こころに届く、味がある。

こころに届く、
味がある。

- 幸蔵酒造について -

弊社の社名「幸蔵」には
「幸せをもっとお届けできる蔵でありたい」
という願いこめられております。
素焼きのかめ壷造りにこだわり、
大量生産はできませんが
手間ひまかけて美味しさを追求し、
小さな蔵からまごころこめて、
味わい豊かな焼酎づくりに邁進いたします。

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コラム

コラムは10日毎に更新しています。

ビル・エバンス 2025年3月11日配信

 村上春樹さんが文章を書いて、和田誠さんが素敵なイラストを描いた本「ポートレイト・イン・ジャズ」を読んだのは2004年頃でした。文章の面白さや気持ちの良いイラストに煽られて、長い間足が遠のいていたジャズに私を引き戻してくれました。その昔、フォークソング全盛の学生時代に初めて経験したジャズの世界がとても強烈過ぎて、敷居の高いものになっていたのです。

 深夜レストランのバイトが引けた後、一緒に働くジャズ狂の料理人のアパートで、深夜の2時ごろにヘッドホンを装着させられていました。聴かされたのはジョン・コルトレーンの「至上の愛」やチャールス・ミンガスの「直立猿人」。ビリー・ホリディの嗄れたボーカルも「これは晩年の声で、若い頃とは違う」など、料理人の難解な解説付きで。あぁ、涙が出るほど懐かしいです。

 「ポートレイト・イン・ジャズ」の中に取り上げられていたジャズメンにビル・エバンスがいて、ワルツ・フォー・デビーのアルバムも紹介されていました。抵抗なく聴けそうな気がして、早速CDを購入。ビル・エバンスの蝶が飛ぶようなピアノ、スコット・ラファロのベースとポール・モティアンの繊細なドラム・ブラシ。パソコン作業のBGMとして、繰り返し聴いたものです。

 ビル・エバンスのアルバムはその後、数枚手に入れましたが、ワルツ・フォー・デビーはやっぱり秀逸。春の足音を感じるような曲「ワルツ・フォー・デビー」や「マイ・フーリッシュ・ハート」などはその中でも特別でした。この春もこのトリオが奏でる曲が机の前でワルツを踊っています。さあ、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のグラスの中で氷を踊らす季節の到来です。

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