していたインスタントラーメン作りに大活躍をしてくれたものです。それに、味噌汁作りはもちろん、湯豆腐・白菜鍋と、一人暮らしの食生活を懸命に支えてくれました。最期は凸凹だったそのラーメン鍋には愛着が湧き、卒業時の処分に困った記憶があります。

 「河村君、ちょっと寄らへんか? 他人鍋が出来たとこやさかい」いつも腹を空かしていた私は、管理人さんの部屋に寄ると、牛肉と卵が美味しそうに煮えています。「牛肉と卵で他人丼言うから、ワシは鍋もそないな呼び方しとんのや」私がキャベツ入りのラーメンばかり食べていたことを、管理人さんは知っていました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をカップに注ぎながら、娘との会話を思い出します。「ふふっ、タ・ニ・ン鍋か」






◎栗名月

No.110 / 2010年10月11日配信

 中秋の名月は9月に訪れましたが、残念ながら私の地方では曇天のせいで観賞出来ませんでした。その日は夜の気温も湿度も高く、仮に十五夜の満月が現れていても、秋の雰囲気に浸ることは出来なかったかもしれません。よし、次は十三夜がある!と、私はしつこく10月20日に次の月見の目標を定めました。

 9月の十五夜(中秋の名月)のことを「芋名月」、10月の十三夜のことを「豆名月や栗名月」といった「呼び名」は作物の収穫期と相まり、自然の恵みが催しに反映していてどことなく風雅です。そういえば、昔、父が「杯の中に月を浮かべて飲んだら、美味しいだろうな」と話していたのを想いだします。

 娘に十三夜の月のことを「栗名月」と言うんだよ、と教えてあげたら、「私はそんな栗最中より、新栗を使ったモンブランのほうが好き。そういえば、今年はまだ食べてないよね」と、風流とはかけ離れた反応。現代は月を池に映して、その姿を愛でるといった「いにしえの時代」ではないけれど、「栗名月」を和菓子の最中の名前に間違えるとは!

 十三夜にはほくほくとした茹で栗を用意しようと思います。由緒ある日本の正しい風物詩には、自然と一体になった優しい空気感があります。そうです、栗の優しい自然な甘さは、芋の持つ豊かな甘みに似て、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の味わいにもどこか通じます。十三夜が晴れることを願って、さあ今夜も一杯やりましょう!







◎寿司の日、焼酎の日

No.111 / 2010年10月21日配信

 国内では様々な冠がついた記念日が設定されていて、「11月1日は『ワン・ワン・ワン』だから犬の日で、2月22日は『にゃん・にゃん・にゃん』だから猫の日ですね」と会社の女子社員が教えてくれました。鳴き声の語呂合わせで決まった日は憶えやすくて親しみが持てます。それに、その日はホームセンターでもペットフードのセールはあるし、重宝します。

 「お父さん、11月1日は『寿司の日』ですってね? お寿司屋さんの店先に特別サービスデーとか、書いてありましたよ」と家人がエコバッグから夕食材料をテーブルに出しながら話しかけます。「そうだな、その日は給料後だし、久しぶりにくるくる寿司でも行こうか」と言ったものの、その日は月曜日で早く帰れる保証はありませんし、夜に家族で出かけるのも少しばかり億劫です。

 全国すし商環境衛生同業組合連合会といういかめしい名前の会が設定した「全国すしの日」が11月1日です。新米が出回っていて、脂がのった海の幸など、おいしいすしネタが豊富な時期なので、その日に決めたということです。けっして何かの数字の語呂合わせではありません。しかし、11月1日は「一番いい日」と読めなくもないですね。

 そして、この日は我が愛する「焼酎の日(平成元年に制定)」でもあります。これでもかとばかりにいくつもの難題が降り掛かる日の夜は心を癒してくれ、嬉しい出来事があった日には喜びを倍増させてくれるのが焼酎です。これまでの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」には本当に感謝、感謝。11月1日は宅配寿司にすれば、家の中で幸蔵片手にゆっくりと楽しめるし、この「一番いい日」に最もふさわしい「美味しい取り合わせ」だとは思いませんか?









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2010/11月

◎立 冬

No.112 / 2010年11月1日配信

 11月7日は立冬です。近年は暑さの収まる時期がだんだん遅くなり、私の住む九州では「10月中は半袖で過ごしたよ」という「暑がり」の友人もいました。秋特有の抜けるような青空と澄んだ空気。やっと美味しいもの満載の「食欲の秋」も佳境に入ると思ったら、もう立冬。「大好きな秋」を実感できる時間が、本当に短くなったものです。

 11月は陰暦名で「霜月」と呼ばれていました。実に風流で、端的に時季をあらわしている良い名前です。立冬や霜月などの名前は、私たちの暮らしが古くから自然の営みと密接に結びついていたことを感じさせてくれます。私は幼い頃、毎年母が用意してくれた手編みの「毛糸」のセーターに、その年初めて袖を通す「11月」が大好きでした。

 「あなた、立冬の日は『おせんべいやあられの日』っていうの、知ってますか?」そういえば、去年どこかのチラシに書いてあったような気がします。「煎餅でも買っておきましょうか?」「あ〜、あの、あられをチョコレートでくるんだやつ、あれ美味しかったけど」「でも、期間限定って書いてあったので、今は無いかもしれませんね? 確か、バレンタインの時だったから」

 休日の夕刻、つるべ落としの落陽を眺めながら「幸蔵」のお湯割りを傾けます。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲んでいると、チョコあられが頭に浮かびましたが、やっぱり11月は手編みのセーターの思い出にはかないません。母が編んでくれたあの毛糸のセーターは本当に温かだったと、「幸蔵」は「霜月」のそんな記憶を優しく呼び起こさせてくれます。 






◎長い夜

No.113 / 2010年11月11日配信

 シカゴという有名だったグループの曲に「長い夜」があり、日本の有名だったシンガーソングライターも「長い夜」を歌っていました。秋分の日以来、一日一日と長くなる夜の時間。数学の教科書より、好きな女生徒を想いながら窓の外を眺めていた時間のほうが長かった高校時代の秋の夜。一日千秋の想いがこもった片思い的「長い夜」とはもう縁が切れましたが、秋の夜長は今でも大好きです。

 ヘレン・メリルにしようかサラ・ボーンにしようか少し迷った後、ニューヨークのため息のヘレンを選択。ドント・イクスプレインという曲が人生を教えてくれるように私を包み、ゆっくりと流れていく秋の夜長。朝の通勤ラッシュや職場の喧噪、上手くいかない新企画のことは消し去られ、一人の時間が何とも言えない優しさに包まれていきます。

 私は図書館から借りてきたばかりの「勇気の季節(ロバート・B・パーカー)/早川書房」のページをめくります。ボクシングを教わっている少年のまなざしで「愛や勇気」を描いた小説で、今年急に亡くなったパーカー最期の時期より少し前に書かれたと言われています。少年とその黒人トレーナーとの交流が「初秋」というスペンサーシリーズの名作を想い出させます。

 トレーナーが少年に対して「お前にボクシングを教えているのは良いボクサーにするためじゃない」と言います。そういえば、そういうことを言ってくれるコーチやボス・上司が少なくなってきたなと、自分を振り返って苦笑い。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のキャップを緩める秋の夜長。ジャズボーカルと勇気を描いた本、そして旨い幸蔵。長い夜、バンザイ!最高です。






◎辛子明太子

No.114 / 2010年11月21日配信

 博多を代表するお土産や贈答品に「辛子明太子」があります。先日、仲良くさせていただいている方より、「沢山もらったので、少しどうですか?」と、その辛子明太子のお裾分けにあずかりました。辛子明太子は地元の特産品とはいえ、パクパク食べることが出来るほど安くはありません。「アツアツのごはんに美味しそうね」と庶民代表の我が家人達は大喜びです。

 先日偶然にも、仕事の関係で辛子明太子を製造されている方に、お話を伺う機会がありました。1975年に新幹線が博多まで延び、辛子明太子は全国的に有名になっていったといいます。現在、博多には沢山の辛子明太子の会社があり、しのぎを削っていますが、最近は博多以外でも辛子明太子の製造販売を行う会社も増え、さらに競争が激しくなっているそうです。

 現在の辛子明太子は「調味液に漬ける」という工程で造った川原俊夫氏の流れを汲むものだとか。彼は製造法の特許取得もせずに、地元の同業者に開発した製造法を惜しげも無く教えたそうです。今の時代からは考えられない行為ですが、それで数多くの明太子メーカーが育ち、博多の名物に育っていったというから、凄いことです。頭が下がります。

 熱々のごはんの上に乗せる前に、ひとくち齧って伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲みました。プチプチとした食感と唐辛子の旨い辛みが幸蔵の芋の甘さと似合います。「遠い北の海で穫れた一匹のスケソウダラの卵が加工され、今、俺の茶碗に乗っているなんて、その出会いはもう本当に奇跡に近い不思議さだな〜」「シアワセモノっていうのよね、お父さんみたいな人のことを」と、娘がククッと笑いました。






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2010/12月

◎エジソン

No.115 / 2010年12月1日配信

 街路樹やビルを明るく飾ってくれるLEDのイルミネーション。街の広場には大きな電飾が施されたクリスマスツリー。恋人達は肩を寄せ合い立ち止まり、子供を抱えた若い母親の瞳にも電飾の明りが映っています。クリスマスに心ときめかせた10代は遥か昔になってしまったけど、いまだにワクワク感がわき起こるこの季節が大好きです。

 FMからは歓びを歌うクリスマスソングが流れ、この時季定番の山下達郎の曲がかかるともう本番を迎えます。商店街やショッピングセンターの軽快なクリスマスBGMで買い物気分も最高潮。当時あまり買い物をしなかった私でさえ聖夜のムードにには勝てず、この時季ばかりはついつい乗せられてしまい、衝動買いをすることも珍しくはありませんでした。

 大好きな聖夜の季節を盛り上げてくれる「光と音」。1877年12月6日にエジソンは発明した蓄音機で、録音・再生に成功しました。そして、京都の竹を使った「白熱電球」も作りました。エジソンの発明や改良によって、クリスマス以外にも、その後どれだけ多くの人がその「愉しみ」の恩恵にあずかっていることでしょうか。絶対にノーベル賞5回分の価値はあります。

 中間子理論の湯川秀樹とトーマス・エジソンの伝記本が、私たち小さな兄弟へのクリスマスプレゼントだったこともあります。「人の役に立つ人間になれましたか?」と、夜空の向こうから母の声がしたようです。思わず、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯割りをテーブルに置き、「母さん、ごめん」と、頭を掻いてしまいました。「何か言いました?」家人が不思議な顔をして私を見ています。






◎フライドチキン

No.116 / 2010年12月11日配信

 繁華街のビアホールのバイトを終えた友人が「鶏の唐揚げ」や「ローストビーフ」を抱えて、私の部屋に入ってきました。「パーティで手を付けてなかった皿があったから、持って帰ってきたよ」と紙のパックを開きました。インスタントラーメンが続く学生アパートでは、夢のようなご馳走です。早速、隣の住人も加えて嬉しい深夜パーティが始まります。

 今からは考えられないほど、残り物を持ち帰ることに寛容な時代でした。おかげで腹をすかした私たちは、時々、身分不相応な師走を深夜のアパートで過ごすことが出来ました。「ところで、今度のクリスマスはどう?」と友人が訊ねます。「ハハハ、パーティだよ、パーティ。メリー・クリスマスだよ」と急な質問に私は少し焦ってしまい、思わずありもしない予定を口にしてしまいました。

 本当はパーティの予定など、彼女もいない私にはあるはずがありません。私は「パーティだよ」と言ってしまった以上、クリスマス・イブに部屋にいるのを悟られたくないので、24日は夜の街を歩き続けました。夜遅く帰り着いた部屋のドアには、「預かりものあり。管理人室へ」という貼り紙がしてありました。預かりものは友人の彼女が、私にもと作ってくれたフライドチキンでした。

 翌日の夜、「お前がパーティなわけないやろ。見え見えやな。それより、昨夜、彼女を泊めたこと管理人のおっちゃんに黙っててや。判る?フライドチキンはそういうお願いの意味や」と、友人はわざとドライを装いました。まるで今の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯割りように温かく、私のことをよく解っている友人でした。


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◎餅つき

No.117 / 2010年12月21日配信

 「うちのパン焼き器では、たしか餅は作れなかったよな?」と、我が家のホームベーカリー機能を思い浮かべて後輩に言いました。後輩の家庭ではこの冬はホームベーカリーの器械を買ったとかで、初めて餅を作るそうです。「今年はついに手作りの餅ですよ。へへっ」と嬉しそうです。そういえば我が家の餅は、結婚以来、よそから買うものとなっています。

 私が幼い頃の我が家では毎年12月29日か30日の早朝、まだ暗いうちから皆起きだして、農業を営んでいる母がたの親戚の家の「餅つき」に参加していました。母の兄弟の数家族が集まり、共同で行う「餅つき」は年の瀬の大きなイベントで、今でもしっかりと想い出として残っています。男達の手で重い臼がセットされ、重ねた蒸篭(せいろ)からは湯気がもうもうと立ち上っていました。

 大人の男が代わる代わるに杵を持ち、懸命に餅米をつき上げていきます。杵打ちの間のわずかな瞬間にペタペタとリズム良く女性陣が餅を返していきます。寒い季節なのに、父やおじさん達の額には汗が流れていました。一生懸命眺めていた私に「ボクはまだ小さいから、もう少し大きくなってからだね」と、おじさんの一人が重い杵を少しだけ持たせてくれました。

 最初の年、「これ美味しいよ、食べてごらん」と、伯母さんが蒸し上げたばかりの餅米を手に取ってくれました。餅になる前のアツアツのごはんは感動的な美味しさで、以後、餅つきはそれが密かな楽しみになっていました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲んでいると、懐かしい想い出が溢れてきて、温かくなります。幸蔵に感謝。この一年、おかげで心が枯れることはありませんでした。






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2011/1月

◎卯(うさぎ)年

No.118 / 2011年1月1日配信

あけましておめでとうございます。
旧年中も温かいご愛顧、誠にありがとうございました。
このエッセイも伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」同様本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 今年、2011年はうさぎ年です。代表的な白いうさぎは、その白くて可愛らしいキャラクターで誰からも愛されています。ただ、イソップ寓話に出てくる「亀とかけっこをして負けるうさぎは」自信過剰の能力者で、鈍足で能力的には劣るが「努力を怠らなかった」亀の引き立て役になる間抜けな動物でした。日本神話の中の「因幡の白兎」ではワニをだます役を演じます。

 うさぎは外見イメージからすると、昔話の中ではどうして「良い役割」がもらえなかったのか不思議に思ってしまいます。しかし、よく考えてみると、頭が良くて俊敏だという能力に長けているということは、自信過剰による思い上がりにもつながりやすく、それを戒めるための格好の対象となりやすいということでしょう。もちろん罠や落とし穴には注意しなさいという教訓にも聞こえます。

 近年は一年365日があっという間に過ぎ去るように感じます。デジタル社会特有のスピード感かもしれません。情報に追われ、埋もれ、その処理にまわす時間の足りなさも原因のひとつでしょうが、たまには(私にとっては一日に一度)時間をゆっくり回す必要があります。そう、亀の歩みのような時間が。大切なのは「うさぎ+亀」のハイブリッド型のバランスのとれた生き方であると、私は信じます。

「あなた、最近、晩酌の時間が長くなったんじゃないですか?」と、正月早々、家人が一言はさみます。「ユルめる必要があるんだよ!」というと、「ユルめ過ぎなんじゃ」と娘も口を突っ込みます。今年も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」だけが私の味方かもしれません。いやいや、幸せな家族だよ今年も、と幸蔵の声が聞こえたような、そんな気がしました。






◎イワシ鍋

No.119 / 2011年1月11日配信

 大寒は一年中で一番寒い頃にあたり、今年の暦では1月20日です。毎年のことですが、この時期はやっぱり身体の中から温まる料理が一番。我が家の「ホットメニュー」の中心をなすのはもちろん「鍋料理」です。家族そろって「鍋ファン」なので、秋が深まる10月末からの食卓は卓上コンロに占領されっぱなしという状況です。

 より多くの鍋を楽しもうと頑張ったおかげで、我が家の「鍋メニュー」も結構増えましたが、この時期おすすめなのが「イワシ鍋」です。ぶつ切りにして豆腐や野菜と一緒に、紅葉おろしを加えたポン酢で頂きます。私は冬によく食べるし、脂も乗って旨すぎるので、真冬が真いわしの旬だとばかり思っていましたが、本当の旬の時期は夏から初冬なのだそうです。冗談みたいですね。

 昨年秋の高海水温の影響で秋刀魚は不漁でしたが、イワシの漁獲量は逆に多いのだとか。大衆魚から高価な魚の仲間入りをしていたイワシが安いのは嬉しいことです。イワシはビタミンB群、D、Eなどが豊富だし、EPA、DHAなどの不飽和脂肪酸を多く含むので、生活習慣病の予防に良いといわれます。栄養面ではイワシ(鰯)はけっして弱い魚ではありません。

 「ふつう、若い娘は、魚臭いとか生臭いとか言って敬遠するけど、結構美味しそうに食べるよな」と、イワシの骨を外している娘に話しかけると、「そう、舌がお父さんに似ているって思うと複雑だけど、仕方ないかもね」と諦めの表情。「まあ、いいじゃないか」と、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯割りも加わった私は気分上々。窓の外では強い北風。電線の音がピュー、ピュー鳴っています。






◎験(げん)担ぎ

No.120 / 2011年1月21日配信

 センター試験も終わった大学受験生も高校受験生も、多くの人が追い込み本番を迎えています。受験シーズンになると、必ず心にわき上がってくるのが「なぜ、もっと勉強しなかったんだろう?」という後悔の念。問題集を広げてはいるものの、頭の中は完全にラジオの深夜放送に乗っ取られ、ビルボード100に入った赤丸急上昇の洋楽サウンドとDJの話に魅了されっぱなしの日々でした。

 大卒資格で少しでも人生を有利に過ごせるようにとの「両親の思い」とは裏腹に、私が取っていた行動はそれを裏切るものばかりでした。努力をしないものには未来は応えてくれません。そんな簡単なことが解らない私には、第一志望校への合格など実現するわけはありません。今夜こそは深夜放送を聴かずにしっかり勉強をしようと誓いをたてても、その夜もついついラジオのスイッチに。

 あるアンケート調査で「げん担ぎ」をする受験生は4人に3人の割合で、女性に限っては8割を超える生徒が「げん担ぎ」をするという結果がでていました。げん担ぎの1位は「合格を祈願する」で、2位「お守りを買う」、3位が「げん担ぎ商品を買う、食べる」だそうです。そういえば、スーパーのチラシに「豚カツ」などのカツ類のセール案内がたくさんありました。

 今なら「トンカツ旨かった(馬勝った)」ということで、馬刺も食べたいところですが、焼酎好きの大人の私ならともかく、今の受験生には特に「キットカット」の人気が高いそうです。そういえば、勉強もせずに合格ばかり神様に祈っていたなぁ、と都合の良い性格に苦笑い。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯割りの湯気が「やっぱりそうだったんだね。ふふっ」と微笑みました。






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2011/2月

◎手づくりチョコ

No.121 / 2011年2月1日配信

 私が若い頃は、まだまだ女性の方から男性に対しておおっぴらに「好きです」とは言えない空気が支配していました。当時の「バレンタインデー=好きな人に思い切って告白する日」は、とても緊張感があり、それゆえに顔を赤らめてしまうような失敗談など、様々なドラマを生んでいたような気がします。手づくりプレゼントには神がかり的な効果があった時代です。

 何事もなく終わった高2のバレンタインデーの放課後、ちょっぴり残念な気分を残して下駄箱の扉を開くと、中に大型の封筒が入っています。周りを見渡して誰もいないのを確かめると、さっとそれを鞄の中に放り込み帰宅。手づくりのチョコと野球部のあなたへという手紙が入っていました。あれっ、俺は野球部じゃないけど?え〜、隣の野球部員の下駄箱と間違えている。

 イマドキの女子中学生が同性の友達に贈るという「友チョコ」実施率はなんと76%もあるのだとか。そして、その多くが手づくりチョコを贈るといいます。どうしてもっと男の子に贈らないんだろう?巷では同性だと気を遣わなくて楽しいと「女子会」が流行り、相手にしてもらえない(?)男は草食系が増殖中。何か変ですよね?

「今年もお父さんには手づくりのチョコあげるね!」と娘が言います。「どうせ、友チョコづくりのついでだろう」「へへっ、わかった?」と舌を出しながら「でも、去年、焼酎を飲みながら食べると美味しいって言ってたでしょ。だからよ」伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の酒の肴がチョコになる日が今年も近づいています。






◎てっちり

No.122 / 2011年2月11日配信

「二人とも、もう片付けは終わったか?」調理場の後片付けと掃除を終えた調理人とアルバイトの私に、レストランのオーナーは「旨いもん食いにいこう」と言って、深夜のタクシーを呼びました。ミナミまでやってや、そう心斎橋やな」と言ってオーナーはタバコに火を点け、ふ〜っと旨そうに煙を吐き出します。

「遠慮せんと、好きなもん食べてや」と言われても、何を注文すれば良いのか判りません。私たちのオーナーは「とりあえず『てっさ』3人前と後で『てっちり』3人前、たのむわ」と注文をした後「唐揚げ好きやろ?」と私に聞いた後、オーダーを追加。「てっちり」に「てっさ」、馴染みのない料理名だったものの、入り口にかけてあった魚の絵で予想はつきます。

「河豚(ふぐ)は美味しいんやけど、当たれば命が危ないというわけで、テッポウ(鉄砲)の刺身が『てっさ』・テッポウの鍋が『てっちり』といわれているんや。まあ、ここで当たることはないけどな」と、蘊蓄を私に聞かせてくれました。毎日、インスタントラーメンばかりでいつも腹をすかせている私には、〆の「ふぐ雑炊」までの全てが夢の時間でした。

 河豚水揚げの6割を消費する大阪の夜。「どうや、旨かったか?そうか、よかった。店で一生懸命頑張ってくれてるから、こっちもほんまに一生懸命お返しせんとなあ」。その一言が、鉄砲のようにその夜の貧乏バイト学生の心を打ち抜いてしまいました。テーブルの上の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が頷いています。もう、何年も「ふぐちり」を食べていないなあ、そういえば。






◎雨水(うすい)

No.123 / 2011年2月21日配信

   大寒から約一ヶ月、今年は2月の19日が「雨水(うすい)」です。つい、あまみずと読んでしまいそうな「雨水」ですが、「立春」等と同じ二十四節気のひとつで、空からは雪ではなく雨水が降り注ぎ、寒かった冬に終わりを感じさせる日だそうです。私たちの祖先も、この雨で春が近いことを感じて農耕の用意をはじめたといいます。

 そして、この時期憂鬱なのが今年は特に盛んに飛散している「スギ花粉」。重い症状ではないものの、鼻と目に影響が現れ、集中力が落ちてしまいます。おまけに偏西風によって大陸から運ばれてくる「黄砂」も春が一番の出現率。飛来するたびに車を真っ白に被い、嫌になります。「スギ花粉」も「黄砂」も「雨水」のようにロマンチックではありません。

「以前、おばあさんから教えてもらったんだけど、雨水の日にひな人形を飾ると良いんだって」と家人が言いながら、大きな箱を押し入れから出しています。「何に良いの?」と訊ねると、「良縁に恵まれるらしいの」「ふふっ、そうだろ、見事な良縁に恵まれたじゃないか。ダイヤモンド級の相手に!」「えっ、それ誰のこと?」と家人はとぼけてみせます。

 冬に終わりを告げるような雨がひとしきり降った後、耳を澄ますと春の足音が聞こえてきそうです。この冬の降雪の記憶を数えながら、新しい伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の栓を抜きます。おかげでこの数年の中では、一番お湯割りの温かみが心に身体に染みた冬でした。さあ、もうすぐひな祭り。すでに私の心は今年も「蛤の潮汁」への期待でいっぱいになっています。






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2011/3月

◎サヨリスト

No.124 / 2011年3月1日配信

 いつまでも上品で美しい吉永小百合さんの熱狂的?なファンのことを「サユリスト」と言うそうですが、私は一文字違ったもっと現実的な「サヨリスト」。ほっそりとした上品な姿と脂肪分が少なくて淡白な味わいの魚、「さより」の熱狂的なファンです。刺身で買うだけの人は判らないかもしれませんが、くちばしのように尖った口が特徴的です。

 春になるとその爽やかな味わいに、「日本人でよかったな」などと独り言を口走りながら、白く引き締まったさよりの刺身にわさび醤油を少しつけていただきます。脂がのった魚ばかりがやたら賞賛される中で、この旬の味覚は衝撃的なほどの清々しさ。ヒラメを食べる時のように、ポン酢で食べるのも美味しいものです。

 天気がいい春の日曜日、郊外の農水産品直売所でさよりに出会えて、幸せ気分でいっぱいになりました。2月まではなまこに心を奪われ、毎週「なまこ酢」を肴にしていましたが、これでもう卒業です。フキノトウやたらの芽と一緒にカラッと揚げた天ぷらもオツなものです。抹茶塩や辛し醤油で食べれば刺身と違った和食の極みの世界。ふふっ、今夜は楽しみです。

「あれっ、買ってきたさよりは天ぷらにしなかったのか?」「お父さん、白身魚のカルパッチョって、美味しいのよ。オリーブオイルにワインビネガー、ブラックペッパーに塩でしょ、それから」と娘の説明が始まります。違うんだよ、う〜っ、サヨリストは和食が好きなんだ。「あなた、知らないの?伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とも相性いいのよ」と今度は家人がのたまいます。「えっ、なんでそんなこと知ってんだ?」






◎筍ごはん

No.125 / 2011年3月11日配信

 ほんのりと出汁の効いた薄口醤油の香りが鼻をかすめます。永くお世話になっている小料理屋のカウンターに出されたのは「筍ご飯」。独身の部下と一杯やった後、最後の〆に登場してきました。細切りの筍と油揚げを使った、わりと素朴でシンプルな旬のご飯料理です。緑色の小さな木の芽が彩りを添えています。

「合馬(おうま)のたけのこじゃないけど、美味しいでしょ?」と女将さんが声をかけてきました。ブランド品として名を成している「合馬のたけのこ」は京都等の高級料亭にも出荷されているといわれますが、旬の新しい筍ならばブランドものでなくても決してひけはとりません。旨いなあ、といいながら部下はぺろりと平らげてしまいました。

「おふくろの味だよな、筍ご飯は」と私が言うと、若い部下は「僕はカレーかハンバーグですね、揚げ物や洋食系ばかりですね、おふくろの味は」と、ちょっぴり残念そう。「旬の味、和食の豊かさを味わえなかったとは、俺の育った時代とは違うけどチト残念だな」「別におふくろの味じゃなくてもいいじゃない。結婚して奥さんにつくってもらえば」と女将さんは部下を優しくフォロー。

 旬のことを偉そうに諭していた私ですが、実は母親に向かって「チェッ、今日も筍か」などと毒づいた一時期をもつ愚かもの。ごめん、おふくろ。胸がちくりと痛んだ時、グラスの中の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が「いいさ、そんな過去は誰にでもあるんだよ」と語りかけてくれました。外の雨が降りやむ様子はないけど、「おい、もう一軒行くぞ!」






◎サクラが咲かない年

No.126 / 2011年3月21日配信

「合格発表は近くに住む親類の叔父さんに行ってもらおうか?」と母が私に話しかけました。「大丈夫だよ、ちゃんと大学から通知が来るから」と、万一不合格だった時のバツの悪さを思うと、たやすく母親の話に乗れるわけがありません。でも、気になるじゃないという母に負けて、結局当日は、大学正門にたむろしている合格通知屋に電報を依頼しました。

 担任の先生から強く勧められたワンランク低いレベルの大学受験に、少々プライドは傷ついたものの、それで合格確率もぐっと上がり、過剰なくらい自信満々だった18歳の春。「出来ることなら、滑り止めにもう一校受けるようにしたら」という先生の声を無視して、「受験料も馬鹿にならないし」と志望校は一校だけに。

 解答に「てこずった」という一抹の不安材料は残ったものの、落ちるわけがないと信じて電報を待ちました。しかし、やがて届いた電報は「サクラチル」。真っ白になった頭の中を担任の先生の言葉が響きます。「滑り止めのためにもう一校受験しておいたほうが…」。そこまで近づいていた大学生活がスルリと逃げていきます。この年、私にサクラは咲きませんでした。

 桜の花が散り、葉桜になる頃、一本の電話がかかってきました。「河畔公園の桜並木を散歩しませんか?」の誘いに、思い悩んだ末、出かけました。「今年は散っちゃったけど、絶対来年咲くんだから」とクラスメイトの女の子。希望を無くさないようにと懸命に話しかけてくれました。想い出の彼女にそっと乾杯!伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が今夜も旨い。






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2011/4月

◎蕗(ふき)の頃に

No.127 / 2011年4月1日配信

 出汁とりに使ったいりこが入ったままの「蕗の煮付」の皿が飯台の中央にデンと座っていた1960年代の話です。子供の味覚は大人のように開発されていなくて、苦みを美味しいとは感じにくいそうですが、私は子供当時から土筆や蕗などを好んで食べていました。それでも色彩的に盛り上がらない、醤油色の菜っ葉の煮付けが続けば、さすがに抵抗していたようです。

 記憶では「ふき」なのか「つわぶき」なのかはっきりしませんが、とにかくその煮付けを食べようとしたとき、我が家に災難は起こりました。早めに晩酌をはじめていた父が「なんや、またふきか」といいました。すでに父は出来上がっています。「隣からもらったふきやな?稼ぎが少ないからといって、俺への当てつけか?」職場で相当に嫌なことがあったにちがいありません。

 飯台の上の蕗の煮付が皿ごとひっくり返されました。まるで野球マンガの星一徹の世界です。「何ということを」と呟きながら台所に走る母に向かって、さらに電気釜が宙を飛びました。いつもは寡黙で優しい父親の豹変。さらに父を睨んだ兄に向かっても「なんやその目は」と矛先を向けます。母は恐ろしくなって泣き出す私と兄の手をとって、すぐに家を飛び出しました。

 近くの公園で時間を過ごした後にそっと家へ戻ると、畳の上には蕗の煮付など全てが散乱。母は後片付けをしながら「大丈夫よ」と私たちの肩を抱きしめました。今ではもう家族の笑い話ですが、私が酒を飲んでも決して飲まれたくないという理由も実はこの教訓から。家人に「今度、蕗の油炒めを頼むね!」と声をかけました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との相性もばっちりなので楽しみです。






◎鯛茶漬け

No.128 / 2011年4月11日配信

 それは少しやり過ぎじゃないか、という先輩の忠告を意にも介さず「斬新さ」だけを全面に出して、得意先へのポスター広告の提案を行った、愚かな若い日が想いだされます。ひらめいた「アイデア」に心を奪われ、最後までそのアイデアに固執し、全力で練り上げて提出したものの、結局、得意先の企業理念、社風を十分に理解していないという厳しい非難の声とともに不採用となりました。

 その当時、いくつかのコンペに勝って、きっと鼻が高くなりすぎていたのでしょう。プロジェクトチームを任されることも多くなっていました。そんな頃に起こった問題です。永年取引のある得意先から担当者変えの話がきました。担当を前任者である先輩に戻して欲しいということです。得意先の好みと前任者の声を無視するという私の状況判断の甘さに弁解の余地はありませんでした。

   すっかり落胆し真っ暗闇の中で喘いでいた私に、一杯やりにいこうと、その先輩は声をかけてくれました。「恥じることはない。失敗したことより、むしろ冒険をおかさない心の方が問題だと思う」といって、慰めてくれました。暖かい先輩の言葉に涙しながら、その時最後にかき込んだのが人生初めての「鯛茶漬け」でした。

 春の産卵期前の真鯛は脂が乗って美味しいものです。刺身や塩焼きはもちろん、お茶漬けも絶品。味の染みた刺身にわさびが効いただし汁。初体験の鯛茶漬けにはほろ苦い記憶しかありませんが、もう今では大好物の一つになっています。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の入った杯をぐっと飲み干し、わさわさと豪快にかき込む鯛茶漬け。「旨い!」この味の判断はけっして私の独りよがりではありませんよね、先輩。






◎新 茶

No.129 / 2011年4月21日配信

 今年の一月中旬頃、NHKの番組で緑茶に含まれる成分が想像以上に身体に良い効果をもたらすという情報を流していました。カテキンの抗酸化作用などは既に言い尽くされてはいますが、お茶を飲むことで悪玉コレステロールや高血圧、血糖値の数値が改善されたと報告されているので、ついついテレビ画面に見入ってしまいます。もしや私の高脂血漿にも効果があるのでは!と。

 お茶どころ静岡県の掛川市では市民の皆さんが地元のお茶を毎日たっぷり飲まれています。登場しているおばあちゃんも一日に何度もお茶を飲み、その健康の数値はもちろん、笑顔がとっても健やかです。小学校の水道(?)栓をひねるとお茶が出てくるシーンにもびっくり。そこで飲まれているお茶は含まれる成分値が高く、たいへん優れているそうです。

 私たちが日常飲んでいる普通のお茶の葉でも、少し工夫をすれば味も風味も色も濃くなり、健康成分もグ〜ンとアップするのだとか。情報どおりに熱湯を少し注いですり鉢で摺り、たてたお茶を一口飲んでみると、信じられないくらいの美味しさ。深い、旨い!ごく普通に飲んでた緑茶の世界が大きく変わりました。そう、今想えば、お茶好きだった母にはこんなお茶を飲んで欲しかった。

 八十八夜、新茶の季節です。母の日も近づいてきました。実家の仏壇に供えてもらうために母へのお茶を準備するのが恒例となっています。ずいぶん昔、私は初任給で母にお茶を贈りました。あの時の母の笑顔がいまだに忘れられません。「伝承かめ壷造りだったっけ?とにかく本格芋焼酎『幸蔵』でいいのよね、お父さんは」と、もう少し先の話ですが、娘が初任給で買ってくれるそうです。プレゼント選びがラクで助かるわ、だそうです。






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2011/5月

◎立 夏

No.130 / 2011年5月1日配信

   毎年、5月5日か6日が立夏です。今年の立夏は5月6日で、暦の上ではその日から立秋(今年は8月8日)の前日までが「夏」なのですが、暮らしの中の皮膚感覚とは季節感が大きく異なり、それが面白いところ。まあ、5月が初夏というのは納得できても、8月9日以降のことを初秋とは呼びにくいものがあります。地球温暖化が後押している酷暑の真っ最中だからです。

 ともあれ、この毎年こどもの日近辺に訪れる「立夏」は「リッカ」という軽快な響きと「夏が立つ」という比喩の表現を気に入っているし、私の好きな季節のひとつでもあります。今年もまた爽やかな五月の風に誘われて出かける夕刻の散歩。引き潮の河口で、黄色みを帯びた逆光が潮干狩り家族の姿をシルエットを変えています。

 さっそく私は携帯電話に手を伸ばし、家人に「今夜はアサリの幸蔵蒸しだ」と告げ、お好みのスーパーに立ち寄ります。アサリの売り場につく前に、美味しそうなアスパラガスが目に飛び込み、焼アスパラガスもいいなと独り言。アサリ・パセリと一緒にアスパラガスとレモンを買い込み、ルンルン気分で家路につきます。

 「わたし、お父さんみたいな男性がいいかも。料理ができるし」と娘が持ち上げます。「料理がじゃなくて『も』、だろ?」「えっ、お父さん、他に何かある?」と私に聞き返します。そう聞かれると悔しいけれど即答に窮します。「いいじゃないか、人間それが一番なんだよ!」と、アサリの幸蔵蒸しをパクリ。そして伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をゴクリ。






◎コナモン

No.131 / 2011年5月11日配信

 5月7日は日本コナモン協会が粉もの文化の普及のために制定した「コナモン(粉もの)の日」なんだそうです。今年のコナモンの日は母の日の前日でしたが、毎年子供の日(5日)と母の日(第2日曜日)の途中に必ず訪れます。コナモン料理は穀物の食用粉からつくる料理なのでメニューも幅広く、たこ焼きやお好み焼きはもちろん、うどん・そば・パスタ等の麺類、パンも餃子も全てコナモンです。

 我が家ももちろんコナモン大好き家族で、よくホットプレートでお好み焼きをつくったりします。そのコナモンの作り方も食べ方も地域によって様々ですが、大阪のお好み焼きと味噌汁・ご飯のセットには驚きました。焼きそばとご飯は分りますが、九州出身の私には、ご飯とお好み焼きの取り合わせが今でも不思議でなりません。

「おばちゃん、お好み焼きちょうだい」。小学生の兄と一緒に十円玉一枚ずつ握りしめて近所のおばあさんが営む店に行ったことがあります。「あなたたち、いくら持ってるの?」と最初に聞かれた時、私たちはそれぞれの手で10円玉を一枚ずつ差し出しました。おばあさんは「じゃあ、半分ずつね」といって、30円定価の大判を焼いてくれました。

 もやしと天かすなどを巻いただけの素朴過ぎるお好み焼きでしたが、私たちにとっては魅力いっぱいのおやつでした。合計20円の予算で30円のものを食べていたわけですから。「あら、キレイに食べたわね。またいらっしゃい」とおばあさんは微笑みました。最近おすすめのコナモンは醤油味のネギ焼き。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をやりながら大人の味わいを楽しんでいます。おばあさんの店の使い古した鉄板を想いだしながら。  






◎トビウオ

No.132 / 2011年5月21日配信

 夏へ向かう季節に船上から海水面を眺めていると、トビウオの滑空に出会えることがあります。大型魚の捕食から逃げるために飛ぶといわれますが、けっこう高速で長い距離を飛ぶので、その姿からは感動さえもおぼえてしまいます。トビウオのヒレはグライダーの翼のように大きく進化して、まるで羽が生えているようです。

 そんなトビウオを乾燥させてつくった「干しあご(干しトビウオ)」からは美味しい出汁がとれます。私が住む博多では表面を焦がした「焼きあご」で正月のお雑煮の出汁をとります。うどん出汁用の商品もあり、その澄み切った美味しさはうどんの水準を間違いなく一ランク上げてくれ、鰹出汁にもひけはとりません、と強気にもなれます。

 新鮮なトビウオが手に入ったら塩焼きや唐揚げもいいけど、刺身にするのもオススメです。私の好きなマアジに比べて脂分が少ないだけに、さっぱりとしている分、魚本来の美味しさが楽しめます。秋〜冬や産卵期の前の脂がのった刺身とひと味違う美味しさは、初鰹に通じる清々しさ。生姜や茗荷の千切りをそえれば完璧です。

「栄養成分表によると、トビウオのビタミンE含有量はマアジの約6倍だってよ」と家人にWEB上で仕入れた健康蘊蓄をチラリ。ビタミンEという単語の威力は抜群です。家人は若返りビタミンには目がないので、今週の食卓にトビウオが登場するのは間違いありません、ふふっ。私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を切らさないようにしてその日を待つだけです。






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2011/6月




◎鶏飯(けいはん)

No.133 / 2011年6月1日配信

   一度だけ訪れたことのある奄美大島の想い出として強く心に残っているのは、奄美の植物や鳥の大胆描写で強烈なイメージを与えてくれた田中一村の画と郷土料理「鶏飯(けいはん)」のふたつです。梅雨空の下、キノコの傘を尖らせたようなドーム状の建物が連なる「田中一村記念美術館」の姿が可愛くて、心を和ませてくれました。

 アダンの木など奄美に生息する南の島ならではの植物がかもしだす生命力に、すぐさま私は圧倒されました。一村が描いた尖った葉先は凝り固まった既成の画法をあざ笑うように、大胆に細かく自由に表現され、天に地に水平線にその意思を伸ばしています。以前にTVの番組で見たことがあった画の「巨大な本物」の前でふ〜っとため息。

 田中一村美術館で二日酔の脳みそへの「喝」が入った後に、奄美を気持ちよく案内してくれたHさんは昼食に「鶏飯(けいはん)」を薦めてくれました。棒棒鶏のような細かく裂いた鶏肉や椎茸や錦糸卵がトッピングされた「透明な鶏スープ漬けのご飯」です。濃厚な自然の中で味わうさっぱりした美味しさには完全に心を奪われました。旨い!飲み過ぎの翌日でも、どれだけでも食べられそうです。

 鶏飯の味が忘れられずに、料理レシピサイト「クック・パッド」を参考に自分でも作ってみましたが、そのとき味わった味には到底届きません。「それって、お父さん、料理の味はその時の周りの空気も一緒に味わっているのよね」と、娘が偉そうに喋ります。少し癪に触りますが、そうかもしれないと思いながらロックの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をゴクリ。しかし、もう一度食べたいなぁ、あの鶏飯を。






◎夏の白身魚

No.134 / 2011年6月11日配信

   出世できない我が身を顧みて「仕方がない、見る目のない上司が多すぎる」などと、密かに憤ってみてもはじまりません。この夏はそんなことより、ひとつ、美味しい「出世魚」でも食べながら、心を美味しい満足感で満たしたいものです。「セイゴ」「フッコ」「スズキ」と成長に合わせて名前を変える「鱸(すずき)」の美味しい季節がやってきました。

 鱸はクセのない白身魚でフランス料理や中華料理にもよく登場します。もちろん、加熱したりソースと一緒に食べたりするのも美味しいのですが、新鮮なものはやっぱり刺身でいただくのが「わたし流」。魚の貴公子とも呼ばれることもある美しい鱸の刺身は鯛のように美味しいし、鯛の刺身だとごまかしても、おそらく初心者にはわからないでしょう。私の若い頃がそうでしたから。

 「大将、その白身を切ってくれる?」と、やがて義理の父親となるその人は料理屋のカウンターで刺身を注文しました。「お嬢さんをください」と家人(妻)の父親へ挨拶に行った後、その父親馴染みの店に私を誘ってくれたのです。魚ではサバやアジの大衆魚が好きなんです、と言った緊張気味の私に、「ほう、それはいいな。でもこの魚も夏には美味しいぞ」とニッコリ。

 思わず「この鯛、美味しいですね」と口走りました。父親は微笑みながら「君も出世して立派になれるように前祝いだ」といいながら杯を上げました。「この魚はそんな出世魚だよ」「はぁ???」伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を愛するようになった今は、同じ白身の「真鯛」と「鱸」でも、その違いが解ります。出世はしなくても、舌の成長だけはできたようです、お父さん。






◎アラスカ物語

No.135 / 2011年6月21日配信

   茶目っ気たっぷりに聴こえるエロル・ガーナーのピアノの音。「コンサート・バイ・ザ・シー」のアルバムが夜の雨音の中で元気を与えてくれます。見るのも嫌になるくらいの混乱状態に陥っている本棚に、今夜こそ「断捨離」を実行しようと勇気を振り絞りながら、恐る恐る手を伸ばしました。倒れて嵩張っている埃まみれの文庫本は日焼けして黄色に変色しています。

 その中に「アラスカ物語」がありました。新田次郎が書いたアラスカ物語という本の主人公はフランク安田という実在の人物でした。明治時代に十代で船員として日本を脱出し、アメリカ経由で仕事を通じてアラスカにたどり着きます。そして、エスキモーの村に住み着き、数々の出来事に対する適応力や誠実さと人々を愛する心が認められ、やがて指導者になります。

 効果があるか?自分にはメリットがあるか?と、自分中心の偏狭な判断が巾を利かす現代ではイメージできないほどの「大きな愛」が、アラスカ物語からは読み取れます。第二次世界大戦のとき、ナチスの手からユダヤ人を逃がすために、日本国の命令に背き、最後の最後まで通過ピザを書き続けた在リトアニアの外交官・杉原千畝のまっすぐな背筋と同じものを感じることが出来ます。

 蒸し暑い季節に心をシャキッとさせてくれるアラスカ物語。アラスカの厳しくも美しい大自然や当時の文化や風習にも触れることが出来、その熱中できる有意義な時間こそが暑さから解放される時間になるはず。本の整理はさっそく中止です。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のロックグラスを片手に、私は黄ばんだページをもう一度めくり始めました。 






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2011/7月




◎ステテコ・スーパークールビズ

No.136 / 2011年7月1日配信

 電力不足の夏を迎え、「節電」という言葉が聞こえて来ない日はありません。オフィスの室温28度、ノーネクタイにチノパンです。家でも出来るだけ扇風機を利用しようと、最近前向きに一台購入しました。扇風機売り場では、もう売り切れてしまった機種もあるそうで、私のように動きが遅い人間には機種の選択肢もそう多くはありません。

 面白いのは扇子やステテコが飛ぶように売れているということです。扇子はともかく、驚くのはあの天才バカボンのパパがいつもはいていた「ステテコ」が売れているということ。サラサラなのでズボン下にも使えるという「ドライ」なメッシュのステテコはチェックやボーダー柄で、昔のステテコからはイメージも大きく駆け離れています。

 私の父は路地の脇に置いてある、少しぐらつく古い縁台に座り、近所の顔見知りと将棋を楽しむのが好きでした。ツバメが路地に沿って低く滑空し、軒先の巣に戻っています。そんな夕暮れ時、蚊取り線香代わりだとか言いながら、みんなで両切りのタバコをぷかぷか。なぜか父達はみんな揃って、バカボンのパパのように白い木綿のステテコをはいていました。

 ぱちんと駒が盤面を打つ音が響き、近所の台所からは魚を焼く匂いが漂ってきます。エアコンの無い時代の夕刻、晩ご飯が近づく大好きな時間。父のいる風景の中に、私は「ご飯が出来たました」と母の言葉を伝えに走ります。昔からの変わらぬ造り方から生まれる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲みながら「涼」を考えています。今年、扇風機の次はステテコも買おうかな?      






