カンパチ

No.140 / 2011年8月11日配信

 今はもう昔と違い、「お盆だから必ず精進料理を食べなくてはならない」という家庭は減ってしまったと思います。私が育った田舎では、毎年お盆になると必ず本家に親戚が集まり、宴会をやっていました。子供には分らなかったのですが、お盆に里帰りをしたご先祖様と一緒に楽しくやっていたのでしょう。

 宴会の細部の記憶は薄れてしまいましたが、テーブルの上の野菜中心の天ぷら、棒ダラの煮付け、ひじきの煮物、枝豆、そして最後に出てくるスイカや巨峰の果物が印象に残っています。棒ダラの煮付けなどは、お盆だけに食べることが出来る料理でしたから、私たち子供はお茶を飲みながら大切に味わっていたような記憶があります。

 「あなた、大好物の棒ダラ買ってきましたよ」と家人が私に嬉しい報告。そして「刺身にしたら美味しそうだったので直売所のカンパチのブロックもね」と、またまた嬉しい情報。私はもう顔の筋肉が緩みっぱなし。カンパチは夏に旬を迎える魚で、仲間であるブリよりさっぱりめ(今は養殖魚も多く、脂が多いものも)の高級な魚です。

 お好みの醤油会社の「さしみ醤油」でいただく新鮮なカンパチの刺身。想像しただけで唾液腺が緩んできます。お盆、夏、旬の味覚。日本人に生まれて良かったなぁ。「ところで、幸蔵も買ってきてくれた?」「あたりまえでしょ」。出来すぎた家人です。と、思いきや、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』ポトルを受け取る私に、「来月お友達と韓国に遊びに行っても良いでしょ」のおねだり付きでした。やっぱりなぁ。

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