脱 皮
No.190 / 2013年1月1日配信
2013年、今年の干支は「巳」ですが、昨年の「龍」のような力強いイメージからはほど遠い、ネガティブな「キャラ」です。特にぬるっとしたような細かいうろこや先割れた舌など、姿カタチに気持ち悪さを感じる人も多く、愛玩動物の対極にあるといってもいいでしょう。あくまでも個人的主観ですので、ヘビ好きの方、正月そうそうごめんなさい。
旧約聖書では、アダムとイブがヘビにだまされて「禁断の果実」を食べてしまい、楽園を追放されてしまいます。純真なものをだます行為は、どうみても褒められません。しかも、あの爬虫類の狡猾そうで怖い瞳が、どうしてもその悪いイメージに拍車をかけてしまいます。「そうね、気持ち悪いよね」と、実は娘もヘビが嫌いです。
そんなヘビも、本当は洋の東西文化の違いに関係なく、古代の信仰に置いて良いイメージを確立していたようです。穀類を食い荒らすネズミ退治など、人間の世界ではきちんと役立っていました。ギリシャ神話でアスクレピオスという腕の立つ医者が持っていた杖はヘビが絡み付いていたそうで、今でも医療の象徴とされているそうです。
「ヘビって脱皮するよね」と、娘が考え方をガンコを変えない私に向かって、皮肉っぽく言いました。「ところで、おまえ今年二十才だよな。もう子供じゃないんだから、甘ったれてばかりじゃダメだ。おまえこそ脱皮しなくちゃ!へへっ、今日は『やぶへび』だったな」。やっと今年から、娘と伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』を飲むことが出来るようになります。脱皮の予定はないけれど、巳年、案外面白いかも。