◎キムマヨサラダ

No.137 / 2011年7月11日配信

 「夏はやっぱり酢の物が一番。酢にはクエン酸がたっぷり入っているので、夏バテ防止にも良いし」と家人が一言。結婚当初のバラバラだった味の好みも、長く一緒にいることで似通って来るから不思議です。味に対して頑固だったので、我が家の味は「私好みの味覚」になったのだと思っていますが、単に私の舌が「飼いならされた」だけなのかもしれません。微妙です。

 地元で獲れたマダコと新鮮な朝穫れキュウリを直売所で手に入れることが出来、ホクホク顔。今年の半夏生では仕事の都合もあり、家でタコを食べることが出来ませんでした。その「タコ」に餓えていた分、タコとキュウリの「酢和え」に大きな期待がかかります。いつものように家人が「私好みの味がする」酢の物の小鉢を出してくれるはずです。

 「お父さん、私が作った『タコキュウのキムマヨサラダ』美味しいわよ」と娘が謎めいた料理名を口にしました。血の気が顔から引いていくのが分ります。なんと、家人の代わりに娘が料理をしてしまったのです。期待した「酢の和え物」の代わりに洋皿に盛られているのはぶつ切りダコと乱切りキュウリの赤い和え物。「えっ、今、サラダとか言わなかったか?」

 私はやっとの思いで、そのマヨネーズとキムチソースに彩られた「タコとキュウリ」を口に運んでみました。タコにキムチ味、キュウリにマヨネーズ味。相性に問題はありません。その瞬間、私の目からうろこがはがれ落ちました。「旨いじゃないか!」「でしょ、お父さんのその伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』にも合うと思うよ」いや〜完敗だ、じゃなくて新しい味覚に乾杯です。   






◎トウモロコシのひげ

No.138 / 2011年7月21日配信

 いつも小学校へ一緒に通った友達がいました。雨の日も風の日も、学校までの道の途中にある友達の家に寄って、一緒に登校しました。その友達の家は洋風の洒落たれんが造りで、今にも崩れ落ちそうな壁の我が家とはずいぶん違います。お金持ちの家ってすごいな〜と、うらやましい気持ちで玄関のブザーを毎日押したものでした。

 ある暑い夏の日、その友達の誕生日に呼ばれました。我が家は誕生パーティなど思いもつかない生活だったので、お祝いに持っていくプレゼント選びに母も悩みました。お金持ちの家庭の子には何がふさわしいか分りません。結局、少し恥ずかしかったけど、ちょうど我が家の縁側の先で実をつけているトウモロコシを、数本ちぎって持っていくことにしました。

 翌年、友達の家の数軒先にある大きな敷地も、実はその友達の家のものだということが分りました。今の家は広くないので、その敷地に新しく家を建てるのだそうです。赤土が盛ってあるその空き地の端には2列にトウモロコシが植えられていました。「君がくれたトウモロコシが美味しかったので、パパに頼んで植えてもらったんだ。赤土でも育つんだって。夏が楽しみだね」

 しかし、友達はその楽しみなトウモロコシを味わえませんでした。父親の経営する会社の都合で、急に家と空き地を手放すことになったそうで、友達は夏休みを前に姿を消すように転校していきました。その夏、主人をなくした空き地のトウモロコシはひっそりとひげを風に揺らしていました。元気かい、元気なら伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を一緒にやりたいな。もぎたてのトウモロコシでね。   






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2011/8月




◎アルハンブラ宮殿

No.139 / 2011年8月1日配信

 スペインの首都マドリッドは現地の発音では「マドリッ」に聞こえます。暑い夏、その「マドリッ」のアトーチャ駅からアルハンブラ宮殿のあるグラナダまで列車で向かいました。全てがキリスト教国といってもおかしくないヨーロッパで、1492年に滅亡するまでイスラム教国としてグラナダは栄えたそうです。その象徴がアルハンブラ宮殿で、栄華を今に伝える鮮麗な建造物です。

 私は宮殿内で、我を忘れてカメラのシャッターを切り続けました。それまで片手に持っていたヨーロッパ旅行用ガイドブック(日本語で書かれている)を宮殿内のどこかに置き忘れたことも知らずに。出口に近づくころに左手が軽いことに気づいたのです。青くなりました。日本語しかしゃべれないバックパッカーの一人旅には「超」大切なものです。

 走って、来た道を戻り、ガイドブックを探すものの見つかりません。門衛の太ったおじさんに「ア、ア、アイ ロスト マイ ツ、ツーリングガイドブック イン アルハンブラ」と息を切らして訴えました。30分以上も一緒に探してくれたけど、結局見つかりません。礼を言った後、絶望感にとらわれてへなへなと芝生に座り込む始末。そこに二人組の女子高生。

 「タバコくれない?」スペイン北部のビルバオから来たそうで、心ここにあらずの拙い英会話。たくさん持ち歩いていた5円玉から1枚をあげると、可愛いジャスミンの押し花をくれました。元気づけてくれた女子高校生と門衛のおじさん、ありがとう。あれから四半世紀は過ぎたけど、私はノーガイドブックで欧州を歩き、そして今ここにいます。ときどき、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が懐かしい旅の想い出を連れ戻してくれます。心が優しくなれる時間です。   






◎カンパチ

No.140 / 2011年8月11日配信

 今はもう昔と違い、「お盆だから必ず精進料理を食べなくてはならない」という家庭は減ってしまったと思います。私が育った田舎では、毎年お盆になると必ず本家に親戚が集まり、宴会をやっていました。子供には分らなかったのですが、お盆に里帰りをしたご先祖様と一緒に楽しくやっていたのでしょう。

 宴会の細部の記憶は薄れてしまいましたが、テーブルの上の野菜中心の天ぷら、棒ダラの煮付け、ひじきの煮物、枝豆、そして最後に出てくるスイカや巨峰の果物が印象に残っています。棒ダラの煮付けなどは、お盆だけに食べることが出来る料理でしたから、私たち子供はお茶を飲みながら大切に味わっていたような記憶があります。

 「あなた、大好物の棒ダラ買ってきましたよ」と家人が私に嬉しい報告。そして「刺身にしたら美味しそうだったので直売所のカンパチのブロックもね」と、またまた嬉しい情報。私はもう顔の筋肉が緩みっぱなし。カンパチは夏に旬を迎える魚で、仲間であるブリよりさっぱりめ(今は養殖魚も多く、脂が多いものも)の高級な魚です。

 お好みの醤油会社の「さしみ醤油」でいただく新鮮なカンパチの刺身。想像しただけで唾液腺が緩んできます。お盆、夏、旬の味覚。日本人に生まれて良かったなぁ。「ところで、幸蔵も買ってきてくれた?」「あたりまえでしょ」。出来すぎた家人です。と、思いきや、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』ポトルを受け取る私に、「来月お友達と韓国に遊びに行っても良いでしょ」のおねだり付きでした。やっぱりなぁ。   






◎サバ味噌缶

No.141 / 2011年8月21日配信

 「懐かしいなぁ、乾パンじゃないか」と、私はテーブルに置いてあった背の高い缶詰を手に取りました。「いつ買ったか憶えてないし、賞味期限を確かめようと思って出してみたけど、やっぱり過ぎてたわね」と、家人は防災食の買い替えを考えているようです。その乾パンの缶詰の賞味期限は当時の印字を見てみると2010年9月28日になっていました。

 家人に乾パンが入っていた非常時持ち出し袋セット(中に乾パン缶詰2個、アルファ白米・赤飯・五目各1袋、サバの味噌煮込み缶詰、サクマのドロップス缶、ろうそくセット、非常トイレセット)を見せてもらいました。少し小さめの銀色のリュックサックタイプです。私も家の中のことを知らなさすぎる男の一人で、つい、家人の備えには感心してしまいます。

 防災の日は9月1日。「災害認識と災害時への備えやその対処」を国民へ意識付けるための強化日です。この日は1923年9月1日に発生した「関東大震災」に因んだとされ、台風が多く訪れる二百十日にも当たることで、防災の日に決められたそうです。「ところで、好きなサバ缶も入ってるって、凄いセットだなぁ」と再び感心。

 「お母さんがお父さんのために特別に入れたんだって」と娘が言いました。家人の思いやりが伝わってきます。娘に丼ごはんを頼みました。その白いご飯の上に、賞味期限切れのサバの味噌煮込みをバサッとかけました。「ウマイ!」「ふふっ、お父さんのグルメもそのレベルね、やっぱり」と娘がニヤリ。今日ばかりは家人の「備えの心」に感謝です。今夜は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のロックが一段と旨く感じます。   






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2011/9月




◎赤とんぼ

No.142 / 2011年9月1日配信

 「夕焼け小焼けの赤とんぼ〜」と歌いながら、田圃のあぜ道を兄と一緒に家路に向かう初秋の夕暮れ。肩越しに兄の顔を見上げると、一生懸命に遊んだ夏の名残で顔は黒く、ちょっぴりですが夕陽に照らされて頼もしく輝いています。この半月ばかり、兄は外出する私のそばを離れようとはしませんでした。

 夏休みに私たち子供はよく集まっては神社の広い境内で、フリーバッティング形式の三角ベースボールをやりました。メンバーはその時々で代わりますが、その神社が隣町との境界近くにあったので、よく知らない小学校の上級生も混じっています。私に楽しみな打席が回って来たその瞬間、「俺の番だろ」と言って、隣町の大きな身体の上級生が私からバットを奪い取ろうとしました。

 みんな怖そうな乱暴者に押し黙ったままです。私は抵抗したものの、結局は突き飛ばされてその場を立ち去るしかありませんでした。我が家の玄関が見えた瞬間、堪えていた悔しさが涙と共にこみ上げてきたのです。「誰にやられたんか?」と泣きじゃくる私に兄は訊ねました。しかし、言いつけることは卑怯者の仕業だと思っていたので、いくら悔しくても家のものに仕返しを頼むわけにはいきません。

 犯人を明かさない私に、兄は「お前がまたそいつと出くわしたらいけないので、しばらくお前に付いとくからな」と言って、夏休みが終わっても私の用心棒を続けました。今でも、赤とんぼを見かける度に「私を守ろうとしてくれた小学6年生の兄」を想い出します。今年こそ伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』で一杯やろうと兄への年賀状に書いたのに、もう9月。焦ってしまいます。   






◎小アジの南蛮漬け

No.143 / 2011年9月11日配信

 秋を迎え、夏に波止を賑わしていた「豆あじ(アジゴ)」もそれから少しは時が過ぎましたが、まだまだちびっ子です。子供のアジはサビキ釣りで少し頑張れば、小さなクーラー一杯はすぐに釣れてしまいます。新鮮な真アジは刺身で食べるのが最高ですが、刺身用サイズにはほど遠い小さなアジはやはり南蛮漬けにするのが一番です。

 農林水産省の資料(2009年)によると、アジの漁獲量が一番多い県が長崎県で、日本全体の27.3%もの漁獲量を誇るそうです。アジは温暖性の沿岸魚なので西日本で多く獲れ、九州に住む私の大衆魚(アジ、サバ、イワシ)好きは、新鮮なアジが手に入るそんなロケーションから来ているものかもしれません。

 そんな九州には大分の「関アジ」、長崎の「ごんあじ」など、ブランドあじもいっぱいですが、各漁場での漁獲量に翳りが見えて来たともいわれ、ちょっと心配です。アジの一夜干しとして売り場に並んでいる大きなアジはノルウェーやオランダ産が多くて、これには脂の多さも手伝って個人的には少しばかり困惑してしまいます。

 「あなた、またお隣から小アジをもらいましたよ」と家人が私を喜ばせてくれます。私は「やっぱりウチの南蛮漬けが一番だな」と家人によいしょのウインク。「やっぱりそうでしょ」と家人は南蛮漬けに取りかかります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をやりながら食べる酢と唐辛子のきいた小アジの南蛮漬けは最高。それに家庭は円満だし。いや〜、もう言うことなしです。   






◎猫に小判

No.144 / 2011年9月21日配信

 春の桜前線は南から北上していきますが、逆に秋の「松茸」の収穫時期は気温が下がるのが早い北から南下を始めます。そして、その松茸収穫前線は秋の深まりとともに、やがてインスタントラーメンばかりで食欲をやり過ごしている学生のアパートにも吉報を届けることになります。その吉報は気持ちのよい秋風が吹いている日に突然訪れることになりました。

 管理人のおじいさんが段ボールの箱を抱えて先輩の部屋をノックします。実家から先輩に送られて来たのはギッシリ詰まった松茸です。先輩は兵庫県の出身で、友人達から「丹波篠山」と呼ばれていました。私にはその地方のことはよく分らなかったのですが、きっと山深い里だったのでしょう。いつも九州出身者の私とともに「田舎者」として愛情を持っていじられていました。

 さっそくその先輩はアパートに備え付けの公衆電話で友人を呼び、私たちアパートの後輩達にすき焼きをする準備を命じます。先輩は松茸を2〜3本新聞紙に包んで管理人さんに持って行き、残りをすき焼きの中へ豪快に放り込むのです。貧乏学生だった私たちでも松茸が高価なことは知っていましたが、その味覚の価値まではよく分っていませんでした。状況的には猫に小判、豚に真珠です。

 今、思えばなんという贅沢な経験なのでしょう。「げっぷ」が出るまで松茸のすき焼きを胃袋に詰め込んだ経験を、これまで何回も会社の同僚に話しました。ふふっ、今年もその自慢話をする季節が来たようです。しかし、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と出会った後は、一度だって家で松茸を味わうことが出来ていません。やっと味が分る歳になったというのに、世の中上手くいかないものです。   






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2011/10月




◎栗ごはん

No.145 / 2011年10月1日配信

 「このモンブラン美味しいわね」「駅ビルに新しく出来た店のよ」家人と娘がケーキをつついています。久しぶりの土曜日午後のウォーキングから戻ると、キッチンにはコーヒーの香りが充満。テーブルを見ると、私のためのモンブランが一皿残されています。娘が私のケーキも狙っているのか「お父さん、モンブラン嫌いじゃなかったよね?」とミエミエの質問。

 家人が「今年も栗の旬を迎えたから」とモンブランを購入した理由を口にします。私は栗だったらやっぱり栗ごはんだろう、と返答しました。栗ごはんには母と兄の想い出が詰まっています。幼い頃、弟である私の茶碗と自分の茶碗の中を見比べて、「栗の数が少ない!」と兄が駄々をこねました。弟より少なかったので癪に障ったのでしょう。

 母はすぐに自分の栗を取り出して兄の茶碗に足して上げました。子供に沢山食べさせようと、自分の分として僅かな数の栗しか入っていない茶碗から。そんな優しい母親がこの世から旅立った年の秋、私は実家の仏壇に供えてある栗に気付きました。父親に尋ねると、兄が母のためにと送ってくれた栗だそうです。きっと兄もあの幼い日のことを忘れることが出来なかったのでしょう。

 その夜、父が栗ごはんを炊き、私と二人で食べました。「やっぱり、母さんのようには上手く作れないな」と父はぽつりと仏壇に向かって語りかけました。旬の味覚は家族の温かい味わい。季節が巡り来る度に、様々な想い出が美味しい味覚を伴って脳裏を駆け抜けます。私は父に「もう一杯作ろうか」と尋ねながら、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の瓶を傾けたのを思い出します。   






◎手づくりイクラしょうゆ漬け

No.146 / 2011年10月11日配信

 数年前、同じマンションに住む方から新鮮な鮭を丸々1尾頂いたことがあります。結婚されたばかりの娘さんの旦那さんの実家が北海道で、2尾贈られて来た中のお裾分けでした。腹の中には卵がギッシリ詰まっているとかで、「新鮮だから美味しいと思いますよ」とにこやかに話しながら手渡してくれました。隣は小アジをくれ、その2軒先は鮭。よいマンションです。

 「凄げ〜!」北海道から遠く離れた地に住む私には、そのずっしりと重くて新鮮な生鮭は初体験でした。魚を捌くことが出来る私に家族の期待がかかります。鮭は初めてですが、私も男です。さっそくまな板から倍以上もはみ出すはじめての鮭との格闘が始まりました。ソテー用の切り身が何枚も出来、やや苦戦はしたもののお腹からは筋子も上手く取り出すことが出来ました。

 現代は本当に便利です。ネットで簡単に「イクラのしょうゆ漬け」の作り方が手に入ります。経験者のようには手際よくはいきませんが、なんとかレシピどうりに出来上がりました。大きなタッパーいっぱいの「イクラのしょうゆ漬け」に娘がニコニコ顔で近づいてきます。「確か、以前にお父さんが作ったアジの一夜干しを生臭いのどうの、と非難したよナ」と娘にイヤミをチクリ。

 「え〜っ、そんなこと言ったっけ」と娘はとぼけてみせました。「あら〜、お父さん流石ね。凄い、凄い」と家人も私を持ち上げました。二日ほど、冷蔵庫で寝かしてからが美味しいとのことで、少しの間、我慢です。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』にも、ご対面は二日後まで我慢してもらいました。「ご飯が見えない」ほどにたっぷりイクラが乗った贅沢な丼を夢想できる日々はもう最高でした。   






◎霜 降

No.147 / 2011年10月21日配信

 霜が降りはじめる頃のことを、夏至、秋分、立冬などの名前で季節を区切った二十四節気では「霜降(そうこう)」といいます。今年の霜降は10月24日ということで、近年の温かさからは10月の霜など想像も出来ません。昨年は10月中旬まで、半袖のポロシャツを着て外出していました。もちろん九州の地だということも大きく影響しているのでしょうが。

小学生の私はいつも一緒に登校していた友達が夏休み前に転校したため、それ以来一人で登校していました。11月のある日、下校途中に私の名前を呼ぶ声がします。振り返ると以前によく遊んだ同じクラスの子と他のクラスの生徒2人の計3人で私の方に近寄ってきました。他クラスの生徒のうちの一人は乱暴者で名が通っています。

 「一人で帰るの寂しくないかい?」とその身体の大きい乱暴者はニヤニヤしています。転校していった友達と知り合う前には、目の前にいる(乱暴者の後ろに身体を半分を隠している)同級生とも時々一緒に登校していました。「俺たちお金持ちじゃないから一緒に帰るの嫌なんだろうな」と皮肉を言った後、「なあ、明日から一緒に学校に行こうや」と大きな子に肩を叩かれました。

 その朝は初霜が降りていて、田圃のあぜ道は白く光っていました。彼らと一緒に登校することは「仲間になることを認めること」です。見上げると空は真っ青。眩しい朝日が勇気を与えてくれます。「嫌だ!」私は断る怖さを振り払って、待ち合わせ場所へ行くのを止めました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』はそんな小さな勇気が大好きです。あの霜降の朝の決断に乾杯。    






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2011/11月




◎やさしく歌って

No.148 / 2011年11月1日配信

 ロバータ・フラックがしっとりと甘く切なく歌い上げる「やさしく歌って」。私がそうであるように、多くの人がネスカフェのコマーシャルソングとして記憶に残っているのではないかと思います。この歌でロバータは前年の「愛は面影の中に」に続いて、1973年も連続でグラミー賞に輝くことになりました。

 「やさしく歌って」の訳詞を見ると繊細な感情が独特な言い回しで表現されています。「彼の歌が私を優しく殺していくの」というフレーズの「殺していく」という部分にはドキッとしますが、メロディの素晴らしさや、彼女の温かい声が私に「歌詞とは違うイメージ」を優しく与え続けてくれます。若い頃、歌詞を理解できないまま、何度その声に癒され助けられたことでしょうか…。

 一緒に働いていた同僚が「鬱」という心の病にかかりました。私には話を交わしても「鬱」の症状がはっきりとは判らなかったのですが、本人はすでに身体にまで症状が出ていたのだそうです。倦怠感、胃腸の不調、肩の痛みなど…。そういえば、彼の企画発表の際の表情と声には、以前にはなかった「自信のなさ」を感じることもありました。

 秋が深まって温かいものが恋しくなる頃です。そんな季節の中で、治療中の生真面目な彼は怯え、震えているのかもしれません。「頑張れ!」とは言葉をかけられない電話の中のもどかしさ。そうだ、ロバータ・フラックの声が良いかもしれない。しばらくは、「やさしく歌って」でも聴いていてもらおう。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を一緒にやるのはもう少し先のことになるでしょうから。   






◎ジャコ天

No.149 / 2011年11月11日配信

 江戸っ子だった友達に「板わさ」を教えてもらい、鹿児島や宮崎の飫肥(おび)の旅で仕入れたお土産で「つけ揚げ」の味を知り、博多のうどん屋で「丸天」に馴染み、もちろん正月のおせち料理でお目にかかる「紅白かまぼこ」と、私の「水産練り物」を食する歴史は年を重ねるごとに豊かさを増してきました。

 骨があり食べにくい、調理が面倒などの理由で若い世代の魚離れ傾向が続いています。私の大好きなかまぼこや竹輪の「水産練り物」は食べやすいし、調理もほとんどしなくて良いし、大丈夫だろうと思っていたら、なんとこれも減少傾向だそうです。国の発表資料によると近年の「水産練り物」の総生産量は昭和60年の頃の約半分だということで、ファンとしては大いに不満です。

 最近は噛んだ時に口に残る「ザラッと感」が気持ちのよい、分厚い「ジャコ天」にはまっています。骨や皮も付けたまますり身にするので、旨味がギュッと詰まっているようで、もう虜状態です。もちろん身だけのものよりカルシウムなども多く含まれているので、とてもヘルシー。四国の方ではカレーライスの具にしている所さえもあるそうです。

 「なにか、ジャリジャリしない、この揚げ天? 雰囲気悪くない、これ」と娘が私のグルメ感情を逆撫でするようなことを言います。「お前にはまだ判らないんだよ、そこのところの良さが。まあ、未成年だから仕方ないだろうけどね」と、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をゴクリ。しかし、本当にジャコ天と幸蔵の相性は地味だけど最高!これはもう止められません。   






◎小雪(しょうせつ)

No.150 / 2011年11月21日配信

 節電、高めのエアコンの設定温度の中、ゆで上がる頭と格闘していた夏の記憶が薄らいだと思ったら、もう冬が手招きを始めました。11月22日は二十四節気の「小雪(しょうせつ)」です。この時季は北風が枯れ葉を払い、雨も雪になり降り始める頃だそうですが、地理的条件に温暖化も手伝い、現実の九州ではまだまだ先のことです。

 秋を通り過ぎるスピードは去年と物理的に変わらないはずですが、年々速くなっているような気がします。家人に言わせると「人間は年を取るごとに、一年を感じる長さが短くなっていく」のだそうです。その長さは記憶をつかさどる場所にどれだけ強く、数多く足跡を残すことが出来るかどうかで決まるのだとか。

 恋愛、友情、旅、映画、小説、スポーツと、現実的には一番大切だったのかもしれない「受験勉強」以外のことに好奇心を傾け、よくもそのための時間にほとんどを割けたものです。その高校三年間の想い出の強度は、この最近の三年間の記憶をはるかに凌駕します。好奇心の薄れた毎日は容赦なく加速を付けて過ぎ去っていきます。反省。

 心臓が飛び出すのではないかと思うくらい胸をドキドキさせながら、初デートで入った喫茶店。コーヒー一杯で粘った後の帰りの舗道には枯れ葉が舞っていました。不思議と寒くなかった夕暮れ時。小説のような夢の時間、小雪の時季の息弾む温かさ。今夜も想い出が伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の2杯目を要求しています。 〜Stay hungry, Stay foolish.〜 スティーブ・ジョブズ   






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2011/12月




◎残業おでん

No.151 / 2011年12月1日配信

 多くの職場もそうだと思いますが、私の会社は12月の声を聞く少し前から、猛烈に忙しくなります。受注量が増え、仕事が錯綜します。今は仕事内容が変化してきたのでそうでもありませんが、若い頃、午前様は当然で、徹夜の日が続くことも。睡眠不足やストレスとの厳しい戦い。そんな時季、深夜の気持ちを支えてくれたものがありました。

 出張から戻って来た先輩の手には、いくつものビニール袋がぶら下がっていました。時刻は深夜の0時に手が届こうとしています。やがてFM放送では城達也の「夜のしじまの何と饒舌なことでしょうか」のナレーションが聞こえてくる「ジェットストリーム」の始まる時間です。その先輩は打ち合わせ用のテーブルにぶら下げて来た袋をそっと置きました。

 「みんな、腹減ったやろう?」。中から現れたのは発泡スチロールの容器に盛られた屋台のおでんでした。がんも、こんにゃく、牛スジ、大根、厚揚げ、卵など10種、30個以上もあろうかと思われます。独身だった私たちは先輩への気遣いもそこそこに、その深夜食をピラニアのようにガツガツと胃に放り込んだものです。

 「『みんなよく来てくれるから』と、屋台の大将が千円で良いって、まけてくれたんだよ」と先輩は言いましたが、その千円は先輩の手出しです。そう多くない給料の中から買ってきてくれたおでんの温かさ。心に沁みます。数年後、私もそれに習って、深夜のアルバイトさんにおでんを買って帰りました。さあ、今夜は家だけど、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』にアツアツおでんです。   






◎白雪姫

No.152 / 2011年12月11日配信

 最初に白雪姫の絵本を読んだ時季がクリスマスの頃だったので、私の中には白雪姫=クリスマスのイメージが刷り込まれています。嫉妬深い継母の王妃による「度重なる殺害計画」をくぐり抜けて、最後は王子と結婚することになる物語です。「鏡よ鏡よ、鏡さん。世界で一番美しいのはだ?れ?」のフレーズは今でもしっかりと憶えています。

 ご存知の白雪姫はドイツのヘッセン州に伝えられていた民話のひとつです。19世紀初頭にグリム兄弟が原話を集めて編集した「グリム童話」には、「白雪姫」や「赤ずきん」「ヘンデルとグレーテル」など日本でも有名な童話が沢山。懐かしくて、私も先日ブックオフで文庫本を手に入れたところです。

 数年前、テリー・ギリアム監督による「ブラザーズ・グリム」の映画が封切られた時のこと。こだわりの映像づくりが得意な監督なので、家人を連れて12月の平日の夜にワクワクしながら映画鑑賞に出発。シネマコンプレックス全体に「人気(ひとけ)」が少なかったので、ゆっくりと観れると思いながら入館しました。なんと、その広い観客席には私達2人だけ。狐につままれたような夜でした。

 まるで魔法をかけられたような優雅な時間と空間を楽しんだ後、映画館を出る私に家人が「面白かったけど、こんな映画、みんな興味がないのかしら?」と不思議そう。その夜の帰宅後、いつものように伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をマイカップに注ぎました。映画の余韻か、童話の記憶か、「鏡よ鏡よ、鏡さん。一番美味しい焼酎はな?に?」と独り言。映画鑑賞の後の一杯もまたオツなものです。   






◎総幸福量

No.153 / 2011年12月21日配信

 発表された2011年7〜9月期の国内総生産(GDP)値は実質で前期比1.5%増だとか。プラス成長は4四半期ぶりだそうです。しかし、負の方向に働く世界の金融や経済の情勢。円高は収まらず貿易での利益を吐き出し、企業における新卒の雇用状況も超氷河期から抜け出ることができていません。そして増税、少子高齢化、揺れ動く年金問題。マスコミのニュースには暗い話が多すぎます。

 今年11月中旬に国賓招待されたブータン国王夫妻の来日でクローズアップされた「国民総幸福量」。それはGNH(Gross National Happiness)といい、国内総生産(GDP)のようにお金や物質的豊かさを追い求めるのではなく、精神的な豊かさを目指すべきだとするブータン国家の指標だそうです。

 来日中、国会の中で衆参両議院を前にスピーチされた若きブータン国王の映像を見る機会がありました。15分足らずではありましたが、日本を愛する素直な気持ちや、ブータンの民の思いを披露された話には、議事堂内で大きな拍手が何回も沸き起こり、私も映像の前で心を動かされ感涙。さすが、国民総幸福量を大きくしようと提唱する国のトップの話でした。

 我が家の消費支出量も全体ではかなり渋かったし、私の小遣いも緊縮財政下で苦労しました。しかし、娘曰く「お父さんは『幸蔵』さえあれば幸せなんでしょ?」。そうかもしれません。私の関心事のほとんどは伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』とそれにかかわる料理からできています。毎日、幸蔵さえあれば総幸福量では誰にも負けるはずはないのです、ふふっ。今年もありがとう。幸蔵に感謝です。   






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2012/1月




あけましておめでとうございます。
旧年中も温かいご愛顧、誠にありがとうございました。
伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」同様 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


◎龍のように

No.154 / 2012年1月1日配信

 今年の年賀状にはどれだけの「龍の絵」が描かれたのでしょうか。日本郵便が発行したお年玉付き年賀はがきだけでも、総発行枚数で38億2,000万枚が予定されていました。それに、私製の年賀状を加えると、すごい数になりそうです。様々な龍の絵で溢れる今年の正月。思っただけでも、そのスケール感にゾクゾクします。

 龍の話といえば昨年福島の被災地の小学生に披露された、ブータン国王の話が素敵でした。人の心の中には経験を食べて育つという「龍」が住んでいるのだとか。心の中のそれぞれの強い龍を大切に育てて下さいというメッセージに、私の心は小学生と同じように反応してしまいました。それにしても、辰の干支を迎える前年の秋にこの話、実に良く出来ていますね。

 私は個人的な恒例行事として、毎年正月に「今年の目標」を立ててきました。以前は毎日日記を書くだの、絶対に禁煙を成功させるだのと、過激なほどの目標を立てて来ましたが、去年の目標設定はなんと「できるだけ本を読もう」程度の甘〜いレベルに。反省が大いに必要です。ブータン国王の話が心に残っているうちに、何とか心の龍をもう一度目覚めさせなければなりません。

 「お父さんの年賀状の龍のイラスト、下手っぽい。小学生の絵みたい」と言った年末の娘の言葉にはカチンと来ました。頭に血が昇るのが解ります。いかん、血圧に悪い。そうだ、今年の目標は怒らないことにしよう、そのほうが健康にも良さそうだし…。早速、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と、穏やかになるための時間をつくることにします。我が家の猫が「こりゃ、だめだニャ」とばかり、冷ややかな目で私に一瞥を加えました。   






◎一杯のうどん

No.155 / 2012年1月11日配信

 家族が出払った日曜日の昼時、一人残された私は台所に向います。「うどんとかラーメンとかも買ってあるので、好きなものを食べといて」と言い残して、家人と娘は外出しました。「あなたは一緒に行っても楽しくないだろうから」と、私抜きのショッピングが常態化しています。

 松の内が終わったものの、おせち料理から新年宴会料理と続いたご馳走に、胃の方も若干お疲れ気味です。冷蔵庫の中を眺めて見ると、うどんの玉が入っています。やっぱりうどんかな〜。しかし、ただのうどんだけではモノ足りません。ネギもあるし、鶏のささみもあります。カレー粉、片栗粉もストック棚にありました。よし、カレーうどんダッ!

 20年以上前に、「一杯のかけそば」という話が国会で話題をさらい、映画にもなりました。父親を亡くした母子3人が、かつて父親が好きだった蕎麦屋に現れ、一杯のかけそばを3人で分け合って食べようと注文します。見かねた店の主人が1.5人分の蕎麦を出し、それ以後、毎年大晦日には親子は顔を出すようになっていくという心温まるストーリーです。

 一方で私の作る「一杯のうどん」は涙こそ誘いませんが、家族に見放されそうになりながらも、健気に生きるグルメな男の物語。スープはアツアツ、辛口香辛料が香る本格カレーうどんが出来ました。最高です!これこそ家人には作れない本物の男料理。日は高いので、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が欲しいところですが、日が高いので、ここは我慢です。ショッピングに夢中の2人はこんなグルメな父の姿を知る由もありません。   






◎旬の白菜

No.156 / 2012年1月21日配信

 冬は白菜の旬の時季です。霜が降りるとさらにぐっと甘みが増すといわれ、郊外の生産者直売所に行けば、新鮮でみずみずしい白菜が一玉そのままの姿で私たちを喜ばせてくれます。何度も衝動に駆られ、買ってしまった苦い経験が脳裏を駆け巡ります。「また、こんなに大きいのを。食べきれないわよ。何べんいったら解るのかしら、ブツブツ」と、最後は間違いなく夫婦喧嘩に発展。

 そういえば、以前、私が買ってきた一玉は3kg近くあったと思いますが、もちろん最後まで使い切れませんでした。ところで、鍋料理や漬け物が大好きな日本人は一体どのくらい白菜を食べるのでしょうか?いろいろ資料を調べると、1世帯当たり(二人以上の世帯)の年間購入量では8,525gだとか。一家族で年間3〜4玉を食べるイメージです。

   学生時代に友人と奈良地方を旅したことがありました。民宿の夕食に心温まる「明日香鍋」が出されたのを思い出します。塩味の牛乳鍋でした。当時、まだ牛乳味の鍋など食べたことも無く、その味はとても美味しく、自分史的にはとても衝撃的なものでした。鍋の具材としては鶏とキノコ、そしてやっぱり白菜が記憶に残っています。

 白菜は牛乳を使った料理によくマッチします。白菜にベーコンを入れ、コンソメと黒胡椒を効かせた牛乳のスープなどは絶品です。一番美味しい時季にたっぷり頂けるという贅沢。四季が楽しめる国に生まれたことに感謝しなくては。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』は旬の味覚を愛する人の名パートナー。さあ、白菜のおいしい季節に乾杯です。   






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2012/2月




◎もつ鍋

No.157 / 2012年2月1日配信

 五木寛之が書いた大河小説「青春の門」に出てくる筑豊地方。石炭で日本の産業振興をになった歴史のある北部九州の地域です。最近では、山本作兵衛の炭鉱記録画がユネスコの世界記憶遺産に登録されるなど、当時の筑豊の炭坑生活にもスポットがあたり始めたようです。その炭坑労働が生み出した産物に「お菓子」と「ホルモン料理」がありました。

 厳しい労働後に必要なエネルギー源になる「甘いお菓子」とともに、スタミナ食として人気のあったホルモン料理は今も地域に愛されるB級グルメ料理として食べ続けられています。私が幼い頃住んでいた筑豊地方では、そのホルモン料理は「とんちゃん」と呼ばれていました。私が不気味だと思っていたホルモンを旨そうに口に運ぶ父親が信じられずにいたものです。

 そして現在。あのホルモン料理の気味悪さはどこへやら。寒い季節の鍋料理はやっぱり「もつ鍋」が一番などと、いつの間にか人に勧めるようになってしまいました。ニラやキャベツとともに口に広がるもつの旨味はもう最高。今や博多の名物になってしまった「もつ鍋」ですが、醤油味・味噌味・ポン酢味と、味をいろいろ楽しめるところも高評価が得られるポイントです。

 「やっぱりお父さんもおじいちゃんの遺伝子を引き継いでいるのね」ともつ鍋を食べている私に娘が話しかけます。「おじいちゃんはホルモンと焼酎が一番好きだって言ってたし。ホルモンって、もつのことでしょ?」「ということは、いつかお前も『もつと焼酎の晩酌』が大好きな女になってしまうかもな」。幸せな会話です。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りがおいしい夜。    






◎報・連・相

No.158 / 2012年2月11日配信

 朝は塩胡椒を効かしたほうれん草のバターソテー、夜のほうれん草はおひたしで、ごま醤油和えが最高です。鉄分の含有量が多い野菜だということは、昔習っただけなのに不思議と忘れることがありません。ほうれん草も年中出回るようになりましたが、私の中の旬はやっぱり冬。寒気にさらされると甘みが増すといわれますが、そのあたりは白菜などと同じです。

 この私が大好きなほうれん草は、九州よりも東北地方が沢山食べられているそうです。東北地方太平洋沖地震前の国の統計によれば、秋田市の消費量は九州の主要な都市の消費量の約2倍はあるそうです。食品スーパーや農産品直売所でも沢山並んでいるし、私たちもけっこう消費していると思うけど、まだまだ及ばないのが現状です。

 組織における「報・連・相(報告・連絡・相談)」の大切さを教えてくれた先輩がいました。マンガのポパイでは、ほうれん草の缶詰で必ず最後にパワーをつけていたな、という懐かしい話もしていました。2人で飲む小料理屋のカウンターでは、必ず胡麻和えほうれん草の小鉢が出されていましたが、そのほうれん草パワーもかなわず、先輩は数年前にこの世を後にしてしまいました。

 伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』で先輩との想い出を温めようと食卓につくと、そこにはオリーブオイルがかかっている小振りなほうれん草の「生のサラダ」が。ほうれん草のサラダが旨くないとは言いませんが、う〜ん、今夜のメニューは不満です。「メニューを決める前には、やっぱり俺に『報・連・相』だよな」という私を家人が不思議そうな顔をして見ています。   








◎啓蟄(けいちつ)の頃

No.159 / 2012年2月21日配信

 生け垣の根元部分に、クモの糸でこしらえた長い袋をぶら下げている「土蜘蛛」。その袋の中でダンゴムシなどの虫を捕獲するために待ち構えているのですが、小学生の私たちはおかまいなしに土中から引き抜いては、その中から土蜘蛛を出して遊んでいました。土蜘蛛にとっては、せっせと1週間もかけてつくりあげた大切な袋を簡単に引っこ抜かれるなんて、迷惑千万だったに違いありません。

 そして、生け垣の木の根元の近くには小さな穴があいています。虫の穴より大きい穴。おそらくモグラの穴だろうと推測し、水を流し込んだりして穴から追い出そうとした記憶があります。モグラもさるもの、そんな子供の策略などに引っ掛かるわけがありませんでした。今から思えば贅沢なことかもしれませんが、家のまわりも子供にとっては楽しい遊びのフィールドだったわけです。

 二十四節気でいわれる今年の啓蟄(けいちつ)は3月5日です。「啓」がひらく、「蟄」は冬眠の虫の意味で、冬ごもりしている虫達が春を感じて土中から這い出してくる頃だと言われています。一雨ごとに冷気が緩み、日差しが春めいていくこの時季です。特に冬の間に出不精がひどくなった私のような人間に、その巣ごもりから這い出ることを季節がススメてくれているのでしょう。

 今日は日曜日。いざ外へ!といっても、家の近所で一人で土蜘蛛と遊ぶわけにはいきませんので、ランニングマシンや筋トレマシンで遊ぶ(?)ことに。そういえば仕事の忙しさにかまけて、このところスポーツクラブに出かける回数が減っていたところです。その後の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との時間を楽しむためにも、ここは重い腰を上げなくては。さあ、気合いを入れて!   






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2012/3月




◎あらかぶもん

No.160 / 2012年3月1日配信

 活き締めした新鮮な刺身魚で一杯やりたくてたまらない気分が訪れます。春のシーズンを待ちきれない私達は、早春の海(地上では春でも、海中はまだ冬状態)にいそいそと釣り竿を持って出かけます。しかし、膨らみ過ぎた期待に反して、この時期に釣り上げて持ち帰れるのは、残念ながら大きな魚じゃありません。

 釣りの出発前夜、「明日の夜は新鮮な刺身だから、チューブに入ってるやつじゃなくて、生のわさびを忘れずに買っといてくれ」と家人に伝えます。永年私の声を聞いている家人は「はいはい、あらかぶ(カサゴ)ですね」と応えます。あらかぶは口こそ大きいものの、波止や磯の浅場にいるものは身体が小さく、やけに口ばかりが目立つという魚です。

 家人の言葉に私はムッとします。「あらかぶ」は「口先ばかりで結果を出せない者」を意味するからです。「今年こそ」の願いもむなしく、大物を釣り上げる夢はいまだに実現できていないので、私はやっぱり口先だけの「あらかぶもん(者)」なのでしょう。悔しいけれど、返す言葉が見つかりません。

 豊かな美味しさを提供してくれる小さな海の幸。この時期の10数センチのあらかぶは本当に貴重です。スリおろしたわさびで頂くあらかぶの刺身。そして味噌汁で味わう温かいあらかぶ。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との相性もばっちりだから、これ以上何も望むことはありません。う〜ん、しかし、一度くらいは大物を釣らせて欲しいなぁ、ねえ神様。   






◎団塊世代

No.161 / 2012年3月11日配信

 いつも私のことを気にかけてくれていた先輩がいました。年齢が離れていただけ経験の差も大きく、その教えは若い私に欠かせないものでした。先輩はデザイナー職で絵を描くのが上手かったし、美術・芸術とはずっと拘わっていきたかったのでしょう。60才で定年退職された後は、九州国立博物館で積極的にボランティア活動を継続中とのことです。

 先輩は今年65才だということだから、ちょうど団塊の世代に当たります。戦後復興期、1947年〜1949年生まれの団塊世代はこれまでのどの時代も、その「人の数の多さ」で消費をリードし、切り拓いて来ました。今年2012年は日本を牽引して来た団塊世代の「再定年退職」のラッシュを迎える年になるそうです。

 かつては8兆円市場といわれたこともある団塊定年退職市場。その消費力を取り込もうと、様々な企業で「アクティブ・シニア」向けの商品やサービス開発がさかんです。ある経済雑誌には「3爺(スリージイ)が消費の主役」とあり、3爺とはチャラ(チャラチャラ若く)爺、イク(育児)爺、スタ(スタディ)爺のことだそうで、つい笑ってしまいます。

 「お父さんのその先輩だった人に、博物館のタダ券もらえないのかしら?」と娘がネダリ顔。「いきなり、無料招待券ありませんか?なんて言えるわけないだろう。ず〜っと会ってもいないのに」と私は渋い表情。そういえば、先輩は焼酎が好きでした。今度、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を持って訪ねるのがいいかもしれません。タダ券以上の価値ある「団塊世代の元気」をきっともらえるはずですし。    






◎動き出した列車

No.162 / 2012年3月21日配信

 親に無理を聞き入れてもらい、遠くの大学に進学出来ることになった春のことを思い出します。当時の我が家の経済状況を考慮したならば、誰だって経費負担の少ない地元の大学に進むべきだと判断するでしょう。しかし私は解き放たれる自由の誘惑に勝てず、親元を離れる決意を固めました。ただし、甘えるにも限度があると思い、生活費だけは自分で工面するようにしました。

 実家で過ごす3月も足早に過ぎて行きます。入学のための準備も大学の寮にお世話になることに決めていたので、準備は意外に簡単でした。故郷を出発する前日の夜、私の部屋には滅多に顔を出さない父親が現れました。おい、これを持って行けと言って、茶封筒を私に差し出しました。明日、見送りにはいけないからと言った後「自分に負けるなよ」と付け加えました。

 茶封筒を開けると一万円札が数枚入っていました。今と違って、一万円札の価値が凄かった時代の話です。恐らく母にも内緒でくれた小遣いなのでしょう。私はお金を封筒に戻して、バッグの底に慎重に仕舞いました。開花前の桜のつぼみを柔らかい雨が揺らす夜、父の精一杯の気持ちに私の胸は震えました。

 夜行列車の窓越しに母と兄、高校時代の友達数名がホームの上で手を振っています。突然、昨夜の父の寂し気な表情が浮かびあがり、涙が溢れ始めます。そして涙でぼやけた視界は列車とともに動き始め、同時に私の新しい人生の旅も始まりました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と過ごす春の夜、時にはそんなちょっぴりセンチメンタルな想い出も顔を覗かせます。   






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2012/4月




◎清 明

No.163 / 2012年4月1日配信

 漢字のイメージでもそのすがすがしさが好ましい「清明(せいめい)」。二十四節気では「春分」の次に来る気持ちの良い頃のことです。樹々の花や草花が咲き乱れる美しい時節で、ちょうどその頃、桜前線も美しいピンクの衣をまとい、南北に長い日本を北上中。今年は4月5日がその「清明」の瞬間に当たるそうです。

 小学低学年の頃、担任の女の先生に「清明」を構成している漢字の「清い」と「明るく」を何回もくり返し教わった記憶があります。先生は「正しく」「ハキハキ」とね、と言葉を追加した後、絶対に嘘はついてはいけませんよ、「嘘だけは絶対に」と念を押しました。幼い私は、先生の目を見つめ「はい」と大きな声で応えました。

 5年生になったある日の下校時間、裏側の校門近くの大木の影から、大きな上級生を中心にした3人組がドドッと校門を駆け抜けていきました。その上級生は校門を抜けるとき私をジロッと見ました。一度、仲間になれと凄まれたことのある生徒です。すぐに男の先生が駆け寄って来て「こちらに誰か走って来なかったか?」と訊かれました。

 慌てた私は瞬間的に「いいえ」と反応してしまいました。翌日の授業の前に先生が、下級生が殴られた話をして、注意を促しました。私はその先生の顔をまともに見れません。昨日、嘘をついたからです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のカップを傾ける夜、校門でついた小さな嘘がいまだに胸をチクッと刺します。清明が「正しくあれ」と私に呼びかけています。   






◎グッド・モーニング

No.164 / 2012年4月11日配信

   ブラインド越しの白い朝日がテーブルに、光の縞模様を柔らかく描いています。ドリップし終えたコーヒーカップからは香りが立ち上がり、鼻孔をくすぐります。スクランブルエッグに焼いたソーセージ。シャキッとみずみずしい生野菜のサラダとオレンジジュース。焦げ目のついたトーストの表面で溶け出すバターの風味が朝を幸せにしてくれます。

 独身時代、夢にまで現れたことのある「新婚生活の朝食」はなぜか、洋風スタイルでした。畳の上で座って頂く食事ではなくて、ダイニングテーブルで椅子に腰掛けての食事スタイルです。今では当たり前のことですが、その頃はフローリングに憧れを持っている人も多く、「洋風」へのあこがれには凄まじいものがありました。味噌汁好きなこの私が「洋朝食」の夢を見るくらいでしたから。

 しかし朝食における現実の問題は「洋」か「和」ではなくて、「食べているかどうか」ということです。相変わらず朝食欠食率の高いのが独身男性です。20代男性の約3割が朝食抜きで、「夜更かしで朝の時間が持てない」「昔から食べる習慣がない」「作るのが面倒くさい」が大きな理由だそうです。朝食大好き派の私としてはとても残念です。

 朝の食卓にめざしを焼いた匂いが漂っています。もう、新婚時代のような白い器のイメージの食卓ではありません。「キライじゃないけど、ちょっと渋すぎると思わない?うちの食卓は」と娘の言葉には不満未満の微妙な感情が見え隠れ。「『和』って、スマートでとってもクールなんだぜ!」と私は娘をたしなめます。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』に教わった哲学かもしれません。    






◎ニラのチヂミ

No.165 / 2012年4月21日配信

 ソメイヨシノが散って、八重桜がその優雅な姿を見せる時季、GWが近づく週末。優しく暖かな風に誘われて、久しぶりに家人を誘って郊外に散歩に出掛けます。そして、帰りに農産品直売所へ立ち寄って新鮮な野菜達に囲まれると、私の無駄を見抜く制御装置はすぐに壊れてしまいます。無駄な買い物をしてはダメだという警告はもう聞こえません。

 摘みたて、採れたての野菜と果物で、かごは瞬く間にいっぱいになってしまいます。私の頭の中での酒の肴は、基本的には魚介類料理が柱で、肉類が続き、最後が野菜類ということになります。それなのに、フレッシュな野菜に出会える歓びと買い込んだ後の充実感はなぜか最高なのです。その日は最後にニラを2束ほどかごに放り込みました。

 日中出掛けた後の夕食は手軽なものに、と家人はいつもそう思っています。手をかけなくても美味しいものは沢山あります。そういう時は韓国旅行後に我が家の味に加わった「キムチの味」が助けてくれます。買い込んだニラを使っての「キムチ」プラス「ニラ」のチヂミを家人に頼みました。「それはいいかも!」と家人の明るい声が聞こえます。

 ホットプレートの上でチヂミが香ばしく焼き上がります。「ニラは動脈硬化の予防にも良いってね」と家人が言うと、「じゃあ、お父さんにいいのよね、ニラって」と娘が続き、キムチも二ラも臭いという話になり、私のオヤジ臭の話に発展します。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の良い香りも判らない者達の話です。勝手にしろ!何がオヤジ臭だ!大人の男として、ここはひとつ、我慢、我慢。   






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2012/5月




◎母の日デパート

No.166 / 2012年5月1日配信

 ふだんデパートには行かない私も、一年中で一度だけ朝から気合いを入れてデパートに出掛ける日があります。母の日です。実母を亡くしてから、その日は家人の実家の母親と一緒に食事をするための日となりました。最初は家人の手料理でしたが、近年はデパ地下の惣菜がテーブルを飾ります。私はその日の大切な惣菜買い出し係。家人の実家での昼食に間に合うように、朝から大忙しです。

 義母の食事は和食が多いようなので、ハレ気分の洒落た洋食メニューも加えます。ローストビーフ、豆のサラダをはじめ、おいしそうな惣菜を少量ずつ沢山買い込みます。両手に大きな紙バッグを抱えて歩き始めると、昔、デパートに連れて行ってくれた私の母の顔が浮かびます。そして、私の母が大好きだった白玉だんごの老舗の前で必ず足を止めて、つい白玉だんごを買い込んでしまいます。

 幼い頃、私と兄は母に連れられて、はじめてデパートの屋上遊園地に出掛けました。クラスの友達がデパートに行ったことを自慢できた時代の話です。デパートには縁がない家計の状況下で、母は無理して私たち兄弟にデパート体験をさせてくれました。鉄塔のまわりをくるくる回リながら飛ぶ飛行機に乗った後は、最上階のレストランでのお子様ランチ。ほんとうに夢のような時間でした。

 母の日の昼下がり、デパ地下の色とりどりな惣菜がテーブルに並んでいます。しかし、残念ながら今日だけは伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の出番はありません。帰りの車を運転しなくてはならないからです。一年に一度だけ、拷問のような「幸蔵」なしの辛い時間。「我慢することも大切なのですよ」と今はない母の声が聞こえてきそうです。   








◎金環日食

No.167 / 2012年5月11日配信

 3年前に皆既日食(太陽が月によって全部隠れる)で、奄美大島北部、喜界島、屋久島などで観察フィーバーがおこりましたが、今度日本では太陽がドーナッツ状に見える「金環日食」を見ることができます。国立天文台によると5月21日に九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部、中部地方南部、関東地方で楽しむことができるそうです。

 鹿児島ではその日の午前7時20分に金環日食が始まり、約4分ほどリング状の太陽が見られるのだとか。私が住んでいる北部九州でもリング半分くらいの日食は見れそうです。日本陸地での次の機会は18年先の2030年6月1日で、それも北海道で見られるくらいだそうです。滅多にないチャンスだから見逃したくないものですね。

 「ちょうどその日に結婚前の相手と『金環日食』を見るってのもいいだろうな、婚約指輪が空に浮かんでいるなんて、ロマンチックだよね」と家人に言うと、娘が横から話に割り込んで来て「それって、『皆既日食』のときじゃない?ダイヤモンドの指輪みたいに見えるのは」とでしゃばります。

 「リングに例えるなら、今度の金環日食は『結婚指輪』のはずじゃないの」と娘からの指摘。私はぐっと悔しさを飲み込んで、「えらく詳しいじゃないか」と言うと、「それに、お父さん。今度は朝早くだからロマンチックってのもねぇ?」う〜っ、どっちだっていいじゃないか、と私はいつものように、一杯の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』に救いを求めるのです。    






◎砂ずり

No.168 / 2012年5月21日配信

 街角の焼き鳥屋から鶏の焼ける香ばしい匂いが流れてきます。腹を空かした仕事帰りにそれを嗅ぐともうダメです。ケータイを取り出して、残っている同僚か後輩に「焼鳥屋で一杯やらない?ほんの少しだけど」と連絡を入れます。「その一杯とか、ちょっととかが命取りになることが多いですからねえ、先輩の場合は」と後輩の警戒声。

 焼き鳥の匂いはもちろん、通りに溢れる鰻屋のあのタレが焦げる匂いも罪作りです。1930年代にアメリカのエルマー・ホイラーが言った言葉「ステーキを売るな、シズルを売れ!」って、本当だなぁと、しみじみ感じ入ります。「そこのお兄さん、焼鳥食べていかない?安くて美味しいよ!」という呼びかけより、店先に匂いを流す方がやっぱり効果ありそうです。

 ホイラーの法則というか、その匂いと言うシズル感に心を奪われ、「いらっしゃ〜い」の声に迎えられながら店内に。そしていつも必ず最初に注文するのが「砂ずり」です。ざくっとした歯ごたえがたまりません。頬ずりをしたくなるくらいの美味しさ。私は焼いたものにポン酢と柚子こしょうをつけて食べるのが大好きです。塩味にレモン汁でさっぱりした味もオススメです。

   「『砂ずりの唐揚げ』の美味しい店があるよ、と教えてくれた得意先の方がいました。私にホイラーの法則を教えてくれた方で、会社を離れてもつきあえそうな方でした。しかし、いつかそれを一緒に食べようと話をした矢先、その方は転勤に。いつか、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』で一杯やりましょう、という私の提案も実現できませんでした。ちょっぴり残念です。   






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2012/6月




◎バラの香り

No.169 / 2012年6月1日配信

 場所や品種によって開花時期は異なるのでしょうが、5月の中旬から6月の中旬くらいが「春バラ」が楽しめる時期だと思います。私の住む地域の植物園も郊外のバラ園にも多くの人が訪れ、賑わっていました。定番の真っ赤なバラから淡いピンク色のラ・フランスまで色とりどり。バラ園の小径を歩く人は皆、笑顔が絶えません。

 家人もバラ大好き人間で、ベランダには十数種のバラの花を育ててニコニコ。さらに、昨年からはバラの香りのするハンドクリームなるものを買い込み、その香りを手に付けて外出しています。いくらバラ好きとはいえ、なんでそこまで頑張るのか、私にはわかりません。「香りは文化なのよ」と家人は言いきります。

 私のバラの香りは小学校時代の裕福だった友達の想い出。梅雨の少し前、紅いレンガに包まれた瀟洒な家の庭には、真っ赤なバラが咲き誇っていました。一緒に登校する私が待つ門の外まで、友達はそのバラの香りの中から現れます。一方、私の家の6月のイメージといえば、匂いのこもるトイレの窓からのぞく庭の雨に、なぜか悲し気に揺れる紫陽花の花。友人宅とえらく違います。

 当時からバラの花が咲く庭の優雅さにあこがれました。本当は子供心に、バラの香りの向こうに覗く「お金に不自由しない文化的な生活」が羨ましかったのです。とすれば、家人が言うとおり、やはり「香りは文化」なのかもしれません。それは伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の優しい芋の香りに通じます。6月の夜、家人と違ってバラより芋。私は今夜も「私の文化の香り」に浸ります。






◎近所の道を旅する

No.170 / 2012年6月11日配信

 「その本、犬をカヌーに乗せて川を下る人でしょ?」と家人が訊ねた。私はちょうど新しい本を切らしていたので、本棚から野田知佑(のだともすけ)の古い文庫本を一冊抜き出して読んでいたところでした。「インスタントラーメンのCMだったわね?」とさらに、しつこく問いかけてくる家人に根気負けして、寝転んだまま「あぁ」と無精のナマ返事。

 ハードボイルド探偵小説や冒険小説が好きだった私に、野田知佑を紹介してくれたのは会社の後輩でした。もうずいぶん前の話です。「日本の川を旅するって本、知ってますか?」と聞かれた私は即座に首を横に振りました。「日本ノンフィクション賞・新人賞をとった本ですが、これは面白いですよ」と後輩はさかんに薦めてくれました。

 この本ではカヌーで川下りのルポルタージュをしながら、日本の滅び行く美しい河川の自然を嘆き、「それは人間の仕業」と明快な社会批判を繰り広げます。整然とした文体にユーモア溢れる人間性となまっちょろい人間性など軽く凌駕してしまう「骨太」な本物の人生が溢れます。その男らしい格好良さに憧れ、それ以来、彼の多くの著書に目を通すことになりました。

 チャレンジしなくなった日常。ふやける心と身体の贅肉。ヨシッ、カヌーの代わりはジョギングシューズだと、私は近くの公園に向けて駆け出しました。近所の道を駆け巡ったその夜、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が、「頑張ったね」と子供を思いやるような暖かい声を私にかけてくれました。悔しいけれど、私には日本の川を旅することなどとてもできません。やっぱり近所の道を旅するくらいが関の山です。






◎いっさき

No.171 / 2012年6月21日配信

 イサキのことを九州では「いっさき」と呼んだりします。初夏〜梅雨頃に旬を迎え、その繊細な白みの味わいは、刺身で食べたり、焼いたり煮付けでといろいろな調理法で美味しくいただけます。家人もこの時期になると、時々、私の好物であるイサキの煮付けを食卓に出してくれます。煮詰めた醤油と針生姜で味わうイサキは最高です。

 また、夏のイサキは私のようなヘボ釣り師にとっては、ありがたい魚でもあります。数年前に仲間数人で船釣りへ出掛けました。「船釣りなら、魚のいるところまで船で連れて行ってくれるから坊主ということもないだろうし」と、食い意地だけが張った私たちです。船酔いで一人がダウンしたものの、執念深くリミット時間一杯まで釣りました。

 その成果は上々。「いっさきは大きい方がうまいけんね」と言いながら、船長が釣れたイサキを甲板のいけすから取り出しながら、一尾づつ活き締めしてくれます。40センチ級を数尾、鯵の混じった分け前をクーラーバッグ一杯に詰めて意気揚々と凱旋帰宅。いつもは味わえない戦勝気分です。「一番大きい奴をあげよう」と、マンションの隣の住人に内臓・うろこを処理して差し上げました。

