サヨリスト
No.124 / 2011年3月1日配信
いつまでも上品で美しい吉永小百合さんの熱狂的?なファンのことを「サユリスト」と言うそうですが、私は一文字違ったもっと現実的な「サヨリスト」。ほっそりとした上品な姿と脂肪分が少なくて淡白な味わいの魚、「さより」の熱狂的なファンです。刺身で買うだけの人は判らないかもしれませんが、くちばしのように尖った口が特徴的です。
春になるとその爽やかな味わいに、「日本人でよかったな」などと独り言を口走りながら、白く引き締まったさよりの刺身にわさび醤油を少しつけていただきます。脂がのった魚ばかりがやたら賞賛される中で、この旬の味覚は衝撃的なほどの清々しさ。ヒラメを食べる時のように、ポン酢で食べるのも美味しいものです。
天気がいい春の日曜日、郊外の農水産品直売所でさよりに出会えて、幸せ気分でいっぱいになりました。2月まではなまこに心を奪われ、毎週「なまこ酢」を肴にしていましたが、これでもう卒業です。フキノトウやたらの芽と一緒にカラッと揚げた天ぷらもオツなものです。抹茶塩や辛し醤油で食べれば刺身と違った和食の極みの世界。ふふっ、今夜は楽しみです。
「あれっ、買ってきたさよりは天ぷらにしなかったのか?」「お父さん、白身魚のカルパッチョって、美味しいのよ。オリーブオイルにワインビネガー、ブラックペッパーに塩でしょ、それから」と娘の説明が始まります。違うんだよ、う~っ、サヨリストは和食が好きなんだ。「あなた、知らないの?伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とも相性いいのよ」と今度は家人がのたまいます。「えっ、なんでそんなこと知ってんだ?」