キャンプ
No.29 / 2008年7月11日配信
重い家型のテントを二人がかりで運んだ中学時代。分厚い生地のテントは頑丈だったけれど少年の肩にはずっしりと重く、持ち運びに苦労した想い出があります。大人になってオートキャンプを始めるころには、もう既にドーム型のテントが主流で、ずいぶん軽くて手軽なモノになっていました。テント地と骨組みが一緒になった、ワンタッチテントなる究極の便利テントだって所有した経験があります。大きな折り畳み傘を広げる要領で、さっとテントを張ることが出来ましたが、楽だった分、ドーム型の重いテントのようにキチンとした記憶になっていません。
サンオイルの匂いと潮風は青春時代の海のキャンプ。打ち上げ花火後の線香花火の切なさに見入った星明かりの浜辺。はしゃいだ後の沈黙、そして波の音。
日焼けの熱で眠れない夜。山のキャンプは懐中電灯の光が届かない暗がりから聞こえてくる、肝試しの風の音。ガサ、ゴソ。キャ~。私の片思いだった人の手が求めたのは私の友人の腕でした。夏のキャンプはどうしてあんなにスリリングで、甘酸っぱい想いに充ちていたのでしょうか。
今でもキャンプの夜は絶対にたき火です。枯れ枝がパチパチ爆ぜる中、寄せ合う顔はオレンジ色。なぜかじっくりと話したくなる夜。仲間と行く大人のキャンプも捨てたものではありません。私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を連れて行きます。幸蔵ロックをシェラカップでやるのも粋ですが、今年はブロック氷とアイスピックも忘れないようにしないと。