 「一番先に夏を知らせてくれる魚ですよね、『いっさき』って」と、隣の年配の奥さんはとてもありがたいモノを、と私に頭を何度も下げました。マンション生活もこんな小さなやり取りで血が通います。その夜は、活け締めした大型イサキの刺身が、こんなに美味しいものかと大感激。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』も大活躍の夜でした。






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2012/7月




◎もずく酢

No.172 / 2012年7月1日配信

 つるつる、ぬるぬる、チョッピリ酸っぱい。ローカロリーでヘルシー。話題の成分「フコイダン」も含んで、とても健康に良いといわれる「もずく」ですが、入社後、酒席で出る「もずく酢」を知るまでは、個人的にはあまり縁の無いものでした。肉や魚が大好きだった若い頃、私の中では、栄養(カロリー)がないとされていたコンニャク同様のかわいそうな扱いでした。

 「夏はやっぱりもずく酢だな」と小料理屋のカウンターで突出しの小鉢を見ながら、会社の先輩は言いました。「本来は春が旬だって言うけど、やっぱりもずく酢のイメージは夏ですよね」と、女将さんが相槌を打ちます。「今日の会議で言ったこと、あれ、少しヤバかったかな?」と私に言って、先輩は苦い笑いを浮かべながら、ツルツルっともずくを口に入れました。

 もう、リストラは特別なことではありません。業績が立て直せないと判断されたら、さっそく業務の内容を変えるか、不要になった人員の整理をしたいと考えるのがマネジメントの基本。甘くない時代です。永年、続いて来た大きな取引先の仕事がなくなりました。事情もあり、もうその仕事は永久に戻って来ないでしょう。先輩は最後の会議で、会社の方針に小さな抗議の声を上げたのです。

 「もう少しで定年退職だったのに、最後にこけちゃったなぁ、つるっと」と、担当者だった先輩は片目をつぶってみせました。「いやぁ、これからですよ人生は。きっと、もずくのフコイダンみたいに効いてきますよ、先輩の努力は。真面目にコツコツやって来たんだから」と応援のセリフ。今夜ももずく酢の小鉢から、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のアツイ夜が始まります。






◎カリフォルニア・ロール

No.173 / 2012年7月11日配信

 先月、テレビを見ているとイヌイットの村で日本食の食堂を経営している人が出ていました。鯨等の大型ほ乳類を生で食べる習慣がある地元の人々は、生魚を使う寿司や、薄味の日本食に親近感を感じているようでした。その「オオサカ」という食堂は、韓国の人が出している店でした。辛い韓国料理より、和食の方がこの地域にフィットすると判断したのは流石です。

 その主人が作っていたのが、カリフォルニア・ロールでした。今は世界的に有名になった、アボカド等の具を使った西洋巻寿司です。カリフォルニア・ロールは1960年代にロサンゼルスのリトルトーキョーで作られたものがルーツだとか。今では寿司の本家、ニッポンにも逆輸入され、近所の回転寿司屋さんのメニューにもしっかり載っています。

 「何、これは?」と刺身醤油とわさびが添えられた、緑と黄緑のツートンカラーの果実に驚きました。家人が「アボカドの刺身よ。美味しいわよ」と教えてくれました。アボカドの知識くらいはありましたが、晩酌時に刺身状(半輪切り)になって、いきなり醤油と一緒に出てきたのでびっくり。その、まったりしたトロケる味わいに、深く考え込んだ10年くらい前の話です。

 それ以来、ビタミンEなどを豊富に含む栄養価の高いこの果物を、「老化防止や肝機能強化にも良いそうよ、美味しいでしょ」と家人に洗脳されながら食べてきました。おかげさまで元気(?)です。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』にも合うからオススメです。それにしても、そんなに推薦できる美味しさなら、なぜ回転寿し屋ではカリフォルニア・ロールを食べないのだろう?少々太めの我が家人は。   






◎アドリア海の後悔

No.174 / 2012年7月21日配信

 今でもそうだと思いますが、イタリア半島の南東側にあるブリンディッシという港町からギリシャのパトラスまでのフェリーはユーレイルパス(好きなだけ乗れるヨーロッパの鉄道パス)が利用できました。私はその日の夕暮れ近く、フェリー乗車の手続きを終え、ひとりで岸壁のカモメを眺めていました。すると、そこには元気のない日本人青年がひとり座り込んでいます。

 久しぶりの日本語が使えると思い、声をかけてみました。同じくギリシャに渡るというその青年は学生で、イタリアのローマで親切を装った詐欺に出会い、高額のお金を支払うはめになったと、暗い声で話してくれました。もう旅費も残り少なくなってしまったそうで「ハンカチなんか拾わなければ良かった」と虚ろな表情を浮かべています。

 『ハンカチ拾ってくれてありがとう。お礼にそこのバルで何かおごるよ」と、店に入って食事が済む頃にその人の良さそうな男性は姿を消し、その代わりにイカツイ店員が高額の請求書を持って現れたとのこと。「後で考えれば、前を歩いている人がいきなりハンカチだけをそっと落とすなんて、変ではありますよね」と悔しそうです。

 私は乗船後、「一杯やろう」とその学生を誘いました。バックパックの中からイタリアで買っておいた赤ワインとサンドイッチ、缶詰等を取り出して、できるだけ陽気に飲み食いをしました。27才だった私の夏は少しは人のお役に立てたかな?その場面、ワインじゃなくて伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』だったら、もっと元気にしてあげれたかもしれないと、今の私ならそう思ったりします。








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2012/8月




◎立 秋

No.175 / 2012年8月1日配信

「今日から、得意先に出す暑中見舞いは『残暑見舞い』になります。くれぐれも間違えんように!」私がまだ入社したての頃、上司が朝礼の時にしゃべっていたのを思い出します。今は暑中見舞いの葉書は昔ほど出しませんが、立秋を境に「残暑見舞い」に変えるといった、季節を記す日本人の感性は今でも良いなと思います。

 母親に買ってもらった大切な官製はがきにクレヨンで朝顔の花を描き、大好きだったクラスの娘に暑中見舞いを出しました。年賀状をもらったお礼の返事が半年後の暑中見舞いだったわけです。難しい「暑中見舞い」という漢字が不規則におどっているはがきを見て、「よくできたわね」と母は小2だった私の頭をなでてくれました。

 「へ〜、お父さんにも可愛い頃があったんだ」と、私の暑中見舞いの話に娘が反応します。「朝顔の花を描いている姿なんか想像できないわね」と家人がツッコミます。「あぁ、ケータイやパソコンもない、のどかで良い時代だったよ。俺みたいな純粋な良い子ばっかりでな」「それにしても、今は少しばかり捻くれすぎていない?」と娘が余計なことを言います。

 立秋は全く手がつけられていない夏休みの友や絵日記の存在が気になり始めるころ。そして、今でも夢に出てくる立秋の頃の小さな焦り。今年もまた、衰えを感じさせない夏の中で、氷を浮かべた伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と一緒に、朝顔の暑中見舞いや宿題の記憶を辿ります。昔は、私が生まれた九州でも立秋後のお盆を迎える頃にはもう朝晩がヒンヤリとしていたものです。早く涼しくならないかな。






◎大豆の子供

No.176 / 2012年8月11日配信

 「え〜、枝豆と大豆は同じものなの?」「あぁ、大豆の子供の頃の姿が『枝豆』なんだ」と娘の疑問に答えてやります。牡蠣が「海のミルク」といわれるように、大豆も栄養豊富な「畑の肉」と呼ばれています。タンパク質はもちろんビタミン、ミネラル類の宝庫で、特に枝豆は大豆にはないビタミンCもたっぷり含んでいるのだとか。

 私は農産品直売所から買ってきた枝豆を枝から離しながら、荒塩で塩揉みを始めます。新鮮な塩ゆで枝豆ほど、夏の晩酌にふさわしいものはありません。誰にも好かれ、その庶民的な顔のウラに隠されたつまみとしてのその実力は栄養力もさることながら『凄い』の一言。永年、酒の肴として、飽きっぽい性格の私を引きつけて離しません。

 間仕切りのふすまを外して広くした居間に、親戚の人たちが酒を酌み交わしています。長男が後を継いだ実家に、弟だった父をはじめ血がつながった多くの人が集まるお盆。大人の間に座り込んで、塩ゆでされた枝豆を盛んに食べたことを思い出します。隣の伯父さんは「いっぱい食べて、大きくなれよ」と酒臭い赤ら顔で私の頭をポンポンとたたきました。

 伯父さんたちの美味しそうに枝豆を食べながら酒を酌み交わすシーンが、幸せな原風景として心に刻み込まれています。おかげで、今でも私は枝豆を実に美味しそうに食べるらしいのです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と旬の枝豆、それに私を含めて「夏の幸せ」最強トリオが活躍できる時季は今に違いありません。さぁ、たくさん楽しまなくっちゃ。






◎久しぶりだから

No.177 / 2012年8月21日配信

 久しぶりに高校時代の友人と会うことになりました。東京からの帰省で、比較的長い休みが取れたようです。少しばかりダイエットの必要性がある彼も「今日ばかりは久しぶりに心置きなく焼肉が食べたいなぁ」と、私を高カロリー食に誘います。もちろん焼肉も大好きな私の返事はひとつです。

 「ほら、タニタの社員食堂って話題になったレシピ本知ってるよね?」と古い友人は脂たっぷりの牛カルビ肉を口に放り込みながら、健康食の話題を切り出します。今年、丸の内にそのタニタ食堂が出来たので出掛けてみたが、500キロカロリー位の定食で、ご飯の量も多くないのに、食べ終わると決して物足りなさは感じなかったのだとか。

 「良く出来てるメニューだったよ。料理も今や科学だよね」と言いながら、今度は脂肪がいっぱいついた丸腸ホルモンをパクリ。「血糖値やコレステロール値、中性脂肪値もかなり高くなっちゃったけど、やっぱり焼肉は止められないな」と自省の念を込めながらも、友人は脂の刺しが入った豚トロを口に運びました。血液検査後から封印していたという焼肉への思いが、堰を切ったように溢れ出しているようです。

 「〆に韓国冷麺でも食べない?」と5人前の肉を食べた後も、彼の食欲は止まることを知りません。「さっぱりして美味しかったね。やっぱりこれを食べないと終わらないね」と言ったあと、誘ったのは僕だからと、私の分まで支払いを済ませました。「悪いね、じゃあ、その代わりに伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を送るわ」。友人は「逆に気を遣わせちゃったね」とすまなそうな表情を浮かべました。






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2012/9月




◎放生会(ほうじょうえ)

No.178 / 2012年9月1日配信

 各地の八幡宮で催される放生会の季節を迎えます。放生会は万物の命をいつくしみ、殺生を戒める神事として知られています。博多のまちでは「放生会(ほうじょうや)」と呼ばれ、9月の中旬に行われ、多くの参拝者が足を運びます。残業に明け暮れていた若い頃、残暑の夏が終わりを告げ、秋の始まりをしっかりと感じさせてくれたのがこのお祭りでした。

 「おい、明日は帰りにみんなで放生会に行くぞ。残業しなくても良いように、早く終われる段取りをしとけよ」と課長がチーム全員に声を掛けます。この号令が、仕事の進め方に難のある入社一年目の私には、なんとも恐ろしく聞こえてしまいます。翌日、死にものぐるいで仕事をこなし、なんとか出発の午後6時に間に合わせたものでした。

 筥崎宮の1キロメートルの参道には多くの露店が並び、大勢の人で賑わっています。チャンポンといわれる、絵が描き込まれたビードロが売られています。ペコ・ポコという音を立てるビードロは愛嬌があります。特別なおはじきも有名です。葉が付いたままの新生姜が露店に並んでいます。しかし、お腹をすかせた若い私は、醤油が焦げて香ばしい「イカ焼き」に心は乱されっぱなしでした。

 私たちはお気に入りの一軒を見つけ、その大きな簡易テーブルに座り込み、乾杯。そして、参道の喧噪に囲まれながら、私たちの生命も酔いとともに解き放たれていきます。部下に仕事の重圧から放生される夜を演出してくれた課長の心が、今、やっと解るようになりました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のカップを片手に、懐かしい遠い夜を探っています。あの課長に乾杯。






◎秋のお彼岸

No.179 / 2012年9月11日配信

 暑さ寒さも彼岸まで、といわれ、このフレーズは天気予報のキャスターがお彼岸の時季によく使います。「しかし、依然残暑が厳しく、昼間は……」と歯切れが悪い状況。この時季を境に、一年で一番過ごしやすい日々がやって来るはずなのに、近年は地球温暖化現象で涼しくなるのも遅れ気味。私も夏物の衣類を仕舞うのが1ヶ月先になることでしょう。

 秋のお彼岸の中日が「秋分の日」で、ほぼ昼と夜の長さが同じになる日です。ということは、限りなく太陽が真東から昇り、真西に沈むことに他なりません。夕日が沈む先、「西」に極楽浄土があるとされるので、特にお彼岸の時季が大切にされるのでしょう。常識のない私にも、母を亡くしてはじめて、秋分の日がただの休日だった日から、少しは意味のある日に思えてきました。

 記憶が甦ってきます。「お母さん、おはぎはいつ作るの?」と兄が母に尋ねます。尋ねるというより、むしろ急かすようにお願いしています。おはぎが大好きな私も、同じように母の脚にまとわりついていたはずです。お彼岸がやってくると母はおばあさんから教えてもらったという「おはぎ」を作り、仏壇に供えました。そして、私たち兄弟は意味も解らずにその甘いおはぎに群がっていました。

 「このおはぎ美味しいわね。何処で買ってきたの?」と娘が家人に訊いています。娘には過去何度か彼岸の意味や行事の由来をレクチャーしたものの、私もそうだったように、やっぱり食べ物だけにしか興味を示しません。恐らく娘は私がこの世を去るまで彼岸の意味を飲み込めないでしょう。血筋は争えません。苦笑いをかみ殺して伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をゴクリ。まだ今夜もロックです。






◎鶏の唐揚げ

No.180 / 2012年9月21日配信

 おそらく「鶏の唐揚げ」を嫌いな人はあまりいないでしょう。運動会の弁当おかずランキングでもほとんど上位にランキングされています。鶏肉は安価、ヘルシーというイメージも手伝って、支持する人も多いのですが、「好きな鶏肉料理は?」という、先日の、とあるアンケートの結果も、働く女子が対象にもかかわらず、第一位がダントツで「唐揚げ」でした。

 「人気唐揚げ専門店の味が一度に味わえるチャンス!」という唐揚げカーニバルも、この夏の有名百貨店の催事として行われたようです。年に一度、大分県中津市の「聖地」で開催される「唐揚げフェスティバル」への、東京からの参加ツアーだってあるのです。外側がかりっとした食感、中はアツアツジューシーな「唐揚げ」の人気にはいまもって驚かされます。

 運動会の前日、幼い私は同級生の弁当がそうだったように、「唐揚げ」を弁当のおかずに入れて欲しいと母に頼みました。母は「そうだと思って、ちゃんと準備しているわよ。去年はごめんなさいね」と、私の心はすでに読み取られていました。その年母親が作ってくれた我が家の「鶏の唐揚げ」は本当に美味しく、運動会の昼食時間がパァッと明るくなったものです。

 今では、母に代わって家人の手による「鶏の唐揚げ」が食卓に上ります。「この年になっても、『唐揚げ・唐揚げ』って、お父さんは子供のままね」と家人と娘にからかわれますが、仕方ありません。冷えた水割りの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』といっしょに、アツアツの唐揚げをほおばる美味しさもまた、旬の秋刀魚の塩焼きに負けず劣らず、格別だからです。 






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2012/10月




◎イモの親子

No.181 / 2012年10月1日配信

 我が家の女性達は「ワァ〜、このお菓子美味しそう!」「もう、たまらないわね」とテレビのスィーツ番組にのめり込んでいます。食欲の秋、天高く馬肥ゆる秋(少し、古いかな)を迎え、旬の芋や栗を使った美味しそうな洋菓子や和菓子が街のショーウィンドウを飾っています。その甘そうに可愛らしく仕上がってるお菓子を見たら、さすがの私も左党の強がりを砕かれてしまいそうです。

 先日も家人が栗のモンブランではなくて、さつまいもを使ったモンブランを買ってきました。娘は大喜びで「私、コーヒー入れるわね」とお湯を沸かし始めます。休日の昼下がり、ひっくり返って本を読んでいる私の鼻孔に、キリマンジャロの豊かな香りが流れこみます。ここはひとまず、やむを得ずということで、男の威厳を捨てて、甘党にヘンシンしなくてはなりません。

 さつまいもの収穫量は南九州が圧倒的で、日本全体の約半数を誇るそうです。そして、なんといっても南九州はいも焼酎の本場。そういえば今年も、南国の太陽が降り注ぐ大地で採れたさつまいもから、新しい焼酎が誕生する時季です。モンブランの甘さに骨の髄まで占領されてしまっている家人たちと違い、私だけはスィーツを食べながらもきりっと冷静、渋く焼酎蔵に想いを馳せます。

 「モンブランも良いけど、今度は焼き芋を作ってくれ」と家人にリクエストをしました。「お父さん、それで『幸蔵』飲むんでしょ」と、横から娘がはやし立てます。「へ〜、焼き芋と芋焼酎ね、ひょっとしたら合うかもね」と家人が応えます。「芋が親で焼酎が子供だから、親子飲みって言うんだって」「えっ、お前、未成年なのになんでそんなこと知ってんだ?」






◎夜の漂流

No.182 / 2012年10月11日配信

 ヒンヤリとした夜風が少し開いた窓から入ってきます。昼間は半袖でも良さそうな陽気でも、さすがに夜はサラッとした冷気がもう一枚のセーターを要求します。やっぱり、こんな夜はエラ・フィッツジェラルドのボーカルです。エラ・イン・ベルリンのCDを選んでセットし、読み始めて2日目の文庫本を手にしながら椅子に深く腰を下ろすと、さて、何かが足りません。

 すぐに伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りを作り、再び本を開きます。その本は 「エンデュアランス号漂流(新潮文庫)」という、南極探検に向かう途中で遭難し、極寒の地で漂流するという実話をベースにした百年も前の物語です。英国人探検家アーネスト・シャクルトンを隊長とする28人の乗組員が乗った「エンデュアランス号」が氷の圧力で沈没してしまいます。

 小舟とともに脱出した乗組員全員は氷上移動の苦しみを含め、1年5ヶ月にも及んだ史上最悪の漂流後に奇跡的な生還を果たします。残り少ないビスケットを節約し、アザラシやペンギンの肉を食べ、脂肪を燃料として利用し生き延びます。凍傷の手を殺したアザラシの血まみれの内臓の中に突っ込み、暖をとる姿に圧倒されます。

 いつの間にかエラの歌声は止み、ハッと気付けば、机の上の焼酎カップは空になったまま。3/4程読み終えた文庫本を伏せて、窓の外に目をやります。どんな絶望的な状況下でも、希望だけは捨ててはいけないよと、夜の暗闇がつぶやきました。自分にはそんな強い精神力はないなぁ。ちょっと苦笑いをしたら、もう一杯のお湯割りが欲しくなりました。さぁ、漂流の続きです。






◎小さな贅沢

No.183 / 2012年10月21日配信

 11月初旬の立冬に向かって、秋もじわっと深まってきました。夜明けも遅くなり、近所の漁港で毎週日曜日の早朝に行われている「朝市」に出掛ける時間も、まだ未明の暗さが残っています。漁港の朝市は数十隻の船の水揚げ分を、漁師がそのまま直接市民に販売する「魚だけのマーケット」です。日曜日は市民のために船着き場が市場に早変わりするのです。

 水揚げしたばかりの天然ものの魚介類はみな新鮮で、刺身用は活け締めにされています。ヒラメやカレイは大きいトロ箱のような容器で活きたまま売られています。「お兄ちゃん、このヒラメ千円でいいよ!」と漁師の奥さんから声をかけられました。フフッ、私もまだお兄ちゃんで通るのか。小振りなサイズだけど、刺身も十分に取れそうです。

 気分を良くして、活きたヒラメを海水をはったクーラーボックスに入れます。電池式の小型エアーポンプの空気がぷくぷくと泡立っています。そのまま、午後まで活かしておいて夜の刺身にする予定です。ぷりぷりした薄造りの刺身を想い描いた瞬感、唾液が出てきて「日本人で良かった」などと、幸福感が頭の中を過激に支配してしまいます。

 新鮮な天然ヒラメを伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』とカップリングで味わう豊かな時間、小さな贅沢。旬のヒラメを一番美味しいカタチでいただくための、早起きという小さな努力が始まる季節が訪れました。美味しいものを大切にする気持ち。それは間違いなく、私の人生を豊かに潤いのあるものにしてくれています。






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2012/11月



◎紅葉狩り

No.184 / 2012年11月1日配信

 葉の緑色の色素は寒くなってくると分解され、かわりに糖分等を利用して葉の中に新たに色素を作ったりするそうです。それが紅葉の「色の変化」の原因なのだとか。紅く変わるのが紅葉だと思っていましたが、黄色に変色するイチョウ等も紅葉の範疇に入るようです。しかしその紅葉も、地球温暖化のせいで、時季が遅くなりつつあるのではとちょっぴり気がかり。

 私が通っていた高校までの通学路に、大きなイチョウの樹がありました。枝振りが良く、紅葉の季節になると一面を黄金色に変えました。私はその頃、恋をしていました。見初めた相手とは同じクラスになることが出来ず、そのぶん少ない出会いに想いが募ってしまいます。その少ない出会いの場所のひとつがイチョウの木の下でした。

 体育の授業で使った柔道着を教室に忘れ、慌てて帰宅途中の自転車をUターンさせたのです。ちょうど、偶然にもそのとき、紅葉したイチョウの樹の下を その娘が歩いていました。茜色の夕日が差す中、黄色に敷き詰められた路をしなやかな髪を揺らせながら。風に乗ってイチョウの葉が舞落ちています。私は息を止めて魅入りました。世の中にこんなキラキラした光景があるなんて。

 「今年は紅葉狩りに行きたいわね」と家人が私に要求を掲げます。私はイチョウがあるところがいいな、と応えながら、レンジでチンしたギンナンの殻を剥きます。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と一緒に味わうギンナンのやわらかな旨味は格別です。嬉しいことに、「イチョウの樹の下のあの娘」の笑顔が脳裏をかすめていきました。






◎ちゃんこ鍋

No.185 / 2012年11月11日配信

 玄界灘からの北風を意識する頃になると、浴衣姿のお相撲さんの姿が博多の街に溢れます。今年の九州場所は日馬富士が横綱になっての初めての場所です。横綱が二人ともモンゴル出身で、しばらく和製横綱を見ていません。横綱は強さと品格があれば、国籍は関係ないと思いますが、もうそろそろ日本人横綱の姿も見てみたいものです。

 先日、九州場所会場から1キロメートルくらい離れている場所にある「ちゃんこ鍋料理」の店に行きました。大相撲の十両力士だった方が開いた店でした。博多に住んでいると「もつ鍋」「鶏の水炊き」がご当地鍋で、九州自慢の「鹿児島ぶたしゃぶ」「佐賀牛のすき焼き」などもあり、普段の私には「ちゃんこ鍋」は遠い存在です。

 そのちゃんこ鍋は塩あじのさっぱり系スープでした。鶏だんごや揚げ、豊富な野菜でとてもヘルシー。多くの具材からしみでる旨味が、スープの味をさらに深めます。激しい相撲の稽古の後、たっぷりと美味しく食べるのに適した味わいなのかもしれません。それぞれの部屋で、伝統的に作られてきた本場の味を、こんなに手軽に楽しめるのも素敵なことです。

 部屋の伝統と受け継ぐ力士の努力に支えられた味は、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の昔ながらの手づくりの味に重なります。「旨さを守り続ける」ということは、日々挑戦する姿勢そのものだといわれます。やはり、伝統の旨味が一日にして生まれるわけはありません。だから、根気の足りない私はその精神を賜るために、今夜もこうして『幸蔵』の力を借りるのです、ふふっ。






◎シクラメンの香り

No.186 / 2012年11月21日配信

 「真綿色したシクラメンほど〜」と、布施明さんが唄ったヒット曲を思いだす季節です。シクラメンの「かほり」というタイトルで、「かおり」じゃないところが、少年期の自分的には洒落た感じに思われたものです。今となってはかなわない、愛した人との想い出を詩情豊かに、そして寂し気に唄い上げる曲でした。

 シクラメンの花は年の暮れる時期になると、商店街のクリスマスのメロディとともに花屋さんの店先を飾ります。日本におけるシクラメンはそのポピュラーさでは群を抜き、鉢植えの中ではトップクラスの生産量を誇るそうです。花言葉は「はにかみ」や「嫉妬」ということですが、よ〜く眺めてみると、なるほど内気な様子を感じ取ることが出来ます。

 「あまり香りがしないね。シクラメンのかほりって曲があったけど」と私は、家人が買ってきたシクラメンの鉢植えに鼻を近づけました。家人によると、元来シクラメンは香りのないものだったけど、最近は香り付きの品種もあるのだとか。そして、「かすかなものへ愛を傾けるって、素敵じゃない?」と柄にもなくロマンチックなことを言い出します。

 花もいいけど、私にとっての「いい香り」はやっぱり伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』ということになります。マンションでは上の階の家族がLEDのクリスマス飾りをベランダに付け終わったようです。点灯したのか、小学生の女の子の歓声が聞こえてきます。さぁ、私も今日の幸せな一杯で、心に灯をともさなくては。きりっとした大人の香りに包まれながら。






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2012/12月




◎スマートフォン

No.187 / 2012年12月1日配信

 乗り合わせた地下鉄の車内を見渡すと、実に多くの人がスマートフォンを触っています。この1〜2年でガラケー(日本国内だけで進化を遂げたガラパゴスケータイ)に混じって、スマートフォンの姿を多く見かけるようになっていました。この秋のiphone5の発売で、それがさらに進んだ気がします。

 世界的に売り上げを争っているスマートフォンはお隣韓国、サムスンの「ギャラクシー」とアップル社の「iphone」。先端技術を持っているはずの日本のメーカーが競争に加わっていないのが残念です。先日はニュースでソニーのスマートフォンがシェアで3位になったものの、シェア率が5.1%と少なめ。1位のサムスンが32.0%、2位のアップルが26.9%だそうです。

   私は若い頃からの性分で、「流行もの」「便利モノ」を追わない主義で通してきました。「ふん、何がスマホだ」とスジを通してきたものの、しかし、仕事場を出てノートパソコンでのインターネット利用が必要となり、私の意思はそれを可能にするスマートフォンの「テザリング機能」に負けてしまったわけです。先日、ついに重い腰を上げて「iphone5」を予約・購入しました。

 「ふふっ、お父さん、結構タノシソウね」。ヘビが餌を食べて、食べただけ胴が長くなっていくゲームをスマートフォンでやっていたところを、うかつにも娘に見られてしまったのです。私の威厳にひびが入りました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の新しい20度も、美味しかったし「まあ、いいか」。進化を遂げることで、高められる本質もある、とあせって娘に苦しい言い訳。






◎師走ジャンケン

No.188 / 2012年12月11日配信

 お坊さんも走り回るくらい忙しい12月。私の会社でも受注が輻輳する12月は、今にも増してとても忙しかったことを憶えています。IT化が進んでいなかった20年以上も前の話です。若手を中心に毎日遅くまで人手に頼る残業を続け、正月休み明けの分までの仕事を片付けてはじめて、やっとその厳しかった一年とサヨナラできるわけです。

 午前様になることも多く、夜の10時過ぎには「お腹が空いて」チカラが入らないことも。そんな時、誰かが「腹減ったな〜、ジャンケンしないか?」と回りの社員に誘いをかけるのです。最初は「買い出しする人」を決めるジャンケンだったのが、いつの間にか「支払いまでする人」を決めるジャンケンにエスカレート。

 一杯が3000円以上もする牛丼を食べることになった夜もありました。悔しいので、ジャンケンで現れるグ〜、チョキ、パーの出現率を人の性格に合わせて、その傾向を探ったりもしました。相手が構える前に、いきなり「ジャンケン」と大声を上げて仕掛けると、相手は遅れまいと、その瞬間リキんでしまい「グ〜」を出してしまうことも発見。

 「今どき、そんな危険なジャンケンする人なんかいないだろうね」と、先輩が伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りを口に運んでいます。今から考えると、バカバカしかったけれど、当時は結構幸せな時代だったようです。「昔は良かった」は、「後ろ向き」という理由で私たちの間では禁句。それも手伝ってか、先輩は「今がイチバン!」と飲み屋の帰り道でヤケ(?)気味に叫びました。






◎心の大掃除

No.189 / 2012年12月21日配信

 ブータン国王の「自分の心の中の強い龍を育てる」話で始まった2012年も、もうじき終わろうとしています。残念ですが、言い出しておきながらも、ついに強い龍を育てることは出来ませんでした。手をつけながらも三日坊主で終わったり、特に「継続すること」が難しくて、多くの失敗はそれが一番の原因です。

 ゴルファーの石川遼選手は必ず自分が使った後は、その洗面所を拭き取るなどの手入れをするという話を聞いたことがあります。能力開発や人格形成のために行うことを「習慣」としてしまうところに、一流の人間としての何気ない凄みが感じられます。私のように「宣言」をしても継続出来ない者にとっては、夢のような人間性の話です。

    小学生の頃、母や兄と一緒に行う「年末の大掃除」を思い出します。学校での掃除は大嫌いでしたが、母に褒めてもらうことのできる年末大掃除だけは好きでした。古くて傷みの激しい家でしたが、水拭きした後に、米ぬかの入った雑巾で一生懸命に磨くと、廊下は黒光りして応えてくれました。おばあちゃん時代から廊下や床の間はそうしてくれていたそうです。

 掃除後、兄と私は母からもらったご褒美の10円玉を握りしめて、駄菓子屋さんに駆け込みました。その一年間、母や父からキツく叱られたことも、その瞬感に忘れることが出来るのです。心の大掃除でした。そうそう、私にも継続しているものがひとつだけありました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』による毎日の「心の大掃除」です。ふふっ、やっぱりこんなのダメでしょうね。









2013/1月



◎脱 皮

No.190 / 2013年1月1日配信

あけましておめでとうございます。
旧年中も温かいご愛顧、誠にありがとうございました。
伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とエッセイを
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 2013年、今年の干支は「巳」ですが、昨年の「龍」のような力強いイメージからはほど遠い、ネガティブな「キャラ」です。特にぬるっとしたような細かいうろこや先割れた舌など、姿カタチに気持ち悪さを感じる人も多く、愛玩動物の対極にあるといってもいいでしょう。あくまでも個人的主観ですので、ヘビ好きの方、正月そうそうごめんなさい。

 旧約聖書では、アダムとイブがヘビにだまされて「禁断の果実」を食べてしまい、楽園を追放されてしまいます。純真なものをだます行為は、どうみても褒められません。しかも、あの爬虫類の狡猾そうで怖い瞳が、どうしてもその悪いイメージに拍車をかけてしまいます。「そうね、気持ち悪いよね」と、実は娘もヘビが嫌いです。

 そんなヘビも、本当は洋の東西文化の違いに関係なく、古代の信仰に置いて良いイメージを確立していたようです。穀類を食い荒らすネズミ退治など、人間の世界ではきちんと役立っていました。ギリシャ神話でアスクレピオスという腕の立つ医者が持っていた杖はヘビが絡み付いていたそうで、今でも医療の象徴とされているそうです。

 「ヘビって脱皮するよね」と、娘が考え方をガンコを変えない私に向かって、皮肉っぽく言いました。「ところで、おまえ今年二十才だよな。もう子供じゃないんだから、甘ったれてばかりじゃダメだ。おまえこそ脱皮しなくちゃ!へへっ、今日は『やぶへび』だったな」。やっと今年から、娘と伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を飲むことが出来るようになります。脱皮の予定はないけれど、巳年、案外面白いかも。






◎寒稽古

No.191 / 2013年1月11日配信

 高校時代に体育の時間で、武道の選択科目があり、柔道か剣道を選ばなければなりませんでした。私は柔道を選択。面倒な防具を付けなくて済むし、柔道着だけの手軽さが魅力でした。それに、くるっと丸めた柔道着を結んだ帯の片方を手に持ち、柔道着を背中のほうにひょいと投げ出して歩く、スタイルに憧れたことも理由のひとつです。

 「本質とは関係のないところ」に興味を持ち、それを判断の基準にしてしまう悪癖は、若い頃からのものでした。そうやって表面だけで選んだ柔道に、心底熱中できるわけはなく、「もうすぐ大寒や。寒稽古をやるから、来週は早起きして出てこい!ガッツだぜ!」と叫ぶ体育の先生の声は、もう悪魔の声にしか聞こえません。朝7時の畳は冷たいだろうね?と友人も首をすくめています。

 「へそにチカラを入れたら、こんなもん寒くも何ともないっ!へらへらしとるから冷たいんや」と先生は私のお腹をポンと叩きました。「空手の道場の寒稽古は、小さい子でも海の中にザブザブ入っていって、稽古するんだ。北風が強く、雪がモーレツに降っていてもな。お前らはまだ恵まれとる」とか言いながら、柔道の稽古なのに、なぜか剣道の竹刀を振り回しながら道場をまわっています。

 精神的錬磨が目的だった、ということが解ったのはず〜っと後、卒業後のことでした。そして、その体育の先生が亡くなったという情報を、今年、友人の年賀状で受け取りました。まるで伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のような、本質を大切にした先生でした。お湯割りをお腹に流し込んだ後、むかし言われたように、へそに少しだけチカラを入れてみました。うん、温かい。ガッツだぜ。






◎鴨 鍋

No.192 / 2013年1月21日配信

 以前はあまり縁がなかった鴨の肉も、数年前「鴨鍋」でその旨さを知って以来、年に数回必ず「鴨鍋」を食べるようになりました。合鴨の脂肪がしっかりついているロース部分も、以外とさっぱりとしていて美味しく、しっかりした噛み応えも魅力です。鶏のもも肉とイノシシの肉を足して2で割ったような、コクのある旨味がたまりません。

 近くの食品スーパーが行う食品企画「京の味まつり」には、必ず京鴨が出て来るのでいつも楽しみです。京風の水菜や豆腐も一緒に買い込むと、もう頭の中は夜の「鍋料理」のことでいっぱいになり、少しオーバーな表現ですが、何も手につかない状態になります。いい年をしていながら、その単純な食欲に振り回されるさまを思うと、我ながら呆れてしまいます。

 合鴨肉は牛肉等に比べコレステロールが少ないといわれ、健康的。ビタミン・ミネラルの類いも豊富に含まれているそうです。そのせいもあってか、出汁の効いた少し薄めのスープで煮た合鴨肉は、我が家の女性軍にも好評です。さらに私たちは、そのまま出汁の味で食べた後、ゆずごしょうを効かせたポン酢でさらにもうひとつ、別の旨さを楽しみます。

 〆は蕎麦がきもいいですが、ここは九州流に「チャンポン麺」も美味しいものです。一年中で一番寒い夜を熱〜い「鴨鍋」と、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りで楽しむ贅沢。節電で暖房を弱くしている部屋なのに、アツイくらい。「明日の夜も同じでいいカモ」とダジャレを飛ばしました。絶好調です。もう、心も身体もポッカポカです。









2013/2月



◎ブリカマ

No.193 / 2013年2月1日配信

 市場に出回っているブリ(ハマチ)は「養殖モノ」が天然モノの漁獲量を大幅に上回っています。特に養殖ハマチでは九州からの出荷量が多く、鹿児島県が一番多いようです。その味も養殖技術の進歩で、天然モノにかなり近づいたといわれます。脂の質も良くなってきたと、満足する消費者も多くなってきたようです。

 私も日常的に食べているのは「ハマチ」と呼ばれる養殖の若いブリです。「ブリ」という名前は、体長が80センチ以上あってはじめて名乗れるのだそうです。養殖のハマチもいいけど、やっぱり厳寒のこの時期は、脂が乗った天然の寒ブリがイチバン!ぷりぷりとした刺身の旨さを想像するだけで、もうたまらなくなります。

 先日、生産者直売所の魚コーナーで、大きなブリカマを見つけ購入しました。うちの魚焼きグリルで焼けるかなと、サイズの不安もよぎりましたが、「ブリカマの塩焼き」のウマさの記憶に一気に寄り切られてしまいました。笑いをかみ殺しきれなく、ウホウホと、スキップ気分で帰宅。同時に購入した大根とレモンも一緒に、家人に差し出しました。

 ブリの首回りやヒレの下の部分の美味しさは言うまでもありません。塩焼きの焦げた皮を剥き、身をつまむと、じわっと良質な脂がにじんできます。ちょっと贅沢な塩が旨味をさらに増幅。「『魚を見分ける目』を持つ父親を持てて、幸せだろ?」娘に、どうだと胸を張ります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りがある冬の食卓。温かくて幸せです。






◎深夜のウォーキング

No.194 / 2013年2月11日配信

 これまで何度か、電車内で寝過ごして、降りる駅を通り過ぎてしまったことがあります。しかし、今回の乗り過ごしはイチバンだったかもしれません。友人との飲み会が久しぶりだったせいか、積もる話についつい飲み過ぎてしまったようです。2次会後、やっと駆け足で最終の地下鉄電車に乗り込むことができました。

 馬鹿にならない帰宅のタクシー代をなんとか節約することが出来、ホッとしながら座席に着きました。あっという間に熟睡。そして奇妙な違和感に起こされると、もう車内には誰もいないではありませんか。現状把握に時間はかかりませんでした。ふらふらしながら、恐る恐る確認するように駅員に尋ねましたが、返ってきたのは冷たい返事。「もう引き返す電車はありません」。

 家は遥か彼方。残念だけど、やっぱり今夜もタクシーかと、財布を開くと千円札が一枚。まったく足りません。酔っているのに血の気が引いていくのが判ります。その駅から家まで10キロメートル近くはあるからです。責任は自分にあります。決心後、凍てつくような深夜の風の中、気力を振り絞って歩き続けました。iphoneに入れているリアーナの曲がどれだけ元気をくれたことでしょう。

 途中、何度かタクシーが通り過ぎていきます。タクシー代は家に帰り着いて払えばいいじゃないか、という声と戦いながら、途中痛みだした脚で最後まで歩き通しました。次の夜、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を飲みながら思い返しました。しかし、なぜ、そんなに無理して頑張ったのだろう?いまだによく判りません。人間って、不思議です。






◎ファスト・フィッシュ

No.195 / 2013年2月21日配信

 日本人の「魚離れ」が進んでいるようです。厚生労働省のデータによると、2011年の魚介類摂取量は近年のピーク(1997年)より、2割も減っています。それに伴ってなのか、九州の漁獲量も減少しているそうです。無類の「魚好き」としては大変残念です。どうして、あんなに美味しいものが見捨てられていくのだろうか?と考え込んでしまいます。

 答えは、新聞記事で述べられていた中にありました。「わずらわしさ」です。調理に手間と時間がかかり、食べるときの骨も面倒です。健康志向の高まりの中にありながらも、その「わずらわしさ」のハードルがどうしても乗り越えられないのだそうです。う〜ん、私は魚を捌くし、小アジの一夜干しは骨までばりばり食べるので、よく解りません。

 その「わずらわしさ」を解消させて、魚介類の消費拡大を目指そうと、水産庁をはじめメーカーやスーパーが動き始めました。骨なし、手間なしの魚加工食品の開発です。大手のスーパーを覗いてみると、ちゃんとありました。骨まで食べられるとパッケージに印刷されています。サバのトマト煮やアジのバジルソースなど、どれも美味しそうです。

 「美味しいものを食べるのに、手間を惜しんではいけない」。昔、バイト先の料理長の言葉が染み付いているガンコな私も、その「ファスト・フィッシュ」の「便利さ」はそれでいいと思います。ただ、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のような、昔ながらの手間ひまかけた「手づくりの良さ」が忘れられる世の中にはなって欲しくないな、と思ったりもします。









2013/3月



◎たんかん

No.196 / 2013年3月1日配信

 私たちはみかんをどれだけ食べるでしょうか?農林水産省(2009年)のデータによると、みかんの一人当たりの年間購入量は「4.5kg」だそうです。中型サイズで100g前後でしょうから、年間で国民一人当たり45個は食べている計算になります。しかし、その量は30年前に比べて大幅に減って、1/3にまで低下しているそうです。

 バナナの年間購入量(一人当たり)は7.4kgなので、みかんよりもたくさん食べているということです。果実全体では一人当たりの年間消費量は40kg前後で、けっして果物離れがおこっているわけではありません。みかん好きとしては、地球温暖化で温州みかん収穫が将来的に不安であることも加え、このみかんの消費だけが下がっているのが気にかかります。

 先日、喜界島で穫れた「たんかん」を段ボール1ケースも頂くことが出来ました。「ポンカン」や「デコポン」などは食べたことがあったのですが、「たんかん」は初体験でした。比較的小振りなその柑橘類は、私の想像をはるかに超えた甘みで応えてくれました。お裾分けしたマンションの人々もその美味しさに大満足顔です。

 娘も含めて我が家は柑橘類が大好きなので、その後、我が家人は生協のカタログに出ていた屋久島産のタンカンをすぐに頼んだようです。人生初の味を送ってくれた方に感謝しなくてはなりません。嬉しいことが多かったこの冬を思い浮かべながら飲む、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』ほど素敵なものはありません。3月も幸せでありたいものです。






◎いなり寿司

No.197 / 2013年3月11日配信

 昼と夜の長さが同じになると教わった「春分の日」。厳密にいえば、本当は昼の方が長いといわれていますが、今年は3月20日になります。この日を過ぎると昼が長くなり、生き物達は暖かい日差しの中で、ノビノビと活動をはじめます。私たちもポジティブな思考で、明るく前を向き歩んでいけそうな気分になるから、春はなんとも不思議です。

 春分の日をはさんで前後一週間が彼岸の期間ですが、昔から実家でも彼岸には仏前にいなり寿司やぼたもちを供えていました。甘いものに餓えていた子供のころ、甘辛く味のついたいなり寿司の楽しみは、春分の日の記憶に大きく残っています。アルマイトの鍋がシューッと音を立てています。砂糖醤油で煮込んでいる油揚げの甘い匂いが台所から流れてきて、幼い私と兄に幸せな予感を運びます。

 カタコトと精進料理の根菜を切る母の後ろ姿を横目にしながら、兄弟で将棋の対決。「ちょっと待って、こっちにする」と言って、兄が強引に差手を変更しました。「だめだよ、もう」と止めようとした手を兄はぱ〜んと払い、簡易将棋盤の上の駒が飛び散りました。兄弟喧嘩を見越していたかのように、母は「いなり、何個食べたい?」と質問をしてきます。さっそく休戦。

 そういえば、昨年は用事があってお墓参りに行けませんでした。近所に人気の総菜店ができたので、今年はそこのいなり寿司を持っていこうと思います。しかし、まあどんなに評判が良くても、昔、母が作ってくれたいなり寿司の味には敵うはずはありませんが。キッチンでは伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割り用のやかんがシューッと音を立てています。






◎キャベツの千切り

No.198 / 2013年3月21日配信

 野菜売り場では、冬の間はもつ鍋でおおいにお世話になった冬キャベツも、生食が美味しい「春キャベツ」に変わっています。水分が多くて軟らかいし、甘みもしっかりしていて美味しいので、大歓迎です。トンカツに添えるキャベツの千切りに、ソースやマヨネーズをかけて食べるのが好きなので、私は典型的な「昔の日本人」の舌の持ち主でしょう。

 私とキャベツはけっこう縁深いものがあります。赤貧時代は貴重な食料だったし、レストランのバイト時代には「キャベツ」が包丁の使いかたを学ばせてくれました。「恐れることはあらへん。大丈夫やさかい、ほら」とその店の料理人は青龍刀のようにデカイ包丁を私に渡しました。刃が恐ろし気にギラギラと光っています。

 左手の人差し指の側面にそって、きちんと包丁を立てて上下させれば手を切ることはないから、と料理人はキャベツを刻んでみせてくれました。私は真剣に取り組み、やがてその千切りの基本をマスターしました。しかし、半年後にそれまでの切り傷とは比べ物にならないような傷を負い、私は指を真っ赤に染めてしまいました。

 事故は気のゆるみが招くものです。その時にキャベツは「油断大敵」という言葉も同時に教えてくれました。「食事では、まず野菜から食べるようにしたら良いんだって。ダイエットにもキャベツが良いそうよ」と家人が私に話しかけました。私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を片手にしながら「もちろん、キャベツって凄いんだ」と応えると、自然に人差し指の傷跡に目が行きました。









2013/4月



◎エイプリル・フール

No.199 / 2013年4月1日配信

 高2の春休みに友人が訪ねてきました。「こんなのが俺の靴箱に入っていたけど、おまえの名前が書いてあったんで、持ってきたよ」と小ぶりな封筒を手渡されました。「おまえ、モテるから羨ましいな」とその男子生徒は言い残して帰っていきました。学校の靴箱にバレンタインデーの恋文が入っていた古き良き時代の話です。

 私は家族に気付かれないように、女子の丸文字で書かれた手紙にそっと目を通しました。始業式が終わったら、渡したいものがあるので体育館の裏に来て欲しいと、書いてあります。出来れば、200円持ってきてくださいと、書いてあります。え??、なぜ200円要るんだろうと、少し不思議に思いましたが、疑うことをよしとしない私は始業式の日、約束の場所にノコノコと出かけました。

 胸の高鳴りを押さえながら体育館の角を曲がったところで、「やったー」という声が上がりました。私が来る方に賭けた友人がニコニコしています。その中の一人が「手紙渡した日、エイプリルフールだったんだよ!」と言いました。「これから、一緒にお好み焼き食べにいこう。お金持ってきただろ?」校門のそばではひらひらと桜の花びらが風に舞っていました。

 「女の子だったら、体育館の裏に来てくださいなんて絶対書かないわよ」と話を聞いた娘が言いました。「そこまで疑わなかったんだよ。そんな性格だったから、面白い経験が出来たんだ。まあ、現代の素直じゃない子には判らんだろうけどな」と私は皮肉をこめました。娘の反応と伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の味が、今夜も私を幸せにしてくれます。






◎魚肉ソーセージ

No.200 / 2013年4月11日配信

 家庭を持って以来、ほとんど口にすることのなかった「魚肉ソーセージ」を近くのスーパーから買ってきてしまいました。友人と私は釣りに出かける際には、未明のコンビニで弁当を買い込みます。友人は魚肉ソーセージも買っていて、その赤い袋から取り出した淡い桃色のソーセージを、釣り場でじつにウマそうに食べていました。きっとその記憶が買わせたのでしょう。

   私の中学時代は給食がなく、毎日、弁当を持参していました。我が家の弁当のおかずの記憶は、塩味の薄っぺらな玉子焼き、魚肉ソーセージ、コンブの佃煮、梅干し、そして塩鯨です。魚肉ソーセージの?油煮付けがおかずで、その汁がにじんだ包みを解く日は精神的な苦痛を伴いました。隣の生徒の弁当は豪華な厚焼き玉子、ソーセージは豚肉の高級ウインナーを焼いたものだったからです。

 もちろん、当時大衆食の魚肉ソーセージは「身近なウマいもの」として私も大好きでした。しかし、隣の生徒は焼いた高級ウインナーです。中学一年生だった私の「豊かさへの憧れ」は、?油で煮て黒ずんだ、冷えた魚肉ソーセージに非難の声を上げさせました。ついに、厳しい家計をやりくりしていた母の華やかでない「弁当のおかず」に文句を言ってしまったのです。

   家人が「この魚肉ソーセージ、どうやって食べるの?」と私に尋ねます。私は少し思案した後、「?油で煮付けてくれ」と頼みました。「天ぷら」にでもした方が美味しいんじゃない?と家人は不思議そうに頭を傾げました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を飲みながら、魚肉ソーセージをつまんでいると、母の記憶が甦ってきます。ごめん、母さん、文句言ったりして。






◎深夜のカレーチャンポン

No.201 / 2013年4月21日配信

 バブルがはじける前の時代、私の職場もいつにも増して活気に満ちた時期がありました。私はちょうどその頃、会社の近くにある独身寮のお世話になっていました。その時期、独身寮の裏にある「食事処」で、仕事帰りに同僚の人たちとよく一杯やっていました。深夜までの仕事が連日続くとストレスが貯まり、飲まずにはいられなくなるのです。

 博多気質の女将さんは、モーレツに働く若者の心を察してくれ、いつも温かく接してくれました。新鮮な刺身や焼魚等が中心でしたが、独身者の健康のためにと、深夜なのに野菜の小鉢がいつも用意してありました。飲みながら先輩から聞かされた経験談は役立つことも多く、ストレス発散も加えて、有益な時間だったと思っています。

 ある夜、深夜1時を過ぎ、「おかあさん、カレーチャンポンできる?」と先輩が最後の〆に、初めて聞くメニューを注文しました。チャンポンを日常的に食べる北部九州ですが、「カレーチャンポン」なるものは初耳です。黄色みを帯びたチャンポンの丼が先輩の目の前に置かれ、美味しそうなカレーの匂いが溢れます。私も即座に追加注文しました。

 とんこつスープにカレーが混じった味。この深み、これが実に旨いのです。カレーチャンポンは手軽に作れ、チャンポンづくりの最後に市販のカレールウのフレークを入れるだけです。先日、我が家の女性達に作って食べさせました。絶賛されました。私は満足げに伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をゴクリ。しかし、当時はカレーチャンポンも沢山食べたけど、深夜にまあよく飲んだものだなぁ…女将さんがびっくりするくらいに。









2013/5月



◎若葉のころ

No.202 / 2013年5月1日配信

 イイ年をして、妙にセンチな気分になることがあります。まだ濃さの足りない緑の若葉が風に揺られ、初夏の日差しに輝く頃、なぜか懐かしいビージーズの爽やかな歌声を思い出します。ビージーズの曲では「小さな恋のメロディ」という映画にサウンドトラックとして使用されていた曲、「若葉のころ」が大好きでした。

 ビージーズのそのピュアで美しい歌声は、無垢だった人生の季節を思い起こさせてくれます。小学5年生の時、仲間から「君のことを好きだって子がいるらしいよ」と伝えられました。その子は特に可愛いというわけではなく、あまり気にしたことがない子でした。「へ〜、そう」と、私は一応、無関心を装いましたが、じわっと暖かいものが心の中に芽生えて来ます。

 翌日からはその女の子からの視線がとても気になるようになりました。今から考えると、自意識過剰気味の、そのそわそわとした時間はとてもハッピーな時間でした。いつの間にか、仲間に冷やかされながらも、毎日の登校が楽しみになっていました。そんな気持ちの良い日が続く5月、「若葉のころ」に突然その子は転校してしまったのです。

 一番の友達だった男の子は「トウモロコシのなる季節」を前にして、そしてこの女の子は「若葉の季節」に去っていきました。自然の美しい背景が、突然の幼い別れを印象的なものにしてくれました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のカップを傾ける日曜日の日暮れ前。窓から見える木の葉がさらさらと風に揺れています。こんな日は、これからジャズは止めてビージーズでも聴くようにします。






◎ならぬものはならぬ

No.203 / 2013年5月11日配信

 「お父さん、コレ美味しいのよ」と、ご飯にマヨネーズをかけたり、牛乳を注いだりして食べることが好きな娘が朝食時に言いました。温かいご飯の上にバターを置いて、しょうゆをたらしてかき回しています。私はちょうどパックの中の納豆を、美食家・魯山人がかき混ぜたといわれる「200数十回」を目指し、きちんと箸でくるくると混ぜていました。

 娘はオムレツの半分を「バターかき混ぜご飯」の上に乗せて、まるでオムライスでも食べるように玉子とご飯を同時に口に運びます。「オムライス以上かも。とても簡単だし、バッチリ!」と娘はニコニコ。以前、娘がご飯にケチャップをかけて、チキンライスみたいと言って食べていたのも知っていますが、もちろん賛成なんかできません。

 私の好きな綾瀬はるかが出演しているNHKの大河ドラマ「八重の桜」。その中で、子供達が通う会津藩校の「什の掟」に出てくる「・・・はなりませぬ」というフレーズが大好きです。私は自分を重く律して精神を鍛える、武士の生き方に美しさを感じるからです。バターをご飯にかき混ぜて出来る味に「オイシ〜」と喜んでいる、娘の対照的な「その軽さ」には、本当にあきれるばかり。

 朝から「ならぬものはならぬ」の心境です。美味しいものは、ある種のキチンとした「作り方」があって初めて生まれるものだ、と文句を入れました。「でも、美味しそうよ」と家人の一言で、さっそく私が2:1の不利な状態に。やっぱり、私の言うことを理解してくれるのは、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』だけです。私が晩酌を待ちこがれる大きな理由はここにあるのです。






◎梅干し

No.204 / 2013年5月21日配信

 収穫された青梅が店頭に並ぶようになりました。自分で梅酒や梅干しを漬け込むわけではないのに、なぜか嬉しくなります。青梅を見ると条件反射的に梅干しの姿がダブって見えてきます。独身時代まではそうでもなかったのに、家人の影響もあり、現在では「梅干し」をとても好きになってしまいました。今や、我が家ではもう食卓に梅干しを切らすことなど絶対に許されません。

 アツアツのご飯に酸っぱい梅干し。梅干しが印象的な「日の丸弁当」。そしてスタンダードな梅干しおにぎり。昔から日常的に食べられてきた梅干しは、ご飯との相性を抜いては語れませんが、食事の洋風化に伴い、「米」とともに消費量が少なくなってきています。昨年の1世帯当たりの梅干しの年間消費金額(総務省「家計調査」)は1,261円で、10年前の1,788円を大幅に下回ります。

 高齢化が進む我が国では、歳を重ねる毎にパンの利用頻度が上がっているそうです。あるネットリサーチによると、ほぼ毎日パンを食べる人の割合は20代男性は23.5%なのに、60才以上の男性では55.0%の結果に。私にはヘルシーな「和食」が高齢化ゆえに敬遠されていく不思議な現象がいまだによく理解できません。

 「蜂蜜を加えたものより、やっぱり酸っぱいだけの『昔ながらの梅干し』が良いよね!」と、梅干しの好みについては珍しく家人と一致。梅干しに多く含まれるクエン酸は、一日の疲れを取ってくれる大切な成分です。特に、夏には欠かせません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の毎日の一杯とともに、毎日一粒の梅干しも大切にしたいものです。









2013/6月



◎泳げた!

