海鼠(ナマコ)

No.50 / 2009年2月11日配信

 冬に美味しいナマコは漢字で2文字、「海」の「鼠(ねずみ)」と書くそうです。なんでも、姿が鼠に似ているからそういう漢字が当てられたという話も。

その姿は薄く切ってパックで売っているものならともかく、一匹丸ごとの様相は、あまりなじみのない人にはお勧めできるものではありません。

 それでも、私のようにその魅力にはまってしまった者にとっては、可愛くない姿でさえも愛おしく見えてしまうところがなんとも不思議な生き物です。そのナマコの食べ方は柑橘類(ダイダイなど)の絞り汁を加えたポン酢でいただく「ナマコ酢」が代表格ですね。ツルツル・コリコリ感と微かな甘みが特徴で、目・鼻・歯・舌、そして喉と、多くの器官を動員していただく味わい深さは他に類を見ません。それは日本人でよかったと思えた経験の中でも、上位にランクされるべきものです。

 そういった美味なナマコは中国で漢方薬としての長い歴史を持ち、滋養強壮などに利用されていたした。ナマコにはビタミンB群・ビタミンE、多くのミネラルなどの栄養成分が含まれています。また、美肌効果で話題のコラーゲンもしっかりと含んでいるのだとか。女性にとっても注目の食品であることには間違いありません。

 悔いが残らないように、旬の冬のうちにしっかりと食べておきたいものです。そういえば父親もナマコ好きでしたが、歯が弱くなっているのでもう無理かもしれません。代わりに殻付き牡蠣と伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をぶら下げて訪ねてみようかな。久しぶりに旬の味覚について、親子で語り合うのも悪くないはずです。

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