寒サバ
No.48 / 2009年1月21日配信
身が締まり、脂が乗って、旬を迎える時期にその美味しさにハマってしまうのが「サバ」です。全国的にはサバの旬は秋だとされるところが多いとされます。旬のものは美味しすぎ、もったいなくて食べさせたくなかったのか、昔は「秋鯖は嫁に食わすな」などと言われたそうです。もちろん、今ではそんな嫁いびりのセリフなど聞くこともありませんが。
私の住む九州ではサバはやっぱり「冬」です。「寒」のサバが一番です。サバ大好き派の私としては、冬は大衆魚のサバの旨味が高級魚を凌駕する時期であると、信じて疑いません。脂が乗った新鮮な寒サバは刺身を刺身醤油につけると、さっと脂が刺身醤油の表面に滲みながら広がります。フフッ、もう待ちきれません。だめです、唾液腺が暴走しそうです。
寒サバの水揚げの多い博多では、新鮮なものを「胡麻サバ」として食べさせてくれる店が多いのですが、簡単に作れるので自宅で楽しんでいます。みりんとすり胡麻を加えた醤油にさっと漬けて馴染ませ、皿に盛った後、すりゴマ・刻み海苔・小口の刻みネギをたっぷりのせ、最後にワサビを添えるだけです。
サバには脳を活性化させる栄養成分のDHA、EPAもたっぷり含まれているので、いうことなしです。「小さい頃から好きだったし、よく食べたものだ」 と言うと、その割には記憶力が悪いんじゃないの、などと軽く毒づく連れ合い。寒サバの頃は食卓が賑やかになります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の減るペースが速すぎる季節です。