No.205 / 2013年6月1日配信

水泳の授業がある前日は、明日の水温は何度だろうかと気を揉み、いつも中止を願っていました。当時15歳の私は水泳が得意ではありませんでした。息継ぎのタイミングのバランスが悪く、クロールもまるで溺れているようにしか見えず、到底長い距離など泳げません。そんな6月の憂鬱な私に体育の先生は「テストでは連続150メートルを泳いでもらう」と、冷たく一言。

 テスト当日、水泳の得意な体育委員が「先生、水温は問題ありませんでした」と水温を報告しています。心の中では、おまえは良いよな、泳ぎが得意でと、体育委員を恨んでしまう始末。時間が来て、6人ずつ一緒に泳ぎ始めたものの、私はすぐに最後尾に。最初の25メートルで息が上がり、タ藁をもつかむ思いで壁につかまり、おもいっきりゴホゴホと水と空気を吐き出してしまいました。

 しかしこれはテストです。どんなに苦しくても次の25メートルに進まなくてはなりません。いっそう大変な泳ぎ方になっていたのでしょう。体育委員の「ガンバレ〜」という声。バッチャン、バッチャン。意識が遠のいていきそうです。もうダメかもしれないと思った瞬間、手がプールの壁をとらえました。神様は私にとっては奇跡のような距離を生まれて初めて克服させてくれたのです。

 「みんな良く頑張った、全員『連続』で150メートル泳げた」と先生は言って,さらに今日は溺れそうになりながらも最後まで諦めない者に、みんなで「ガンバレ」といって応援している光景が一番嬉しかったと言いました。私はあの時代からみんなに支えられてきたんだなぁ。そして伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の一杯が、今夜のこの想い出の時間を支えてくれています。すべてに感謝です。






◎新しい冷蔵庫

No.206 / 2013年6月11日配信

 結婚と同時に買った冷蔵庫がついに息を引き取りました。長年付き合ってくれた冷蔵庫だけに、処分のため引き取られていく姿を見ると寂しい気持ちになります。最近、庫内温度調整時に、「ブ〜ン」と異常に大きな音を立てるようになっていました。それに、特に冷凍スペースの容量が足りなくなり不便さもつのっていたので、今回の新旧交代は仕方のないことでした。

   ピカピカと白い歯を光らせながら、新しい冷蔵庫が笑っているように見えます。ということは、私の心が嬉しがっているのでしょう。たいした用もないのに、台所に顔を出してはやたらと冷蔵庫のドアを開け閉めするようになりました。家人からは「子供みたい」とからかわれてしまいました。「なんでも新しいっていいなぁ」と返すと、長く連れ添っている家人は「ぷぃっ」と向こうを向きました。

 幼い頃、食品店を営んでいた親戚がありました。すでに、電気冷蔵庫は出現していましたが、そのお店の冷蔵庫は「ブロック氷」を上部にいれて、その冷気で庫内温度を下げる仕組みのアナログなものでした。夏に遊びにいったとき、その冷蔵庫から冷えたスイカが丸ごと出されたことを思い出します。兄と私は夢中になってその(程よい冷たさの)スイカに齧りついたものでした。

 現代の科学技術は凄いもので、外見の大きさは前の冷蔵庫とそうは変わらないのに、容量は1.5倍になりました。「よ〜し、これならスイカが丸ごと収まるな!」と言うと、「丸ごとはダメですよ、入れるものいっぱいあるんだから」と家人の声。まあ、いいか、スイカ丸ごとは。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』も新しい氷でさらに美味しくなった気がするし。






◎七夕そうめん

No.207 / 2013年6月21日配信

 真夏に向かう季節で、気温とともに湿度も高い毎日。ショッピングセンターにも竹や笹を使った「七夕飾り」が登場し、夏の風情を楽しませてくれます。七夕は幼い頃から「天の川」「彦星と織姫」の物語や願い事を書きいれる「短冊」を飾る行事で馴染みがありました。行事の背景にはスケールの大きい銀河や神話の世界があるので、夢があって大好きでした。

 最近では、七夕で「そうめん」を食べましょうという、スーパーの提案をよく目にしますが、私には「七夕だからそうめんを食べた」という小さい頃の記憶はありません。調べてみると、確かに全国乾麺協同組合連合会が昭和57年から7月7日を「七夕・そうめんの日」と決め、そうめんのアピールをはじめたのだそうです。

 その七夕そうめんは、昭和に始まった話ではなく、平安時代の宮中儀式で七夕にそうめんを供えたことから来ているのだとか。当時からそうめんは優れた栄養(カロリー)吸収力が知られ、健康を願う儀式にふさわしかったのでしょう。今では健康のためにというより、つるっとした冷たい美味しさを「七夕らしく演出して」楽しもうというという趣の食卓イベントといえそうです。

 昨年の七夕はちょうど土曜日だったので、「七夕そうめん」を家族で実施。食卓のそうめんを前にして「そうめんが天の川っていうから、川向こうに座っているお父さんが『彦星』ってわけ?」と娘が笑いました。「オレじゃ、不満か?」ロックグラスの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』がテーブルで微笑んでいたのを憶えています。今年も日曜日だから、娘と一緒にそうめん喰うか!









2013/7月



◎屋台大好き!

No.208 / 2013年7月1日配信

 夜風も湿って生温く、じっとりと汗ばむ暑さなのに、なぜかこの時期、仕事が終わると屋台で一杯やりたくなります。先日も旅番組で台湾の屋台の映像が流され、今日もその美味しそうな食べ物が脳裏にこびりついています。私の仕事場近くの博多の屋台もアジアの食文化の一翼を担っているのだと思うと、いつだってじっとしてはいられなくなるのです。

 「河村さん、こないだ、あんたと同じ名前の警察官が来てくさ、『屋台を少し舗道奥へ移動してもらえんだろうか 』とか、注意されたったいね」。20年前の話です。当時の私も、やっぱり屋台派で、毎晩のように焼酎を飲んでいました。私には、警察官の兄がいます。その兄が私の通っていた屋台に現れ、大将に注意を与えて帰っていったという話にはビックリしたものです。

 その年のお盆に実家で会った際、兄にそのことを確かめてみると、間違いなく当人でした。全国一の屋台規模を誇る福岡・博多ですが、長い間、屋台の存続について議論が戦わされてきました。屋台の魅力は私たちの暮らしに潤いを与えてくれ、その街の大きな観光資源にもなります。しかし、屋台から出るゴミと臭い、酔客の扱いなどが地域住民の方とのあいだで問題化していました。

 屋台存続のための市の屋台条例もでき、ルール化がなされました。屋台好きの私はホッとしています。同期の友人の退社の話、後輩の結婚の話など、大切な話が最初になされたのが屋台でした。今度は、兄を誘って屋台ののれんをくぐってみようかな。ビックリするでしょうね、あの屋台の大将は。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』があれば、ほんとうに良いんだけど、その屋台。 






◎鰻を食べたい

No.209 / 2013年7月11日配信

 一月の「大寒」は一年中で一番寒い時期だ、とお天気キャスターが毎年伝えてくれるので、二十四節気の「大寒」は良く憶えています。その反対の一番暑い時期は大暑(たいしょ)というのですが、言葉の印象は強くありません。かわりに暑い時期といえば「土用の丑」がすぐに思い浮かびます。今年は土用の丑の日が7月 22日、大暑が翌日の7月23日だそうです。

 単純な私は「暑いときは焼肉か鰻に限る!」と思っていますが、日本養殖新聞によれば、鰻は4年連続で今年も出荷出来る量が少なく、これからもニホンウナギの将来は危機感でイッパイらしいです。値段が上がり、ますます「たっぷり」食べることができなくなりそうで、「鰻好き」の庶民の私にとっては頭の痛い話です。

 ところがスーパーの西友では先月の父の日前に「300円の値下げ」してくれるし、有名牛丼屋でも手頃な価格の「鰻丼」をメニューに加えてくれました。まるで、鰻好きな私の嘆きが届いたのか、ありがたい神様が愛の手を差し伸べてくれています。職場の後輩の話では、「うな牛」なる「うなぎ+牛」のミックス丼もあるのだとか。スゴイ!

 「わたし、鰻にはお父さんみたいに思い入れはないし、鰻が捕れなくなっても別に困らないわ」と娘が言います。「なんてコトを言うんだ、鰻がいなくなると、日本の歳時記が狂うじゃないか。オレにとって、土用の丑は鰻の日なんだよ!」「それって、少し、異常じゃない」と娘。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と鰻の蒲焼き、娘には分らないだろうなその味は、まだ。






◎お泊まりはルーフホテル

No.210 / 2013年7月21日配信

 思っていたより細い石の道を登って、パルテノン神殿が建つアクロポリスの丘に立つと、古代文明の凄さに圧倒されてしまいます。神殿の回りを工事用の「鉄パイプの足場?」が取り巻いていましたが、それでもこの神殿を見るために、はるばるイタリアからアドリア海を渡ってギリシャに来たかいがあったと、満足したのを憶えています。

 この数年、ギリシャは深刻な財政事情で知られましたが、私が訪れた当時は、欧州共同体(EC)に加入(1981年)し、国家として安定し始めた時期じゃないかと思います。私はアテネに向かうため、ギリシャの港町パトラスから列車に乗り込みました。古いディーゼル列車は走り始めて30分も経たないうちに、何やら凄い煙を吐き出し、すぐにストップしてしまいました。

 修理にかなり時間を費やした後、やっと動き始めましたが、アテネに到着する頃はもう真っ暗です。やれやれ。すると、車掌(?)が車中で、今夜アテネでホテルの予約がない人に、留まる場所を紹介しています。ルーフというホテルで、一泊200円だったと思います。アテネに着いた私はえらく安いな、と思いながら石造りの建物の階段を、案内人について上りました。

 そして、着いたところはなんとビルの屋上で、先客が何人も寝袋で寝入っています。欧米系の若い女性もごろりと横たわっています。ルーフというホテルは「屋根部屋」のこと。パルテノンを見る前にこんな感動的なホテルを経験したわけです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のロックグラスを傾けると、こんな楽しい想い出があふれ出てきます。ギリシャに乾杯!負けるなよ。









2013/8月



◎熱帯夜

No.211 / 2013年8月1日配信

 今年は梅雨明けが昨年に比べて2週間は早かったようです。「洗濯物が乾かなくて困る」と言って嘆いていた家人は、梅雨明けでホッとしたのもつかの間、今度は気温の急上昇についていけず、「暑い、アツイ。寝付けないわ」と熱帯夜に向かって毒づいています。

 今夜は熱帯夜で28度のところもあるでしょう、と天気予報のニュースが聞こえてきます。私もTV画面の天気予報士に向かって「ちょっと、その28度ってのはウチの地域じゃない?ひで〜な、その気温」と文句タラタラ。南側の部屋の温度を測ってみると、深夜に向かう午後10時なのに何と室温が32度もありました。

 明日は土曜日だしと、購入間もない冷蔵庫から氷を持ってきてカップに放り込み、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を注ぎます。ピスタチオの殻を剥いていたら、夜も11時なのに、家人が手にビーフジャーキーを持って「私もいいかしら?」と寄ってきます。聞くと、ビーフジャーキーはとても高級なのだそうです。私はにんまりして「ああ、いいよ」と椅子をひとつ差し出しました。

 「あっ、いいな、いいな。私も飲みたいな」と娘が顔を出しました。今年20才を迎えた娘です。娘は「こんな暑い夜は、蒸留酒でサッと嫌なことを忘れるのがいいのよね」と、良く理解できないことを口にします。「でもさ、熱帯夜にこうやって3人で焼酎飲む家族ってのも、なんか良いよね?」と、娘が言ったとたん、窓から気持ちの良い風が入り始めました。






◎精進料理

No.212 / 2013年8月11日配信

 「揚げ物類に煮付け、昔はみ〜んな家で作っていたよね。よく、そんな大変なことやってたわね、嘘みたい」と、家人がお盆のオードブルのチラシを見ながら口を開きます。家人の母親系統は大家族で、お盆の親戚寄り合いのときは大忙しだったそうです。料理屋に頼まず、すべての精進料理を姉妹数人で一気に作り上げていたのだとか。

 「だから、お義母さんたち姉妹の家の味は良く似てるんだな」と、これまでに味わった各家庭の煮付けの味や揚げ物の姿が良く似ている理由が判ります。代々、母親から娘へ伝わってきた、血のつながりと一緒に伝わる暖かい家庭の味。複数の娘がいれば、その母親の味はさらに広がり、少しはアレンジされながらも伝わり続けます。

 しかし、少子高齢化はいっそう顕著なトレンドになり、出生数は2007年より減少が続き、人口減が進行しています。人口問題研究所の将来推計によると2040年には、総人口が2010年に比べ約7割の自治体で2割以上減少し、65才以上の人口が40%を占める自治体が半数近くになるであろうとのこと。家庭の味を伝えたくても聞いてくれる子供そのものが少なくなっていくのです。

 野菜の天ぷら、棒ダラの煮付けなど沢山の精進料理が並ぶ親戚勢揃いのお盆の宴会。「姉さん達の味もちっとも変わらんね」と、ステテコ姿の嬉しそうな叔父さん、伯父さん。そんな光景は姿を消してしまうんだろうな。いや、姿をもう消しているのかも。残念だけど、今夜は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を飲みながら、感傷に耽らなければなりません。






◎俺のソウルフード

No.213 / 2013年8月21日配信

 俺のフレンチ、イタリアン、割烹などと、「俺シリーズ」の店が流行っています。東京・新橋で「俺のイタリアン」を2011年9月にオープンして、次々と本格料理が味わえる立ち飲み屋を展開。気になっていたところ、5月にNHKのプロフェッショナル/仕事の流儀で「俺の株式会社」の仕事の仕方、考え方が披露されました。

 三つ星レストラン出身の料理人など実力者が作る本格料理を、破格の価格で提供するというこれまでにないコンセプトの飲食業の話です。中古本販売の「ブックオフチェーン」を創業した坂本さんが立ち上げられたそうです。料理人が力を出せて、お客さんが満足できる新しい仕組みの話が斬新で、共感できる部分が多くありました。

 特に、放映された「俺の割烹」は博多の店舗であり、身近なものとして受け入れることが出来ました。男たるもの、やっぱり割烹とかのカテゴリーの店で飲みたいものです。その後、料理のネダンなども調べてみると、私たち庶民でも楽しめそうです。しかし、どういうわけかそちらに足が向きません。これまで数回は飲む機会があったというのに。

 「向学のためにも絶対いきましょうね」と後輩から何回も釘を刺されています。先日は業を煮やしたその後輩からキツメの一言。「やっぱり、先輩は『俺の割烹』はダメかも。だって先輩には『俺のソウルフード』がありますからね。夏だってもつ鍋に伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』でなきゃ嫌なんでしょ。そして屋台。ほんと、頑固ですからね」









2013/9月



◎白露の溜息

No.214 / 2013年9月1日配信

 かんかん照りの中を歩いて帰って来ると、高めの温度設定がなされているとはいえ、職場のエアコンのありがたみが身にしみます。とくにこの夏は熱帯夜の連続による睡眠不足がたたり、夏バテ症状を抱えたままでしたので、その涼感には本当に感謝しなければなりません。自動販売機で買った冷たい緑茶を飲み干し、ふ?っと溜息。

 以前の「9月初旬」は残暑が残るものの、もう秋の気配は濃厚でした。昼間の太陽熱が夕暮れ時の風に運び去られると、すぐに屋外は虫達のオーケストラ会場に。母の「さぁ、そろそろ風鈴を片付けなくては」という声が、我が家の秋の始まりでした。夏が終わる寂しさに、元気を取り戻していく身体の喜びが混じり合い、何やら複雑な感覚の時期でした。

 二十四節気の今年の「白露(はくろ)」は9月7日。この頃は文字通り、「暑かった大気も冷えてきて、露ができるころ」とされています。ず?っと昔、母が風鈴を片付けていた頃は、今と違ってこの白露の感覚が季節にもう少しマッチしていたような記憶も。もう「白露」も「肌寒さ」という単語もこの時期不似合いになりました。

 「そういえば、ウチにも南部鉄の風鈴があったよな?」と家人に尋ねました。「ず?っと出してないけど、何処かにあるはずですよね」と気の抜けた返事。「出してくれと言ってるわけじゃないんだけど」。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りの季節も、もう少し先になりそうです。今夜は虫の声を聞きながらの幸蔵ロック。オツなものです。






◎麻婆茄子

No.215 / 2013年9月11日配信

 秋なすは嫁にくわすな、という諺がありますが、我が家では嫁(家人)が先頭に立ってパクパク食べています。そんな諺を投げかける姑はいないし、特に、家人が好きなせいで、焼肉のときも茄子がたっぷりと用意されています。にんじん等と違って、プレートの上では早く焼き上がるし、美味しい・便利の優等生です。

 幼い頃から親しんできた茄子の料理はやっぱり「焼き茄子」です。しんなりと焼き上がった茄子に花鰹をふわっとかけて、しょう油で食べる焼き茄子はオツなものです。秋刀魚の塩焼きとセットになった食卓は日本の秋の風物詩といっても差し支えありません。以前はしょう油をかけて食べていましたが、最近はポン酢かけが好きになりました。

 そして、我が家の食の国際化も世間並みに進んだのか、和食の素晴らしさ(私の推奨)を押さえ込んで、夕食時には焼き茄子よりも「麻婆茄子」の登場が多くなりました。もちろん、麻婆茄子も焼酎にぴったりだし、文句はありません。焼き茄子だとメインにならないけど、麻婆茄子だと手軽につくれるメイン料理になるから、という家人推奨の理由も判ります。

 今日は焼き茄子がいいな、と私の希望を言うと、娘が「ねぇ、オリーブオイル炒めにしない!」と割り込んできます。こうなると結局多数決で、いつも負けるのは私。君たち、柚子胡椒を混ぜたポン酢で食べたらそりゃ、美味しいんだぞ。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との絶妙な味わいが判らんからな、二人とも。と、ぶつぶつ。






◎いつまでも一緒

No.216 / 2013年9月21日配信

 猫だって過ごしやすい季節は大好きなのでしょう。猛暑の時期に落ちていた食欲も完全に戻っています。我が家の二匹の猫は雑種の捨て猫でした。初代のチンチラ猫が死んだ後、ペットロス症候群に陥っていた家人がもらってきたメス猫です。今では家の主人が誰か判らなくなるほど、偉そうに「我が物顔」で家の中を歩き回っています。

   猫を飼うようになって、以前より野良猫を良く見かけるようになりました。というより、気にかけるようになったという方が正しいのかもしれません。彼らは元気良く、道路や駐車場、公園、路地裏を駆け抜けています。近所にある市の動物物管理センターのまわりを縄張りにしている強者猫もいて、そのたくましい生命力には本当に驚かされます。

 あまり馴染みがないかもしれませんが、9月20日〜26日は動物愛護週間です。最近は愛護とともに共存への理解が問われているのかもしれません。最後まで責任を持って飼うことです。一方、認知度が高いのはやっぱり「ねこ、ニャンニャンニャン」とおぼえやすい2月22日の「猫の日」です。その日のホームセンターやスーパーのチラシの「特別割引」を利用している人も多いのでは。

 仕事が上手くいかなかった日、家庭内で意見の対立があった日。そんな落ち込んだり、ささくれ立ったりした日の夜の枕元に、そっと身体を寄せてくれる猫達。猫をなでると同時に、こちらが癒されていくのが判ります。私にとっての彼女らは、もう伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と同じです。私はけっこう頑固もの。さいごまで一緒するつもりです。









2013/10月



◎豚に真珠

No.217 / 2013年10月1日配信

「お父さん、なんか今日は嬉しそうね。いいことでもあったの?」と娘が気分の良さそうな私を発見します。「ほう、なかなかお前も鋭いな」「ねえ、何、なに?」と、成長につれ、最近は私との会話機会が少なくなっていた娘が妙に食いついてきます。「何か、美味しい話でもあるんじゃない?」と上目づかい状態です。

「もしかして、秋だし、お父さんの好きなモンブランでも買ってきてるの?」と自分の好きなケーキのことを勝手に思い描いています。私は「ブ〜、違うね」と娘に伝えます。「モンブランは好きだけど、お前ほどじゃないよ」と言った後、「ところで、お前、食欲の秋だからって、ケーキの食べすぎは良くないぞ。少し太ってきたんじゃないか?」

 日曜日の午後、釣りに行けなかった私は家で、同僚の釣り帰りを待っているのです。昼過ぎに「カタの良いアジが釣れたので、帰りに持っていくから」との連絡があり、夕方到着する釣れたての「秋アジ」を思うだけで、口の中が唾液で溢れます。よし、今日はわさび胡麻醤油で和えた「胡麻アジ」にしよう。ふふふ。

 今夜は新鮮なアジに、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』で完璧です。そういえば、今年も幸蔵の新酒の時期。さらに幸せの予感が全身に広がります。「なんか、異常じゃない。それって」と娘は私を白い目で見ます。ムッとした私は「お前にはこの価値は『豚に真珠』かもしれないな」とつい口走ってしまいました。体重を気にし始めた娘に悪いことを言ったかもしれません。ごめんな。






◎ひつじ雲

No.218 / 2013年10月11日配信

 高くて青い空に、気持ち良さそうな、もこもこふんわりしたひつじ雲が広がっています。高積雲(こうせきうん)と呼ばれるこの雲は、ひつじの群れのようにずっと連続しているので「ひつじ雲」と言われているようです。こんなふわふわ感の中で眠りにつけたら気持ち良さそうだな、とメルヘン心に欠けて来たオジさんの私でも、つい、そう思ってしまいます。

 先日は「ひつじ雲」のお友達のような「いわし雲」という巻積雲(けんせきうん)を見ました。秋の高い空に魚のうろこをバラまいたような雲です。サバの背中の模様に似ているとかで、さば雲などとも言われるようです。魚好きの私はさば雲を見ると、すぐに脂の乗った秋さばを思い出してしまい、仕事が終わったら魚のウマい居酒屋に直行したくなります。

 小学校帰りに河原に寝転んで、友達と一緒に秋空の雲を眺めては、雲の名前の当てっこや呼び名をどれだけ知っているか競争したものです。いじめられたり、先生に叱られたりした日は互いに寄り添って、河原で雲を眺めました。二人でひつじ雲をじっと眺めているだけで、気持ちがふわっと持ち直したものです。

 ひつじ雲は夏を境に急に転校していった友達との思い出。宮崎駿監督は風立ちぬの中でユーミンの「ひこうき雲」使っていましたが、私の物語には「ひつじ雲」です。想い出の河原で伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』でもやりながら、またあの頃のように一緒に雲を眺められたら楽しいだろうな。転校の年は、大好きな秋を一緒に過ごせなかったから、いつか君ともう一度。






◎アベノ二クス

No.219 / 2013年10月21日配信

  先日iTunesで買った秋のジャズピアノ・コンピレーションアルバムを聞いています。マッコイ・タイナーのピアノで「枯葉」が流れてきます。ゆったりした土曜日の午後、コーヒーを飲みながら、今夜の幸蔵の相手を検討。我が秋の食欲も季節とともに冬型へと移行しているのが確認できます。なぜか、むしょうに肉を使った鍋料理を食べたくなります。

 新鮮な魚介類よりも肉を食べたくなった「今日の感情」を確認。私はもうすでに、さっぱりとした「しゃぶしゃぶ」の美味しそうなシーンに心を奪われています。いつもは地元産の豚ロースを使いますが、今日は贅沢な和牛のしゃぶしゃぶです。家人に希望を伝えると、「まあ、たまには」と反対されませんでした。「今日はアベノ二クスね!」

 「牛肉の購入頻度/2012年(公益財団法人日本食肉消費総合センター)」を調べると、牛肉購入は「週に1日程度」、豚肉、鶏肉は「週に2~3日程度」が多く、平成25年7月度家計調査報告(総務省)によると、全国1世帯当たりの牛肉消費量は、540g(前年比103.4%)、支出金額が1,481円(同108.1%)と、4ヶ月連続で前年を上回っています。

 1世帯当たりの牛肉消費が増えているということは、「アベノ二クス」と言った家人の冗談も捨てたもんじゃありません。できれば、我が家でも牛肉をもっと沢山食べれるようになりたいものです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と和牛のしゃぶしゃぶ。今夜はこれから、ずいぶん久しぶりなプチリッチな世界を堪能したいと思います。









2013/11月



◎ソチに舞う

No.220 / 2013年11月1日配信

 2020年の夏季オリンピックが東京開催に決まり(9月のあの日、未明のテレビに釘付けになっていた)、このまま日本の上向きの景気に拍車がかかればいいなと思います。アベノミクスの恩恵が早く「私の小遣い」に反映されるようにと、ただただ祈るばかりです。一方で来年の冬季オリンピック 開催地「ソチ」の話題も伝えられてきます。

 以前に、プーチン大統領が競技施設工事の進捗に遅れが見られるからと、はっぱをかけたという記事がありました。しかし、五輪組織委員会は9月末には大洪水に見舞われたものの、問題ないと答えています。オリンピック大好きの私は、このまま順調に開催まで進めばいいなと思います。開催の2月7日までもう100日足らずです。

 我が家人は女子フィギュアスケートの浅田真央ちゃん(ちゃん付で失礼)の大ファン。はやくもオリンピックの前哨戦になりそうなGPシリーズにのめり込んでいます。トリプルアクセルが決まるとテレビの前で、拍手しながらキャアキャアともう大変です。しかし真央ちゃんの真っすぐに見つめるあの瞳は私も大好き。たとえ失敗した後でも、あの前向きな姿勢。

 前回のバンクーバー五輪で、キム・ヨナ選手に20点以上の大差で負けた時、家人の落ち込みは酷いもので、私は声さえもかけられませんでした。さあ、「それから4年後」も、もうすぐ。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割り片手に応援できる楽しみは小さくはありません。真央ちゃん、ソチでも「元気に舞ってくれるだけ」でいいですからね。






◎味の芸術

No.221 / 2013年11月11日配信

 芸術の秋はもちろん食欲の秋でもあります。というより、やっぱり「食い気」が先に立つ季節ですね。郊外のショッピングセンターに出かけた際は、手づくり豆腐専門店を必ずチェックします。女性客に混じり、「豆乳を使った魚のすり身天ぷら」や「おぼろ豆腐」などをじっくりと眺めます。今夜の晩酌タイムを豊かにする為に。

 「お客さん、今日は『おから』要りませんか?」と声をかけられた開店15分後。なにか買い物すると、まだ温かみが残るおからを好きなだけ持って帰れるシステムです。「今日はいいよ」と苦笑いをしながら断ります。前回もらったおからがまだ冷凍庫に休眠中。おから料理はすべて家人のヤル気しだいです。成り行きにまかせる他はありません。

 パックに詰められた売り場の湯葉が私を誘惑します。精進料理の王道を歩んできた湯葉は、最初に比叡山の天台宗総本山の延暦寺に伝わったとされています。歴史と伝統に裏付けされた味わいは、私に繊細さの素晴らしさを教えてくれました。静かに更けゆく秋の夕餉をしっかりと「味の芸術」で楽しみたくなります。

 少し値が張るけれど、ウ〜ン思い切って。「思い切って」とか、食いしん坊のわりには案外と私は小心者かもしれません。大豆の植物性蛋白質を凝固させた、日本が誇る食材と今夜は一緒出来るのです。待ちきれない想いを胸に、自宅への車のアクセルをふかします。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』もきっと相性の良さを喜んでくれるでしょう。






◎落 陽

No.222 / 2013年11月21日配信

 大きく赤い太陽が夕空を染め上げながら水平線に落ちていきます。晩秋の落陽はなぜかもの寂しくて、その「感傷的」な思いは四季の中でも群を抜きます。先月、そんなつるべ落としの落陽の季節の中で、今や世界中にファンを持つアンパンマンを描いてきた絵本作家・やなせたかしさんがなくなりました。

 若い頃見たアンパンマンからは作者のいう「正義」が良く読み取れなくて、また画風も当時好きだった作家のものとはかけ離れていて、自分から積極的には読まなくなってしまいました。しかし今では、人生を少しばかり経験させてもらったおかげで、カッコ良くないヒーロー像も多少は理解できるようになったようです。

 2、3年前には私の好きな欧米の作家が立て続けに亡くなりました。自己顕示欲の強い私立探偵スペンサーが活躍するシリーズで有名な、ロバート・B・パーカー。有名な「長距離走者の孤独」を書いた作家アラン・シリトー。そして「ライ麦畑でつかまえて」のサリンジャー。反抗期の少年を素材にした小説は私の心から離れませんでした。

 巨匠の運命も落ちていく夕陽のように、大きくなった後は必ず沈んでいくのです。家人に今度あんぱんを買ってきてほしいと頼みました。へぇ〜、珍しいわね、と不思議そうな顔をしています。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を飲みながら食べるわけじゃありません。「キリマンジャロの粉も買っといて」と付け加えました。









2013/12月



◎かに鍋

No.223 / 2013年12月1日配信

 今年は11月のうちにインフルエンザの予防接種も済ませました。珍しくこれまでのところ、冬を迎える姿勢に非の打ち所はありません。早めに大掃除を済ませ、年賀状を遅れないように頑張るだけです(実はこれが一番手強い)。この師走、マスコミの好景気情報に感化されて、気分だけは前向きになっています(実はこれが一番怖いことかも)。

 今年は家族の為に「頑張ったで賞」を出そうかな。「豪華かに鍋晩餐会」なら喜んでくれるでしょう。そういえば、我が家の食卓に「かに」が登場するのは、年に一度あるかないかの世界。家人も娘も「かに」は大好きなのに、なぜか食卓登場頻度は最低クラスです。質の良い「かに」をみんなで腹一杯食べるのには予算の問題も絡むので、それも一因。

 九州に住むと、世界で一番「かに」を消費する国が日本であることを感じません。なにせ、九州の我が県の「かに消費量」は全国で43番目で、年間消費量は448g(家計調査より)なのだそうです。トップの鳥取県は4,641gで10倍以上も食べるのだとか。まあ、松葉ガニで有名な産地なので、その差は仕方ないのですが、全国平均742gと比べてもかなり少なめ。

 よし、それなら今年は頑張って「生たらばがに」のお取り寄せだ!と、約1.5kg箱に挑戦してみます。家で手軽に、北の海の幸が楽しめるのも冷凍・物流技術の向上のおかげです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との「味の南北コラボレーション」が実現すると思うと、ワクワク感で弾けそう。ハハハ、今年は楽しみです。






◎はいチーズ

No.224 / 2013年12月11日配信

 師走も進み、街なかはジングルベルが流れ、クリスマスのイルミネーションが心を掻き立ててくれます。最近は会社帰りに地下鉄駅までの道のりを、イルミネーションが綺麗な通り経由で遠回り。その日「ウマくいかなかったこと」だって、キラめく光が忘れさせてくれます。百貨店のクリスマスツリーの前で若い女性がVサインを作っています。はいチーズ。

 ふと、学生時代のクリスマスが甦ってきます。町の灯りがネオンサインと豆電球だった頃のこと。ドキドキしながら待ったクラスのクリスマスパーティ。目当ての娘もやってくるのです。悩みに悩んだ交換プレゼント選び。アパートの親友に新しい上着を借り、勇んで出かけたものの、目当ての娘はライバルの男とカメラの前ではいチーズ。

 なにが、「はいチーズだ」。パーティが終わると、頭に来るより先にモーレツな虚無感に襲われてしまい、ふらふらとアパートに帰っていった記憶が。これならブルークリスマスのほうがずっとマシだ。上着を返しに友人の部屋に行くと、まるでその日の出来事を見抜いていたかのように、友人はニヤッと笑って「じゃぁ、飲みなおそうか」。

 我が娘に尋ねました。「お前達も、写真写るとき『はいチーズ』って言うの?」。「そうよ」。「はいチーズ」は1960年代のTVコマーシャルがきっかけで広まったといいますが、私は1979年以来、使ったことがありません。焼酎は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』、そして「はいチーズ」は絶対に言わない主義。私の頑固さは変ですか?






◎画竜点睛

No.225 / 2013年12月21日配信

 アダムとイブの話で始まった「巳年」の一年の終わりを迎えました。「脱皮」をテーマに掲げて、今年一年をこれまでと違う「自分探し」、いや「努力の一年」にしようと固く決心したのもかかわらず、無情にも未達のままの一年が超スピードで過ぎ去ろうとしています。巳年にちなんだ「粘り強く」の4文字も不完全燃焼でした。

 一昨年のメモノートを引っ張りだすと、「画竜点睛を欠く」というフレーズが見つかりました。最後の仕上げを忘れると、せっかく作り上げた全体が生きて来ない、という意味ですが、今年も残念ながら仕上げを行えるところまで辿り着けませんでした。辰年に続いて巳年も惨敗です。筋金入り?の精神力の弱さだけはどうにもなりません。

 とはいえ、努力の結果とはいえませんが、我が家も職場も、大きな病気やけががなく過ごせたことが「今年最大の成果」。「脱皮」についてのスコアシートは良いわけがありませんが、健康に過ごせた一年には「はな◎」を与えて良いと思います。それなら、無事大晦日を終えるまで、「健康」だけは「画竜点睛」を欠かないように頑張らなくてはなりません。

 「お父さん来年は絶対『ウマ』くいくよ」と、家人が明るく茶化します。そのあと、「ウチはやっぱりお父さんでなくっちゃね」と、歯が浮くような一言を追加。「そりゃそうだ」と、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りをやっている私の気分はさらにノリノリ。よし、今夜は気分が良いので、もう一杯飲むことにします。








2014/1月



あけましておめでとうございます。
昨年も私ども幸蔵酒造への温かいご愛顧、誠にありがとうございました。
伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」同様、
このエッセイも「味わい深さ」を求めて頑張ってまいりますので
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


◎駿馬のように

No.226 / 2014年1月1日配信

 北国の牧場にある競走馬の厩舎シーン。冬の張りつめた冷気の中を、朝の蒼い光が差し込んでいます。しなやかに引き締まった馬体のシルエットが逆光に浮かび、吐き出される白い息が命の温もりを伝えてくれています。北海道の厳しい自然環境が「馬」によって美しく純化されるシーンで、遠くはなれた九州に住む私が憧れる空気感です。

 幸蔵酒造のふるさとである宮崎県の都井岬には、国の天然記念物にも指定されている「御崎馬(みさきうま)」が生息しています。サラブレッドと比べれば一回り小さく、頭の比率が大きいだけ親近感が持てます。落陽の岬をバックにした馬のシルエットは、自然の濃い南国の温もりと太平洋につながる雄大さを感じさせてくれます。

 高い知性を持つ馬と人間の素晴らしい関係は、スピルバーグの「戦火の馬」という映画で、戦争を背景に描かれていました。馬は固い絆を示してくれる、最高の相棒ではないでしょうか。そんな自然や時代を背景にして、私たちにさまざまな「美しいシーン」を見せてくれる馬(午)が今年の干支です。ぜひ、午年にあやかり、美しく、元気よく、駿馬のように駆け出したいものですね。

 「お父さん、若い頃はポニーテールが好きだったんでしょ」と、娘が話しかけます。今でも嫌いではない、と言って、娘の今風の髪型を眺めます。「やっぱり、お前には無理だな、綾瀬はるかじゃないから」「じゃなくって、悪かったわね」と、娘が口を尖らせました。私は2杯目の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』に乗って、すでに今年も駆け出しています。





◎鏡餅の行方

No.227 / 2014年1月11日配信

 居間に供えとして飾っていた、小さなパック入りの鏡餅を食べようと思います。昔は松の内が明ける頃に、ヒビ割れした大きな鏡餅を母が出刃包丁で小さくしたものを、ぜんざいで食べていました。今みたいなスイーツ類がなかった時代の「甘いぜんざい」は、私たちを天までのぼる気持ちにさせてくれる貴重なおやつでした。

 私たち幼い兄弟は、お椀の中に入っている餅の大きさでも争っていました。兄の餅の方が大きく感じられ、この頃からすでに私の「隣の芝生は青かった」は始まっています。餅のサイズが母親の愛情の大きさを表しているように思えた年頃でもあったので、争いは仕方のないことだったのかもしれません。

 日本鏡餅組合が鏡餅についてのアンケート結果を紹介していました。日本の風習が忘れられていく中、85%の人が鏡開きを行うと回答していて、びっくり。お汁粉で食べるという人が圧倒的に多く、まだまだ、「和のおこない」が続けられていることにホッとします。他の食べ方としては?油、きな粉で、またチーズとの相性が良いのかピザやパスタで食べる人もいます。

 供えの鏡餅には年神様が宿っていて、鏡餅を食べることで新しい生命を頂けるという意味は恐らく忘れられていく運命にあるのでしょう。私だってもう、鏡開きで思い浮かぶのは幼い頃の「甘いぜんざい」だけですから。この時期はまあ、なにはともあれ、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との相性を考えると、焼いた餅に醤油をつけ、海苔を巻いた食べ方が一番だと思うのですが。






◎風邪たちぬ

No.228 / 2014年1月21日配信

 去年の一月にひどいインフルエンザにかかったので、この冬は苦しまなくていいようにと、晩秋の時期に予防接種を受けていました。3,000円の予防接種代はこれで発症しないだろうという「安心感」も含んでいるので、考えてみれば安いものかもしれません。おかげさまで、回りにインフルエンザ患者が出ても、先日までは順調でした。

 ところが、想いもよらぬ落とし穴が待ち受けていました。安心しきっていた身体に、鼻水、咳、熱の容赦ない洗礼。その上、腰や肩もしっかりだるいではありませんか。予防接種済みとはいえ、インフルエンザの可能性も否定出来なくなりました。しかたなく、ふらふらと予防接種に行った医院へ。インフルエンザチェック後、先生一言「こりゃ、フツーの風邪やね」。

 この30年近く、風邪で病院に行ったこと等、ありませんでした。風邪は自分で治すものだと常日頃から公言していたのに、なんとも悔しいではありませんか。「風邪だとわかっていたら、病院にかかったりはしなかったのに」と言葉を荒げると、「そんなにムキになることないんじゃないの」と家人はサラリとかわします。

 厄払いが必要かもしれません。そういえば、もうじき節分がやってきます。お寿司屋さんはもちろん、数多くのスーパーや百貨店、コンビニで「恵方巻き」の案内で賑やかです。恵方を向いて、巻寿司をかぶりつけば今年の健康は大丈夫なのでしょうか。それより毎日、温かい伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』で心を元気づけることのほうが、私には効きそうな気が…。









2014/2月



◎感謝チョコ

No.229 / 2014年2月1日配信

若い頃のようにバレンタインデーを期待しないものの、今でもチョコのひとつでももらえれば嬉しいものです。昔は2月14日になると、保険レディが「これ、殿方に」とか言いながら、義理チョコを机の上に配っていました。以前のように、職場の中に外部の人が入って来ることが許された「ゆるい時代」が懐かしいものです。

 私の職場では、バブルが弾ける前までは、会社からチョコレートが配られたこともありました。少ない女子社員の「バレンタインの負担」を考え、義理チョコを会社が受け持ってくれたわけです。とても温かい制度でした。その制度も、バブルと一緒になくなってしまったのは残念でしたが、こればかりはしかたありません。

 有名チョコレート会社のアンケートの「バレンタインはどういう日?」という質問に、「恋人をつくる日」が10.5%で、意外にも「感謝を伝える日」という回答が41.3%も。「感謝チョコ」は「義理チョコ」が進化したものでしょうが、バレンタインデーに「感謝」ってのも、どうしても頭の固い私にはピンときません。

 「お父さんね、今は『友チョコ』がフツー。あげる、もらうだけじゃなくて、『贈り合う』ものなのよね」と娘が現代のバレンタインデーを私にレクチャーしてくれます。「俺は友チョコには興味がないから、焼酎チョコとか、とりあえず『感謝チョコ』をくれないか?」。娘は考えとく、と一言。2月14日には伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と感謝チョコ。これがまたウマいんです。






◎戦わずして勝つ

No.230 / 2014年2月11日配信

 NHKの朝ドラが相変わらずの好評を得ています。しかし、九州に住んでいる人間としては、「黒田勘兵衛」が出てくる大河ドラマがとても気になります。近くのショッピングモールでも、昨秋から黒田勘兵衛の恰好をしたゆるキャラポスターを見ました。暮れの12月には、福岡の地下鉄で黒田勘兵衛号の出発式が賑やかに行われました。

 新しい大河ドラマが始まるたびに、その経済効果が叫ばれます。八重の桜の福島県では100億円の効果がもたらされたという話も。さまざまな関連需要を取り込もうと、黒田家にかかわるお菓子屋さんをはじめツアー企画など、花盛りです。九州縦貫道路上り線の古賀サービスエリアでは、博物館かと間違えるような「勘兵衛グッズ」の山に驚かされます。

 勘兵衛は織田信長、豊臣秀吉の家臣時代が、一番華やかな活躍の時代だったのかもしれませんが、福岡では第一線を離れた後の隠居生活で、やっと地域に身近なものとなります。私はそれまでの勘兵衛の「戦わずして勝つ」という戦争哲学が大好きです。平凡な私には無理かもしれませんが、「知恵」で勝負できるようになりたいものです。

 去年の結婚記念日のことを思い出します。久しぶりだからと外食で、家人は「フランス料理」、私は「ふぐ料理」と意見が分かれました。このときは私も好みを譲らず、家人と争いましたが、結局「戦って負けました」。次は「戦わずして勝てる」ように、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と一緒に、今日から「知略」を磨こうと思います。






◎新しいカメラ

No.231 / 2014年2月21日配信

 ここしばらく、長く使って来たデジタル一眼レフカメラの調子が悪く、撮影はもっぱらiphoneにばかり頼っていました。故障箇所はカメラのバッテリーボックスで、撮影に直接関わる主要な箇所ではないところが残念です。カメラの基幹部分が壊れたのなら、諦めもつくのですが。う〜ん、買い替えるとなると小遣いがピンチです。

 しかし、可愛い姪の結婚式の晴れ姿を撮るためにと、自分を無理矢理納得させて、後継機を購入しました。もちろんプロが使用するような高級機種ではなくて、ビギナーにも使いやすいようなモデルです。届いたカメラの梱包を解き、手にするとなんと軽いことか。機能も大幅に進化、10年前の一眼デジカメと比べれば月とスッポンです。

 先日、寒風が吹き抜ける中、試し撮影をしようと能古島(のこのしま)という離れ小島に、ウキウキしながら出かけました。フェリー発着場に舞うカモメを連射したり、木漏れ陽の雑木林を逆光で撮ったり。セットになっていた望遠レンズも使いながら、島をウォーキングで一周巡って、楽しい1日を過ごすことが出来ました。

 趣味のモノはこれまでの生活に加えたり変えたりするだけで、急に前向きな気分になれるから不思議です。今回は、新しいカメラが腰の重い私を、距離のある島歩きに誘い出したのです。おかげで、帰りに買ってきたアジの一夜干しで、夜にもうひとつの楽しみもできました。これはもう、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の出番でしょ。ふふっ、新しいカメラに乾杯!









