卒 業
No.17 / 2008年3月11日配信
サイモン&ガーファンクルが歌う Mrs.ロビンソンやサウンド・オブ・サイレンスが情景を盛り上げてくれた映画「卒業」。ダスティン・ホフマンが「本当に大切なものは何か」に気づいて、これまでの自分から「卒業」していくという映画でした。結婚式の教会で花嫁のキャサリン・ロスを奪い、ドアの封印に使ったのが確か十字架だったと思うのですが、薄れていく記憶の中でも印象的な場面です。古い自分や凝り固まった人間関係・社会通念との決別を、鮮やかなシーンで切り取り、魅了させてくれました。
娘と妻が男子学生服の第2ボタンについて話をしています。「卒業式の日に、2年生の女子生徒に欲しいと言われたのでやったことあるよ」と言うと、「そんなはずはない。お父さんがモテるはずがない」と信じてくれません。「お父さんの自慢話はいつも証拠がないものばかりだから」と、釣り逃がした60センチの真鯛の時の話と一緒にしようとします。悔しいけれど、口では敵いません。退散です。
生まれて何度か「卒業」を経験し、自分なりには「面白い歴史」を作り上げてきたなぁ、とカップに揺れる伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」に語りかけます。彼はいつも静かに頷き、私を信じてくれます。FMでも聴こうかな、サイモン&ガーファンクルの曲がかかるかもしれない。