冬至の楽しみ

No.80 / 2009年12月11日配信

 太陽の高度が最も低く、一年を通じて最も昼が短く、そして夜が一番長くなる日が「冬至」です。厳密にいえばその日は少しズレるともいわれますが、そんなことは意に介しません。日本の昔からの習わし通り、我が家でも冬至はかぼちゃを食べて柚子湯に入ることにしています。それらの行いを通じて家族の無病息災を祈るという、日本の古くからの習わしが大好きなのです。

 冬至が近づくと柚子湯がTV番組でもよく取り上げられます。柚子には芳香成分(精油)が含まれているので、身体をしっかりと温めてくれるそうです。爽やかな柚子の香りを思うたび、ひび割れたタイルの修理箇所を眺めながら、柚子湯に浸かった子供の頃が想いだされます。「今日は柚子湯だから、100数え終わるまで湯船から出ちゃだめよ」と母の声。

 カボチャは体内でビタミンAに変化するカロチンを多く含み、粘膜を丈夫にし、抵抗力をつけてくれるといいます。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と言い伝えられていますが、今年猛威をふるっているのは新型インフルエンザだから……風邪とは違うし、う~ん、これには無理かもしれません。ともあれ、甘くて栄養価の高いカボチャを食べない手はありません。

 昨年は冬至の日を間違えて、一日やり過ごしましたから、今年は家人のキッチンカレンダーの22日のところを丸で囲んでいます。12月の後半、温かい柚子湯に入った後の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の沁みわたる一杯。醤油で煮付けたカボチャは、私にとってどこか懐かしさを感じる優しい美味しさ。この日のカボチャの味わいは特別です。

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