2014/3月



◎3倍返し

No.232 / 2014年3月1日配信

 女性から男性に告白する日、という日本式のバレンタインデーのあり方も様変わりしてきました。今や「友チョコ」や「自分チョコ」が堂々と手を振って歩く時代です。もう、「女性からの」ではなくて、バレンタインデーを欧米のように、贈り合うようにすべきでは。そうなると、ホワイトデーの必要性が無くなるのでは?と、ついつい、消極的な考えが湧いてきます。労力が必要なお返しの時期が迫ってきているからでしょうか。

 1978年に福岡市の老舗菓子店が提案した、マシュマロのお返しがホワイトデーのお返しの始まりだとされています。優しさで包んで返す、ということだとか。ただし、言い続けられている「3倍返し」の出発点は、ある女性週刊誌だともいわれていますが、どうなのでしょう。若い頃から、それを肝に、選んできました。

 昨年は「倍返し」が流行りましたが、私は幼いときからその言葉を、父親から貰っていました。少し、意味合いは違うのですが、「人から恩を貰ったら、絶対に2倍にして返さなければならない。お前にその覚悟があるのならば、他人から恩を受けても良い」という内容の話でした。そんな重い話を幼い息子に語る親がいた時代があったということです。

 まじめに考えると、その倍返しも、3倍返しもけっこうな心の負担になりえます。娘からは「感謝チョコ」を貰っていました。家人からは「自分も食べたいチョコ」を贈られました。私はそれに応えなければなりません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と一緒に、思案に暮れる時間も増えてきました。今夜もホワイトデー不要論が頭を駆け巡ります。






◎終業式

No.233 / 2014年3月11日配信

 春休みは宿題がなかったので大好きでした。夏休みのように休みは長くありません。冬休みのようにクリスマスプレゼントやお年玉を貰えるわけではありません。だけど、その魅力的な二つの休みにはしっかりと「夏休みの友」などたくさんの宿題のおまけが付いてきました。勉強嫌いの私には、そのおまけが大きな負担でした。

 もちろん友達もみんな春休みが大好きです。春の小川のせせらぎの音、野原の土の香り。うぐいすの声。菜の花の黄色がワクワクする気分をはやし立てます。そんな季節だから、もう終業式の校長先生の話も上の空で、すでに友達と何をして遊ぶかに想いは大きく傾いています。いつも近所で一緒に遊ぶ「春休みの友(?)」が頷きながら視線をよこします。

 そして、この春、お世話になった先輩の終業式。ついに、会社勤めにピリオドを打つそうです。私たちは会社のワクを越え、有志を募って飲み会を開くことにしました。社会の厳しさと楽しさを教えてくれ、失敗の落ち込みも救ってくれた先輩でした。小学生のころの、あのウキウキした終業式とは違いますが、昔話に花が咲くのは間違いありません。 

 退職をして長い休みに入るのでしょうが、もう大人には「休みの宿題」は与えてもらえません。「休みの友」は、もう自分で探さなければならないのです。男性の退職うつの話も良く耳にします。先輩は大丈夫でしょうが、信頼できる友を近くに置いておくのも悪くはありません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を贈ろうと思います。幸蔵は私の親友ですから。






◎買いだめ

No.234 / 2014年3月21日配信

 いよいよ4月からは消費税が8%になります。直接、アベノミクスの恩恵にあずかることのない我が家では、家人が何やらいろいろと買い込んでいます。食用油や?油、調味料からレトルトカレー、カップラーメンなど保存がきく食品類やトイレットペーパーなどの家庭消耗品です。経済紙の調査では4割の人がまとめ買いの意向なのだとか。

「あれっ、チョコレートまであるぞ」と冷やかし気味に家人に言うと、「あなたはノンビリできていいですねぇ」とキツい皮肉が返ってきました。何回かに分けて少しずつ買いだめをしてきたのよ、とすべての家事を切り盛りしている責任感が言葉の端々にのぞいています。この言葉が出ると、もう、退散するしかありません。 

   大切なことに違いはないのですが、私は「コツコツ」とか「節約・節制」が大の苦手です。個人的には春らしくもう少し明るくパァ?っといきたいものです。今度の日曜日、家人の「家事力」に感謝を込め、美味しいものをたくさん持って(デパ地下で買い込んで)出かける花見の提案でもしようかと思います。日頃のストレス発散もかねて。

「せっかく、増税前に買いだめとか努力しているのに、豪勢にデパ地下ごちそうだなんて!」などと、逆に気分を害する結果にならないように、細心の注意が必要だし、提案はちょっぴり危険かもしれませんが…。悪魔のように細心に、天使のよう大胆にです。しかし、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を桜の木の下で飲めたら最高だろうな!ふふっ。









2014/4月



◎WindowsXP

No.235 / 2014年4月1日配信

 とても使いやすくて、人気があったパソコンのOAソフト「WindowsXP」。メーカーによるサポート終了に伴う、新しいOAへの移行が呼びかけられていましたが、ついにその日が近づいて来ました。終了日は2014年4月9日(水)です。あわせて、大変お世話になったOffice2003もメーカーによるサポートが終了するそうです。

 そのまま使用し続けると、セキュリティ面などでリスクが増大。ウイルス感染や、悪意のある攻撃を受ける危険性が高まるそうです。個人情報や取引などの情報漏えいは、個人はもちろん、企業も存続に関わる問題に発展することがあります。昨年秋にはWindowsXPをまだ使っている人は48%もいました。予算の問題もあり、遅れそうな家庭や組織が出てきそうです。

 私のパソコンライフはそのWindowsXPから始まりました。XPの一世代前のOAソフトの時期までは会社内の「デジタル難民」として、仲間や部下から哀れみの目で見られていました。再起動、データコピー、アプリケーション、メガバイトなど、温かみを感じさせない「単語」がいやでいやでたまりませんでした。そんな私が意を決して、家に導入を決めたのがWindowsXP。

 おかげで、なんとか「現代」を泳げるようになりました。言い換えればWindowsXPは私にとっての大切な恩人なのです。しかし、十数年使ってきたマイパソコンをこの機会に、ついに手放すことになりました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のカップを片手に、最後のネット検索をした夜、なぜかしんみり。知らず知らずのうちにXPと親友になっていたのですね。






◎アサリの季節

No.236 / 2014年4月11日配信

 アサリ貝が昔より小粒になったような気がするのは私だけでしょうか。幼いころの記憶にある大粒なアサリ貝は有明海からやってきたものでした。おばあさんがリヤカーを引きながら、アサリはいらんね〜と声を上げながら、ウチの近所を回っていました。凹んだアルミのポウルを持った母が、買っていたのを思い出します。

 砂は吐かせてあるというものの、よく口の中がジャリジャリしました。母の目もあり、吐き出すことが出来ません。一粒の砂の為に、大切な食料を粗末には出来ない時代です。それでも、母の作る貝汁は最高でした。ぷりぷりとした大粒の身を噛み締めると、何とも言えない貝の旨みが口中にじわ〜っと広がり、幸せな気持ちになれたものでした。

 アサリ貝は近年、輸入品も多くなってきましたが、日本では愛知県がダントツの漁獲量を誇ります。平成22年度の国の調査データではなんと65%もあるのだとか。私の住む九州でも、以前に比べて量はかなり減ったと言われますが、有明海を中心とした近県の熊本、福岡、長崎の漁獲量が目を引きます。地域に私のようなアサリファンが多いのも頷けます。

 スーパーや直売所のアサリ貝が私を誘う季節です。潮の満ち引きが大きくなる4月は、潮干狩りで賑わいますが、最近の私はもっぱら食い気のみ。我が家の女性軍は「やっぱりワイン蒸しよネ〜」と譲りません。私の「貝汁だ!」という声がむなしくかき消されます。とても残念ですが、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が一緒だから、まあ、それで良しとしよう。






◎初 任 給

No.237 / 2014年4月21日配信

 何歳になっても、給料日は良いものです。昔のように銀行振込がない時代の給料日だったら、もっとワクワクしたと思いますが。膨らんだ(?)給料袋の封を切る瞬感を考えただけでも、つい興奮してしまいそうです。私のその日は給与明細表は頂けるものの、振込まれた後の銀行口座には家人のキツ〜イ鍵がしっかりかかっていて、それほど喜べません。

 得意先の会社で、以前は社長のコメントが袋の中に入っていた、という話を聞いたことがあります。社長の社員に対する感謝の気持ちと、一緒に夢を創り上げていこうという意志を感じたそうです。今、社員に気持ちを伝えようとするなら、社内メールになるのでしょうか。やっぱり、自筆の文章とでは伝わる重みが違います。

 これまた、自分史をずいぶんさかのぼると、あの初任給の日の気分に出会えます。社会人になるまで、キチンと育ててくれた母親に、感謝の気持ちを伝えなければなりません。プレゼントを考えましたが、母の好みも、身体のサイズも知らない自分に嫌悪感さえおぼえました。4年前まで一緒に住んでいたのに情けない話です。

 結局、悩んだ末、ふるさとの母には新茶を贈ったのを憶えています。今でも、初任給の使い方調査では、1位が「親へのプレゼント」で、自分のための買い物を上回ります。給料袋に自分のコメントを入れた社長のように、肉筆を添えて贈ると、感謝の気持ちも良く伝わると思います。父親には伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』がおすすめです。その味は心にぐっと来るものがありますから。









2014/5月



◎いつの日か、夢の「ななつ星」

No.238 / 2014年5月1日配信

 若い頃、先輩に続き自分もと、1日10ドルの旅を実行するため、リュックを背負って欧州に旅立ちました。その当時、通貨レートが1ドル250円前後でした。一人旅だと強がってはみても、海外旅行は初めてで、不安なことばかり。英語がしゃべれず、コミュニケーションは全くとれません。毎日の宿も決まってないし、地球の歩き方と6カ国語会話のガイドブックだけが頼りという心細さ。

 深夜特急(急行だったかしら)のコンパートメントに一人だけの時、ドアを開けて入ってきたのはトレンチコートに帽子、サングラス(夜なのに)姿の不審な大柄の男。武器を持っているかも?ハンパじゃないスリル感!特に、日本を発つ前、旅行ガイド本で「盗難、犯罪に注意」の記事を読んでいたせいで、過敏な状態。狙われやすい日本人というフレーズが頭にくっきりと浮かび上がりました。

 私はその頃特に、ジョン・ル・カレやロバート・ラドラムなど、欧州を舞台にしたスパイ小説ファンでした。うたた寝をしたすきに、いつの間にか姿を消すようにいなくなったその男のことを思うと今でもドキドキします。頭上の荷台にヒモでぐるぐる巻きに縛り付けていたリュックは大丈夫で、盗人ではないようでした。やっぱり、スパイ活動をしている男だったのじゃ。

 JR九州の豪華クルーズトレイン「ななつ星」が人気です。豪華な列車で、素敵な風景と行き届いたサービス、食事が最高なのだとか。若い頃の貧乏旅行とは180度違った心配のない「列車の旅」もいいな、と思います。しかし、私にとっては高額のツアー代が大きな壁。なので、やっぱり伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』でヨーロッパ旅行の想い出(無料)に浸ることにします。






◎そら豆

No.239 / 2014年5月11日配信

 久しぶりに農産品直売所に行くと、前から気になっていたそら豆がまだありました。良かった、今年も旬を逃さなくてと胸を撫で下ろします。そのデッカイさやに入ったそら豆を見ていると、美味しそうな姿焼きが脳一杯に広がります。食べ物の誘惑に弱い私がノックアウトされるのも時間の問題で、買い物かごはすぐに一杯に。

 「あら、こんなにいっぱい買ってきて。生のそら豆って、あまり長持ちしないんじゃないの?」となぜか、家人は喜んでくれません。「私も好きなんだけど、冷蔵庫の中は昨日買ってきたばかりのグリーンピースが結構な量あるし。今夜は豆ごはんにしようと思っていたのに」と、料理メニューへの心配りなど毛頭感じられない私の行動に、非難めいたセリフ。

 そのままさやごと直火であぶって、中の蒸し焼きになったそら豆を、しょうゆで食べる「酒の肴」を夢見ていたのに…。家人の頭の中では、そら豆は「酒の肴」ではなく、家族の為の「ごはん」というカテゴリーに分類されています。そういえば、私の小さい頃の父と母の食べ物に対する「考え方」も違っていたし、時代は変わっても「同じだなあ」と妙に納得。

 グリーン色のホクホクとした自然な旨みは、私に温かくて穏やかな気持ちも同時に運んでくれます。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』はもちろん「肴」のそら豆との相性もばっちりです。そういえば、母はそら豆の皮の黒いすじの部分に、剥きやすいようにと包丁で切れ込みを入れていたのだろうか?そんなたわいもないことも思い浮かぶ、幸せな『幸蔵時間』が大好きなのです。






◎小満(しょうまん)のイカ

No.240 / 2014年5月21日配信

 立夏がすぎ、暦の上では立秋までの期間が「夏」ということですが、「小満」は立夏から約2週間後の時季。この五月終盤は万物がイキイキと成長を続ける、夏の気配が色濃くなる頃です。近年、真夏日の気温を記録することも珍しくなく、初夏というより夏だと言い切ってしまったほうがスッキリしそうな気がします。もう半袖だし。

 この時期は若葉の緑と初夏の風が気持ちよく、海もキラキラと輝いていて、つい車のハンドルを握りたくなります。PM2.5と黄砂対策もいったん中止です。思い切って車の窓を開け放ち、今年もまた海辺のまちを目指します。玄界灘を右に眺めながら、玄海国定公園の虹ノ松原(日本三大松原)を抜け、三大朝市として有名な呼子町を目指します。

 ドライブの終点は「イカの活け造り」で有名な港町です。イカの一夜干しが出店に並び、潮の香りを嗅ぐともう、心は一直線。いつもの「イカが泳ぐ生簀」がある料理店に直行です。透き通ってこりこりとした歯触りとその刺身の甘さに、毎回感激してしまいます。いつもは私と行動を一緒にし たがらない娘も、このときだけは喜んで参加します。

 「イカシュウマイも美味しいわね」とご機嫌な家人と娘を見ていたら、私の心も緩んできます。ただ、残念なのは車の運転があるので、アルコールが厳禁なこと。でも、イカの一夜干しを買って帰り、家でリターンマッチをするから大丈夫。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の甘みとイカの甘みの競演も最高です。季節の気分は小満じゃなくって、もう大満(足)でしょ!









2014/6月



◎ほたる

No.241 / 2014年6月1日配信

 私たちは早めの夕食をかき込んで、母と一緒にホタル見物に行く用意をしています。幼い兄と私は母が茶碗を洗い終えるのが待ちきれません。それは雨の季節の蒸し暑い時期だったような気がします。田んぼを抜けて小高い丘に向かう途中に、きれいな水が流れている小川があり、その川岸が私たちの目的地で、毎年ホタルの乱舞が見られる場所でした。

 農薬のせいかもしれないわねぇ、以前はもっとホタルが多かったような気がする。と、母は少し残念そうです。兄と私は小川の土手を、両手を広げてホタルを追いかけますが捕まえることができません。前年は捕虫網で捕まえて、家に持って帰りましたが、蚊帳の中ですぐに死んでしまいました。それから、寿命が短い生き物を持って帰ることは止めることにしたのです。

 ゲンジボタルは日本を南北に分ける「大地溝帯(フォッサマグナ)」より西のゲンジボタルは明滅が2秒ごとで、東側のホタルは4秒ごとの明滅だといわれています。中間地点では3秒点滅型も存在するということなので、とても面白いものです。ホタルにとっては必死な生殖活動に関わる大切な明滅ですが、私たちにはどうしてもロマンチックなものに見えてしまいます。

 そういえば最近は、川などの生育環境を整えてあげたらホタルが戻ってきたという、地域の話もよく耳にします。今年はひとつ、家人を誘ってホタルでロマンチックな気分に浸ろうかな?サッカーのワールドカップもあるし、この6月は幸せな月になりそうだね、とグラスの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』に声をかけました。






◎ 公立図書館

No.242 / 2014年6月11日配信

 あまり小言を言わない母が「もう高校3年生だから、この1年くらいは頑張ってみなさい」と声をかけてきました。ラジオの深夜放送を聞きながらの受験勉強も、参考書のページは遅々として進んでいません。ビルボードHOT100にどういう曲がランクアップされたか、友人を出し抜くための新曲情報はないのかなど、そんなことばかりが頭を巡っていました。

 高校入学した頃は、友人より成績が良かったものの、3年になったころにはその友人に全く歯が立たなくなりました。友人は休みの日にも公立図書館に行って、勉強をしていました。大学入試に対する意識の違いは歴然としていて、怠け者の私が敵うわけがありません。今思えば、当時の「公立図書館」に良い想い出はなく、私にとってはハードルの高いものでした。

 温泉地で有名な佐賀県武雄市の利用しやすい公立図書館が話題になっています。今年の4月で1周年を迎えたこの図書館は、あのTSUTAYAを運営する民間業者の力を借りて管理運営されています。カフェと図書館の合体、Tカードポイント制の導入等で注目を集めて、半年で入館者が50万人を超えたのだとか。他府県からの見学も含め、絶好調です。

 そういえば、近所の市営図書館の利用登録期限が切れています。カードと更新用紙を持って出かけなければなりませんが、面倒なので放ったままです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を飲みながらの読書は大好きなので、やっぱり、今週末こそは重い腰を上げよう。時代が変わっても、図書館には何かしらのハードルは存在するものです。






◎シマアジ

No.243 / 2014年6月21日配信

 魚は厳寒期の方が脂が乗って美味しいといわれますが、夏場に旬を迎える魚だってそれに負けません。イサキも美味しい時期を迎えていますし、それに刺身で抜群に美味しいシマアジも私を幸せにしてくれます。アジは一年中、私を裏切ることがない美味しさですが、仲間である魚体が大きくて風格のあるシマアジは、さらに上をいく「絶品」の味わいです。

 シマアジは学術的属性でいうと「スズキ系スズキ目スズキ亜アジ科シマアジ属」というらしいのですが、平べったい身体なのにスズキ系というから不思議なものです。久しぶりの魚貝類図鑑を見ると、たくさんの魚に出会うことが出来て、幸せな気分になります。シマアジの掲載されたページでは、海が近くの直売所内で味わえるあのウキウキ気分が戻ってくるようです。

 ずいぶん前のことですが、私は会社の昇格試験に落ちて沈んでいました。半分なめてかかったことも問題でしたが、昇格する自信もあったぶん、落ち込みもひどかったのです。それを察した先輩が「飲みにいこう」と誘ってくれた先で出されたのがシマアジでした。そんなシチュエーションで食べた刺身は普通は美味しくないはずなのに、とても美味しかったことを思い出します。

 近所のスーパーで高級魚のシマアジを見かける度に「昇格落伍者」の苦い記憶が甦ります。それとともに「シマアジ=先輩の温かい心」の公式も思い出されます。脂が乗った刺身を?油に浸すと、さっと表面に脂が広がる至福の時。貴重な想い出とともに、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と一緒に味わえる幸せな時間。夏のシマアジに乾杯です。









2014/7月



◎マグロのさしみ

No.244 / 2014年7月1日配信

 先日の父の日には、久しぶりに美味しいマグロを食べることが出来ました。大トロ、中トロ、赤身もセットになった「父の日グルメマグロ刺身セット」でした。特に脂身が多い大トロはしょう油に浸した瞬感に、私の期待感と同じようにさっと脂分がしょう油の表面に広がります。家人達は父親への感謝の言葉もそこそこに、オイシ?を連発していました。

 昔は西日本、特に九州では「マグロを食べること」が、今のようには多くなかったと思います。食卓に登場していたのはブリや青魚のアジなどのほうが、はるかに多かったはずです。冷凍流通技術の発達により、私たちは美味しいまぐろに接することが出来るようになったのではと、現代の冷凍技術に感謝しなくてはなりません。

 寿司が全世界に広まってきた現在でも、日本人が世界でマグロを一番多く食べていて、2011年の統計では全世界でとれるマグロの約20%を日本で消費しているということです。クロマグロなどの資源量の減少が心配されていますが、完全養殖の技術が確立されていて、養殖マグロの出荷も順調ということなので、ひと安心です。

 先日もTVの旅番組で「奄美の養殖現場」を見ることが出来ました。餌やりから活き締めしたマグロを発送するまで、真剣に頑張って働いている人がいました。美味しいものにはやっぱり理由があるってことです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と同じです。私はこのエッセイシリーズを書き始める前、最初にていねいな焼酎造りの現場を見せてもらっていますので、それがわかります。






◎山ガール誕生

No.245 / 2014年7月11日配信

 ついに我が家にも「山ガール」が誕生しました。山ガールといえばハツラツとした感じがしますが、私は家人に「山ん婆とか言うほうが近いのでは」と口を滑らせてしまって、機嫌を損ねさせてしまいました。まあ、年齢からいっても「ガール」といった表現はもってのほかだし、「山女(やまおんな)」なんてのも不気味に感じるし、呼び名も難しいものです。

 サークルの仲間から誘われて、山に登りたいのだそうです。昔に買った家人のトレッキングシューズはもうぼろぼろで、買い直すしかありません。久しぶりに、登山用品を扱うスポーツ店に付き合いました。販売員の方が親身になって相談に乗ってくれたおかげで、靴とソックスだけで良いと思っていたのに、登山用ストック(杖)まで買うはめに…。

 低山を登ろうといった特集も心を掴んだのか、初心者向け登山雑誌が人気だそうです。富士登山人気が火をつけたわけじゃないでしょうが、ついに国も「山の日」なる祝日を制定してくれました。海の日があるのに山の日がない現状は片手落ちだ、という山ファンもこれで納得できるでしょう。再来年の8月11日が祝日第1回目となるそうです。

 「あなたも将来の為に、一緒に登れる山仲間でも作っておいたほうが良いんじゃない?」と家人が私に意見をします。「それに、足腰も鍛えておいたほうが良いんじゃ?」と、最近気になっていることに触れてきます。いいんだよ、友達はこれ以上増やさなくてもと、私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が入ったグラスを握りしめました。ここに仲間がいるのだから。






◎にんにく大好き

No.246 / 2014年7月21日配信

にんにくは冬はスライスしてもつ鍋に入れたり、夏でもとんこつラーメンにすりおろしていれると、それらのメニューも旨みが増して「たまらなく美味しい味」になります。にんにくはかつおのタタキにも欠かせないし、熊本県でよく食べられる「馬刺」には必ず必要です。我が家でもイタリアやスペインのオリーブオイルを使う料理にはいつも使っています。

 幼い頃、風邪をひいた時には必ず、父親がにんにくをフライパンで炒って食べさせてくれました。裏庭に面した雨に当たらないもの干し竿には、いつもにんにくがぶら下がっていたものです。鉢にはやけどや歯痛に効くアロエが植えてあり、戸棚の中には祖母から作り方を教わったという梅肉エキスが置いてありました。にんにく等の「健康食品」は生活の中で自然と備わっていたようです。

 免疫を高める効果のある食品として、にんにくはアメリカのNCI(国立癌研究所)ががん予防効果の高い食品として、最上位にランクしています。「スタミナ」がつく食品として昔から愛されてきましたが、科学的なアプローチで紹介されると、もう「鬼に金棒」的な頼もしさになってしまいます。この夏もガンガン食べなくては!

 「なんだ、お前。焼肉のタレににんにく入れないのか」とにんにくをスリおろしながら娘に尋ねます。「あしたも、人に会うし。パスね」と、当然のように拒否。そして、「お父さんみたいに、臭くっても平気な人間じゃないですから」と余分な一言。まあ、それはともかく、最近は冷た?い伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の水割りで食べる、焼肉の美味しさにハマっているところです。









2014/8月



◎こころ豊かに

No.247 / 2014年8月1日配信

 この夏は日本美術の花盛りです。わが九州では、太宰府で「クリーブランド美術館展」が開催中で、北九州市のほうでは「ボストン美術館浮世絵名品展」が8月いっぱいの予定です。こうも続くと日本画のブームが到来したような気持ちにさせられます。数年前、太宰府の九州国立博物館で見た江戸の絵師「伊藤若冲」の楽しい作品が思い出され、そわそわします。

 本来、日本美術は日本の中できちんと保管され、展示されるべきものなのでしょうが、大切に収蔵されている海外の美術館からの里帰りも私たちにとっては、とても有り難いものです。当時の収集にかかわったシャーマン・リーは、日本人ではないからこそ、逆に日本美術の凄さが理解できたのでしょう。ともかく、クリーブランドやボストンの美術館に感謝です。

 我が家では家人がボタニカルアートなる植物水彩画を描いては、ひとりで悦に入っています。ボタニカルアートは昔西洋で写真がなかった時代に、薬草等を正確に描写する必要から生まれた美術画だといわれていますが、私はその手のかかる細かい描写にあぜんとするだけです(けっこう凄い)。だから、絵を描けない私は葛飾北斎はもちろん、わが家人にだって頭が上がりません。

 今年の盆休みは長期間休めるけっこうな曜日並びです。だらだらと過ごさない為にも、美術館巡りが良いかもしれません。曾我蕭白、渡辺華山などの有名絵師の作品にふれたら、きっと豊かな気持ちになるでしょう。それは私にとって、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』から受ける同じ種類の豊かさかも。日本美術でやる一杯、最高の夏!ふふっ、このフレーズ、少しばかり不謹慎でしょうか。








◎コンピレーション・アルバム

No.248 / 2014年8月11日配信

 FM放送で昔懐かしい曲が流れています。レッド・ツェッペリンの「天国への階段」です。アコースティックなイントロで始まるその名曲を、これまで何度耳にしたことでしょうか。当時、初めてこのアルペジオ奏法の導入部に触れた時、激しく心を揺さぶられたことを思い出します。心の中で、ジミー・ペイジはすぐに神様にされてしまいました。

 高校時代に、いわゆる「洋楽」が好きな友人に触発されて以来、レッド・ツェッペリンはもちろんジャンルに巾を持たせながらも、これまでずっと聴き続けてきました。ジャズがフュージョンになったり、デジタル要素の強い電子音的なものが普及してきた一時期を除いては、今でもその時期の想い出(受験失敗だったり、失恋だったり)とともに、その当時流行っていた曲が一緒に浮かんできます。

 団塊世代が高齢者の仲間入りをしてきたからでしょうか、最近やたらと懐かしいベスト盤や年代物のヒットアルバムが出回っています。「そんなのをコンピレーション・アルバムっていうのよ」と娘が教えてくれました。「そんなアルバムしか買わないようになると、もう終わりなんだって。お父さん、そこまで年は行ってないのにそうなの?」と毒を含む言葉。

 そういえば、先日「80’s洋楽ヒッツ」とかいうアルバムをiTunesで購入していました。まだ、娘には気付かれてはいないはずです。それにしても、なにが「そんなアルバムしか買わないようになると、もう終わりなんだって」だ。レッド・ツェッペリンも知らない奴に言われたくない。さあ、もう伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をロックで奏でる時間だ。頭を冷やさなくては。








◎ナイスな旅

No.249 / 2014年8月21日配信

 私の熱くて混乱した欧州の旅は続いていました。旅の途中、スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿でガイドブック「地球の歩き方」を紛失してしまい、大きなショックを受けました。この先はオレンジ色のトーマスクックの時刻表だけがたよりになる心細い旅行になりそうでした。しかも、スペイン滞在に時間を費やし過ぎて、この先が急ぎ足の旅となるのは必至の状態です。

 バルセロナを発つとすぐにフランス国境を迎え、その日(8月28日)うちにニースまで進み、一泊する予定です。急ぎ足が要求される中でも、どうしても海辺のバカンス地であるカンヌかニースにだけは寄りたかったのです。ビキニのおねえさん達と一緒に地中海の風を浴びたいと……。しかし、列車が大幅に遅れてしまい、ニース到着時にはインフォメーションも両替コーナーもすでに店じまい。

 暗がりの駅前のベンチで財布を調べると、残金60フランしかなく、おまけにお腹は空いてきます。人間ってものは不思議なもので、お腹が空いてくると不安が増幅するように出来ているのです。よし、次に進もう。私は一泊の海辺のバカンスを断念し、リュックに残っていた食べ残しのアップルパイとぬるいオレンジジュースでお腹を慰め、次の夜行の列車に飛び乗りました。

 列車内でイタリアのミラノまでの行程を確認するために、鉄道の時刻表をめくりました。すると皮肉にも、バカンスが叶わなかったニースの地名が目に飛び込んできます。私はハッとしました。ニースは「Nice」というスペルではありませんか。願いが叶わなかったのに「ナイスか」と、思わず苦笑い。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』は苦笑いの過去に、よく連れていってくれます。











2014/9月



◎スーパー・ムーン

No.250 / 2014年9月1日配信

 秋は十五夜や十三夜など、昔から月を愛でて風流を楽しむ季節でもあります。夜空に浮かぶお月さまのイメージには心がやすらぎます。水蒸気の多い夏から澄み渡った空気に変わったことで、月が本当に美しく見えてきます。暑い季節から溜息まじりに逃れてきたものにとっては、ヒンヤリしたお月様が映える夜空の情景が一番心地よいのかもしれません。

 この夏「スーパー・ムーン」という言葉を良く耳にしました。ひときわ大きく明るくなった満月のことだそうです(新月のときもスーパー・ムーンといいます)。地球を回る月の軌道は楕円なので、地球上の私たちまでの距離としては一定ではなく、実際は近づいたり離れたりしています。その一番近づいた時期の満月(新月)がスーパー・ムーンというわけです。

 国立天文台のサイトで調べてみると、今年は8月11日に最大の満月となり、一番小さかった1月16日の満月とのサイズを比べると、ずいぶん大きさが違っていました。ビックリです。なお、今年、9月8日は中秋の名月ですが、スーパームーンと言っても差し支えない満月が翌日の9月9日に現れる予定です。前夜の十五夜も立派なお月見が出来そうです。

 昔からこの時期は収穫されたさつまいもを食しながらお月見を開いたのでしょう。中秋の名月は別名「芋満月」と呼ばれて来たそうです。芋とくれば、やっぱりここは芋焼酎の出番でしょう。今年も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を片手に、風雅を楽しむことにします。この夏は雨天・曇天があまりにも多かったので、「月見て一杯」で、気分をすっきりとさせたいものです。








◎なすがまま

No.251 / 2014年9月11日配信

 野菜や果物もハウス栽培などの技術が進み、一年中収穫され、出荷される時代です。なすだってスーパーでは一年中見かけます。なすの旬は暑い時期で、本当は夏野菜(旧暦では秋野菜)だったはずです。意識の上では旬が消えつつあることも事実ですが、「秋なすは嫁に喰わすな」といったような機智にとんだ諺に、ふれることも少なくなってきたことが残念です。

 諺はともかく、うちの嫁(家人)はこの季節になるとなす料理に精を出します。昔はほとんど焼きなすや味噌汁として食べていましたが、近年はオリーブオイルをつかった料理へとシフトしてきました。ストレートにオリーブオイルで炒めただけのものから、ズッキーニやゴーヤとのコラボ炒めも美味しいものです。なす入りピザはもちろん、なすのドライカレーなど大いに食欲を満たしてくれます。

 先日も家庭菜園をやっている友人から、なすをもらったとニコニコしていました。思うところがあったので九州のなす生産量を調べてみました。すると、高知県に続いて熊本県が2位、福岡県が3位(平成22年農林水産省データ)と、わが家人のふるさとは日本有数の「なす」の栽培県なのです。家人のなす好きは案外、地域のDNAから生まれてきたものかもしれません。

 栃木県那須農業共同組合のなすは「那須の美なす」と言うんだって。と家人に教えてあげると、それを聞くだけでなんだか嬉しそうです。そして、旬だからいっぱい食べなくっちゃね、と元気いっぱい。まあ、私の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』好きと同じようなものかもしれませんので、なす料理が続いても文句は言えません。この時期の食卓は、もう家人の「なすがまま」です。








◎幸せな水

No.252 / 2014年9月21日配信

   自分でいれるドリップ・コーヒーの味や、焼酎の旨みにこだわっているうちに、自然と郊外に足を伸ばし、地下天然水を汲んでくるようになりました。もちろん、日本の水道水の水準は高いといわれます。だから、そこまでこだわる必要があるかどうかということですが、今では日常の一部に組み込まれてしまい、もうその行動を変えられません。

 最初は嗜好品をより美味しく味わう為に、より豊かな時間を過ごせるようにと始めたものでしたが、今や全ての調理に使うようになり、天然水は我が家にとっては欠かせないものの代表格になってしまいました。現在、3人と2匹の猫で、一日当たり合計約6リットルの天然水を消費しています。おかげかどうか、天然水を飲んでいる我が家の猫は病気の気配さえ見せません。

 日本におけるミネラルウォーターの一人当たりの消費量は、一年間に8.6リットル(2000年)でしたが、昨年は25.6リットルまで大幅に拡大しました。急激に飲用水に対する意識が変わってきたようです。飲用水道水の水質事情が日本と違うので、外国との消費量の比較は意味がないかもしれませんが、ちなみにアメリカでは日本の約5倍ものミネラルウォーターを消費しているそうです。

 人間の身体の組織の70%は水分で、この夏良く食べたキュウリにいたっては90%が水分だそうです。この命を守る大切な水分(水)は、私のもうひとつの大切な時間も潤してくれています。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』とそれを満たす天然の水。とっても贅沢で幸せな組合わせだとは思いませんか。ふふっ、おかげ(?)で猫と同じように、私もしばらくは病気をしていません。 











2014/10月



◎兄の玉子焼き

No.253 / 2014年10月1日配信

 秋、10月。運動に最適なシーズンです。しかし、この時期になっても近所の小学校からは、運動会の練習の声が聞こえてきません。子供の頃の記憶を辿ってみると、春は小運動会といってスケールの小さな運動会があり、秋は広がる青空の下で大々的に開催される「秋期大運動会」でした。どうして2回も?と思う人もいるのではないでしょうか。

 私の小学生時代は、今のようにビデオなどが存在するわけもなく、カメラだって貴重な時代でした。我が子や可愛い孫の活躍は自分の目で確かめるしかありません。娯楽も少ない時代だったので、運送会は秋祭りとともに地域の一大行事でした。私は家族や親戚の期待感が嫌で、特に短距離走のスタートラインに並ぶ時の緊張感は大嫌いでした。

 嫌いだと思ったら、なぜか運にも見放されるものです。スタート直後にあせって転んで脳震とう。情けなくも、すぐに救護テントに運ばれるしまつです。昼食時にはやっと父兄席に帰ることが出来、この日のためのご馳走にありつけました。「玉子焼き、お前にやるよ」と、痛手を被った弟の為に、兄は精一杯の気を遣ってくれました。母が、笑いを噛み殺していました。

 塩味だけの薄っぺらな玉子焼きでした。夏休みに転校していった友人のおうちで食べた、あの厚巻の甘い玉子焼きとは違います。素朴でシンプルだった味だけに、そのぶん美味しさは強く記憶に残っています。そんな運動会の想い出はほろ苦くも、ほっと心を暖めてくれます。玉子焼きをつつきながらやる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りがうれしい季節です。








◎香り松茸、味しめじ

No.254 / 2014年10月11日配信

 昔に比べて「旬」が見えにくくなっています。裏庭で父が作っていた苺が赤く熟す頃、私たちは甘酸っぱい雰囲気の中に、初夏を見つけたものでした。今や苺も年間商品で、クリスマスとの絡みで「苺って、冬が旬なの?」などと、現代人が間違えてしまうのも無理はありません。温室栽培が普及し、マーケットの需要が一番高い時期を狙って出荷するのが当たり前の時代だからです。

 そうであれば、松茸も人工栽培等で出荷量を増やしてくれたら嬉しいのに、と勝手に思うわけですが、そうは問屋がおろさないようです。頑固に「旬の味覚」を守る高価な国産松茸は、残念ながら今年も口にすることが出来ませんでした。本当の美味しさも判らない貧乏学生時代に「たらふく食えた」一度っきりの奇跡を経験した後は、そう何度もありません。

 昔から香り松茸、味しめじ、といわれます。では、しめじを食べようではないか、とスーパーの野菜売場に出向いても、歯切れはよいけどさっぱりとクセのない味の「人工栽培ブナしめじ」が並んでいるだけです。あの松茸の味を凌駕する「ホンシメジ」は見当たりません。特に天然モノは旬の秋においても、ほとんど流通していないそうです。

 「お父さん、エリンギ買ってきたけど、バター焼きにしましょうか?アワビのステーキみたいで美味しいから」と家人がすすめます。「なんちゃって松茸ごはんがいいかも」と旬など考えたことのない娘が口を出します。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』には、人工栽培エリンギも美味しいけどやっぱり旬のはっきりしたものが……と、こんな無理は言えないんでしょうね、今の時代はもう。








◎つるべおとし

No.255 / 2014年10月21日配信

 我が家の山ガール(?)に触発されたわけではないのですが、以前よりも出歩くことが多くなりました。山の風景も素晴らしいのですが、海好きのせいか、先日もついつい玄界灘の海辺に向かって歩んでしまいました。やっぱりこの時期は、夕焼けに顔を真っ赤に染め、沈み行く夕陽を眺めながら無心で過ごす時間も捨てがたいものです。

 しかし、晩秋の太陽は意地が悪く、茜色の西空を「すとん」とすぐに水平線に姿を隠してしまいます。沈み行く美しい瞬間が短すぎてとても残念です。「つるべ落とし」の夕暮れは、ふられたばかりのデート後と同じように、私をひとりぽつんととり残します。そして、そんな私のいる松林をさっと一陣の風が渡り、ひんやりと首筋をなでて行きます。

 「つるべ落とし」は急速に陽が落ちていく夕暮れの様子のたとえですが、語り伝えられる民話の中の妖怪のことでもあります。各地の郷土研究資料の中には様々な妖怪が登場しているようですが、急に木の上から落ちて(降りて)きて、人間を襲ってしまう悪いヤツが多いようです。私の首筋をひやっとさせたのは、案外そいつの仲間かもしれません。

 つるべ落としに冷やされた後は、いつになく温かいものが恋しくなります。こうなると、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りが心を支配するのも時間の問題です。家人も「今日は温かい鍋料理ですから」と言ってたし、「しゃぶしゃぶか海鮮鍋だな、今夜は」とワクワクしながら家路を急ぎました。その夜は家人と娘の好きな洋風ホワイトシチュー鍋だとも知らずに。











2014/11月



◎アラ鍋

No.256 / 2014年11月1日配信

玄界灘からの北風が冷たく感じる頃ともなれば、私の住む街はお相撲さんでドドッと溢れかえります。彼らとすれ違うと、鬢づけあぶらというんでしょうか、独特の甘い香りが漂ってきますが、毎年その匂いが師走の迫って来ていることを知らせてくれます。博多の街では大相撲九州場所は冬の入口なのです。

 有名だったハワイ出身の力士は、上手なカラオケで飲み屋さんで場を盛り上げていたし、昔はサウナで見かけた関取もいましたが、その背中の大きさには感動すら覚えたものです。そして、最近食事にでかけた店は元関取がやっている店で、塩ちゃんこ鍋が美味しかったし、街の中心部にある屋台の大将も相撲界出身の方でした。

 話を聞くと、毎年、アラ鍋(クエ鍋)を楽しみにしている関取もいると聞きます。私だって喉から手がでそうな程、アラ鍋を食したいのですが、高額なために涙をのんでいるのです。鯛でもない、ふぐでもない、あのアラならではの何ともいえない食感。鍋をつついているあいだの、その幸せ感はハンパじゃありません。思い出すだけで唾液線が緩んできます。

 子供の頃は大鵬だの柏戸だのと、相撲の話題も多かったものですが、近年、身の回りでは会社でも家庭内でも昔ほど人気がありません。私はアラ鍋とまではいきませんが、大相撲も結構好きです。逸ノ城や遠藤等、フレッシュな力士に期待して…。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をやりながら、休日に観るテレビの相撲はとってもいいものです。







◎滑るの大嫌い

No.257 / 2014年11月11日配信

 近年、11月は暖かいイメージがありますが、昨年は九州・福岡でも11月に初雪を観測したそうです。二十四節気の「小雪(今年は11月22日)」の頃ともなれば、めったにないことですが、九州でも場合によっては雪が見れることも。ずいぶん昔の話ですが、この時期よく思い出すのが、いまだに抜けない滑るものへの恐れと苦い出来事…。

 幼稚園に通っていたころ、冬の氷ついた道路で遊んでいて、滑って転んで痛い目に遭いました。道路の凍っている部分を目がけて走り、氷ついた部分に飛び乗ると、そこからは慣性ですーっと滑っていく遊びです。友達は思い切って滑るのになぜか、私はへっぴり腰の助走。すぐに転けていました。怖々やると、何事も上手くいかないものです。

 高校時代になると受験も含めて「滑る」もの全てが嫌いになっていました。こうなると、神様はここぞとばかりに試練を与えてくれます。私が恐れていたスケートに行く提案をする同級生が出て来るのです。私が好意を抱いている女生徒ももちろん参加。一緒に行きたいものの、滑るものは苦手だし、格好悪い姿はやっぱり見せたくありません。

 仮病を使っての不参加も考えましたが、それも男らしくはありません。ええぃ、なるようになれ。思い切った割には、へっぴり腰は修正できずに、当日いきなりズデンと大転倒。「おまえ、球技は上手なのにな」と悪友が笑いました。その後、やっぱり大学入試でも滑りました。そんなわけで、今でも伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』に入れる氷以外の氷は好きになれません。







◎いい嫁ぶり

No.258 / 2014年11月21日配信

 嫁いできた「およめさん」の「嫁」としての評価が高かったりすると、「いい嫁ぶりばい」といって、お嫁さんの実家にぶりを贈る習慣がある地域もあります。そんな地域に長く住んでいるのに、私はそんなシャレの効いたココロ溢れる習わしには、残念ながらお目にかかったことはありませんが、お年寄りに聞くとやっぱりあるらしいのです。

 核家族化は進み、今や3世代一緒に暮らす世帯は本当に少なくなりました。ということは、昔から伝わる地域の伝統、長い人生の中で培ってきた人の知恵や技術を伝えられる人が、日常の家庭の中からどんどん消えているわけです。もう、知恵の宝庫であるおじいちゃんやおばあちゃんは正月やお盆に会えるだけの人になってしまいました。

 幼い頃は父よりおじいちゃんに教えてもらったことが多く、竹で作った鉄砲や水鉄砲、竹ヒゴを骨にした和だこなど、子供の大好きな玩具をたくさん作ってくれました。いや、作り方を教えてくれました。けっこう、小刀(肥後の守)の使い方には厳しかったけれど、基本的にはユルく見守ってくれた印象が残っています。

 嫁ぶりの話を家人にすると、「あなたのおじいちゃんはもういなかったし、お父さんから私の実家にぶりを贈ってもらったこともないわね」と残念そう。「こんなにいい「嫁ぶり」なのにねぇ」という家人に、「さぁ、どうだか?」と私は疑問符付きの返事。「仮にいい嫁だったとしても、いまさら、ぶりを贈るってのもなぁ」。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が美味しい夜のことです。










2014/12月



◎小さな挑戦

No.259 / 2014年12月1日配信

 先月はテニスの錦織圭選手が、今年最後の大会「ATPツアーファイナル」で準決勝進出という快挙を成し遂げました。日本人のあの体格で、190センチの外国選手と互角に戦う姿は颯爽としていて、とても格好よいものでした。今回は完全にリードをしているゲームであっても、ひとつのミスからあっという間に逆転されてしまうという、テニスのスリリングな面白さも再確認できました。

 世界を相手にして、今期5億円以上も稼ぎ出したといわれる錦織選手も、理由もなしにブレイクしたわけではありません。夢を諦めない気持ちとこれまでのハードなトレーニングの積み重ねがあったからこそ、今回はチャンコーチによって開花することができたわけです。私たちが今回もらった興奮と感動は、そんな彼の熱い挑戦の気持ちが結晶したものでしょう。

 そういうこともあって、「挑戦」というキーワードが気になって調べていると、某有名大学の一年生アンケート結果があり、大学生活でチャレンジしたいことがあると答えたのは83%でした。100%でなくとも、かなりの若者が挑戦する姿勢を持っています。よく内向きの若者像が伝えられていますが、そんなに心配しなくても大丈夫かもしれません。

 先日、職場で「レーズンと芋焼酎はよく合うんだ」と教えると、一人の女性が試したらしく、いたく感激していました。やっと、旨さを求める革新的な私の姿勢が評価されたようです。まさにその評価は、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との、こつこつと友情を育んできた毎日があったからこそ。「旨い肴」を求める私の「小さな挑戦」はこれからも毎晩欠かさず続くのです。というより、もう止められないのです。







◎幸せのオレンジ色

No.260 / 2014年12月11日配信

 秋の終わりに家人が友人宅から頂いたからと、数えきれないくらいの量の渋柿を持ち帰りました。ネットに入ったオレンジ色の柿を見て、「甘柿だったらいいのにね」と娘はやや不満顔。しかし今回は珍しく「剥くのを手伝おうか」という前向きの姿勢。普段あまり手伝わない娘からの言葉に、聞いている私もついニコニコ顔。ふふっ、成長してきたな。

 「お父さん、干す前にカビ止めとして焼酎で洗うと良いんだって」と娘が言いました。私の毎晩の大切な相棒を差し出せと言っているようです。これは俺の大切な焼酎で、消毒用のアルコールとは違うんだよ、と慌ててバリヤーを張っても、わが家人も「いいじゃないの」という目をしてこちらを見ています。いつものように多数決で私の負けです。

 しばらくの間、我がマンションを遠くから眺めると、我が家のベランダがオレンジ色に染まっていました。乾燥した風に揺られ、西日に照らし出されたその吊るし柿は神々しいほどに輝きを放っていました。そりゃ、そうです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』でしっかりとカビを防ぐように手当てされた、贅沢な渋柿達ですから。

 最初の雨の日には、ヘアードライヤーの冷風を吹きかけたこともありました。干し柿作りのメンバーに入れられた私のそんな努力のかいもあって、無事に美味しい干し柿が誕生しました。お父さん、クックパッドのメニューレシピにあったんだけど、クリームチーズに干し柿が合うそうよと、娘がつまみを作ってくれました。レーズンに続いてこれも絶対にいけます。幸せな味です。







◎愛すべきもの

No.261 / 2014年12月21日配信

 生き残るものは強いものでもない、頭の良いものでもない、それは変化に対応出来るものだ。と、あの進化論のダーウィンは述べました。だとすれば、「ガラパゴスケータイ」を長く愛用し、スマホへの転換も大幅に遅れた私などは生き残れない種類の人間なのかもしれません。河島英五の「時代おくれ」という曲に男の美学を感じるタイプでもありますし。

 世の中のビジネス環境がOA化の波に洗われ、仕事の仕方が一気に変わった時代がありました。時代おくれをよしとする私はパソコン操作などの「新しいもの」に対して積極的にはなれません。しかし、不器用だからといって許してくれるほど、社会は甘くはなく、尻に火がつき出す頃に焦ってみてももう後の祭り。すぐに絶滅寸前の危機に迫られました。

 しかし、不思議です。あんなに馴染めなかった「デジタル」なものに、今ではまるで空気のようなさりげなさで付き合えているではありませんか。なんとか時代に取り残されずについていけたのは、私が繰り返す幼稚な質問に嫌な素振りも見せずに付き合ってくれたひとりの後輩のおかげでした。愛すべき絶滅タイプの上司を放っておけなかったからだそうです。

 そしてはからずもこの秋、「変わらないことの美しさ」教えてくれた愛すべき憧れのヒーローは静かに旅立って行きました。不思議なことに、高倉健さんが亡くなったと聞かされた二日前に、なんと偶然にも「鉄道員(ぽっぽや)」の文庫本を購入していたのです。愛すべき伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をやりながらの年の瀬の読書。読み返すたびにまた泣けてしまいます。










2015/1月



◎未(ひつじ)が来る 

No.262 / 2015年1月1日配信

あけましておめでとうございます。
昨年も私ども幸蔵酒造への温かいご愛顧、誠にありがとうございました。
伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」同様、
このエッセイも「味わい深さ」を求めて頑張ってまいります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

「未」の漢字一文字で「ひつじ」と読むのですね。私にはどうやっても、ひつじは「羊」の漢字しか頭に思い浮かびません。実に情けない話ですが、12年前も干支として登場したにもかかわらず、年賀状を書くまでは、私の記憶からは完全に飛んでしまっていました。未は十二支の8番目で、「未の刻」といえば午後2時から4時までを表すそうです。

   「未(み)」はいまだに〜ない、という意味で、実際に遂行されていない状態時に使われますが、今年は正月が訪れた時点で「未」が「来」たことになるので、「未来」が訪れたということになります。ありがたいことに、取り柄のない小市民の私にだって、可能性に満ちた「未来」は平等に訪れてくれたわけです。だから、せっかくの好機を無駄にするわけにはいきません。

 とはいえ、未来はいつだって自分に明るい状態で訪れてくれるわけではありません。考えるまでもなく、今(今日)の頑張りがない人には、明るい未来はなさそうです。杜氏は旨い味に育つようにと、発酵途中のかめに向かって話かけるという話を訊いたことがあります。とことん愛情を持って地道に育てる、誠実な焼酎造りが明るい未来づくりへのヒントになります。

 この数年、毎年同じように、意志を固めて臨んだにもかかわらず出来なかった、小さな夢の実現。毎日毎日の小さな積み重ねがどんなに大切だったかを、必ず思い知らされています。しかし、何度目であっても、今年こそは!とまたまたチャレンジです。さっそく気合いを入れて、決意表明の一杯。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との一年もここから始まります。







◎鱈 鍋

No.263 / 2015年1月11日配信

 さすがに以前程、おせち料理をたらふく食べるということはなくなりましたが、日本伝統料理は大好きなので、それでも結構箸を進めてしまいます。その後は、コマーシャルのコピーではありませんが、「おせちに飽きたら」なぜかカレーライスが食べたくなってきます。そうやっているうちに正月の休暇は終わり、すぐに普通の生活が始まってしまいます。

 私の食欲が健康を取り戻す頃が、ちょうど「寒(かん)」の時季となります。一年で一番寒い時期だから、やっぱりどうしても向かう先はアツアツの「鍋料理」です。しかし、紅葉が始まる頃から食べ始めた大好きな鍋メニューも新鮮味に欠け、さすがに何度もお目にかかると少しは違う鍋にしたいと思ってしまいます。

   基本的には、柚子胡椒を効かせたポン酢ダレに付けて食べる「しゃぶしゃぶタイプ」の鍋が好きなので、旬の鱈ちり鍋にしようと家人に提案。隣で娘が反応し、「やっぱり鱈はキムチ鍋でしょ」と好みを表明、そして「鱈の身はさっぱりした味だから、やっぱりチゲよ」と最後まで譲りません。悔しいけど、家人も娘に賛成して、多数決であえなくジ・エンド。

 鱈類の日本における漁獲量の9割を占めるのが北海道で、鱈は北の海を代表する魚です。九州の人間としては鯛のようには馴染みがない分、かえって楽しめるかもしれません。魚屋で50〜60センチサイズの1尾ものを手に入れてきたので「たらふく」食べられそうです。さあ、今夜は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』で鱈のチゲを楽しむコトにします。







◎しもやけの頃

No.264 / 2015年1月21日配信

 近所に小学校があるので、登校途中の生徒を必ず目にします。みんな元気そうに、寒い中をふざけ合っている姿も見られ、やっぱり子供らしさは昔から変わらないようです。しかしよく目を凝らすと私の幼い頃とは何かが違うような気がするのです。もちろん通学ファッションは大きく変化しましたが、それ以上に顔と手の健康状況が私たちの時代からは大きく変わっているようです。

 「はなたれ小僧」はもう死語なのでしょうか。私の幼い頃必ず、クラスの中には鼻の下によくレールを2本つくっている生徒がいました。それに、私もそうでしたが、手の指を赤く腫らしていつも痒い指を掻いていました。冬は今よりもっと寒かったし、栄養状態も豊かでない時代だったし、九州とはいえしもやけになる子供はたくさんいました。

 小学1年生の時だったと思うのですが、一時間目の授業に入る前、女の先生が「さあ、手のひらでしっかり擦りましょう」と呼びかけ、みんなで一緒に手の甲を擦っていました。私の腫れて、掻いた後に血がにじんでいる冷たい指を見て、先生が両手で包むように握ってくれたことがありました。気恥ずかしかったけれど、とても温い思い出です。

 へえ〜、恥ずかしかったなんて、そんなピュアな時代があったのですね、と職場の若い女性が笑います。そして「しもやけには、ビタミンEが良いらしいですよ。アーモンド、一日20粒もあれば大丈夫です」と私にレクチャー。その夜に伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と語りあいます。あの頃は経済的には豊かじゃなかったけれど、温かだったなあ、と今夜ももちろんお湯割りです。










2015/2月



◎春には苦味を盛れ

No.265 / 2015年2月1日配信

里山にふきのとうやたらの芽など、春の山菜が顔を出すのも間近 です。近所のスーパーではすでにあの可愛いふきのとうがパック入りで売られていました。天然のものではないでしょうが、私はそれでも大歓迎です。雪深い地域では農閑期の「ふきのとうの促成栽培」が収入の助けになっているという話も聞くので、気持ちよく買えます。

私たち動物の身体は寒い時期を乗り切れるように、秋から冬には体内に栄養や脂肪を蓄え、春先の暖かい時期になると、今度は体内に溜め込んだ老廃物等を排出させる必要が出て来るのだとか。新陳代謝や肝臓の働きを活発にするためにはその苦みが必要で、冬眠から目覚めた熊が最初に口にするのは「ふきのとう」だといわれます。

よく出来た話だなあと、自然と生き物のかかわり合いには、ついつい感心してしまいます。私は熊のように「苦い山菜」を最初に食べるわけではありませんが、それでもやっぱり、この季節には自然に手が伸びてしまいます。正月以来の食べ過ぎによる状態を正常に戻さなくてはなりません。それには山菜に含まれる抗酸化力の高いポリフェノール群がやっぱり理にかなっているし、魅力です。

刻んだふきのとうを味噌と混ぜて、アツアツのご飯に載せたら最高です。その旨さは、きっとみんなのグルメ心を目覚めさせてくれそうです。が、それにも負けないのが伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りでやる、ふきのとうの天麩羅。青年よ、春には苦味を盛れ、芋の甘味を加えろ、本物の旨みに目覚めよ、ですね。 







◎しろうお

No.266 / 2015年2月11日配信

 毎年バレンタイン・デーが訪れる頃、私の住む地域で「白魚(しろうお)」の漁が始まります。白魚漁の解禁時期を迎えると、まず、室見川の河口に近い場所で、江戸時代からの伝統漁法の「やな」という白魚とりの仕掛けが設営されます。そして河原には特設の「白魚料理店」が姿を見せ、毎年この地域における早春の風物詩となっています。

 白魚は透き通った身体を持つ、ハゼ科の魚です。早春の頃に、海から河口の淡水域に産卵のために遡ってきます。そして産卵やふ化が終わると、すぐにその短い寿命を終えてしまいます。体長5pあるかないかの小さくな魚体で、小川に住む(住んでいた?)めだかに負けないぐらいの可愛らしさです。最近は「春を告げる」高級魚として価値も上がっています。

 つるんとした食感が人気の、ポン酢で食べる生食「踊り食い」が名物で、もちろん私も大好きです。白魚のかき揚げ、白魚の茶碗蒸し、白魚の卵とじ、白魚の佃煮、白魚飯などが料理店のメニューで、早春を楽しめる料理として人気があります。しかし近くに住んでいると、案外行かないもので、残念ながら料理店経験はこれまでに一度だけです。

 もっとも近年は、ほんの短期間ですが、近状のスーパーでも酸素入りビニール袋の中で泳いでいる白魚を買うことが出来ます。ただし、我が家では白魚の踊り食いの話は厳禁です。私を除くみんなが「そんな残酷な人間とは一緒にいたくない」と白い目で私を見るからです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』でやる「かき揚げ」も旨いだろうな、と今年も想像を逞しくするのみです。







◎かもめのジョナサン

No.267 / 2015年2月21日配信

 まだ北風は強いものの、日中の日差しの中に春の足音を聞けるようになりました。もう、近所の川に群れているゆりかもめも越冬の時期を終え、旅立つ準備を始めているようです。散歩の途中に、小さくちぎった食パンを空中にパァ?っと放り上げると、急旋回しながらキャッチしていきます。そんな触れ合いがこの時期の散歩を楽しくしてくれます。

 しかし、かもめといえばやっぱり、あのリチャード・バックが書いた大ベストセラー「かもめのジョナサン」です。ずいぶん昔の話になりますが、1970年に出版された話題の本だということで、購入したことを思いだします。かもめをモチーフにしているものの、一体何を言ってるんだか?と、そのころの若くて未熟な理解力では上手く掴み取ることは出来ませんでした。

 そんなかもめのジョナサンも昨年、新たに最終章が付け加えられて、刊行されています。旧刊に続き、あの五木寛之さんが、創訳(翻訳)。これまでの「不思議な物語」からもっと「自由に想いを飛び立たせてくれる物語」に昇華しているとの情報で、さっそく手に入れました。本の帯にも「奇跡の最終章が、あなたを変える」と書いてあります。

 「忘れかけてはいないかい? 始めた頃の本来の自由な楽しさはまだ君に残っているかい?」と問われている感じです。さすがに今度は判るような気がします。ふふっ、私も成長しました。心を解き放してくれる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との多くの時間。それがこの「かもめのジョナサン」の心が判るほどの大人に私を変えてくれたのですよ、きっと。そう、信じます。さぁ、今夜も一杯。










2015/3月



◎缶つま

No.268 / 2015年3月1日配信

 「お父さん、『玄界灘呼子沖いか明太』とか、缶つまであるんだけど、買ってきてあげようか?」などと、娘が妙に優しく声をかけてきます。「なんだ、その缶つまってのは?」と聞くと、「あら、本当に缶つまも知らないの?遅れてるぅ〜」と、すこしばかり白い目で私を見ています。さっそく「今、缶詰つまみの種類が凄いのよ」とレクチャー開始。

 「友達の部屋で集まる時にも便利だし、もう女子会の必需品かもね。ほたて燻製の油漬けとか、牛すね肉のジャーキーみたいなものとか、バラエティ感がハンパじゃないんだから」「なんだ、そんなものつまみながら一杯やるってのは、男と変わらないじゃないか。早くもオヤジ化してるな」と茶化したら、気分を害したのか黙って出て行きました。

 気になったので缶詰を調べてみると、日本の缶詰は世界でも有数の生産量を誇り、また国民の消費量も多いのだそうです。現在、国民一人当たりの消費量は、年間に33缶(平成23年)ということです。ネット上には美味しそうなつまみの缶詰がずらり勢揃いしているではありませんか。さすが、日本の缶詰会社です。進化がスゴイ。

 缶詰といえばサバの味噌煮やサンマの蒲焼きしか思い浮かばなかった私です。娘が進化が止まった恐竜を見るような目で、私を見たのも頷けます。まあ、こんな美味しそうな缶詰だったら、利用しない手はありませんね。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』でやる「缶詰グルメ」も面白そう。刺身派の私も変身を始める春の訪れです。







◎ストレス

No.269 / 2015年3月11日配信

 私たちの年頃にとって、好きなものを制限なく食べてもよい「良き時代」は過ぎ去ったようです。同僚が「生活習慣病」予備軍の範疇だと判定されてしまいました。高カロリー摂取、運動不足の毎日が招いた結果です。保健士の話では、血糖値を下げるためにも、毎日の食事を合計1,500キロカロリーに減らしてはどうかとのこと。

 厚生省が旗を振って国民に理解を求めた「予病」の大切さはもちろん判っています。しかし、血液検査後のメタボ判定で「クロ」や「グレー」判定が出たからといって、これまでの慣れきった食習慣や生活様式を「じゃあ、すぐにこれから変えるもんね〜」と、簡単に変えれるような人は少ないのではないでしょうか。特に、食べものについては誰でも変えたくないはずです。

 じゃあ、小さなことから変えてみたらと、同僚に提案。カロリーの過剰摂取をした場合でも、それだけ余分に動いて消費すれば良いはずです。通勤地下鉄は一駅前で降りて歩いて出社する。車内では座席に座らない。エスカレーターは使わずに歩くこと。会社が入っているビルのエレベータは極力使わない。書類のコピーは人に頼まない……。そして、昼食はわざわざビルの外に食べにいく。

 ふふっ、疲れることは自分では嫌だけど、人にはけっこう言えるものです。私は「来年の血液検査が楽しみだね。良い結果だったら一杯おごるよ」と、肘でつつきました。同僚が「お前はいいな。数値はあまり俺と変わらないくせに、ストレスがなくて」と言うものだから、毎夜、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を欠かさないことをしっかりと話してあげました。前向きに過ごすことです。







◎花見おでん

No.270 / 2015年3月21日配信

 薄いピンクの花びらがぽつぽつ姿を見せ始めると、職場の私たちはみんなそわそわと落ち着かなくなったものです。週末になると、新入社員は花見の場所確保のために、午後の早い時間から桜が咲く公園に出張(?)させられたものです。先発隊としてブルーシートとビニールロープ、社名を書き入れた用紙を持ってよく出かけました。

 当日はみんな残業がないように仕事の調整をと、上司から指示が出されています。仕事の量が多い中、外勤も内勤もしっかりその時間に合わせて、よくあんなに真面目に参加したものだと、思えば不思議な感じがします。よくも悪くも職場単位で数多くのレクレーションを楽しんでいた時代でした。

 花見といいながら、やっぱりその中身は「酒宴」そのもの。つまみは持ち込んだ袋入りの珍味や菓子類です。それらをつまみながら、コップ酒でテンションをあげようとしても、「花冷え」のこの時期はなかなかエンジンがかかりません。勢いをつけようと、若さにまかせたコップ酒で私はあえなくダウン。気がつくと、いつの間にか誰かのコートを身体に掛けられています。

 「寒かったので、近所でおでんを買ってきて食べたのよ。温かくて美味しかったわ。あなたは寝てたから分らなかったでしょうけど」と女性社員に教えてくれました。そういえば、公園内におでんを出している店があったはず。桜が美しいこの時期、私には今でも食べ損なったおでんのことを思いだします。よ〜し、今夜はおでんに合わせて、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』もお湯割りだ!










