独り立ち

No.87 / 2010年2月21日配信

 デフレスパイラルの心配も消え去ってはいない、と心配する大学の経済学者がいます。景気の二番底を懸念する大手研究所員の記事も新聞に掲載されていました。大学生の就職内定率は2009年12月1日で73.1%(前年は80.5%)だとか。バブル経済破綻後の就職氷河期よりも厳しい状況です。もちろん、高卒の就職状況もそれに劣らず、苦しい報道がなされています。それでも頑張っている若者に出会えると「捨てたものじゃない」と嬉しくなってしまいます。

この正月に帰省した大学1年生の姪っ子と久しぶりに話すことができました。その姪っ子は都会に出ても大丈夫だろうかと、伯父にあたる私を本気で心配させたくらいのとても素直な娘です。両親思いで妹や弟とも仲が良く、親戚の集まりにも顔を見せるし、何より私によく話かけてくれるところなど、気配りにおいても凄いものがあります。まっすぐな姿勢でいつもニコニコ、勉強を嫌がらず、志望校にも一発合格でした。

 大学の寮に入っているそうで、勉強の忙しさを除けば生活はおおむね順調だとか。友達がファッションやボーイフレンドの話に夢中になっているのを尻目に、公認会計士の勉強のために黙々と塾(?)に通っているそうです。大学の授業(これもまじめに受けているとか)以外にも学習している人間がいるなんて、授業にも出なかった私には想像すら出来ません。「公認会計士の資格は難しいから、これくらいではダメかも」と笑っています。目標を持ち、精神的に独り立ちをしている笑顔です。

 それでも東京在住の19歳らしく、ずいぶんあか抜けてきました。少しだけ華やいできた姪っ子を見ていると、自分の将来のために「まっすぐに歩く」ことを始めている女性のしなやかな力強さを感じます。2~3年後の景気の回復具合が気にかかります。彼女のためにも就職状況が改善されているといいのだけれど…。来年の正月はもう二十歳。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を一緒に飲んでくれるかしら。

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