シクラメンの香り

No.186 / 2012年11月21日配信

 「真綿色したシクラメンほど~」と、布施明さんが唄ったヒット曲を思いだす季節です。シクラメンの「かほり」というタイトルで、「かおり」じゃないところが、少年期の自分的には洒落た感じに思われたものです。今となってはかなわない、愛した人との想い出を詩情豊かに、そして寂し気に唄い上げる曲でした。

 シクラメンの花は年の暮れる時期になると、商店街のクリスマスのメロディとともに花屋さんの店先を飾ります。日本におけるシクラメンはそのポピュラーさでは群を抜き、鉢植えの中ではトップクラスの生産量を誇るそうです。花言葉は「はにかみ」や「嫉妬」ということですが、よ~く眺めてみると、なるほど内気な様子を感じ取ることが出来ます。

「あまり香りがしないね。シクラメンのかほりって曲があったけど」と私は、家人が買ってきたシクラメンの鉢植えに鼻を近づけました。家人によると、元来シクラメンは香りのないものだったけど、最近は香り付きの品種もあるのだとか。そして、「かすかなものへ愛を傾けるって、素敵じゃない?」と柄にもなくロマンチックなことを言い出します。

 花もいいけど、私にとっての「いい香り」はやっぱり伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』ということになります。マンションでは上の階の家族がLEDのクリスマス飾りをベランダに付け終わったようです。点灯したのか、小学生の女の子の歓声が聞こえてきます。さぁ、私も今日の幸せな一杯で、心に灯をともさなくては。きりっとした大人の香りに包まれながら。

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