2015/4月



◎尾頭付き

No.271 / 2015年4月1日配信

 桜のシーズンは別れと出会いの、切なくもあり、また希望も満ちてくる日々。理由はどうであれ、新年度の始まりを4月に設定した先人の感性に脱帽です。3月末にプロ野球のシーズンも開幕を迎え、また今年も新しいドラマを提供してくれそうです。サッカーやテニスも好きですが、小さい頃からキャッチボールで育ったこともあり、私にとっての野球は特別なのかもしれません。

 兄が作ったゲルマニウムラジオからの野球中継に耳を傾けていた幼い頃を思いだします。ガー・ピーと周期的に訪れる雑音の中から、アナウンサーと解説者の声を逃さないように懸命に聞いてました。公式戦初戦の朝は「尾頭付きの真鯛」を食べたという監督の話が伝えられます。私は兄に「尾頭付き」の意味を尋ねました。兄も頭を傾げています。

 サバ等の大衆魚の焼き物・煮物が食卓の主流だった頃、真鯛の尾頭付きは夢の夢です。塩サンマは骨まで炙って食べていた我が家でした。ある日、父が結婚式に招かれ、真鯛の塩焼きをそのまま私たちの兄弟のために持ち帰って来た事を憶えています。淡いピンク色の頭がついた真鯛の身は冷えて固かったけれど、イワシの味と違うさっぱりとした美味しさでした。

 真鯛も最近は養殖がほぼ8割を占め、濃い体色の脂が乗った肉質が主流です。たとえ、あの天然ものの味わいではなくても、やっぱり4月は尾頭付きが一番のお似合い。カルパッチョが一番よ、という娘の声を無視して、今夜は王道の「塩焼き」で迫ります。もちろん、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が一緒です。こんな時は白身味を引立ててくれる、良くできたヤツでもあります。







◎オリーブ・オイル

No.272 / 2015年4月11日配信

 昨年はココナッツオイルが人気を集め、先日は「中鎖脂肪酸」を多く含むので認知症の予防にも効果的だということをテレビでも紹介していました。そういえば、他の油と違って身体に蓄積されずに、サッと燃えてしまうらしいと、娘からも以前に教えてもらっていました。「ミランダ・カーも使っているらしいよ」「なんだ?その車は?」

 欧米では健康に良い食材や栄養への関心は既に高く、次々に注目を集めるヘルシー食品が出てきます。高齢化が進む日本でも、もちろん油に対する理解はかなり進んでいます。「アーモンドオイル」「えごまオイル」を知らなかった私は「かなり遅れているオトコ」らしいのですが、聞けば健康に良いというので、これは捨て置けないと、さっそくネット検索。

 青魚に含まれる不飽和脂肪酸「オメガ3系」の油は健康に良いので積極的に摂る。使用量の多いリノール酸などの「オメガ6系」は少し抑えめに。「オメガ3系」は酸化しやすいので、加熱調理には代わりに「オメガ9系」のオリーブオイルを積極的に摂ると良い…等々。さらにオリーブオイルは悪玉コレステロール値を下げる働きもあるというスグレもの。

 そういえば、若い頃旅したスペインで食べた、定食屋のサラダはレタスにオリーブオイルがかかっただけでした。オリーブオイルをそのまま、パンにつけて食べることもすすめられました。オリーブオイルの歴史はとても永いですが、洋の東西を問わず、健康に良いものは生き残るものですね。まるで、笑顔という健康の素を作ってくれる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のようなものです。ふふっ。







◎昭和レトロ

No.273 / 2015年4月21日配信

 早いもので、平成時代になってもう27年目を迎えています。当時の小渕官房長官が四角いボードを持ち、テレビカメラの前で新しい元号の発表をしたのが、まるで昨日のような気がします。ずいぶん前の話ですが、不思議と記憶は鮮明です。彼は「平成おじさん」として私たちの顔なじみになりましたが、その優しい表情も忘れる事ができません。

 ゴールデンウィークの入口の役目を果たしている4月29日は、天皇誕生日からみどりの日、そして「昭和の日」と名前を変えました。最近はその29日に「昭和の日キャンペーン」が実施されることが多くなりました。昭和がだんだん珍しくなって来たのか、ショッピングセンターやデパートで昭和にまつわる商品販売や写真展などもよく見かけます。

 昨年は駄菓子を集めたコーナーで子供連れの若いお父さんが、子供そっちのけで自分が楽しんでいました。駄菓子も懐かしかったのですが、私が子供の頃にあこがれたのは黄色いパッケージの「ボンカレー」でした。そのころは女優の松山容子さんのホーロー引きの金属看板をよく目にしたものです。近所の個人商店の壁に掛かって風に揺れていました。

 母はよく大鍋にカレーをたっぷりと作りました。育ち盛りの私たち兄弟でどんなに食べても、鍋の底は到底見えてきません。よく3日続けてカレーを食べたものです。それでも、私にはボンカレーが気になって仕方ありませんでした。母の味が一番だったはずなのに。胸がチクリとします。レトロな気分にひたりながら、今夜も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のカップを傾けます。










2015/5月



◎こいのぼり

No.274 / 2015年5月1日配信

 温泉街を流れる川に、全国から集めた三千以上の鯉のぼりが泳ぐ姿を見た事があります。一、二匹(尾?)ならこの時期の長閑な趣ですが、これだけ数がまとまればもう、景観を圧倒的に支配してしまいます。熊本県北部の杖立温泉郷のゴールデンウィークは、子供連れや昔を懐かしむ観光客で毎年にぎわっているそうです。

 自然溢れる里山と田植え前の畑が続く田園地帯。男の子がいる家庭の庭では鯉のぼりがゆっくりと風をはらみ、泳いでいました。初夏の青空が広がる頃、小学生の私は兄と郊外のクリーク(農業用水の掘)でフナを釣るために、よく出かけていました。あんなに大きいのが釣れると良いね。馬鹿っ、あれはフナじゃなくて鯉じゃないか、と兄の声。

 大手の総合玩具専門店の今年の調査によれば、男の子を持つ親へのアンケートで、鯉のぼりを買う、又は既に買ったという人は48%だったそうです。五月人形と比べてその割合は低いのだとか。一軒家よりマンションに住む人が多くなったからでしょうか。庭がないのはもちろん、ベランダやバルコニーに設置できない規則があるのも大きな要因なのでは。

 「お父さん、子供は私一人だけでよかったよね。5月の節句に出費が要らなくて」と、私の懐具合を読み切ってるような娘の声。イラッとしたので「俺の場合、可愛かった自分の少年時代に乾杯する日なんだよ、端午の節句は」と、うっちゃります。気持ちの良い初夏の夜は「あの鯉のぼりが泳いでいた田舎の想い出」に伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と一緒に浸る事にします。







◎発酵食品

No.275 / 2015年5月11日配信

 現代の健康ブームに乗って、発酵食品が注目を集めています。この春、TV番組で腸内フローラの特集をやっていましたが、腸内細菌のバランスが健康に大きく影響するそうです。人の腸内にはなんと400種以上の細菌が住みつき、繁殖しているのだとか。免疫機能を高めるためにも有用な腸内細菌を増やす必要もあるということです。

 腸内環境を良くして善玉菌を増やすためには「発酵食品」の摂取が必要です。乳酸菌、酢酸菌、酵母、納豆菌などが関与して作られた食品を摂る必要があります。私の毎朝のヨーグルトや納豆はもちろん、良く口にするキムチや酸味のある高菜漬けなどの発酵漬物が良さそうです。質素だけれど、家人の毎日の食卓への気遣いに感謝です。

 長寿の島として奄美大島がピックアップされていましたが、人口10万人当たりの100歳以上の人口数では、全国の平均値42.7人に対して、奄美大島では122.6人だそうです。長寿は「食べ物」だけで決まるわけではないでしょうが、食べ物はやっぱり大きな要因です。奄美のミキという伝統的な発酵飲料も初めて耳にする事が出来ました。

 家人が言います。「毎日、継続する事が大切なんだって、発酵食品も」。私は付け加えます。「乳酸菌も納豆菌も健康を作ってくれるのはよく解るけど、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』だって、俺にとっては大切なもんだ。俺の心の健康をしっかりと作ってくれているから」。「はい、はい」と家人は笑いながら食器を片付け始めました。







◎世界ネコ歩き

No.276 / 2015年5月21日配信

 もう始まって3年くらいになるのでしょうか、NHKテレビのBSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」という番組をやっています。我が家は2匹の雑種猫を飼っている事もあって、全員が猫ファン。最近のテレビ番組は面白くないなぁ〜とか言いながらも、自然動物番組やこの世界ネコ歩きだけはいつもニコニコして見ているのです。

 猫との生活が長くなると話す言葉も「語尾」が「にゃ」になってしまう事もあり、得意先や職場での話しかたにも注意を要します。つい、一度だけ職場の女性に対して、うかつにも猫語(にゃ)を使ってしまい、恥ずかし思いをしたことがあります。しかし、そのペットを可愛がる動物愛が好印象をもたらし、逆にもてて(?)しまいました。

 日本ペットフード協会の調べでは、飼い猫のうちの79.6%が雑種だそうです。我が家で最初に飼った猫は血統書付きのチンチラでしたが、今の雑種猫もそれにも劣らぬ大切な家族の一員になっています。血統など、関係ありません。私も雑種猫を飼っている多くのみんなと同じ気持ちです。今、自分の目の前のその猫が世界で一番の猫なのです。

 先日、狩りをするために草場で狙いをつけている、貴重なツシマヤマネコの写真が紹介されていました。その夜、我が家はツシマヤマネコの話題でもちきり。私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をトコトン愛するように、猫類を思う気持ちもハンパじゃないのかもしれません。良い酒、良い猫、良い話題。さぁ、今夜も乾杯だにゃ〜。










2015/6月



◎父のこだわり

No.277 / 2015年6月1日配信

 「あの〜、失礼なことお聞きしますが、夕食の刺身に付いてくるワサビは生ワサビでしょうか。あの根っこをちゃんとすりおろしたヤツ」と、私はその有名温泉旅館の電話受付の女性に尋ねました。「はい、大丈夫ですよ」と明るい返事が返ってきたので、私はホッとしたことを思い出します。

 家人の発案で、兄妹みんなで「父の日」に温泉旅行をプレゼントしようということになりました。ちょうど良い機会だから、一緒に兄妹家族全員も出掛けようということに。めったにない合同旅行だからだからと、少し贅沢して黒川温泉の人気旅館に予約を入れたのでした。久しぶりの大所帯での旅行にみんなワクワクしていました。

 義父は善人でしたが、かなりの酒好きでした。ふだんはあまり細かいことなど言わなかったものの、酒の席にかかわることになると別でした。温泉旅行のプランを話した次の日に「まさか、練りワサビが出て来るような旅館じゃないだろうな」と家人に電話してきたそうです。「父の日感謝」の旅行です。義父の要望には応えなくてはなりません。さっそく、旅館への確認電話となったわけです。

 「あなたと一緒ね、そういうところ」と家人が私をチクリ。「当たり前だろ、好きなものにはこだわるもんだよ、男は」「出てくる刺身のことは聞かなくて、ワサビのことにだけしつこくなるって変じゃない?」と家人には納得いかない様子でした。そういえば、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を置いているかの確認も忘れていたなぁ、と10年以上前の話し。もうすぐ父の日です。







◎ストレッチ

No.278 / 2015年6月11日配信

 小学生の頃、縄跳びの「2段跳び」(1回ジャンプする間に縄を2回通す)が学校で流行っていました。当時5年生だった私も、同級生に負けないようにと、学校から帰ったらすぐに縄を持ち出してぴょんぴょん跳んでいました。引っ掛からなく跳べた連続回数の記録が伸びる毎に、練習も熱を帯びていきました。

 ある夕暮れ、いきなり縄跳びをしたら、腰の辺りが小さくクキッと鳴りました。特に痛くもなかったのでそのまま縄跳びを続けました。その夜、父にその話をすると、父は表情を変え「本当に痛いところはないのだな?少しでもこれまでと変わったことがあったら、必ず俺か母さんに言うのだぞ。約束だぞ」と語気を強めました。「準備運動は忘れるなよ」

 父の声に腰が大切な部位なんだということを感じたものの、それっきりでした。今度は高校3年の時、また準備運動なしで跳んだ走り幅跳びで、着地時に腰がグキッと悲痛な音を立てたのです。その後、椎間板ヘルニアの手術を経て現在に至りますが、親の警告を無視した報いです。夜の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と同じように、毎朝のストレッチも欠かせなくなりました。

 日本で腰痛の人は約2,800万人もいるそうです(厚生労働省研究班の調査)。なんと40〜60代では約4割が腰痛持ちだとか。度々訪れる腰痛の改善のために始めた私の寝起きのストレッチ。晩酌以外は三日坊主の私に向かって「奇跡だわ」と家人も目を丸くしています。息を少しずつ口から吐きながら、筋肉や関節を伸ばす快感は捨てがたいものです。







◎カマで一杯

No.279 / 2015年6月21日配信

 鮪の兜焼きを居酒屋で食べました。テーブルに届けられたその姿はワイルド感たっぷり。焼き上げられた鮪のカマを含む頭部の大きさに驚かされます。それぞれが箸を伸ばし、つついて食べ始めたのですが、しっかりと焦げ目がついた香ばしさとシンプルな塩味の「原始的メニュー」は私たち「酒飲み族」を心から喜ばせてくれました。

 一方、最近では居酒屋でもけっこう洒落た横文字メニューが増えてきています。その変化の要因は考えるまでもなく、女性の社会進出に伴う料理のバラエティ化でしょう。今は多くの店で「シーザーサラダ」を目にすることが出来ます。そして、それらのメニューは見た目にも洒落ていて、「オイシソー」といったカタカナ文字がよく似合います。

 先日は日曜日の夕方に、子供連れ家族が居酒屋に入るところを見ました。私たち熟年オヤジ族にはよく理解が出来ませんが、今や家庭の団らんを求めるために、設備の進化した居酒屋に出かける家族も増えてきたのだとか。すでに「いざか族」という呼び名もあるそうで、団塊ジュニア世代の行動様式のようです。

   各世代を満足させてくれる居酒屋側の進化メニューに感謝しなくてはなりません。そして、友人間で、家族間で、コミュニケーションを大切にしたいという気持ちがまだ強く残っていることに、改めて胸を撫で下ろしたくもなります。さあ、いざか族に負けないように、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と一緒に我が家も家族団らん(?)。今夜は家人に頼んでいたぶりカマの塩焼きだ!










2015/7月



◎さるく長崎

No.280 / 2015年7月1日配信

 長崎は今日も雨だった。梅雨期間中だから当たり前なのでしょうが、市街地の舗道も濡れて光っていました。久しぶりに訪れた私を、6月の長崎は白い歯を見せて歓迎してくれているようです。由緒ある石造りの眼鏡橋の川沿いでは、この時期ならではの紫陽花祭りが行われていて、中国からの観光客と一緒にその美しさに引き込まれてしまいました。

 もう少し足を伸ばせば、あの坂本龍馬が長崎で興した商社「亀山社中(後の海援隊)」まで辿り着けそうです。駅でもらった地図で亀山社中記念館を見ると、歩けない距離ではありません。しかし、小雨の中、運動不足の私を待っていたのは、目眩がしそうな「長い階段」。息を切らせながら、民家と墓地の間をすり抜ける急勾配の細い石段を登りました。

 大汗をかきながらやっとのことで、歴史的な場所を訪れることが出来ました。おかげで、この長崎を「さるく(ぶらぶら歩く)」気持ち良さ(?)を体験でき、大満足です。私が歩いた道も「長崎さるく」という2006年に始まった「まち歩き博覧会」のさるくコースに入っています。ゆっくり歩くと、自分なりの貴重な発見があることを再確認できました。

 階段を含む約2万歩はしっかりと筋肉痛をもたらしました。「やっぱり、二日目に脚が痛くなったんでしょ、お父さん」と娘が笑います。近代日本の礎となった人々を思いながら、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をカップに注ぎます。ただ、階段のぼりですぐに息を切らした自分がなんとも情けなく、ちょっぴり悔しい気がします。







◎土用シジミ

No.281 / 2015年7月11日配信

 暑くなってくると「スタミナ」のつくものが食べたくなります。自然に身体が要求するものなのか、多くの情報によってそう思わされているのか分りませんが、とにかく元気が欲しくなる時期です。江戸時代に平賀源内が宣伝したとされる、土用の丑の日にうなぎを食べるとよいという話も、すでに記憶に刷り込まれていて、「食べたい」を後押ししてくれます。

 元気が出るという話では、うなぎの蒲焼きに続いて、今、けっこう盛り上がってきているのがシジミです。テレビや新聞でも疲労回復に良いといわれるシジミのオルニチンの宣伝が盛んなので、豊富なアミノ酸やビタミンB群、ミネラル、グリコーゲンが含まれていることからも、「土用シジミ」にはいつも以上に注目が集まるかもしれません。

 シジミは縄文時代から、すでに食べられていたという話もあります(うなぎより古い?)。そんな昔からの大切な栄養源であったシジミを見直す良い機会が「土用の丑」なのかもしれません。現在、私たちが食べるほとんどのシジミが黒い大和シジミで、産地では鳥取県の宍道湖、青森県の十三湖が有名です。

 シジミの味噌汁が二日酔の朝に良いといわれますが、私は夜、冷たくした伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を飲みながら、アツアツのシジミの味噌汁(白みそ)を戴くのが好きです(これ、最高!)。この夏の土用はうなぎの蒲焼きとシジミの味噌汁で暑気払い!今年の土用は二の丑(8月5日)まであるので、最低でも二回は楽しめそうです、フフっ。







◎ペルセウス座流星群

No.282 / 2015年7月21日配信

 以前は毎年使っていたキャンプ道具が物置の中で眠ったままです。当時、私のウィークエンドには溜ったストレスを発散するためのキャンプが必要でした。気の合う仲間や家族と一緒に過ごすユルリとした野外での時間。妙に説得力を増すたき火前での昔話。焦げたご飯がやけに美味いカレーライス…。日常から解放される時間程、楽しいものはありません。

 星のきれいな夜、よく遭遇したのが流れ星。「今、流れたのは大きかったね。三国志の諸葛亮孔明が五丈原で没したとき、赤い大きな星として光の尾を引きながら流れて落ちていったという話があるけど、星って人の生命のことを言ったんだね」と、歴史小説が好きな友人。「いつか流れる俺の星はもっとでかいはずだ」と私は偉そうに応えた記憶があります。

 三大流星群のひとつといわれる「ペルセウス座流星群」は、出現時期がほぼ夏休みと重なることもあり、多くの人が楽しめる夏の流星群です。この流星が見えやすくなるのは、放射点が高くなる午後9時〜午後10時頃からで、期間中で最大になるのは8月13日頃になるそうです。(国立天文台HPより)

 パソコンの画面と向き合うことが多くなりました。息抜きに自然の美しい画像や映像を眺めることもありますが、残念ながらバーチャルの世界。この夏こそ、満天の星空の下、たき火を囲みながら伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をアルミカップで飲みたいものです。テントやガスストーブはまだ、使えるかな?重い腰を上げる時がやって来たようです。










2015/8月



◎台風の夜

No.283 / 2015年8月1日配信

今年は台風の当たり年かもしれません。沖縄、奄美、九州のルートは、一昔前までは「台風の銀座通り」などと言われていましたが、最近はそういった表現を目にすることは少なくなりました。 そういえば、1,000年前(?)位の文学「枕草子」に登場していた「野分」といった自然観たっぷりの表現は素敵でしたね。

 地球温暖化に伴い、台風の凶暴化が指摘されますが、振り返ってみれば、幼いころもけっこう大きな台風に見舞われていたような気がします。窓ガラスが割れないようにバツ印に木枠の補強をしたり、大人はすることがイッパイあって大変そうなのに、私と兄は学校が午後から休校になり、なぜか冒険旅行に出かけるような気分。

 風雨が強まった夜は、当たり前のように停電タイム。豆球の懐中電灯で照らしながら、仏壇の横の引き出しから大きめのロウソクを取り出します。しっかりと戸締まりをしているはずなのに、なぜかロウソクの炎が大きくゆらめくところが面白いところです。赤く照らし出された家族全員の顔が、1本のロウソクを囲んでいました。

 当時の住宅事情は「風通し?」のよい家庭環境を築き、顔を寄せ合える家族を作り出しました。しかし、今の我が家にはもうあの白いロウソクはありません。「顔を突き合わせて台風をしのいだ家族」は、もう「野分」のように貴重な昔話となりました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を口にする夜、ついそんなことも思い浮かべてしまいます。







◎鷹の爪

No.284 / 2015年8月11日配信

 ピリッと辛い食べ物が好きです。カレーは辛口、中華料理は四川風、キムチだって辛くなくてはいけません。刺身はワサビをたっぷり効かせて、焼き餃子はラー油をしっかり絡ませます。夏はあまり食べませんが、鍋料理は「ゆずごしょう」をトコトン効かせます。パスタ料理では必ず最初に「唐辛子とにんにく成分」をオリーブオイルに移します。

 お父さんは辛いものが大好きだけど、それって度を超すと食品の本当の味が分らなくなるでしょ。と、娘から癪に障る正しい指摘。流行のことについての「ついていけない性格」をつつかれるのはかまいません。しかし、人生経験の少ない娘から「大人の好み」についてのことで、いろいろ意見をもらうわけにはいかんのです。

 「じゃあ、聞くけど、お前がペペロンチーノに使っている鷹の爪は何科の植物か、知ってるか?」とムキになって筋違いの質問を浴びせます。もつ鍋に使う「柚子ごしょう」は唐辛子なのに何故青いのか、知ってるか?」と、さらに追い打ちまでかけます。「それと香辛料を使いすぎるのとは話が全然違うよね」と、娘が口を尖らせます。

 レッドペパーと呼ばれる唐辛子は世界中にあるが、鷹の爪は日本が誇る品種だ。料理以外でも、焼酎に1個丸ごと浮かべて飲んでもビリット感があってウマイ。金魚って言うんだ、どうだ!娘は挑戦的で大人げない私の言葉にあきれっぱなし。そう言ったものの、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』は金魚にするよりそのまま飲むのが一番ですが。少しばかりピリピリし過ぎたかな。







◎大学芋

No.285 / 2015年8月21日配信

 さつまいもはアルマイトの大きな鍋で蒸すかゆでるか、枯れ落ち葉の中で焼いて食べるかが、私にとっての基本的な食べ方で、それが一番おいしい食べ方だと信じていました。あるとき、友人の家庭で黄金色に輝く「大学イモ」を食べるまでは、そうでした。その友人は我が家と違って、子供の目にも一目で経済力が分かる立派な家に住んでいました。

 学校帰り、「うちに寄っていかない?」との誘いに乗って、友人の家に立ち寄った時のことです。若くてきれいなお母さんが手にしてきたのは、それまで自宅では口にしたことがなかったおやつでした。給食で登場するものとは雰囲気が全く違います。表面の飴色がテカテカと甘そうに光って、ゴマが振りかかっているではありませんか。

 その友人の家では「砂糖たっぷりの厚巻玉子焼き」や「ミルクセーキ」をごちそうになったこともありました。その都度、母には話していたのですが、この時も自宅に帰ると「大学イモ」をごちそうになった経験を得意気に告げました。「あら、良かったわね」と、いつも母は笑顔で応えてくれます。夕食の煮付け用の菜っ葉を切る手を止めながら。

 本当はあのとき、母は我が家でも、もっと息子達が喜ぶようなものを作ってあげたかったに違いありません。それが出来ない理由を子供なりに考え、理解し、我慢したつもりです。しかし、もっと我慢をしていたのは私よりも母のほうだったはず…。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の原料になるさつまいもの収穫も始まるころ、そんな記憶も甦ります。










2015/9月



◎男の5連休

No.286 / 2015年9月1日配信

 GWに続いて、今年2度目の5連休。九月には楽しみなシルバーウィーク(大型連休)があります。ハッピーマンデー法で敬老の日が九月の第3月曜日になってから、秋の5連休が登場するようになりました。初めてが2009年で、今回は2回目に当たります。なお、次はず〜っと先の2026年になるというので、この希少なチャンスは絶対楽しまなくてはなりません。

 と、肩に力が入リすぎている今日この頃。さて、みんなは今年のシルバーウィークには何をしようと思ってるのかなと、ある銀行のアンケート調査(対象が40〜79才)を見てみました。全体では「温泉旅行(3割弱)」がダントツで1位です。次がグルメツアーで、旬の味覚狩り、古都・神社巡り、山のレジャー、大人の社会見学が続きます。

 特に男性は年齢層が上がるほど、パートナー(妻)との温泉旅行を楽しみたいと考える人が多くなりますが、女性は友人とのグルメ巡り旅を楽しみにしている人もけっこう多いそうです。男性は一途に妻の同行を望みますが、女性は幅広い交友関係のなかで、友人とも「普段は行けないような遠方のレストラン」に行きたいのだとか。

 「男性はほとんどが会社人間だったでしょ。退職後はひとりぼっちよね。今さら、妻、妻と言っても、もう手遅れかも。お父さんも、家庭を顧みず飲んでばっかりだったでしょ。危ないんじゃない?」とアンケート結果に娘が反応。「だから努力、努力。今はほとんど家でしょうが」と私は反省の色を見せ、良い子ぶります。本当の理由は、家には必ず伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』があるからです。フフッ。







◎戻りガツオ

No.287 / 2015年9月11日配信

 初夏に「初鰹」として喜ばれるカツオは脂が乗っていないので、さっぱりとした味わいです。お江戸ではその昔、妻や子供を質に出してでも食えと言われたくらい人気があったといわれます。しかし、私は旬の脂が乗った魚が好きなので、やっぱりカツオも脂が乗った「戻りガツオ」のほうがダンゼン美味いと思います。

 物心つくまでは、水産市場からはるか彼方の内陸地方に住んでいたため、あまり「生のカツオ」にお目にかかることはありませんでした。冷蔵・冷凍技術が進歩した今と違い、とくに赤身の魚は痛みが速いのか、当時は魚といえば「塩鮭(マス?)か塩サバ、いわしの干し物」が主流でした。ザリガニを茹でて食べていた頃の話です。

 社会人一年目に、最初に職場の先輩に連れていってもらったのが郷土料理の店で、そこの一番の売り物はカツオのタタキでした。注文してもらうと、三角形の堂々としたおおぶりの刺身が現れましたが、皮が焦げていることでさらに食欲をそそります。ほんの少し前まで、即席ラーメンとキャベツで過ごしていた元貧乏学生は、軽いめまいを憶えました。

 にんにくとしょうが、ポン酢で「爆食い」。あまりの食べっぷりに、店の大将も「九月に来たら、もっと美味いカツオが食べられるよ」とニコニコ顔。その九月のカツオが戻りガツオだったわけです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と戻りガツオ。近海の一本釣カツオ漁で、水揚日本一を誇る宮崎ならではの、この秋ベストな取り合わせです。







◎茜色(あかねいろ)

No.288 / 2015年9月21日配信

 竹笹や棒切れで道ばたの草を倒しながら家路を急ぐ光景。初秋の夕暮れ時、オレンジ色の大きな夕陽の前で、私たち子供の姿もシルエットになり風景の一部になります。どうしてあんなに夕陽って大きいんだろう?どうして秋の夕陽は落ちるのが速いのだろう?そんな帰り道、いつだってカラスが鳴いていたような怪しげな記憶も甦ります。

 帰路、郊外の小川を渡って、稲穂の揺れるあぜ道を抜けると、やがて民家が現れます。それから私たちは「じゃあ、またね」と声を残しながら、一人ひとり別れて我が家に帰っていきました。「日が暮れる前には帰って来るのよ」と、母にいつも釘を刺されていても、自宅に帰り着くのはたいてい夕闇が広がってからでした。

 焼いたサンマの香りが路地裏に漂っています。家の近くまで来ると、近所のおじいさんがお帰りと声をかけてくれます。私はいつだって「ただいま」と返答して良いものか迷いながら、「こんばんは」と出来るかぎり大きな声で挨拶をしました。陽が落ちたばかりの西空では、わずかに残る最後の茜色の雲が闇に溶けようとしています。

 「今日は夕焼けだったから、明日も晴れだよね」と、母に「そうよ」の声をもらうために質問をします。「来週はいよいよ運動会。今年は完走しないとね」と母は言いました。前の年、短距離走で転けて脳震とうを起こして完走できなかったからです。今、マンションから見える西空は茜色。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が美味しい日曜日の夕刻です。










2015/10月



◎朱に交われば

No.289 / 2015年10月1日配信

 博多には、博多ならではの美味しいものがたくさんあります。辛子明太子もその中のひとつで、お土産や贈答品として、今や全国区の人気を誇るようになりました。私も辛子明太子に出会う前までは「たらこ」という赤くて塩っぱい魚卵しか知りませんでした。30数年前、その辛子明太子に初めて箸をつけたのは博多の屋台でした。

 「俺はべつに、ふくやから金貰っとるわけじゃなかばってん、ふくやの社長の心意気が好きやったけん、この明太子を仕入れとるんよ」と屋台の大将は新社会人の私たちに話しかけます。なんでも、最初に博多式の辛子明太子を考案したのがふくや創業者の「川原俊夫」さんで、彼はあろう事か回りのみんなにも辛子明太子の製法をただで教えたそうです。

 川原社長の太っ腹のおかげで、博多に「辛子明太子産業」が大きく育ち、ひとつの食文化として根付きました。私も何度か中元、歳暮の時期にお世話になりましたが、必ず送った相手からは満足感一杯の返答をいただきました。もちろん、辛子明太子はふくやだけではなく、他にもおいしい辛子明太子メーカーはたくさんあり、最近の博多のデパ地下はオシャレな明太子商品で華やかです。

 小さい頃に父から「朱に交われば赤くなる」というから、変なヤツと付き合ったらイカンぞ、と釘を刺されたことがありました。川原社長から辛子明太子の製法を聞き、みんなで切磋琢磨して赤い明太子を育てていった博多の地は、まさに良い意味の「朱に交われば、赤くなる」です。よし、明日は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』で辛子明太子だ!







◎伊勢エビ

No.290 / 2015年10月11日配信

 秋にかけて多くなるのが伊勢エビ漁解禁のうれしいニュース。漁が始まるのは全国一斉ではなく、宮崎県では9月1日が解禁日で、伊勢志摩の三重県は10月1日だそうです。その三重県の浜島では、水揚げされた伊勢えびを10月1日に伊勢神宮に奉納する習わしがあるそうで、それがその年の漁をはじまりだとか。  しかし、市場に伊勢エビが出回るようになっても、ハードルが高く、我が家の食卓にはけっして登場しません。結婚式の披露宴でステーキとともに登場するグラタンのような料理「伊勢海老のテルミドール」で、また旅先や宴会で刺身として何回も出逢っていたはずなのに、もう、あのえび独特の甘さやぷりぷりとしたその食感も忘れてしまいそうです。

 私の心を見透かすように、世間では今年もおせち料理の早期案内が始まりました。広告では長寿への願いを込めたおせち食材「豪華な伊勢エビ」が重箱のまん中に鎮座ましています。そう、これだ!今年こそおせち料理は百貨店の有名日本料理店のおせち重にしようかなと、気持ちがぐっと傾きかけます。きっとえび好きな娘も喜んでくれるだろう、ふふっ。

 「お父さん、今度の正月は二人っきりになりそうですよ」と、家人が娘の正月旅行の計画を教えてくれました。「何でまた、よりによって正月なんかに旅行するんだ」と、私は子供のようにむくれます。おかげで倹約家の家人に向かって「豪華な伊勢エビ」のおせち重購入の話を切り出せません。しかたがない、今夜も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』に慰めてもらうしかありません。 







◎逆上がり

No.291 / 2015年10月21日配信

 晩秋に向かう鉄棒はヒンヤリしていました。放課後の校庭、端のほうに設置された低鉄棒。小学低学年とはいえ、同じクラスの女子生徒ができる逆上がりをできない自分が恥ずかしく、体育の時間は重い心の負担になっていました。そんな私のために、見るに見かねた神様が放課後の鉄棒練習に付き合ってくれる友達を使わしてくれたのでしょう。

 「練習しよう」と逆上がりが出来ない私を友達は誘ってくれたのでした。初めて自転車に乗れた時期は、友達達と変わらないし、運動神経が特に悪いとは思いたくありませんでした。しかし、出来ないのが現実。この先も尻込みを続けていては、上手く出来るようになるわけはありません。私は友達の救いの手をやっとの思いで受け入れたのでした。

 逆手でも良いけど、回る時は腕を伸ばしたままじゃダメ。蹴り出す足は頭に向かうように蹴らなくてはならないんだ。というような内容のことを教えてくれて、実際に逆上がりを見せてくれたりするものの、物覚えが悪い私は相変わらず要領が飲み込めません。蹴り出した足は回ることなく、そのまま地面にドタッと戻って来るだけ。

 何回挑戦してみてもうまくイメージをつかめない私に、友達も困り果て、低鉄棒の影は地面に長く伸びています。また、明日があるよ、と友達が僕の肩に手を置きました。大人になった今でも、心の負担は多く、ついつい勇気を与えてくれる温かい手を探してしまいます。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』は「明日があるよ」といつだって言ってくれる親友です。










2015/11月



◎ゼン・パスタ

No.292 / 2015年11月1日配信

 なんと驚いたことに、イタリアで日本の食材「Zen Pasta(ゼン・パスタ)」が大変な(?)人気を博しているという話です。ゼン・パスタはもうスーパーの売場の常識で、先日、とあるテレビ番組でその「Zen Pasta」をイタリアで商品開発・販売して、大成功をおさめようとしているイタリア人男性と日本人妻の夫婦が紹介されました。

 小麦で作るイタリアのパスタも、日本のご飯やパンと同じように、痩せたい女性にとっては糖質という共通の悩ましい存在になっているそうです。そこに救世主として現れたのが、日本名では「乾燥しらたき」という低カロリーのゼン・パスタ。弾力のある噛みごたえで、パスタ料理のどんな味付けにもフィット出来るところが素晴らしいのだとか。

 実際にダイエットの効果も期待出来るカロリー値で、水で戻したしらたきのカロリーは100gで約6Kcal。茹でたパスタ100gは約142Kcalだということなので、そのカロリー差は歴然としています。ゼン・パスタの名前の由来は「禅」で、いかにも西洋における日本の神秘的なイメージにぴったり。とても効きそうなネーミングです。

 「低カロリーとか糖質ダイエットとか、そんなものばかり気にしていたら幸せにはなれないな」と言ったら、娘が「お父さんだって、焼酎は糖質を含まないからいいんだって、言ってたじゃない」と応じます。娘よ、それもないとはいえないが、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の良さは「味」にあるんだよ、「味」に。お前にゃまだ分らんだろうがね。







◎勤労感謝のココロ

No.293 / 2015年11月11日配信

 勤労感謝の日は、祝日法によれば、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としている、ということだそうです。日常的にそういったことに意識を傾けて過ごしているわけではない私ですが、働くことに、いや働けることに感謝し、もっといえば、それを支えてくれる人や物にも感謝の心を!ですね。

 得意先を訪れる場合は革製のビジネスバッグを持って出かけますが、それ以外は紺色の18L容量のデイパックを肩からさげて出勤しています。ディバックの形は下に向かって広がるティアドロップ型のカリフォルニア・デイパックです。ジャケットの肩にかけて通勤すると、カジュアルな風をまとって歩いているようで、とても心地よいものでした。

 ところが今年の春に、耐用年数が切れたのか、ショルダーストラップの本革の部分がちぎれてしまいました。さすが山登り用品のブランドだったし、重い書類やノートブックパソコンを運んだりと、けっこう荒く使っても20年近くは頑張ってくれました。長い間、私と人生(?)を共にしてきたディ・パックです。壊れたからと簡単に捨てることが出来ません。

 「お父さん、新しいバッグ買ったら?」と家人も娘も私に声をかけます。いい年をした大人が、ショルダーストラップの切れた部分を結んで使っているからです。誰が見てもはっきりと分る結び目です。格好の良いものではありませんが、私はそれでいいのです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』と同じように、すでにバッグと私は一心同体。「格好がどうの」ではないのです。







◎大根役者

No.294 / 2015年11月21日配信

 何年前の大河ドラマだったか、織田信長に仕える前(?)の貧しい木下藤吉郎が生の大根を齧るシーンが記憶に残っています。大根はそれよりずっと古い弥生時代に海外から伝わったとされる説もあり、日本の食文化の一端を長い間担ってきた大切な作物です。ビタミンCやジアスターゼという酵素を含んでいたことも、食べ続けられた大きな要素でしょう。

 旬は寒くなり始めてからというように、秋冬に出回る大根は甘みが増して美味しいものです。サンマやサバの塩焼きの皿に添えられている「薬味としての大根」から、「主役としての大根」へと格が上がる季節が訪れました。今年もまた、おでんの種として、またブリ大根のような煮付け料理として食卓を賑わしてくれるでしょう。

 新入社員時代、この季節によく通った食事処がありました。夜の居酒屋が本業ですが、昼食タイムだけ「おでん定食」など定食を出すために店を開けていました。選べる大きなおでん3個、小鉢、味噌汁、ご飯、漬物で五百円でお釣りがきました。その日も「まず大きい大根ね」と、カウンター越しのスタッフに注文の声をかけました。

 「しかし、お前の今朝の遅刻の言い訳はへたくそやったな」と同期入社の友人は玉子を頬張りながら私に言いました。「あれは大根役者以下や。課長も苦笑いしとったやないか」と笑われた30年前の私。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』で食べるおでんは、今でもやっぱりアツアツ大根から。「大根役者」は卒業出来たと思いますが、大根好きは変わりません。










2015/12月



◎頑固もの

No.295 / 2015年12月1日配信

 19歳のとき、自然や動物が好きだった星野道夫はアラスカのイヌイットの村に手紙を書き、受け入れられ、短い夏をイヌイットの家族とともに過ごします。その後、残りの大学時代、心はアラスカに奪われっぱなしの状態で、卒業後2年間の写真家修行の後、1978年にアラスカ大学の野生動物学部の入学試験を受けます。

 英語の試験点数が30点足りずに不合格だったそうですが、アラスカに出向き、学部の教授に直談判します。その教授は星野の熱意を受け入れたのですが、不合格だった大学に「熱意」で行けるようになるとは、なんと良き時代だったのでしょう。それから本当の彼のアラスカ暮らしが始まります。そしてそこから、私たちは美しいカリブーやクマ、アラスカの自然をリアルに知ることとなります。

 野生のクマの撮影にも一人で出かけるなど、野生の動物の行動や生態に詳しい彼も、カムチャッカ半島でヒグマに襲われ、最期は43歳で命を落とすことになります。野生のヒグマは、特に鮭の産卵期には人を襲うことはないといわれますが、この時のヒグマは人によって餌付けされていた、人との距離感を失っていたヒグマだったそうです。

 自然(特にアラスカ)が大好きだった彼には、仕事で落ち込んでいた時に、その生き方で、その美しアラスカの写真で、気持ちを支えられたものです。私は、彼のような男が大好きです。(たぶん)長い間、銃も携帯しないで撮影を続けた頑固もの。今夜は久しぶりに伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のカップを傾けながら、アラスカの夢のような写真のページをめくります。







◎デコレーション・ケーキ

No.296 / 2015年12月11日配信

 普段はパン屋なのにクリスマスが近づくと、クリスマスケーキを売り出すパン製造直売店がうちの近所にありました。そのパン屋は、店の屋号だったのか、店においている商品のパンメーカーの名前だったのかハッキリしませんが、とにかく「木村」という名が朧げながら思い浮かびます。小学校からの帰り道、いつも店頭のショーケースを覗いて帰っていました。

 そのパン屋の美味しそうなパンやホットドッグは、毎昼の給食で出てくる「硬めのパサついた食パン」と違って、とても魅力的に見えました。店の奥から漂ってくる、パンを焼き上げる匂いも私を虜にしました。店の前を通る時は歩みのスピードがぐっと落ちたものです。さらに、クリスマス前になると、必ず立ち止まっていました。あこがれのケーキが並ぶからです。

 同じ小学校に通う友人は、家でママが自家製のデコレーションケーキを焼いてくれるそうです。2学期の終業式が終わると、ケーキを焼く友人宅のことを思い、家路についたものでした。うちはキリスト教じゃないからな。と、ケーキで祝うことには消極的な父親の声は消えないままです。しかしその年、奇跡が。なぜか食卓に小さいながらもデコレーションケーキが。

 私と兄は小さな手を叩きながら狂喜しました。母も嬉しそうにその様子を眺めていましたが、「あなたね。毎日、長いこと店の前でケーキを眺めたりしたらダメよ。パン屋のおじさんがこれをって、持って来てくれたじゃないの」と、苦笑い。しかしまあ、大人になってもクセは抜けないものです。今は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を毎日見ていますが、ちっとも見飽きません。







◎ゆく年くる年

No.297 / 2015年12月21日配信

 白組が勝った昨年のNHK紅白歌合戦。平均視聴率(関東/ビデオリサーチ調べ)は第1部が35.1%、第2部が42.2%と前年よりも低くなったそうです。しかし、昔に比べて人気がなくなったと言われるものの、私は今でも、大晦日は紅白派です。出場者全員で歌う「蛍の光」を眺めながら、カップに残った伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の最後の一口を飲み干すのです。

 少しホロヨイ気分でそのままテレビを見続けるのが私の大晦日の習わしで、紅白歌合戦からさっと「ゆく年くる年」に番組が切り替わる瞬間が好きです。すぐに、お寺の鐘の音が流れてくると「家族内井戸端会議」も終わりとなります。信心深くない私たちも、さすがにこの時ばかりは厳かな面持ちに。

 108の除夜の鐘は欲望、怒り、執着など、人間の持つ煩悩から解放してくれるといいますが、テレビの前で頬杖をつくような、たるんだ人間の煩悩も解き放ってくれるのでしょうか。私は正月にお詣りして願ったこと、決意したことに対しての結果を、年末に自己採点するようにしています。毎年、間違いなく、反省の言葉だけが脳内を駆け巡りますが。

 今年はこれまで、おおよそ決意したことの30%も出来てはいなかったと思います。紅白歌合戦の視聴率も東京オリンピックが開かれた1964年には72%を記録していますが、近年は40%前後と振いません。そうはいっても、私の自己採点表の30%よりはかなり上です。う〜ん、来年こそは、紅白歌合戦の視聴率には勝てるようにしよう、いや、するぞ!と、さあ、決意表明のもう一杯!










2016/1月

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◎サルものは追わず

No.298 / 2016年1月1日配信

あけましておめでとうございます。 昨年も私ども幸蔵酒造への温かいご愛顧、誠にありがとうございました。 伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」同様、 このエッセイも「味わい深さ」を求めて頑張ってまいります。 申年の本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。



 機敏な動きで木々の中を渡る猿は、ひょっとしたら十二支の中で一番頭の回転が速く、一気に行動を起こせる勘の良さを持っているのではないでしょうか。人間社会と違った厳しい自然環境の中で安全に生きていくためには、種の存続にもかかわる判断が重要になってくるし、それも敏速なものでないと駄目かもしれません。

 先輩の中に、目標としたい人が職場にいました。とにかく仕事が速く、私がやっとひとつの課題を仕上げたと思ったら、その先輩はもう2つ目を仕上げる段階にまで進んでいるのです。昔から日本のホワイトカラーの仕事効率の悪さが言われていましたが、先輩のチームだけを考えれば、そんな日本の効率のことは笑い話になっていたでしょう。

 その人は「申年(さるどし)」生まれでした。社内・社外を問わず人気がありましたが、その理由は仕事のスピードだけではなく、相手の気持ちを瞬時に理解して対応できる能力も大きかったと思います。先天的にその場の空気を読み取り、みんなをリラックスさせるギャグ力もそうでした。一発でその場が明るく変化したものです。

 そして、他人ほど自分の成功体験や利益に固執せず、性格は妙にさっぱりとしていました。案外、そこが一番すごかったのかもしれません。サルものは追わずです。申年の先輩を思いながら、今年も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で始めますが、しかし「幸蔵」だけは今年もしつこく追い続けるつもりです。







◎ヒラメ社員

No.299 / 2016年1月11日配信

 霜や雪によって美味しくなる野菜もありますが、この時期、ほとんどの魚は水温の低さから身を守るため身体に脂肪を蓄えます。寒い季節の脂がのった魚はとても美味しく、刺身にしても鍋で食べても最高です。さらにこの時期はヒラメも春の産卵期に備えて、身体に栄養を蓄えようとすることで、さらに美味しさを増していきます。

 ヒラメは学名「カレイ目カレイ亜目ヒラメ科」に属する魚ということで、カレイと同じ仲間です。とはいえ、我が家の食卓に上がる頻度はカレイ10に対してヒラメ1くらいでしょうか。庶民度では圧倒的にカレイの勝利となります。いくら私がヒラメ好きとはいえ、毎日ヒラメの刺身が食卓に登場するという話は、我が家にはありえません。

 普通、魚は(魚に限らず?)顔の両側にそれぞれ目がついていますが、ヒラメは身体の左側(茶色い色をしたオモテ側)に両目ともついています。不思議なことにカレイの両目は逆で、身体の右側についています。ヒラメを表にすると両目とも上向きになることがわかります。魚屋さんで眺めてみると面白いものです。

 以前、後輩が「今日は焼鳥は止めて、ヒラメとかの刺身なんかで一杯」と、私の昇格手当を当てに誘ったことがありました。ヒラメか、さすが君は目の付け所が違うわ。しかし、そんな上目遣いばかりしていると、ヒラメ社員とか嫌なあだ名がつくぞ。意味が分からない後輩は目をぱちくり。さあ、今夜は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」でヒラメの刺身です。







◎掘りごたつ

No.300 / 2016年1月21日配信

 靴下を脱いで、右足のくるぶしの下を目を凝らして見てみると、うっすらと皮膚が引きつった痕が分かります。この時期、今ではほとんど抜け落ちてしまっている「ある失敗」の記憶がよみがえってきます。私が幼稚園に通っていた当時の話で、たいていの家庭の暖房環境は「電気こたつ」プラス「石油ストーブ」の時代でした。

 我が家のこたつは昔のままの掘りごたつで、畳部屋の中央部の四角い部分が掘り下げられていて、その壁はセメントで固められています。スペースの真ん中にはさらに火鉢が入るように穴が掘られていました。すきま風が冷たい季節のあいだ、毎朝、毎朝、母が朝食づくりと一緒に、土間で掘りごたつ用の練炭に火をつけていました。

 ある雪が降った寒い朝、早起きをした私は運動靴を半分履いたま七輪で足を炙っていました。七輪の中には練炭に火を移すための「豆炭」が赤く燃えていました。「危ないことしてはだめよ」という母の注意をないがしろにして、靴を燃え盛る豆炭に近づけすぎたため、煙のような湯気が上がりました。驚いて、あげていた足を降ろすとき七輪を踏み倒したのです。

 その結果、豆炭が靴の中に飛び込んでの大やけど。昔の暮らしは危険だらけだったものの、それらは大切な生きた教訓となり、未熟な人生を鍛えてくれました。「用心に怪我なしよ」と言った母の言葉が頭をよぎります。寒い夜の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の一杯も、昔のあの掘りごたつでなら、もっと旨いだろうなぁ、きっと。










2016/2月



◎友が去った日

No.301 / 2016年2月1日配信

 二十四節気の「大寒」前に、九州ではやっと冬らしい寒さが戻ってきました。北半球で大規模に起こっている「大暖冬」もやっと一息というところかもしれません。冬空の雲の隙間から溢れてくる、弱い日差しの中を、亡くなったばかりのデビッド・ボウイの歌声がFM放送で流れてきます。その懐かしいナンバーを久しぶりに耳にできました。

 ちょうどデビッド・ボウイが「レッツ・ダンス」のヒットや、出演した映画「戦場のメリークリスマス」が公開された頃、友人と私は会社にとっての重要な仕事を任され始めました。世の中が上昇気流の中にあり、多少の失敗にも目をつぶってくれるおおらかさの中、私たちは飛び続けたのを思い出します。いや、踊り続けたのを思い出します。

 それから20年後、友人から「君にはどうしても言っておかなければならないことがあるから」と言って、いつもと違う雰囲気での一杯に誘われました。バブル経済崩壊後、業績不振の中、早期退職依頼に応じ、職場を離れる決意をしたのだそうです。「バブルがはじける前は、よく一緒に踊りに行ったよな」と友人はしみじみと語りかけました。

 幸せなことに、私たちはみんな記憶につながる良い音楽を持っています。そして私はさらに嬉しいことに「幸せになる酒」も持っています。寒い夜、お湯割で伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をやりながら、グラムロックのスターと去っていった友人にそっと思いを馳せてみるのも悪くはないかもしれません。







◎春一番

No.302 / 2016年2月11日配信

 これまで北風だったのが、南寄りの突風となって観測されるのが「春一番」です。ただ「春一番」はいつ吹いても良いのではなく、立春から春分の間に吹くものでないと、認定されないそうです。3年前には2月2日に暖かい風が吹き込んだにもかかわらず、立春の前に吹いたということで、残念ながら「春一番」と認めらなかったそうです。

 まあこの季節は、気温が上がって「さあ、春が来たぞ!」と喜んで見ても、すぐに西高東低の冬型気圧配置に早変わりすることが多いので、油断はできません。ただ、今年も春一番よりも確実にやって来そうなのが中国からの観光客です。今年の春節(旧正月)は2月8日で、中国では7日から13日までの期間が休みだそうです。

 この期間、九州でも春節休みを利用して、観光旅行でたくさんの人が訪れるはずです。特に博多港では大型クルーズ船が昨年は260隻も入港して、街中も大いに賑わいました。さらに、今年はなんと入港予定が400隻も。「飛梅(とびうめ)」で有名な太宰府天満宮がもう見頃でしょうから、中国で好まれるという梅の観賞で混み合うはずです。

 「中国の人に道を訊ねられたけど、教えてあげたらすごく感謝されたわ。近くだったので、連れて行ってあげたのよ」と我が娘が自慢げに話します。面倒だからと、そんな場面に遭遇しないように注意を払っている自分が情けなくもあります。う?ん、これは娘の勝ち。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が「負けんなよ」と声をかけてくれました。さあ、今夜も幸蔵タイムです。  







◎セロリ

No.303 / 2016年2月21日配信

 とても好きなので、この冬も様々な鍋料理を楽しんでいます。今夜は「お鍋よ」という家人の声が、天使の声に聞こえるシアワセものです。鍋好きな理由は具材の美味しさはもちろん、食事中ずっと伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲んでいられるからです。最近は定番の鍋メニューに加え、豆乳鍋、トマト風味の洋風すき焼きなどと多彩です。

 それでも、秋から食べ続けた鍋料理も、そろそろ今年も卒業かなという気がしてきます。ちょうど、サイモン&ガーファンクルの歌声がFM放送で流されているではありませんか。懐かしすぎるその美しい曲は「スカボロ・フェアー」。歌詞の中で何度も、パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイムという、ハーブの名前が出てきます。

 英語に強くなかった私でさえも、それらのハーブの名前だけはすぐに覚えることができました。ただ、彼らの「アメリカ」という曲の冒頭の歌詞「Let us be lovers…」を野菜のレタスと思い続けていたのには、今でも笑ってしまします。結婚後、家人に間違いを指摘され、洋楽好きな男のメンツが立たないと、悔しかった記憶が残っています。

 近づく春の足音に自然に耳が傾く季節には、サイモン&ガーファンクルの声がよく似合います。「パセリ、セージ、ローズマリー、そしてタイム」そして「レタス(?)」も含めた料理が無性に食べたくなります。よし、今夜はセロリだ、と先日直売所で見たフレッシュな旬野菜が頭に浮かびます。ソーセージも一緒に食べたいな。










2016/3月



◎あさりの酒蒸し

No.304 / 2016年3月1日配信

 3月の桃の節句には同じ2枚貝でも、「あさり」ではなく「はまぐり」が主役の座を守っています。ひな祭りではチラシ寿司とともに、はまぐりのお吸い物は定番中の定番で、我が家のその日は圧倒的多数(?)の2対1で、私の意見はどんなことがあっても通ることはありません。たとえ、どんなにあさりの酒蒸しが食べたいと念願しても。

 良縁を招くとも言われる縁起の良いはまぐりですし、もちろん大好きな貝ではあります。そのつるんとした食感、癖のない旨味、食べ応えには、「貝の女王様や?」と諸手を挙げて賛成するほかはありません。ただ、昔から付き合いも長く、身体も一回り小さいあさり貝だから、判官贔屓気味ではありますが、あさりにもエールを送りたいのです。

 春から初夏にかけてよく潮干狩りに行ったものです。熊手とバケツを持って、その日の大切な夕食のために頑張った幼い頃のことを思い出します。母と兄と連れ添って、バケツの戦果をぶら下げて、海に開ける河口からの帰り道。自慢げな兄と兄に採取量で競り負けた私。母は悔し気な私に「頑張ったじゃない。次は勝てるかもよ」と慰めの言葉。

 大人になってもあさりに対する思い入れは強いままです。「産卵前」の今頃が美味しいんだよ、と毎年決まってこの頃に家人にリクエスト。「そうね、はまぐりの次はあさりかもね。ワイン蒸しでね」と娘が口を挟みます。いいや、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」には「酒蒸し」だろう、と口に出かかった不満を飲み込みました。ひな祭りだから、まあいいか。







◎真田昌幸

No.305 / 2016年3月11日配信

   ずいぶん昔の昭和の話ですが、資生堂の男性化粧品「MG5」のコマーシャルで、モデルの草刈正雄が出演していたことがありました。私たちが整髪料を使い始める高校時代だったと思います。女性の目が気になる青春時代です。その頃、マンダムというブランドではチャールズ・ブロンソンという俳優が、男らしさと渋さでイメージを引っ張っていました。

 私は「男らしさ」より「爽やかな」イメージのMG5を選びましたが、残念ながら草刈正雄のような感じには仕上がりませんでした。なけなしの小遣いをはたいて買った整髪料です。なんとか元がとれるように、女生徒達へのアピール力となってもらわなければなりませんが、一ビン使っても全く効果はありませんでした。(当たり前ですね)

 そんな爽やかなキャラクターイメージの草刈正雄が、NHK大河ドラマ「真田丸」の真田昌幸役で好演しています。若い時期、爽やかさで自分のヒーローだった人物が、今度は主人公の父親役で渋い(まだまだ若い熱を持ちながら)演技をしています。ずいぶん年上なのに、なんとも若々しくて格好良いではありませんか。

 「お父さん、彼はハーフだし、やっぱりものが違うわよ」と2枚目には目がない家人がのたまいます。別に、彼と張り合えるものを持っているわけでもないので、どうでもいいような素振りでやり過ごしますが、やっぱり少し悔しい。日曜日の夜、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を片手に、TVの真田「昌幸」に見入ります。「幸」の文字に弱すぎる私です。







◎甘鯛

No.306 / 2016年3月21日配信

 冬の間が美味しいとも言われる甘鯛。産卵前の春ももちろん美味しくいただけます。甘鯛は「鯛」という文字が付いていますが、「タイ科」ではなく、アマダイ科の魚であり、真鯛とは同じ仲間とは言えません。甘鯛も美味しい魚によく与えられる「タイ」という名前の称号をいただけたわけで、金目鯛と同じ「なんちゃって鯛」なのです。

 なんでも、その横顔が尼さんに似ていたから「アマダイ」と呼ばれるようになったとの説もあります。姿は細身の割には頭(顔?)がでかく、ピンク色の魚体は天然真鯛と同じ優雅さを持っています。ただ、肉質が水分を多く含み、脂分が少ない魚なので、同じく淡白な真鯛と比べてもさらに柔らかくてさっぱりしています。

 「あなたにはまだわからないでしょうね」ちょっと間違えれば、失礼に聞こえるようなことを、カウンター越しに女将が訊いてきます。「しっかりと昆布で締めて寝かしたものを焼いてるのよ、繊細な味でしょ?」「は、はい。とても美味しいです」と慌てて答えたものの、焼肉、焼肉と叫んでいた二十代。甘鯛のその繊細な味などわかる訳はありません。

 俺もいろいろ教えてもらったものさと、先輩が女将さんにウィンク。「お前、甘鯛を見たことがあるか?口をぽかんと開けて、目をまん丸に見開いたところなんか、甘ちゃんのお前にそっくりだ」と私をからかいます。そんな思い出が蘇る桜の季節。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と一緒に食べれば美味いだろうな、甘鯛は。やっと本気でそう思えるようになりました。










2016/4月



◎春の大潮

No.307 / 2016年4月1日配信

 釣りを楽しまれる方にとっては、海の状況・情報はとても大切です。潮の大小、潮の満ち引きは釣り師必須案件になることくらいは私にもわかります。釣りキチの友人は毎日刻々変わる潮の高さが分かる「潮時表」を、スーツのポケットにいつも忍ばせていました。さらに、「タイドグラフが付いてるんだぜ、これ」と、自慢げに腕時計を私に見せつけたり。

 出勤の月曜日。よく彼は「昨日は、このくらいはあったよな」と言いながら、両手で釣れた「魚のサイズ」を教えてくれました。「え?、そんなに大きいのが?」と、一緒に行けなかった私は驚きます。決して私を騙す気はないのでしょうが、やっぱり釣り師には、両手を身体の後ろに回したままで話をさせなければなりません。

 退社した釣りキチの彼を思い出すのが、決まって春の大潮の時期です。佐世保市には日本3大急潮として名高い、針尾瀬戸があり、その瀬戸にかかる西海橋では、桜の季節の大潮時にはダイナミックな渦潮が顔を見せてくれます。渦潮をバックにした桜の花の美しい観景には見応えがありました。彼との釣行の帰りには、その橋をよく渡ったものです。

 クーラーボックスには、釣果の生き締めした大きな真鯛(産卵前の、いわゆる桜鯛)が入っていました。「すごい渦だな」「おいおい、前を見て運転してくれよ」と、友人。魚が釣れた日は早く帰りたいからか、ついついアクセルもふかせ気味。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が家で待っているから、仕方ありませんでした。元気かい?また一緒に釣りに行きたいね。







◎新玉ねぎ

No.308 / 2016年4月11日配信

 年に一度の健康診断で行う血液検査では、もう以前のような「気持ちの良い結果」が出なくなりました。血糖値が少しヤバイようですし、悪玉コレステロールも範囲を超えています。中性脂肪の数値もそろそろ警告を受けそうです。「俺なんか、もう完全に糖尿病予備軍だもんな」と話す上司から「お前はまだ大丈夫よ。そんな数値」と慰められます。

 そんな私に家人が玉ねぎを薦めます。TVの健康番組やネット情報で玉ねぎの評価がうなぎのぼりだそうです。私もハンバーグにオニオンスープ、チキンライスや焼き飯、野菜炒め、カレー、チャンポンの具と玉ねぎを使うメニューは大好きなので、玉ねぎを薦められても全然問題ありません。が、「生をサラダで食べると美味しいのよ」と家人はニヤリ。

 早速、ブロッコリーやトマト、黄パプリカと一緒に玉ねぎのスライスも「サラダ」として食卓に登場。この時期の新玉ねぎはみずみずしくて柔らかく、あのエグい匂いがなくとても美味しいものでした。生玉ねぎに対するこれまでの認識が180度変わってしまいました。これが身体に良いのなら、問題なく続けられるよね、と家人にOKサインを。

 「まず野菜から食べなくてはね。それからスープ、たんぱく質。ご飯や麺などの糖類は最後よ」と、家人が私にレクチャー。気持ちはわかるけど、食べる順番まで指示されるのは好きじゃありません。大切な友人でもある伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」は糖質0だし、それに家人と違っていろいろうるさいことも言いませんし。こう見えても私だって、少しは考えているんです。  







◎花かつお

No.309 / 2016年4月21日配信

 「腎臓の機能も、若い時の30%くらいしかありませんね。ほら、こんなに縮んでいるでしょ」とX線画像を見ながら獣医師さんが説明してくれました。私と家人は土曜日の朝、弱り切った猫をペット病院に連れて行きました。ゲェっと吐いて以来、それ以来好きだった餌も全く食べなくなり、いろいろ変えてみてもダメで、みるみる衰弱してしまいました。

 もうすぐ15歳になる猫は、人間に例えれば80?90歳の老人と同じかもしれません。「どうされますか?」と治療のコースメニューを案内してくれる先生の質問に迷いました。無理やり薬や手術で命を延ばすことが良いのか、それともそのまま自然なままに見守るのが良いのか。情けないことに、治療費の高さも判断に影響を与えます。

 診察台の上で踏ん張っている猫の細い足を見てるうちに涙が出てきました。長生きできなくてもいいから、もう一度、1回だけでも元気に餌を食べさせてあげたいと、鼻声でお願いしました。猫の点滴注射をしてもらい、一緒に帰宅しました。しかし帰宅後、翌日もほとんど食べてはくれません。家人が何度もシリンジで餌を流し込もうとしても。もうだめかな。

 骨ばかりの身体をさすった後、もしやと思い、昔好きだった花かつおを鼻先に持っていくと、なんと食べる意欲を示したではありませんか。「あっ、食べた」と娘が喜びの声をあげました。希望が生まれ、その夜私もやっと、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲む気に。私も湯豆腐に花かつおをふりかけました。やっぱり最後まで諦めないことです。今年の1月、あの大寒波が襲った週のことでした。










2016/5月



◎魚図鑑

No.310 / 2016年5月1日配信

 本棚を見ると、二十年近く前に買った「新・おさかな大図鑑」がイカツイ背中を見せています。当時はよくお世話になったものの、無料で便利なパソコン検索という時代の趨勢により、その横に並んでいる百科事典と同じ悲しい運命を辿っています。その頃は釣ってきた魚をよく図鑑で探し出し、食味の星の数(五つ星だととても美味い)を調べていたものです。

 久しぶりに図鑑を開いてみると、ちょうど淡水魚の真鮒のページに。少年時代の記憶がじわっと蘇ってきます。小学生の頃、一時期、クリーク(農業用水のため池、用水路)がとても発達していた地方に住んでいました。私たちは子ども同士で、ミミズ、赤虫などを持って、よく鮒釣りに出かけたものです。もちろん、釣った鮒やハヤは食べるために持ち帰りました。

 近所に大きな自衛隊の基地があり、「釣り大会」が実施されました。友人の父が自衛隊員だったため、私も参加できることに。初夏だったか、季節の記憶は曖昧なのですが、早朝の薄暗い中を自衛隊の幌付き大型トラックに乗り込み、釣り会場のクリークに。そして頑張った甲斐があって、なんと私は少年の部、大漁2位の栄誉に輝くことができました。

 たくさん釣れた真鮒を母がさばいてくれ、飴炊きにしてくれました。私にとって、その味はまさに五つ星。大人になってその話をすると、多くの人が「淡水魚は泥臭くないか?食べられるのか?」と眉をひそめます。私はそんな経験を持てた自分の人生が大好きです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と巡り会えた幸せと同じように。







◎思い込み

No.311 / 2016年5月11日配信

 人には誰にも一つぐらいは「強い思い込み」があるものです。その思い込みが間違っていないものだったら問題はないのですが、往々にして間違いや偏った理解の場合が多いものです。季節が訪れるたびに、様々なメディア情報、店頭の陳列からインプットされ続けた所為もあり、私の大好きな椎茸も「秋がもたらす恵み」だと信じて疑いませんでした。

 そんな自分の常識も、ある日ひょんなことから簡単に壊れ去ってしまうことになるから、本当に怖いものです。「お父さんが好きな大きな原木椎茸が直売コーナーにあったわよ」とスーパーからそれを買ってきた娘が告げました。「そんなの不味いんじゃないのか?だって椎茸の旬は秋だぞ、そんな季節外れのものなんか。お前は全く解ってないなあ」

 私の好みを知っている家人が大きな椎茸を網焼きにして、バターをのせ、醤油をたらしてくれました。バターと醤油が炙られて香ばしい匂いが立ち込めています。どれどれ、とばかりに摘んで食べてみると、そのうまさに驚いてしまいました。あわびのバターソテーにも劣らない上品な弾力と旨味、その完璧な食感に圧倒されてしまったのです。

 食後に、家族に悟られないようにこっそり「春椎茸」をWEB検索。なんと椎茸には春と秋の2回の旬があるのだとか。ショックでした。冬の寒さを耐えて成長した春の椎茸は、身が締まり香りも良くなるのだとか。娘に謝るべきかか。う?ん、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との相性もバッチリだったし。まあいいか、もう旬の話はなかったことにしよう。







◎地鶏の炭火焼

No.312 / 2016年5月21日配信

 東京の焼き鳥、博多の焼き鳥とも一味違う宮崎の焼き鳥。その真っ黒に炭火で焼き上げられた「地鶏のもも焼き」の姿には、度肝を抜かれてしまったものです。超ワイルド?。そしてその地鶏の歯ごたえがある噛み心地に驚かされ、シンプルな塩胡椒で味付けされた旨味といったら、もう言葉を失うしかありませんでした。鶏本来の旨味ってこれなんだ!

 今では「ころ焼き」と言われるサイコロ状に切ったもも肉を炭火で焼いた商品を、スーパーの売場でもよく見かけます。地鶏ではなくて、普通の品種の親鳥を使った歯ごたえのあるタイプが多いようです。宮崎の地鶏専門料理店で食べた味と比べたらいけませんが、結構上手に調理してあるので、酒の肴に私も時々購入しています。

 九州は需要も多いのでしょうが、焼き鳥店の店舗数も多いことで有名だそうです。調べてみると、タウンページから焼き鳥店をカウントしたものでは、人口10万人当たりの焼き鳥店数では全国で上位を独占していました。1位が福岡県、そして佐賀県、長崎県、宮崎県、大分県と、上位6県を九州各県が占めています。まさに「焼き鳥九州」です。

 こんなことを調べていると、博多の豚バラ焼き鳥(?)も美味しいのですが、やっぱり地頭鶏(じとっこ)の炭火焼が美味い宮崎にもう一度行ってみたくなります。もちろん宮崎の地鶏を使った炭火焼に一番合うのは、その地元の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」に違いありません。書きながら、あ?、ハシタナクも涎が出てきました。










2016/6月



◎ねじまき時計

No.313 / 2016年6月1日配信

 最近、仕事以外では腕時計をつけることが少なくなったようです。「荷物持たない派」の私でも、スマホだけは別です。絶対に身から離すわけにはいきません。となれば、スマホがあるから時間を知るためだけの腕時計は不要も当然です。あれほどこだわった「ねじまき式」のアナログタイプの腕時計・グランドSEIKOも引き出しの中で眠っています。

 人生最初に手にした腕時計は、高校入学に合わせて買ってもらったSEIKO・5(ファイブ)という、その頃若者向けのスタンダードな時計でした。ヘアートニックを頭に振り掛け、手首にはキラリと銀色に光る腕時計。大人の世界に足を踏み入れた高揚感でいっぱいだったのを思い出します。嬉しくて、何度も何度も時間を確かめたものです。

 様々なメディアで、特に多くの雑誌で「アウトドア」が取り上げられ、4WDのレジャービークルとキャンピンググッズに馴染んでいった80年代。もちろん手首にはCASIOのプロ・トレック。もちろんその時計機能は役だったけれど、それ以上に全天候型を付けている安心感、アウトドア気分に浸れる気持ち良さの方が大きかったような気がします。

 多機能時計の経験が終わると、なぜか最後は「ねじまき式」腕時計に。ネジを巻かないと2日間で停止のアナログの極致です。6月10日は「時の記念日」。机の引き出しに眠っている時計のように、すぐに止まってしまいそうな我が頭にもネジを巻く必要がありそうです。さあ、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」タイムを始めなくてはなりません。







◎雨に消えた初恋

No.314 / 2016年6月11日配信

 雨音から始まるイントロ。そして印象的なキーボードと爽やかなハーモニーが続く、心に残る曲がありました。この「雨に消えた初恋(日本で1968年にヒット)」の雨は、日本の梅雨のような湿ったイメージの雨とは違う雨でしょう。公園で出会った娘に心を奪われたけど、雨上がりとともにその娘は消えていったよ、と爽やかに歌っているのですから。

 私の雨に消えた(初?)恋は梅雨末期の激しい雨の時期の記憶。思いをどうしても伝えられないもどかしい高校時代。想いを寄せた女生徒は自転車通学でしたが、その日はちょうど雨の予報からかバス通学。偶然にも、クラスが違うその女生徒の後ろ姿を見つけた放課後の喜びは、今でも忘れることができないくらいのものでした。

 彼女は校門を出る頃、急に降り出した雨に、学生鞄を頭の上にかざして駆け出しました。高校前のバス停留所はすぐそこなので、傘をさすまでもないと思ったのでしょう。しかし、屋根付きの停留所に着くなり、そこにいた男子生徒にあいさつをしています。顔の様子はうかがえなかったものの、なんだか楽しそうに話しているではありませんか。

 私はショックを受けました。急な雨以外、彼女のもう一つの「駆け出した」その理由に。不思議なのが、前述のカウシルズの雨に消えた初恋という曲がその思い出と結びついていることです。その歌の方が数年早く聴いたものなのに、なぜか重なるのです。梅雨に飲む伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」は、時には切ない思い出も運んでくれます。切なくなるけど、大切な時間です。







◎小暑(しょうしょ)

No.315 / 2016年6月21日配信

 梅雨明けが近づき、本格的な暑さが訪れる頃が「小暑」の時期。日本の夏の蒸し暑さにはほとほと閉口してしまいますが、この時期なりの楽しみがそれを救ってくれます。この季節に産卵期を迎える前の「鱧(はも)」は身に脂が乗り、甘くて柔らかくてとても美味しいものです。私は社会人になって初めて鱧を口にしましたが、やっぱりこの季節でした。

 お前たちの頑張りに報いなくてはならないと、どういう風の吹き回しか、若い私達を部長が食事に誘ってくれました。京都の夜は蒸し暑く、高瀬川も淀んだ空気に包まれていました。普通は敷居が高い先斗町の料亭に、当時の私と同僚は胸を激しくときめかせながら石畳を歩いたこと思い出します。伝統の京料理に、期待感も膨らむばかりでした。

 この時期はやっぱり鱧ですな?、と目の前に出されたのが「鱧の梅肉ソースがけ」でした。野菜炒めやカレーが普段の食事という私は、その梅肉のさっぱりとした味付けと柔らかい湯びき鱧の味に驚き、その旨味の世界に圧倒されました。とてもシンプルな料理なのに深い味わい、匠の精神。鱧の骨切りなるものを、初めて耳にしたのもこの時でした。

 鱧を初めて口にした日から幾日も過ぎました。それ以後、各地の「旬」の伝統料理に出会うチャンスにも恵まれました。そんな私に、今残されたものは「旬」を大切に思う心。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」がいつも傍にあるという幸せに恵まれながら、鱧の代わりに穴子ではどうだろうかなどと、さらに楽しみを膨らませています。 










2016/7月



◎イワナの夏

No.316 / 2016年7月1日配信

 人生の大先輩である湯川豊という釣り人が書いた本が「イワナの夏」。その著者のことなどあまり詳しくは知らなかったものの、タイトルが気に入って、十数年前に買っていた本です。フライフィッシィングやルアー釣りをやらない私ですが、暑くなってくる季節を前に久しぶりに開いてみました。既読本なのに、初読のようにワクワクして読めました。

 10年前くらいはどこに竿を出しても爆釣だった。5年ほど前は、いいときにはしっかり釣れたし、去年だってまあ、5?6枚は上がったよね。と、私たちが海釣りでも用意している「昔は良かった」的な話が冒頭に出てきます。彼は釣れなくなった理由を、イワナは私たちの記憶の過去に逃げ込んでしまうのだと、エッセイストの上手な語り口で結論付けています。

 狙いをつけた夕まずめ、茜色の空を映す水面。かげろうがツーっと横切るだけ。何もかもがほとんど動かない静寂の中で始まる、イワナとの出会いとそれに続く爆釣の時間。静かすぎる甘美な予兆の中に、突如現れるガツンとしたあたり。心の平静は破られ、一気に悦びが爆発します。ヘボ釣り師の私にもわかります、その感覚。

 「イワナの夏」は文庫本の第1章に収められている30ページ足らずのタイトルエッセイです。読後の私は何かを確実に動かされたことに気づきます。停滞する感情が揺り起こされたようです。釣りから帰った夜の、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で祝った「新鮮な一尾」が想い出されます。久しぶりに、昔の釣り仲間に電話しようとiphoneに手を伸ばしてみました。







◎黒にんにく

No.317 / 2016年7月11日配信

 農家の人が作った黒にんにくが、郊外の農産品直売所の棚に並んでいました。世の中に存在することは知っていたのですが、その姿を生で見たのは初めてでした。破れた薄皮から黒い粒の色が覗いています。手にとって、袋に貼ってあるラベルを見ると「熟成」黒にんにくとあります。にんにく好きな私は、「効きそうだな、これ」と家人に一言。

 「ところで、熟成ってなんだろう?」と素朴な疑問を家人に投げかけると、「熱を加えるのかしらね?」とはっきりとは解らない様子。熟成の意味が解らなくても、にんにくに「黒」がつくことで、さらにパワーを感じてしまうから不思議です。黒酢とか黒糖、黒ごまとか、黒がつくものは何でも健康に良さそうなので、黒にんにくも間違いなさそうです。

 その日は買って帰らなかったものの、なぜか気になり調べてみると、いろいろなのメーカーの黒にんにくがたくさん見つかりました。味はドライフルーツに似ているとか。黒にんにくは生にんにくの10倍の健康効力を持つなどと、気になることがたくさんです。悪玉コレステロール、血圧、動脈硬化、高抗酸化力と、知ってる単語が次々と。

 「お父さんは健康食品って、あまり買わないよね」と娘が、年頃(?)の私に向かって不思議そうな声。確かに一時期、血糖値が高かった時もあったけど、健康食品に頼ったことなどありません。続けてきたのは伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の晩酌生活だけです。あっ、そう、ひとつだけ、野菜から先に食べることだけは始めました。黒にんにくもまだ、私には不要かな。







◎山の日

No.318 / 2016年7月21日配信

 今年から国民の祝日に「山の日」が加わりました。幾つになっても休日が増えることは嬉しいものです。「山の日」は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日だということで、山岳関係者や自然保護団体等から出された意見をもとに出来上がった祝日です。「海の日」だけでは片手落ちだったので、やっとこれでバランスが取れます。

 山の日は8月11日ですが、お盆休みが13日からの会社も多く、それを考えると12日は非常に微妙な立場の日になりそうです。そういったことには全く無関係に喜んでいるのが、我が家の山ガール。トレッキングポールを新調して、やる気満々。旦那を無視して、低山中心の山登り仲間と8月11日の山行を嬉々として計画している様子です。

 残業帰りの私がその様子を見て変な口を挟むと、空気が白けたりするので、気をつけて行ってこいよ、あまり無理はするなよ、と物分かりが良い大人な発言が中心になります。以前、ムッとして嫌味を言った日、その何倍も癪にさわる言葉が返ってきたことがあります。男はやっぱり勝てません。日本ではむやみに「山の神」を怒らせてはいけないのです。

 我が家の山ガール=山の神は「あなたも行けるんだったら、一緒に山登りにどう?」と救いのコミュニケーションを私に差し伸べてきます。いつも「ああ、今回は止すわ」と女性集団との同行をやんわり断ります。山の日だけどプールにでも行くか。そして帰ってきたら冷た?い伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」だ。私にはこれが一番です。 










2016/8月



◎猫のしっぽ カエルの手

No.319 / 2016年8月1日配信

 NHKのEテレで偶然に見つけた番組「猫のしっぽ カエルの手」。京都大原で暮らすイギリス女性のハーブや庭づくりの四季を通じて、ナチュラルな暮らしの素晴らしさを教えられます。現代人が失くしつつある「季節感」「ゆっくり感」「手作り感」が溢れているエコなライフスタイルを実践している、その何とも言えないオシャレ感が素敵です。

 番組を発見し、見始めたきっかけは、その番組タイトルの可愛らしさに惹かれた部分もありました。猫じゃらしは英語名で「キャットテール」と呼びますし、カエデの葉はカエルの手のようです。私のような繊細さを欠く男にも実に可愛らしいと思わせ、実に面白いと感じさせるタイトルです。番組でバックに流れるピアノの曲も秀逸です。

 ボタニカルアート(植物水彩画)を描く我が家人に教えてあげると、早速、ハーブや植物がたくさん登場する番組の虜となりました。我が家では日曜日の午後6時から始まるこの番組を見るために、行楽や買い物に出かけていても、必ず番組開始の前には帰宅するようになりました。家人との間で、唯一図れる「阿吽の呼吸」の時間かもしれません。

 主人公のベニシアさんと大原の人々、手作りの伝統工芸を披露してくれる作家たち。最近、こんなにも私の心を素直に引っ張ってくれるTV番組は他にはありません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を手にしながら、TVの前で静かに魅入っている私の姿が面白かったのでしょうか。以前は、娘からよくからかわれていたものです。







◎針金細工

No.320 / 2016年8月11日配信

 前夜、ルーフという屋根ホテル(一度ご紹介した200円ホテル)のコンクリートの上で泊まったせいか、足腰がギクギク音を立てそうでした。パルテノン神殿を見終わった私の気分と身体はなんとか持ち直し、シンタグマ広場に続く路地を早足で歩いていました。早く今夜の宿探しも必要だし、腹も減っています。タヴェルナと読める食堂も気になります。

 乾いた石畳の上を一人の日本人が針金細工の商品を売っています。ヨーロッパの街では販売許可のない(?)若者が手作りの商品を座り込んで売っている姿を多く見かけました。仲間のポリス通報で、「やばい、逃げろ」と店をたたんで逃げまとう姿に出くわしたこともあります。その石畳に座り込んでいる日本人に興味が湧き、声をかけてみました。

 すると、ここで話してもいいんだけど、良かったら僕の泊まっているホテルに来ない?と誘われたのです。その日の泊まるところを決めてなかった私は、その安ホテルを紹介してもらいました。座れる台のない便器、扉が壊れて外から丸見えのシャワー室。一日10ドルの旅には最適なホテルでした。そのホテルで「先生」と呼ばれていた手先の器用な日本人は夢を話し始めました。

 今は手作りの針金細工商品を売って、生活費と次の旅先への旅費を稼いでいるのだそうです。これも何かの縁だからと、私のイニシャルを針金とペンチで作ってくれました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲みながら、その時の針金ネームを手にとって眺めます。30年以上前の話だけれど、果たして先生の夢は叶ったかしら。たしか、モノ書きになりたいとか言ってたけれど。







◎酢しょうが

No.321 / 2016年8月21日配信

 誰々さんが亡くなった、誰々ちゃんが有名大学に入ったよ。盆の親類縁者が集まる場では、そんな久しぶりの井戸端話に続き、「健康に関する話」が大きなウェイトを占めるようになりました。世の中は溢れんばかりの健康情報。そして高齢化時代。厚生労働省の「健康意識に関する調査 (2014年)」によれば「健康に関して何らか不安を持つ人」は61.1%だとか。

 勿論、みんな年を重ねたからこそ必要になった健康情報でしょうが、今は女性に劣らず男性の「健康」に関する知識もバカにできないレベルです。昨年まで大きな腹回りで、太っ腹な人間のイメージだった義理の兄が何やらすっきりした体型になっていました。酒豪でタバコすぱすぱ。揚げ物大好きで、ご飯山盛りの人間だったのに、何か変です。

 定期検診と医者からの指導で、無理やり始めたダイエットだということでしたが、いろいろと役立つ話をしてくれました。その中で今、注目されているのは「酢しょうが」なんだとか。私はしょうがについては寒い時期の「身体を温めて免疫効果を高める」ものだという認識を持っていましたが、生活習慣病の改善にも大きく役だつのだそうです。

 もちろん健康に関する話は大切だと思うのですが、昔のお盆のように「ぐいぐい」と遠慮なしに酒を飲み、笑いこけながらへべれけに。親類みんなで扇風機の前で大の字になった光景が懐かしいものです。お盆ぐらい、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をたっぷり飲み交わしたいものですが…。笑顔で飲み交わせば、それはそれで健康に良いと思うんだけど。










2016/9月



◎ポケモンGO

No.322 / 2016年9月1日配信

「お父さん、ポケモンGOって知ってるよね。やったことある?」と娘が話しかけます。私がほとんどゲームをやらないことを知っているくせに、馬鹿な質問をするものだとあっけにとられました。「知っちゃいるけど、ゲームするわけないだろ。良い齢をした若者がなんであんなに集まって、そんなゲームに集中するんだ?えっ」「それって、良い齢をした大人のこと?」

 言葉使いを間違った私はむっとしました。「友達のお父さんたちは、みんなやってるらしいよ」と、言いながら私のアイフォンを手に取り、アプリをインストールしてあげるね、と言いながら触りだしました。「みんながなびくから嫌なんだよ。お前も俺の流行りもの嫌いは知っているだろう?なんでみんなと同じことしなくちゃならんのだ」

 「まあ、そう言わずに」と、娘は家の中の机の前に出てきた「『ゼニガメ』をフリックしてみて」と娘の声。「フリックってなんだ?」スワイプよりももっと弾く感じよ、そうそう。結構やるじゃない。と娘に乗せられながら武器のボールを弾いてみました。なんだ簡単じゃないかというと、それは初歩の初歩。始まりなのよと、初心者相手にレクチャー。

 内心では「案外かわいいキャラクターだな」と思っても、意地でも興味は示せません。「ちょっと、ウォーキングしてくるわ」と言うと、家人がウィンクして見せた。スマホ持っていくのよね、娘が笑った。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を美味しく飲むための「健康ウォーキング」なんだよ。ゲームはやらないって言ってるのに、なんという母娘だ。







◎イワシの骨せんべい

No.323 / 2016年9月11日配信

 おつまみにいいですよと、イワシの骨せんべいを頂きました。同じマンションに住む「気の良い隣人」に恵まれた私は、何かと幸せを分けてもらえるのです。その住人家族には、私の酒好きはとうの昔に知られています。「田舎からたくさん送ってきたので」とおつまみが入った袋を二ついただくことになりました。

 見ただけでその味が見通せるのが、この手のおつまみです。小さなイワシは開かれ圧力を受けてぺったんこ。醤油と砂糖で味付け、それにゴマがかけられているので、誰でもわかるもうあの味しかありません。甘辛い醤油味とゴマの風味。キャッチフレーズは「おやつやおつまみに、健康骨せんべい。家族みんなのカルシウム補給に!」というところでしょうか。

 カルシウムについては思い出深く、幼い頃、母が作ってくれた味噌汁には、出汁に使ったいりこがそのまま入っていました。秋刀魚の塩焼きを食べた後は、残った骨をコンロで炙って「美味しいから食べなさい」と食べさせられました。我が子を丈夫に育てるために、いろいろ工夫をしながら食べさせようとした母の姿が脳裏をかすめます。

 記憶では成人日本人の必要摂取量は1日あたり600mgなのですが、調べてみると650mgや摂り過ぎても問題ないのでできるだけ多くといったオススメも。そういうことであれば、もらったイワシの骨せんべいは私にとっては好都合のおつまみ。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と骨せんべいと母の思い出。飲兵衛の秋、幸せな瞬間です。  







◎春夏冬(秋無い)

No.324 / 2016年9月21日配信

 暑い暑いと思っていたら、いつの間にか冬が近づいていたなどと、秋が短くなった話をよく耳にします。いや、近年は実感できるようになったという方が正確かもしれません。今年もラリーニャのせい(?)で酷暑の夏でしたが、やっぱり秋がない年となるのでしょうか。秋が無いと言えば、「春夏冬」という屋号の店がありました。四季から秋が抜けているので「あきない」と読むそうです。

 その発展系ですが、春夏冬10時よりは商い10時よりで「10時より営業」の意味。「春夏冬 二升五合」となれば、商売ますます繁盛と読むのだそうです。なかなか粋です。では「一斗二升五合」は?「一斗」は「五升の倍」なので、「ご商売ますます繁盛」なのだとか。謎かけクイズにも使えそうな感じで、日本の漢字を使った粋な遊びはなかなか楽しいものです。

 秋が短くなったと感じることは、秋を楽しむ期間が減ってしまったということでしょうか。それなら、食欲の秋と言われるこの季節をこれまで以上に大切にしなければなりません。夏の海から秋の海へ、魚たちも身体に脂を蓄え始めます。田畑では作物が実りの時期を迎え、野山では果実が色づきます。しばらくは目を凝らして様子を眺めなければなりません。

 秋は食べること大好き人間の私にとって、絶対に欠かせない季節です。酒好きだから、なおさらかも。キノコをいっぱい買ってきて、焼きながら一杯やるか。それとも脂が乗った戻り鰹の刺身で一杯やるか。ワクワクします。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の肴にするものがたくさんの季節です。ふふっ、「飽きない」シーズンですね、嬉しい?。










2016/10月



◎カボチャのお化け

No.325 / 2016年10月1日配信

 幼い頃から「菜っ葉の煮付け」「大根やごぼうの煮付け」など煮付け料理には随分お世話になりました。というより、好きではなかったけれど、おかずで出てくる確率が高かったので、仕方なく食べていました。人間の舌に美味しさを感じさせるのは糖質の甘み、脂分の甘みだといいますし、野菜の味は味覚が発達していない子供の舌には手強すぎます。

 しかし、そういった中でも子どもの舌にでも「理解」できる野菜の煮付けがありました。カボチャです。醤油とともに入れる砂糖のせいもあったとは思いますが、カボチャ自体の甘さとその甘い醤油味には全く違和感がなく、小さい頃からの好物でした。一緒に煮込んでいた出汁用いりこも皿の中に入っていて、いりこは残したらダメよとよく怒られたものです。

 近年、カボチャといえばやっぱり「ハロウィン」です。古代ケルト人の宗教的な意味合いも含むお祝いだったものが、アメリカで子供を中心とした催事となり、日本では大人も参加するコスプレパレードに変身してしまいました。当初、お菓子の消費から始まった経済規模も1,200億円になり、なんともう「バレンタインデー市場」の消費額を超えたそうです。

 ハロウィンのお化けカボチャキャラクターは私に違うスイッチを入れてくれます。そうです。「夏に収穫が始まったカボチャ」が美味しくなる時期を迎えるという思いもあり、その煮付けが私の食欲に火をつける頃でもあります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」でやるカボチャの煮付けは最高。ホクホクとした栗南瓜系のカボチャなら、もういうことなしです。






◎新鮮イクラ

No.326 / 2016年10月11日配信

 中国からの訪日客の関心が「モノ」から「コト」に変わり始め、中国政府の海外購入品への関税引き上げ、円高に振れる為替レートもあり、あの爆買いがおとなしくなってきています。それでもやはり中国人のインバウンド消費額は高く、ある調査(2016年6月)によれば、一人当たり平均39万5千円ほどになっています。ちなみにタイ人訪日消費額は17万6千円だそうです。

 クルーズ船から吐き出される多くの観光客が、数十台連なるバスに乗って市内の買い物拠点に出かけます。以前のように消費は高額品には向かわなくなったとはいえ、私から見たら化粧品や雑貨・健康食品・薬品などに向かう財布にはすごいものがあります。春節の頃にも多くの訪日客を見かけましたが、最近もその勢いは衰えていません。ありがたいことだと思います。

 市内のスーパーで「コレ、イクラデスカ?」という面白いポスターが貼ってありました。外国人が値段を訊ねるのに「コレいくらか?」と無理して日本語で聞くと、店の担当者が鮭の卵であるイクラと勘違いして「そう、イクラだよ」と答えてしまったいうことで、できるなら「ハウ・マッチ?」と訊ねてほしいという楽しい話。インバウンド消費時代ならではですね。

 そういえば今年の秋はまだイクラを食べてないな、と忘れ物を思い出しました。去年知った「空飛ぶイクラ」はとても美味しかったので、また今年もいただきたいものです。冷凍していないつぶつぶ感たっぷりの新鮮イクラは、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との相性も抜群。この味、「いくら」出しても味わいたい宝石のような美味しさです。







◎釣道楽の世界

No.327 / 2016年10月21日配信

 私の住む福岡の市立美術館が全館リニューアルで1年半の休館となっています。よくお世話になっていた場所なので、少し寂しい気がします。そんなところに「ドキドキするような企画」の展示会が市立博物館で開催され、まさに私にとっての心の救世主登場といったところです。その展示会名は?多彩なる水の趣味文化?「釣道楽の世界」です。

「一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい」「三日間、幸せになりたかったら結婚しなさい」「八日間、幸せになりたかったら豚を殺して食べなさい」「永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」という中国の古いことわざが記されていて、つい開高健を思い出してしまいます。最近幸福度が足りないのは、どれかが欠けているせいでしょう。

 釣りに悦びの時間と幸せを求めたら、人はやっぱり道具作りに突き進んでしまいます。伝統的な釣り道具を眺めるうちに気付かされました。娯楽の中に美意識を見いだせるその世界観はまさに「文化」そのものです。以前「えっ、また釣りに行くの?」とよく私を白い目で見た家人には一生わからない世界でしょう。それがわかる私こそ文化人なのです。ふふっ。

 展覧会場は思ったより多くのお客さんでしたが、帰宅してそのHPを覗いたら「現在 700 万人近い人びとが愛好する『娯楽としての釣り』は、江戸時代に成立した文化」とありました。以前、日本の釣り人口は2,000万人とか言われていたので少し心配ですが、仕方ありません。さて、私としては今夜も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で、さらに一時間幸せになるほかはないのです!










2016/11月



◎ごまさば

No.328 / 2016年11月1日配信

関東から訪ねてきた友人はレシピ名の「ごまさば」をサバの魚種の「ゴマサバ」と勘違いしていたそうです。近年は博多で食べる「ごまさば」もグルメ番組などで多少は全国的に知られるようになりましたが、まだまだ浸透は不完全です。新鮮なサバの刺身をごまやわさび、醤油、みりんで和えた「ごまさば」はもっと自己主張すべきでしょう。

 大阪や京都で生活した頃には、生サバは煮付けで、塩サバは焼いて、そして酢で締めたシメサバが食べ方の主流でした。鮮度を保てる流通機能が今ほど発達していなかったので、仕方ないのかもしれませんが、「サバを生(刺身)で食べる」習慣がほとんどなかったようです。鮮度が落ちるのが早いいわしやさばは水揚げされる地域しか楽しめなかったものかもしれません。

 九州ではサバの漁獲量が全国で2位(2014年)の長崎県が控えています。「旬(とき)さば」というブランドで出荷している五島列島や対馬海峡で獲れたサバの味は私たちの舌を魅了します。大分にはその名も高き一本釣りの「関サバ」があります。ごまさば好きの私でも、さすがに「関サバ」にだけは、ごまをふりかける勇気はありませんが。

 そんなサバも冬に向かって季節が進むほどに、脂がぐんぐん乗ってきて旨みも増してきます。大好きなサバを「ごまさば」に変身させ、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で一杯やる楽しみは何物にも代えがたいものがあります。切り身の表面に残っている青い薄皮を眺めながら、一切れを口に運ぶと和えたごまの香りが幸せを運んでくれます。う?ん、最高です。







◎ノーベル賞

No.329 / 2016年11月11日配信

また今年も日本人による栄えある「ノーベル賞」の受賞が決定しています。医学生理学賞に大隅良典・東京工業大学栄誉教授が決まり、大隅教授の母校(高校)が同じ市内にあるせいか、とても身近に感じてしまいました。基礎科学分野の研究で成果を出せたのも、人がやっていないことを地道にやってきた成果であると話をされていました。耳が痛い話です。

 21世紀になって日本人のノーベル賞受賞者は16人目となるそうですが、研究の世界でも「経済優位性を保つ為に急いで結果を出すこと」が求められている現状が、この先の日本の基礎研究に影を落とすかもしれないとのことです。少し心配ですが、仕事の日常を考えても、結果を出す為に何をなすべきか、そのスピード感が常に求められていますので、理解できる気もします。

 ノーベル賞からは程遠いところにある私にだって、大隅教授が言われたコツコツと地道に行動を続けていく努力の大切さはわかります。ただ、昨夜も疲れていたからといって、寝る前の腹筋運動をサボるか続けるか悩んでしまうような男だから、「継続」というハードルが私にとってなんと高いものか‥‥。「地道に」が本当に苦手です。

 「三日坊主でしょうね、お父さんの『頑張る』はあまり長続きしないから」と家人が笑います。「あっ、そうそう。焼酎の幸蔵だけはずっと一緒のものを飲んでるわね。酒の肴にうるさいところも昔から変わらないかな」。当たり前だ、男が簡単に好きなものを変えちゃいかんだろ。地道に続けなくちゃ、とつい声を大きくしてしまいました。私の唯一の地道です。







◎アコースティック

No.330 / 2016年11月21日配信

以前、猫のしっぽ・カエルの手というNHK・Eテレ番組の事を書いたのですが、その中で番組中に使われているピアノソロの曲が、どうしても忘れられずに調べてみました。川上ミネさんというピアニストが作曲して演奏しているのですが、今やスペインと日本を股にかけて大活躍されている方でした。日本では世界遺産に登録された清水寺で去年より演奏会も実施されているのだとか。

 早速iTunesで曲を購入しましたが「道」「日記」などの曲は、ヒーリングを目的に作られた音楽もびっくりの「癒し」を私に与えてくれています。購入後早速、秋の夜長、布団の上で行うストレッチのバックグラウンドの曲に流しています。これまではエンヤの曲、夏はハワイのイメージミュージック(アコースティックギター)で筋肉を伸ばしたりしていました。

 リーンリーンと夏の終わりの鈴虫の鳴き声から始まる季節はアコースティックな音の世界。やっぱり秋は静寂に溶け込みやすい自然な音ほど心に残ります。煙が充満するジャズ喫茶で長髪を揺らしながら過ごした春、野外のロックフェスで拳を振り上げていた夏。そして今、アコースティックな優しい響きが馴染む秋。何か人生を暗示しているようで、妙に納得してしまいます。

 「お父さんが最高っていうけど、私にはそれほど……」と、娘には1950年代のビル・エバンストリオは好評ではありません。ベースのスコット・ラファロ、ドラムのポール・モチアンとの伝説のトリオもワルツ・フォー・デビーも形無しです。秋には最高なんだけどなあ。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のようなアコースティックな旨味を音に感じるからです。










2016/12月



◎木守柿(きもりがき)

No.331 / 2016年12月1日配信

 近所を散策していると民家から覗く柿の木の枝に、赤い柿の実が1個だけ残っていました。来年もしっかりと実ってくれるようにと願って、わざと取り残している「木守柿」かもしれません。または小鳥のために残している、優しさに包まれた1個かもしれません。北風を感じるようになり、風景がモノクロ化していく中で、小枝ごと揺れている赤い柿の実が印象的です。

 幼い頃、通学路のそばに古い柿の木の枝が板塀よりはみ出ている家がありました。友達との下校途中、たくさん実った柿の実を二人でよく見上げたものです。まだ柿は買わなくても、たくさん調達することができた良き(?)時代でしたので、秋の初めともなると、もういけません。なぜかみんな一斉にソワソワし始めるのでした。

 ただ、この柿の木の持ち主は近所でも有名な強面おじさんでした。通学途中に顔を見たこともあったのですが、噂にたがわぬ恐ろしげな顔でした。柿をこそっと拝借しようと思うことなど絶対にありえないし、もし失敗して捕まったらとか考えたくもありません。心は動くものの冒険ができない現実。幼い葛藤に柿の木の下を通る時にはなぜか無言でした。

 そういえばこの家の柿、冬になっても木の枝に1、2個まだ残ったままになっていたことを思い出します。ひょっとして「木守柿」か「小鳥の餌」だったのかもしれません。怖かったけど、実は心根の優しい人だったのかも。「性善説」のようなものが温かく心の中に広がります。さぁ、お湯割の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の時間です。







◎ローストビーフ

No.332 / 2016年12月11日配信

 家人たちが一泊で出かけることになり、私一人で留守番をすることになりました。仲間はずれの反逆心も巻き起こり、ひとつ何か美味いものでも作ってみようと、丸秘な「食べごころ」がムクムク。普段食べられない量の牛肉をがっつり食べてみたい!一人贅沢を決行しようと近所のスーパーに。飽食時代の精肉売り場には様々な牛肉が所狭しと並んでいます。

 佐賀産黒毛和牛のロースを見てみると、結構いい値段がします。外食を考えれば無理な価格ではないものの、がっつり食べるには結構な勇気が。ふうっとため息。家人の買い物の苦労がわかるような気がします。肝っ玉の小さな男だと自分を責めながら周りを見渡すと、外国産のもも肉のブロックが和牛肉の1/4以下の値段で売っているではありませんか。

 賢い男は選択を誤まらないものです。選んだトレイにはステッカーが貼られ、簡単にローストビーフができると表示してありました。これなら脂身も少ないし、たくさん食べられそうです。帰宅後、QRコードでレシピサイトにとぶと、本当につくり方は簡単。塩コショウをまぶして表面を強火で焼き、ビニールパックに入れて熱湯の中で少し寝かせるだけです。

 冷蔵庫のステーキソースには目もくれず、ここはシンプルに最初の塩・胡椒だけで勝負です。ジャガイモ・人参・ブロッコリーを添えて男の逸品は出来上がり。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の氷を効かせた水割りでいただきます。今夜はおフランス料理にうつつを抜かしているわが妻と娘にも負けない満足感。380gの肉で「がっつり」は達成されたのです。ふふっ、楽しかった。  







◎終業式

No.333 / 2016年12月21日配信

 一学期の終業式と二学期の終業式は、どちらも「休み」に入るというワクワク感でいっぱいでした。思いっきり束縛から解き放たれる長い夏休みに対して、短い休みだけれどクリスマスや正月の華やかなイベント感。どちらも小さな胸いっぱいに喜びを溢れさせていたことを思い出します。それにクリスマスにはプレゼント、正月にはお年玉がもらえるので、もういうことなしです。

 大人になった今では、あのみずみずしい喜びはもう湧き上がってきません。とても残念ですが、大人の冬にはそれに代わる楽しみなボーナスがあります(あまり自由にならないけど)。それに、仕事納めが終わったら、堂々(?)と日が高いうちからお酒も飲めます。なので、案外、子供の頃より今の方が楽しいのではないかと、最近は論理もやせ細るばかり。

 さて、この一年も様々なことがありました。「感動のシーン」で酷暑を忘れさせてくれたリオのオリンピック。極限まで頑張ったアスリートの姿は本当に美しいものでした。「シンゴジラ」も実に格好よかった。しかし、壮絶ないじめにあった福島からの転校生の「でも、震災でいっぱい死んだから、つらいけど、ぼくは生きると決めた」の手記が一番私の心を動かしました。

 そんな2016年ももうすぐ終わりです。大人として、この一年の「心の決算」をしなくてはなりません。自分だけの終業式です。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と一緒に、ゆく年くる年の鐘の音を聞きながら、今年もまた恒例の終業時間を過ごそうと思います。良いことばかりではありませんでしたが、何はともあれ、健康に過ごせたこの一年に感謝して。










2017/1月



◎鶏口牛後

No.334 / 2017年1月1日配信

あけましておめでとうございます。 昨年も私ども幸蔵酒造への温かいご愛顧、誠にありがとうございました。 伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」同様、 このエッセイも「心に届く味わい」を求めて頑張ってまいります。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 今年の干支は十二支の10番目である「酉(とり)年」です。9番目が申(さる)で、11番目の戌(いぬ)の間に置かれた酉は、犬猿の仲である両者の「不和をとり込む」仲裁の役目を仰せつかっているのかもしれません。酉年生まれの特徴の中のひとつに「面倒見がいい」というのがありましたが、そういった十二支の昔話から派生して来たのだとか。

 干支にはそれぞれに様々な縁起やいわれがあり、酉年は「とりこむ」年なので商売に縁起がいい年だとも言われます。当然、今年は仕事の運気も良いものだと思いたくなります。酉年生まれの人は「世渡り上手」「先を読む力に長けている」という特徴を生かして、ビジネスに張り切ってみるのが良いのではないでしょうか。

 「鶏口となるも牛後となるなかれ」。若い頃、生き方の教えに、故事由来の諺(ことわざ)がよく使われていました。志望する学校や会社への入試に失敗し、やむなく二番目の志望に切り替えざるをえない私にも、この諺は背中を押してくれました。大きな集団の中で尻につけるよりも、小集団であっても長のほうがよい、だからそこで頑張れ。先生からもらった言葉の記憶が蘇ります。

 結局、幸か不幸か大きな集団の中に身を置くことはなかったけれど、もちろん小集団でも長ではありません。集団の最小単位である家族の中でも「鶏口」になれていない自分の姿があります。よし、今年の目標は「とりあえず」家庭内での主導権の復活だ、と伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」に語りかけます。今年も大好きな幸蔵との毎日が始まりました。







◎あんこう鍋

No.335 / 2017年1月11日配信

 「西のふぐ鍋、東のあんこう鍋」と言われる冬の代表的な鍋料理。西のふぐ鍋と言われても、とらふぐの鍋はやっぱりそんなに何回もというわけにはいきません。ふぐの水揚げが多い地域に住む私の家庭でも、あんこう鍋の回数のほうが多いのです。近くの下関市はふぐ水揚げで有名ですが、あんこうの水揚げではなんと日本一を誇っているといいますし、それも納得です。

 冬季のあんこうは水温が下がり身がしまり、春先の産卵期に向けて肝臓も大きくなり、今がまさに「あんこうの旬」です。海のフォアグラとも言われるあん肝はアンコウ鍋の味を高めるのに欠かせません。肝はDHAとEPAが魚介類の中でもトップクラスの含有量を誇り、栄養価が非常に高いそうです。旨味を増したあん肝入りのスープでいただく鍋は最高です。

 ぬるっとした体表とグロテスクな姿。しかしその身は低脂肪で淡白な味わい。そんなあんこうはオスよりもメスの方が二回りも体が大きく、基本的には食用として市場に出回っているのはメスだということです。「ちっちゃなオスはメスの体表にしがみついて一生を終えるんだって」と娘がどこかで仕入れたウンチクを私に喋りかけます。

 それは提灯あんこうのことだろ。今、食べているのは「キアンコウ」なんだよ。しがみついたまま一生を終えるなんて、縁起でもない。少しムッとして、オスの私はアンコウの切り身をポイと口に放り込んでしまいました。熱いままだったので舌もびっくり。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の水割りをすぐに流し込みました。ふ?、お湯割りでなくてよかった。







◎三日月

No.336 / 2017年1月21日配信

 母親から注意を受けて、感情の整理がつかずにとっさに家を飛び出してしまいました。小学生の反抗期です。「ほっとけ」と父の声が聞こえたような気がします。勢いよく屋外に飛びだしたものの、気がつくとよく遊んでいる小川の土手にたどり着いていました。風のない晴れた夜、暗がりに枯れたススキの穂陰。小さい私は空を見上げます。

 しんしんと冷える夜空に浮かぶ三日月。その細い月はくっきりとしてはいるものの、どこか頼りなげです。ひとりぼっちの境遇は重なりますが、決して三日月は微笑みかけてはくれません。やがて、家を飛び出た興奮から冷めてくると、じわりと寒さが襲ってきます。震えとともに心細さも急速に広がり、歯の根がカチカチとかみ合わない状況に陥りました。

 自分が悪かったのだろうか。その場で母親の言葉を理解できなかったのは確かでした。どうしたんだろう。私はいつも味方になってくれる、大好きな母の言葉に背いたのです。非があるのはやっぱり自分だったのだろうと思い始めた途端、悔し涙が出はじめました。だんだんと三日月が滲んで揺れてきます。思考が凍りつき、判断ができなくなっていきました。

 「そんなに俺のお古のセーターが嫌だったんだなぁ」。大人になってからも兄はその事件のことを笑って話します。いつも兄のお下がりをもらっていた弟の気持ちはわかってくれないでしょう。しかし、よく考えてみると、父親に怒られる回数は圧倒的に兄の方が多かったのです。五分五分だよと伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が微笑みます。










2017/2月



◎小さな勇者

No.337 / 2017年2月1日配信

 三年後ぐらいには日本の次期基幹ロケットとして、「H3ロケット」が打ち上げられる予定だそうです。現在のH2Bロケットよりさらに商業受注に競争力を持つ新型ロケットとして開発が続けられています。ニュース画像でよくお目にかかったH2Bも失敗しないロケットとして世界に誇れ、米・露・欧州を超え、2001年以降の打ち上げ成功率は実に98%を超えています。

 昨年12月にも打ち上げられたH2Bロケットは、宇宙ステーション補給機「こうのとり」を宇宙に運びました。JAXAの打ち上げ模様はライブ配信されていましたが、漆黒の闇の中に輝く噴射光を出しながら小さくなっていく機体に最後まで見入ってしまいました。かっこいい!と、心で叫びます。その瞬間は少年の頃と同じ精神構造に還っていました。

 少年のころ、糸川博士のロケット開発に夢中でした。ちょうどK(カッパ)ロケットからL(ラムダ)ロケットへと主力機が変わり、さらにM(ミュー)ロケットの開発研究が始まった頃で、「ミュー」などというカッコ良い名前のロケットには心を奪われっぱなしでした。糸川博士の最初の実験機が長さ23センチのペンシルロケットで、超ミニミニサイズでした。

 1月には衛星搭載ロケットでは世界最小とされるロケット「SS−520」の4号機が打ち上げられましたが、残念ながら失敗しました。全長10メートル弱で、打ち上げ経費も安く済むそうですが、次の成功を目指して、頑張れ日本です。小さな蔵の匠の技術が詰まった、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」となぜかオーバーラップしてしまう「小さな勇者」に乾杯!







◎ピーナッツ

No.338 / 2017年2月11日配信

 1970年代に政財界を巻き込んだロッキード事件は今でも記憶に残っています。賄賂の領収書に金額の隠語として使われたという「ピーナッツ」。100万円が「1ピーナッツ」だったとか。これまで庶民として、そんな高いピーナッツにはお目にかかったことはありませんが、今でも落花生やバターピーナッツは大好きで、比較的よく食べているほうです。

 先日、NHKの「ためしてガッテン」でピーナッツをテーマに取り上げていました。ピーナッツはカロリーが高いことでよく知られていますが、その組成成分のなんと半分以上が脂肪分だということです。なるほどガッテンです。オリーブオイルでも有名な不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含み、飽和脂肪酸も合わせて非常にバランスよい脂肪酸の構成になっているのだとか。

 アメリカのハーバード大学の研究結果からは、ピーナッツが死亡率を下げてくれることが見えてきます。ピーナッツの脂肪酸が血管を強くし、コレステロール値、血糖値にもよい影響を与えると言います。1日20粒程度がオススメだそうです。さらにミネラルやタンパク質なども豊富なので、料理にも活用しない手はありません。すりつぶして味噌汁に入れても美味しいらしいです。

 「そういえば『柿ピー』は外国人にも大人気だってね」と娘も納得顔。そして「おとうさんもこれからはピーナッツをしっかり食べないとね。まだ、元気でいてもらわないと困るから」。真心なのかは怪しいものだけど、まあ、その気遣いに悪い気はしません。これからは伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と同じように、ピーナッツも切らさないように気をつけなくてはいけないかも、です。  







◎アゴ出汁

No.339 / 2017年2月21日配信

 九州ではトビウオのことを「アゴ」と呼びます。アゴは長崎の平戸などが有名ですが、そのアゴの出汁が空前のブームなのだとか。昨年末、デパ地下で乾物を眺めていたら、係の人が声をかけてきました。このアゴ、立派な大きさでしょ。もうこの値段ではなかなか見つからないかもしれませんよ。いかがですか?と、焼きアゴを15尾、縄で連ねて縛りあげたものを勧められました。

 トビウオは水面を滑空したり、とにかく運動が多く、体脂肪が少ない魚として有名です。新鮮なものを刺身で食べたら、さっぱりとした味わいに驚かれるかもしれません。それを焼き上げて乾燥させて、出汁用にしたものが焼きアゴです。博多伝統の雑煮には必ずその焼きアゴで出汁をとったおすましが使われます。黄金色に澄んだ上品な味わいが自慢です。

 昔、我が家では味噌汁や煮付け料理の出汁取りに使ったいりこは、そのまま料理に混じったまま食卓に出されていました。私たち子供は好き嫌いに関係なく、必ずそのいりこまでを食べさせられたものです。唯一、正月のお雑煮にはいりこの出汁ガラが入っていなかったので、特別な感じがして嬉しかったのを思い出します。いりこではなく、大きい焼きアゴが出汁に使われていたからです。

 地元の市場価格ではなんと近年の7.5倍にまではねあがったとも聞きました。昔からアゴの出汁が大好きだったものにとっては複雑な気分。今もコシが強くない柔らか麺の博多風うどんには専用の粉末アゴ出汁スープを愛用しています。澄んだスープに柚子ごしょうを加えたら、もう最高。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と同じように、一度ハマったら抜けられない味ですから。










2017/3月



◎下駄箱の思い出

No.340 / 2017年3月1日配信

 「女子中高生が卒業式にもらいたいもの」は第2ボタンが7割以上で圧倒的な第1位という調査結果が出ていました。ケータイ番号を教えてもらうという人は多く、現代では当たり前でしょうが、それに次いで「手紙」という回答があったのには驚きます。私の認識が古いのか、手紙はもう過去のものだとばかり思っていましたが、今でも手紙は生きているのですね。

 私の中高時代はケータイなど考えもつかない時代だったので、コミュニケーション・ツールとしては「手紙」が一般的でした。直接異性に気持ちを伝えることは、その当時の思春期の少年少女にとっては、清水の舞台から飛び降りることと同じだったはずなのに、なぜか女生徒からの「手紙」は少なくありませんでした。女性には昔から心を伝える事の重要性が理解できていたのですね。

 私は高校の卒業式を目前に控えた週に、一人の女生徒から下駄箱の前で呼び止められました。以前、バレンタインデーの日、自分の下駄箱の中に手紙が入れられていて、ドキドキした経験がありました。ある意味、下駄箱は青春の記念すべき大切な場所なのです。私を呼び止めた女生徒は隣のクラスの生徒で、私も見た事はありました。急に胸が高鳴ります。

 「あの、9組の人ですよね。これを田中君に渡してほしいのですけど」と洋封筒の手紙。残念と思うよりもっと複雑な思いで受け取りました。田中にはすでに付き合っている人がいたからです。手紙を手にした女生徒の気持ちを思うと、とても切なくなります。こんな下駄箱ドラマを想う3月は、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で、さあ、もうひと浸り。






◎出刃包丁

No.341 / 2017年3月11日配信

 今やテレビでも人気の予備校教師・林先生の番組で、「魚のさばき方教室」が人気だという話が出ていました。築地お魚くらぶの先生がカルチャー教室の先生をされています。アジやハマチの丸魚のさばき方をわかりやすくレクチャーしてもらえます。インスタントやレトルト、冷凍加工食の時短簡便食品がメインの世の中、手作業がなぜか新鮮に見えます。

 私はまだ海釣りを始める前から、なぜか魚のさばき方ビデオを持っていて、その後ずいぶん役に立ったものです。今みたいにYouTube動画でさばき方が簡単に手に入らなかった時代なので、本当に重宝しました。アジはもちろんクロ(メジナ)、チヌ(黒鯛)など釣ってきた魚を自分でさばいて色々と調理したものです。

 長い間活躍してきた出刃包丁が先日ついに寿命を迎えました。もっと丁寧に手入れをしておけば長持ちしたのかもしれませんが、持ち手の木の部分の中で鉄が錆びて膨らみ、木が割れて中の鉄の部分もろとも折れてしまいました。お気に入りの釣竿を折ってしまったのと同じくらい残念な気持ちです。悔しいけれど仕方ありません。

 そしてやっと先週新しい出刃包丁を手に入れることができました。高級なものではないけれど、ワクワクします。もう週末の漁協の直売所が目の前にチラチラしてきます。「包丁1本でこんなに喜べるなんて、幸せね」と娘からからかわれますが、気になりません。今週は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の肴は生き締め真鯛の刺身にしよう。ふふっ、今から楽しみです。 







◎桜の散り際

No.342 / 2017年3月21日配信

 日本ほど四季を細やかに感じられる国は少ないといわれます。様々な顔を持つ美しい自然環境の中で、日本独自の繊細な感受性は長い時間をかけて育て上げられました。自然を克服するというより、同調できることに意味を見出した先人達の生き方を美しいと思います。今や、昔当たり前だった「情緒的」なことが「合理性」の中では新しいものに聞こえる時代になりました。

 本棚の端に10年くらい前に読んだ藤原正彦氏の国家の品格(新潮新書)があったのでページをめくってみました。すると、しっかり忘れていましたが、日本人の桜に対する感性の鋭さを書かれたページがありました。桜の花が本当に綺麗なのは3、4日間だということですが、皮肉なことにそれを狙って春の嵐(風)がやってきては、きまって花びらを散らします。

 たった数日に命をかけては潔く散っていく桜に無常の価値を見いだし、人生を投影していく日本人。武士道にもその散り際の美しさがみられます。一方で別の価値観を持つアメリカにおいても、ポトマック川沿いの桜まつりは人気で、本場日本をしのぐようなスケールに育っています。散り際に寄せる思いは違うでしょうが、まずは美しさに触れることが大切です。

 昨年、20代から60代の半数以上が花見をしたと言われます。そしてその2/3が家族で出かけたというアンケートの結果も出ています。私も花見だけは家人と一緒でした。さあ、桜の季節。雨の満開にならないように、散り際が美しくありますようにと願いを込めて。今年も車はやめて、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」もスキットルに詰めて一緒に外出です。










2017/4月



◎ホタルイカ

No.343 / 2017年4月1日配信

 イカが大好きで、旬と言われる時期だけでなく、年間を通じてけっこう食べます。もう全国的になって珍しくはありませんが、以前から「さばきたて」を食べさせてくれることで有名な、唐津市呼子町にもよく足を運んだものです。透き通ったコリコリする刺身は噛みしめると甘みが口中に広がり、最高です。残りのげそ(足)は天ぷらにしてもらいます。

 春に見逃してはいけないのがホタルイカです。ホタルイカは兵庫県や富山県等の日本海側で水揚げされるわずか数センチの小さなイカで、発光するイカとして有名です。これまでは、付け合わせの小皿で酢味噌和えで食べたことがあるくらいで、その味の記憶はとても弱々しいものでした。しかし、それが今年、味の認識が大きく変わってしまったのです。

 俳句の会に入っている家人から聞いた話では、ホタルイカは季語にもなっていて、晩春を表すようです。富山の方ではこの時期、一生で一度っきりの産卵のため富山湾の岸近くまで寄ってくるそうで、その美しい光は、まさにこの世とお別れをする「蛍の光」。食べる側もそんなホタルイカに対しては、やっぱりいい加減な気持ちで臨んだらダメでしょう。

 天ぷらにするため、生まれて初めてホタルイカのパックを購入。目の玉やくちばしなどを取る作業をキチンと手を抜かずにやりました。多少の手間はかかったけれど、揚げたてのアツアツを頬張ったらそんなことはすぐに忘れてしまいます。その日、旬の海の幸は私に幸せを運び、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で幸せな時間はさらに大きく膨らみました。







◎ 苺一会

No.345 / 2017年4月11日配信

 今は異性との交流には合コンが用いられますが、私ののどかだった学生時代は「合ハイ」でした。合同ハイキングを縮めて「合ハイ」と言っていましたが、葉桜の時期によく参加していました。当時は基本的には女子が弁当を作ってきて、男子はギターとラジカセを用意し、フォークソング歌集を作ってくるのが決まりでした。すべてが手作りです。

 みんなで「戦争を知らない子供たち」や「結婚しようよ」を歌い、ここではフォークギターを弾ける男子がモテますが、それは仕方がありません。そしてラジカセのフォークダンス演奏曲に合わせて、手のひらに汗をかきながら女子の手を握ったことを思い出します。その日、好みの女子がいました。ドキドキしながら合ハイの翌日に電話を入れたのです。

 無理を承知で、次の日曜日、京都の嵐山に一緒に出かけないかと。奇跡的に、なんとOKが。私の特別な1週間は、緊張感を増しながら新幹線のスピードで過ぎ去りました。そして当日、寡黙な時間の中で「これ私が作ったのよ」と広げてくれた可愛い弁当箱。中には、卵焼きの横に真っ赤なイチゴが添えられていました。その甘いと思ってかじったイチゴは酸味が勝っていました。

 ぎこちなく口をついて出てきたのが、言わなくてもいいのに「少し酸っぱいね」の一言。情けなくも、その日は気が利いた言葉などほとんど喋れず、やっぱり翌日以降彼女の電話の声には180度の変化が。この時期、旬の露地物のイチゴを見るたびにあの合ハイを思い出します。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の芋の甘さと甘酸っぱい思い出がよく似合う季節です。







◎プレミアム・フライデー

No.346 / 2017年4月21日配信

 小池百合子環境大臣の時に始まったクールビズですが、今や夏のノーネクタイは当たり前のように支持されています。そしてこの2月から始まった政府主導の働き方プランの「プレミアム・フライデー」。金曜日の働き方を変えて、消費を活性化させようとする試みですが、まだまだその官製主導企画の恩恵にあずかれる人は多くないようです。

 日経MJが以前に調査(大手企業を中心とした155社)した結果では、歓迎するとした企業は50.7%ですが、そのために対策をした企業は16.3%、検討中が20.9%でした。大手企業でもこの数字ですから、中小企業、そして接客やサービス提供のために午後3時に終われない業種のことを考えたら、国中みんな揃って実施というわけにはいきません。

 2月のプレミアム・フライデーの実施結果が出ていましたが、実際に早く帰った人は全体の3.7%ということでした。早く帰る予定だったけど仕事の都合で帰れなかった人もいて、課題も多そうです。「日本では無理だよ」という声も聞こえますが、私個人は無理だなんて言わずに、少しづつでも前向きに実現できるように進められたらと思います。

 週休2日制もすぐには定着できなかったことを思うと、案外「プレ金」もこの先うまく行くかもしれません。そしてドイツのように週休三日制も、将来的には夢ではなくなるかも。働くことは素晴らしいことですが、私にとっては伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のグラスを片手に、夢を語ることもそれに負けない大切な時間なのです。だから「プレ金」には大賛成です、ふふっ。










2017/5月



◎為せば成る

No.347 / 2017年5月1日配信

 「うまくいかないことを、他人のせいにしたらいけないよ」と、母は幼い私に言い聞かせました。母はあまり格言めいたものを息子達に語りませんでしたが、「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」という歌だけはしっかりと心に残してくれました。「為せば成る」だからねと、消極的な態度によくカツを入れられたものです。

 幼いその頃は江戸時代の米沢藩主・上杉鷹山の名言だとかは知る由もありませんでしたが、やっと数年前に知ることになりました。関ヶ原の戦いで西軍についた上杉家は徳川家康に大幅に石高を減らされてしまいます。その窮地に陥った米沢藩の財政を立て直したのがこの上杉鷹山で、藩の改革に当たって良い言葉をいろいろ残しているそうです。

 以前、駐日アメリカ大使だったキャロライン・ケネディさんが米沢市を訪問してニュースになっていました。父であるジョン・F・ケネディ元大統領が生前に上杉鷹山を尊敬していて、鷹山の姿勢や生き方を聞かされていたのだとか。鷹山のその考かたに共鳴できる海外の著名な政治家が実際にいたとは驚きです。

 母が言う「為せば成る」の精神は私には宿らなかったけれど、トライすることの大切さは感じています。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の相棒(肴)探しはそのひとつです。つまみへのこだわりを実践することで、人生が豊かに膨らみ、幸せレベルもぐんと引き上げてくれています。美味いもの大好きな私に今年も母の日が近づいてきました。






◎物忘れ

No.348 / 2017年5月11日配信

 発車寸前の地下鉄車両に慌てて飛び乗りました。少し走っただけで、息が乱れます。運動不足か、それとも歳のせいなのか。何れにしても、あまり無理しないほうが良いかもしれません。車内を見渡すと、乗客の平均年齢の高さが簡単に見て取れます。通勤時間帯ではないものの、それにしても若い人があまりにも少ないではありませんか。

 私が腰を下ろした席の隣には、歳を召された女性が2人で並んで腰掛け、いろいろお話中。聞こえてくるのはガスコンロの火を消し忘れて危なかったことや、お友達との約束をすっぽかして迷惑をかけたことなどでした。日本の高齢者(65歳以上)人口も26.7%で、女性に限って言えば29.5%だそうで、そんな物忘れの話はもう当たり前なのかも。

 いずれ確実に、私もその仲間になるはずです。他人事ではありません。30代の頃、朝の通勤列車の中でクライブ・カッスラーなどの冒険小説をよく読みました。そのページの続きは帰りの電車になるわけですが、朝読んだ内容はほとんど記憶になく、再度読み返す始末。若年性健忘症とかいう記憶障害ではないかと、一時期悩んだことを思い出しました。

 今、「二日前の夕食は何?」との質問にはすぐには答えられないし、娘からは「『あれ』とか『これ』とかが増えたね」などと指摘される始末。さらに「行動したこと自体忘れなかったら、その内容は思い出せなくても特に問題ないんだって」とフォローまで。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲むことは毎日忘れたことがないので、私は大丈夫。ですよね。  







◎旬のサザエ

No.349 / 2017年5月21日配信

 初夏の太陽がキラキラと波間に輝く海辺の道を、窓を開け放ち、風を取り入れながら走るドライブは気持ちがいいものです。日頃のモヤモヤなど一気に吹き飛ばしてくれそうです。そして、海岸沿いや海辺の観光名所で食いしん坊の私を迎えてくれるのが「サザエのつぼ焼き」。車内で香ばしい匂いを想像するだけで、よだれが出てきそうです。

 ただ、私はハンドルを握る手前、アルコールは厳禁。道中の「サザエのつぼ焼き」は家人や娘たちにも諦めてもらって、募る想いを抱えたまま帰路につきます。途中に農産品・魚介類の直売所がありますが、夕刻にはもう売り切れてしまっているでしょう。残念ながら、今回はサザエとは縁がなかったということで、と諦めかけました。

 しかし天(店)は普段の行いが良い私を見捨てることはありませんでした。ふふっ。旬のサザエはまだ直売店に残っていたのです。それも最後の2パックのみ。慌てて買い物かごに放り込みました。こんなサザエの旬の時期に、何たる幸運。早速その夜、部屋の窓を開け放ち、卓上コンロでつぼ焼きパーティとなりました。

 殻から身の取り出し方、肝の苦さのことなどでテーブルが賑わいます。久しぶりの軍手も役に立ちます。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」がこの美味しい海の幸の味を引き立ててくれます。家族に向かって久しぶりの芋焼酎の講釈。漫画のサザエさんの話題まで飛び出して楽しい食卓に。今日の「幸」運と「幸」蔵に感謝。とってもいい一日でした。










2017/6月



◎孤独じゃないよ

No.350 / 2017年6月1日配信

 先日、ネット上の記事で「日本のおじさんが世界一孤独」という残酷なフレーズが目に飛び込み、気になって読んでしまいました。人生は出会いと別れを繰り返すものだが、年をとるにつれだんだんと新しい友人を作れなくなっていくという、少し痛い感じの内容でした。それは世界共通の傾向だということですが、特に日本人の「孤独度」が世界の中でも群を抜くそうです。

 我が身を振り返ってみても、確かに友人が増えていったのは若い頃です。特に大学時代では自分で自由に使えた時間が多く、学校以外にも友人や関わり合える人間はどんどん増えていきました。入社以降も、取引先を含め「関係者」が一気に増えました。ところが、今はどうでしょう。古くからの友人とは疎通を欠き、いつの間にか話し相手は確実に減っています。

 「孤独」は単に人の健康に大きく影響を及ぼすだけではなく、社会からの疎外感が生きる意欲を削いでいくということからも、命にも関わる大きな問題です。この問題は女性よりも男性の方に深刻な事態を与え、男性の自殺率は女性よりも高く、それも中年?高年齢者に多いということです。幸せを蝕むものへの対処は、「やっぱり話し相手を増やすことよ」と娘が言います。

 しかし大丈夫。人生は友人数だけの勝負ではありません。むしろ大切なのは本当の話し相手をしっかり持っているかどうか。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」という真の友人(?)を持っているので、一人グラスの時が多くても、決して「孤独」なんかじゃありません。毎夜の濃い付き合いです。これこそが「豊かさ」ってものでしょう。家人も娘も未だにわかってはくれませんが。






◎梅干し

No.351 / 2017年6月11日配信

 春にその愛らしい花を咲かす梅の花は、5月には実をつけはじめます。6月、やがて熟れて黄色味を帯びた梅の実が小売店の売り場に並びます。我が家でも家人が若かった頃には挑戦意欲も旺盛で、生協で買ったからと今はやらなくなった「梅干し作り」に精を出していました。途中でカビを生やしたりと、いつもスムーズだったわけではありませんでしたが、私はその手作りの梅干しが大好きでした。

 そんな昔ながらのしょっぱい梅干しが好きなのですが、家族の健康を考えると減塩タイプに文句が言えません。ただ、蜂蜜入りなど、あの妙に甘い梅干しだけには閉口してしまいます。なので、自分用にと近郊の農産物直売店に出向いて「昔仕込みのしょっぱいタイプ」を買い込んでいるのです。我が家の冷蔵庫にはスペース不足にもかかわらず、必ず2種類の塩分濃度の梅干しが並んでいます。

 5月のある休日、家人は女友達で作る山の会の低山登山に出かけました。早朝起床で、ささっとおにぎりを作って出かけていきましたが、私の分も食卓の上に置いてありました。海苔がしっとりとなった手作りおにぎりは私の好物で、そのおにぎりの中にはあの私が買ってきた「しょっぱい梅干し」がタネを抜かれて入っています。シンプルに海苔と梅干しだけのおにぎりもいいものです。

 おそらく自分用には減塩タイプ。亭主用には昔ながらの頑固なしょっぱいタイプ。小さなわがままを許してくれる人がいる。身近すぎていつもは感じない温かいものが心に触れました。手間はそんなに掛からないにしても、忙しい時間のその心遣い。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で心を洗ったような爽やかな時間が、休日の午前中に訪れるなんて。家人に感謝です。







◎豚レバー

No.352 / 2017年6月21日配信

 今ほど最高気温も高くなかった時代とはいえ、やはり夏は暑く、20歳過ぎの若かった肉体にも「夏バテ」は訪れました。アパートでの1日2食、毎回サッポロ味噌ラーメンというインスタントな食生活の毎日。わずかながらのキャベツのビタミンも捨て難い栄養素でした。そんな食後、暑い昼下がりに力もなく学生アパートでゴロリと横たわっていたことを想い出します。

 このままではいけない、立ち上がらなくては。私の食生活は基本的にはアルバイトによって支えられていました。良くいえば「生きるため」に、本末転倒ではあっても、授業時間よりもアルバイトに費やす時間を優先させていたのです。しかし、授業やゼミの時間の都合で、どうしてもアルバイトが出来ない時期は、あの脱力感いっぱいの「ラーメン生活」が待っていました。

 そんなある夜、友人の紹介で労賃の高い「中央郵便局での仕分け作業」のバイトに出かけることに。仮眠時間が取れるといっても、夏の夜を通しての作業です。肉体も思いっきり使います。重い麻袋(だった?)に入った郵便物を各地域ごとに振り分ける作業は堪えます。深夜の夜食時間、局内の食堂人気メニューが「豚レバーのステーキ」だということにも納得してしまいました。

 aa(みんみん)や王将などのレバニラ炒めは食べたことがありましたが、大きいままの豚レバーをステーキで食べるのは初めてでした。冷房の音がうるさい食堂で、連夜ガツガツと豚レバーを掻き込んだ記憶が蘇ります。おかげで、貧乏学生のその年の夏はとても元気でした。久しぶりに豚レバーを買ってこようかな。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とも合いそうですし。さあ、暑い夏の始まりです。










2017/7月



◎アニサキス

No.353 / 2017年7月1日配信

 刺身が大好きなのに、釣りにも行けないので、代わりに漁協の直売所に足繁く出かけては生き締の魚を購入しています。その直売所では男性の姿も数多く見られ、魚好きの人が増えたのであれば、仲間が増えたようで嬉しいものです。もちろん買った丸魚はその場でさばいてくれるので、担当の人に「刺身用に、3枚におろしといて」と声をかけるだけでOK。

 今は飽食の時代。腹回りサイズが気になる中年ともなると、さすがの私も「量より質」。ただ、魚に限っては天然に限るという強い思いも最近は弱まってきました。養殖技術の向上もあり、「脂の乗り」だって料理に合わせて考えられるようになり、今では美味しければ「養殖でも問題なし」という姿勢。よく、活き締め「養殖カンパチ」の小さな柵を買ってきて食べています。

 刺身を引いている私に、娘が「アニサキス大丈夫?死にたくなるほどお腹が痛くなるらしいね」と話しかけてきます。最近アニサキス中毒が増えているそうです。まあ、食品衛生法(平成11年)の改正で、アニサキスによる食中毒の届出義務となったことも影響しているのかも。「この養殖カンパチは大丈夫。心配なら別に食べてくれなくていいけどさ」とイヤミを返します。

 私は特に鯖や鯵などアニサキスが多く発見される刺身を好んで食べてきました。釣ってきた魚の多くを刺身で食べました。確かに加熱や冷凍で防げるかもしれませんが、私は注意を払ってきたので「生食」でも自信があります。これからも刺身は食べまくるつもりだし、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と刺身のない世界なんか、絶対に考えられませんので。






◎新撰組・斎藤一

No.354 / 2017年7月11日配信

 幼い頃、「新撰組血風録」という新撰組を扱ったテレビ番組がありました。おぼろげな記憶の中でも、ただただ土方歳三の格好よさと肺病を患っていた沖田総司の姿だけはなぜかはっきりしています。そして、京都のまち中で起こる様々な事件の記憶は蒸し暑い夏に結びつくのです。調べてみると、ドラマスタートは7月11日。扇風機の風に当たりながらテレビを見ていたはずです。

 私の中では、斎藤一は土方や近藤、沖田のようなハッキリとしたイメージがありませんでした。しかし、滅法強かったという話を聞き、この際、読んでおかねばと本を入手。一刀斎夢録(浅田次郎/文春文庫・上下巻)です。物語は明治時代も終わりを告げようとする頃。近衛師団の若い中尉(剣道の名手)は、一刀斎という老人から過去の話を毎夜聞かされることになります。

 その老人こそが新撰組三番隊長の斎藤一でした。最強とまで恐れられたその剣は左利きの抜き打ちで、抜く手も見せずに刀を一閃させたとか。極限の闘いに自らの哲学を持ち、幕末を駆け抜け、生き抜き、明治の世では西郷隆盛の軍とも闘うのです。この物語ではあの坂本龍馬を暗殺した張本人として描かれ、あの龍馬の暗殺シーンなどは、思わず息を飲んでしまいます。

 さすが浅田次郎さんです。史実をベースにしてはいるけど、読む人を熱くさせてしまうフィクションの「描く技術」が凄いところです。読後はやっぱり熱くなった心を鎮めなければなりません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のグラスにたっぷりと氷を注いで、一口やりながらそのシーンを回想します。う?ん、とてもいい夏の夜です。本の続きにまた手が伸びます。







◎鶏の手羽先

No.355 / 2017年7月21日配信

 手羽先の料理は焼き鳥店に限らず、居酒屋のメニューにもよく載っているのではないでしょうか。手羽先を甘辛いタレで焼き上げたものや唐揚げタイプのものが多いようです。手羽先自体に肉の量を求めるのは酷で、家庭料理としても、胸肉やモモ肉のようにメインを張れる料理とはなりにくい部位ではあります。しかし、とても捨てがたい、熱中できる部位でもあります。

 先日家人が大ぶりの手羽先を買ってきていたので、そのまま塩胡椒をしてロースターで焼いてもらいました。皮の部分がきつね色にパリッと焼きあがったら出来上がり。熱々をそのままでもいいし、私はほんの少しアクセントに柚子ごしょうをつけて食べました。皮のパリッと感とその中のジューシーな肉の味わいが最高で、夏場の酒の肴にイチ押しです。

 「甘いタレが付いていないし、さっぱりして美味しいね」と娘にも大好評。「甘いものばっかり食べているお前でも解るのか、このシンプルな美味しさが?」と言うと、「当たり前よ、もう子供じゃないんだから。こういう味も解るのよ」という返答。さらにそれから手羽先に多く含まれるコラーゲンやビタミンAの話がおまけでついてきました。美容と結びついた話です。

 氷をガンガン放り込んだ、冷た?い伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の水割りで、焼いた手羽先を食べたら最高でした。一度でもその美味しさに触れたら、のめり込むのが私の癖。これまで、あまり覗かなかった鶏肉専門店の冷蔵ショーケースの前で、手羽先の姿を求めるようになりました。朝にさばいたやつか、美味しそうだな。しばらく、熱は冷めそうにありません。










2017/8月



◎カリフォルニア・シャワー

No.356 / 2017年8月1日配信

 誰だってそうかもしれませんが、夏になると決まって聴きたくなるサウンドがあります。心を解き放つリズム感、軽やかでフレンドリーなメロディ。自分の日常から遠のいていた曲が、今、ラジオから流れています。どうしてこんなにす?っと心に入ってくるのだろう、と若い頃から大好きだった渡辺貞夫のカリフォルニアシャワー。ウキウキする軽快なジャズフュージョン。

 四半世紀以上前、8月の或る日、私はイギリスからヨーロッパ大陸に渡るためのフェリーに乗り込みました。ドーバー海峡は曇りのち晴れ。船のデッキの上では陽の光を浴びようと、多くの欧州の女性が白い肌をさらしています。私は目のやり場に困りながら(?)デッキの端に座り込み、旅のお供をしてくれているパナソニックの「旅カセ」のスイッチを押しました。

 日本から持ってきたナベサダの「カリフォルニア・シャワー」がドーバーの風に流れます。デイブ・グルーシンのスマートなアレンジによる「爽やかなサウンド」が船上の人の心をとらえました。いい曲だな。なんてやつの曲なんだ?と声をかけられ、私はニンマリ。やっぱりいい音楽には国境はなかったのです。「ナベサダか。覚えておこう」と青い目の人もまんざらでもない様子。

 イギリスとヨーロッパ大陸をつなぐ海の上。ジョンレノンが歌うイマジンのように、国(境)なんてないのさ、あるのは(それをつなぐ)空だけさ、の感覚は正解でしょう。国籍は違っても、いいものは共有できるというボーダレスな風。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のロックグラスを揺らしてみます。カリフォルニア・シャワーに負けない気持ちの良い氷の音がしました。






◎すいかのお化け

No.357 / 2017年8月11日配信

 夏にはやっぱり縁側に座って西瓜を食べる風景が似合います。一度、昔を懐かしんでマンションのベランダで西瓜を齧ったことがありましたが、昔のように口に残った種をぴゅっとベランダに飛ばすわけにはいきません。もう庭の端の井戸桶で一玉丸ごと冷やしていた時代とは違います。デザート用の一口サイズにカットされたスイカに頼らなければなりません。

 あの頃、母親からは果肉の外側の白い部分は漬物にするから捨てちゃダメよと、よく言われたものです。今だったら食べ残しの部分は削りとったからって、一旦他人が口をつけたものを使ってみんなの漬物にすることには、抵抗があるかもしれません。我が家では翌朝はちょっぴり塩味の西瓜漬物を白ご飯のおかずによくいただいたものです。水分が多くてシャキシャキしていました。

 ある日、ハロウィンのかぼちゃならぬ、お化け西瓜を裕福な家庭の友達が作りました。西瓜のてっぺんから西瓜の身をスプーンでくり抜いて皮の部分だけを残してあります。目は三角、口は大きく裂けたようにくり抜いてあります。中心部にはローソク立て。小さい私はうらやましくてたまりません。大切な食料である西瓜を工作に使うことなど、我が家では許されるはずがないからです。

 氷で割った伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲みながら、あの夏休みを思い出します。近所の墓地でやった「肝試し」で友達のお化け西瓜のデビューはなりませんでした。友達は暗がりで雨上がりの墓石に足を滑らせ、西瓜を落として割ってしまったからです。とても悔しかったのか、スイカのお化けのような顔をして、友達は泣きじゃくりました。







◎睡眠負債

No.358 / 2017年8月21日配信

我が家の高齢猫がそろそろ虹の橋を渡りそうです。昨年の1月に腎臓に問題があるとわかってから、約一年半。その時も1週間の命かなと思いながらも、見事に復活して元気に過ごしていました。が、再度餌を食べなくなり、病院に連れて行ったらもう腎不全の状況でした。私のところでは猫の人工透析できないからねと、先生も首を横に振りました。

 無理やり猫の口を開き、歯の間から液状の猫フードを与えます。猫は立ち上がってよろよろとトイレの砂の場所に向かいます。昨日はトイレの前でおしっこを漏らしてしまいました。夜もか細い声でよく鳴いています。娘も、家人も、そして私も猫の介護に睡眠不足気味です。目の周りの感覚がふわっとしてきました。この春でしたか、NHK放送でやっていた「睡眠負債」を思い出します。

 一日6時間以内の睡眠時間を2週間続けた脳は、少しずつの睡眠負債がたまっていき、2晩徹夜したのとほぼ同じ状態になるとのこと。ほとんどがそんな鈍った脳の働きを自覚していないのが実情のようで、睡眠不足はガンのリスク、認知症のリスクを高めると言います。7?8時間を睡眠にあてる努力をするべきだとか。しかし今の私には、それは、無理かもしれません。

 寝る前のスマホからの情報チェックはやめて、猫の体を優しく撫でてあげる時間に回しました。朝、眠そうな顔で朝食の味噌汁を流し込みます。「お父さんって案外優しいのね」と猫看病にできるだけ付き合っている私を見て、娘が微笑みます。夜の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の時間まで、仕事も頑張らなくては。仕事と猫と幸蔵と。さあ、暑いけど、今日も勝負だ。










2017/9月



◎遺伝子操作

No.359 / 2017年9月1日配信

 テレビ画面に巨大な筋肉を持つ牛が映し出されました。そして普通は上から泳いでいる姿を覗けば、細く見えるはずの真鯛が丸々としています。牛肉も真鯛も私たちの食卓を飾る「食品」として欠かせないもので、効率よく肉付きの良い個体を作り出すことができれば、地球の食糧事情を考える上では有益となり、私たちの食生活にも恩恵をもたらすはずです。

 それらの人為的に生み出される経済効率の良い「お肉」は「ゲノム編集」という新しい技術で生み出されます。ゲノム編集はそれぞれの遺伝子をより有利なものに、切ったり貼ったりして置き換えていく技術のこと。もちろん、この技術は「食」に関わるものだけにとどまりません。医療の現場で大きな力になるだろうとの予想は凡人である私にとっても難しくはありません。

 治療困難な病気だって、その問題のある遺伝子を正常な遺伝子と置き換えれば解決に向かうはずです。すでに「エイズ患者」も健康に近い形まで回復したという臨床実験結果もあるそうです。DNAを書き換えてガンなどの難病を克服する技術は私たちに「明るい未来」を提供してくれますが、生命の神秘が人の手に落ちてしまうという意味ではなんとも微妙です。

 昔、月には大きなウサギが住んでいて、餅つきを。竹取物語のかぐや姫は月に帰っていきました。しかし岩で覆われた月の表面のことを、今は子供だって知っています。しかし、いまだに私の頑固な遺伝子が求めるのは、秋の十五夜の黄色くて大きなロマンチックな月。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のカップを手に、さあ、今年も月見です。そういえば、親父も満月が好きだったなあ。







◎ザワークラウト

No.360 / 2017年9月11日配信

 独身時代、当時の西ドイツのミュンヘンでソーセージを食べたことがあります。記憶の中で、皿の中でソーセージの横に添えられていたのは酸っぱい刻んであるキャベツ、「ザワークラウト」でした。若い頃には酸っぱいモノを好んで食べたりはしなかったけれど、腹をすかせていたからか、その時だけはこの酸っぱいキャベツが美味しく感じられたものです。

 以後、新婚時代に海外からの輸入食材に憧れたこともあり、大瓶のザワークラウトを買い込んだことがあります。ドイツなどの食事内容と味噌汁を中心とした和食ではその「テイスト」は大きく違い、白菜漬けのように醤油をかけたりして食べていましたが、いつの間にか瓶の残りは冷蔵庫の奥に眠ったままに。そして長い間、その話題も眠ってしまいました。

 「お父さん、ザワークラウトって知ってる?」と娘が私に聞いてきます。私が黙っていると、「乳酸発酵食品だから体に良いそうよ。ヨーグルトなどの乳製品などの動物性より漬物などの植物性の発酵食品の方が、腸に届くまでに生きている確率が高いんだって。ザワークラウトも植物性だから、ねっ」と、発酵食品の話を長々としてくれました。

 最近は年齢がなせる技か、私の好みも酸っぱいものに理解を示すようになりました。娘の話以来、ザワークラウトを食べることが習慣に。その酸っぱいザワークラウトをサラダドレッシングがわりに生野菜と一緒に食べたら、これがいけるってなんの。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とも好相性。最近は洋食に幸蔵の組み合わせパターンも増えてきました。快調、快腸です。







◎いきなり団子

No.361 / 2017年9月21日配信

 おんな子供じゃあるまいしと、男がコーヒーに砂糖を入れるなどもってのほかと、意気がっていた青春時代が懐かしく思い出されます。本当は嫌いじゃなかった甘党気分とおさらばをして以来、これまで長い間、苦みばしった渋さとともに生きてきましたが、最近は軟弱になってきたのか、甘いものにも手が伸びてしまいます。甘い物好きの左党、いわゆる二刀流状態に。

 先日、業務用食材スーパーで「冷凍のいきなり団子」を発見して以来、食べたい気持ちを抑えられずに、熊本に出張する後輩に本場のモノを頼んでしまいました。いきなり団子とはサツマイモと小豆あんを小麦の皮で巻いて、蒸しあげた、あの二刀流の宮本武蔵が晩年を過ごした熊本の郷土料理です。すぐに作れるおやつだから「いきなり」の名がついたのだとか。

 いきなり団子を手に提げて帰宅。ちょうどタイミングもよく、サツマイモは旬の時期に当たります。「食通は旬のものを大切にするんだよ!」と言い訳などする必要もないのに、ブツブツと家人にそれを渡しました。娘がそれを見て、ニヤニヤしています。「女はどうしてイモをそんなに好きなのかって言ってたけど、お父さんもそんなこと言えないよね?」

 そうです、何を隠そう、私こそが「芋の大ファン」です。誰に強制されたわけでもなく、毎日せっせと芋焼酎を飲んでいる姿は家族に言わせれば感動モノだとか。南国宮崎では地元の芋を使った芋焼酎も今年の仕込みも終わってるかな、などと思いながら伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のグラスを傾けます。いきなり団子を片方の手に持ちながら。究極の二刀流です。










2017/10月



◎サムライ・ブル〜

No.362 / 2017年10月1日配信

 この夏の終わりに行われたサッカーワールドカップ・アジア最終予選の最終試合を、ついにテレビ観戦してしまいました。サウジアラビア相手のアウェイでの試合だったので、観戦は深夜(夜明けに近い)に。時間も時間なので、残念ながら伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」片手に応援するスタイルは取れません。眠い目をこすりながら、低音量のTV画面に見入ります。

 幸い日本代表はその数日前、すでにオーストラリア相手にワールドカップ出場を決定づける勝利をつかんでいました。これまでならば、TV観戦のモチベーションは落ちていて、そんな深夜にスイッチを入れることなど考えられなかったはずです。おまけに我が家の猫の看病で睡眠不足だったこの夏でした。体調は完璧ではありません。それなのに、それなのに…。

 日本に負けたオーストラリアチームの選手から、自分の国が出場権を争っているサウジアラビアと対戦する日本代表に「頑張って欲しい」との声がたくさん。出場を決めた日本はもう勝利にこだわる必要ないだろうけど、侍魂の日本人は最後まで真剣に戦うはずだし、期待してる、と。日本代表のプライドに火をつけるつもりの言葉は、その前に私にも火をつけてしまったのです。

 30度を超えるピッチの上で、日本代表は応援虚しく散ってしまいました。数時間後、朝の食卓で娘が私の睡眠不足の顔を見て口を開きました。「サッカー見たでしょ。なんか、顔が青いよ」「俺もサムライだからな。負けて期待に応えられなかったから、少し憂鬱なんだ」「はいはい」と娘が笑いました。「サムライ・ブル〜って睡眠不足のお父さんのことだったのね」







◎秋 鮭

No.363 / 2017年10月11日配信

 北海道からの秋の味覚といえば、やっぱり秋鮭です。今は冷蔵・冷凍技術が飛躍的に向上し、流通システムの発展により、九州にいても美味しい鮭が食べられるようになりました。先日も家人が鮭のバターソテーを作ってくれ、ホワイトクリームをかけてたっぷり満喫しました。本当にこの季節には脂が乗った「秋刀魚」と「鮭」は欠かせません。

 そんな「生の秋鮭」は九州人にとって比較的新しい記憶です。鮭に対する以前の記憶は「ものすごく塩っぱい塩鮭」だけでした。まあ、昭和の中頃のことなので、当時の保存方法を考えたら、強力な塩蔵も当然だったのでしょう。その焼いた塩鮭の身を少し齧るだけで、まあなんとご飯をたくさん食べることができたものか。庶民にとって、家計を助ける優れたおかずでした。

 以前、同僚との飲み会で2次会、3次会と酔いも進み、千鳥足でおぼろげな帰宅。不覚にもマンション内の別の家庭のドアをうるさくノックしたことがありました。自宅のドアを誤った私は、家人から相当な非難を浴びたものです。「人に迷惑をかけてはならぬ」と娘にも教育中で、人としての心得の大切さを娘にも教育中だったので、自分の失敗にショックも倍増でした。

 鮭には帰巣本能があり、産卵のために生まれ育った川まで広い海から帰ってきます。その川の匂いを覚えていて、きちんと間違いなく帰ってくる鮭の本能の凄さ。一方の我が「帰宅本能」は鼻づまり気味、太刀打ちなんぞできません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲みながら、芋の香りを嗅いでみます。ふふっ、やっぱりここだな、私の帰り着く先は。







◎サラサラ

No.364 / 2017年10月21日配信

 学生時代までは、そよ風になびく少女の「サラサラ」の長い髪が大好きでした。若い頃はそんな女性に心を奪われ続けたものです。卒業後、仕事に就いてからは野田知佑さんや星野道夫さんの自然観が心に住み着き、「サラサラ」は綺麗な湧き水やその流れのイメージに。美しい自然に心を寄せるようになっていました。そして近年、我が身に三度目の「サラサラ」が。

 食生活を含め、たくさんの不摂生がたたったのか、血液検査の結果がかんばしくありませんでした。3年前の話です。中性脂肪値が高くて、悪玉コレステロールの数値も高い、もちろん一番問題なのが血糖値でした。「もう、あなたの血液はドロドロの可能性もありますね。サラサラではありません」と、健康食品の広告コピーみたいなセリフが近所の医者の口から。

 運動不足、飲食過多、睡眠不足にかさ張るストレス。現代の多くのサラリーマンが抱える健康問題を私も人並みに持っていたのです。どこか、心の支えでもあった焼酎のサラサラ効果もその圧倒的な「不摂生」の前には歯が立ちません。タバコだけはすでにやめていたものの、もっと全体を通して生活習慣を見直していく必要があったのです。

 フィットネスクラブ入会(土日中心)、寝る前のストレッチ習慣。カロリー摂取量は変えていないけど、野菜を先に食べる癖をつけました。先日、久しぶり会った先生から「まだ、晩酌してるの?」と尋ねられました。「当たり前でしょ!先生は親友を捨てられますか?」伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との毎晩の付き合いだけは「さらさら」やめる気などありません。










2017/11月



◎プラネタリウム

No.365 / 2017年11月1日配信

 九州大学の教養学部の移転に伴い、その広い跡地が再開発されました。高級食品スーパーとマルシェという食品小売スペース、それに九州では武雄市で市営図書館を開発運営しているあのツタヤがオープンしました。しかし私が心躍らせたのは、何といっても、あのプラネタリウムが最新の設備でオープンしたことでした。星が大好きな私はもうワクワクしっぱなしです。

 このプラネタリウム(ドームシアター)がある福岡市科学館の名誉館長に若田宇宙飛行士が着任されました。開館記念の特別講演会なども開催されたようで、多くの人が参加する様子がニュースで流されました。市民の文化教養の向上に役立つ施設だと、市の方もいいものができたでしょと、胸を張ってアピール。うん、こういうものに使う税金は仕方ありません。

 子供の頃、母に怒られ家を飛び出して見上げた冬の夜空。冷気の先でまたたいていた星たち。大人の真似をしたくて、女生徒も誘って友人たちとのキャンプ地で見上げた夏の夜空。ドキドキしながら並ぶ二人を見つめていた星たち。冬のオリオン座、夏のさそり座…。遥か遠くから星たちは、蒼く未熟な私たちをいつも暖かく見守ってくれていたのです。

 大人になっても、難しい決断が必要な時には私は星空を頼りました。もちろん祈る時だって。「あら、お父さんは星が好きだったの?そういえば、以前は夜のベランダでよくタバコ吸っていたものね」と娘が言いました。タバコはやめても、ベランダは役に立ちます。娘の幸せでも願おうかな。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で、星見て一杯。今夜は晴れそうだし。









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