師走ジャンケン

No.188 / 2012年12月11日配信

 お坊さんも走り回るくらい忙しい12月。私の会社でも受注が輻輳する12月は、今にも増してとても忙しかったことを憶えています。IT化が進んでいなかった20年以上も前の話です。若手を中心に毎日遅くまで人手に頼る残業を続け、正月休み明けの分までの仕事を片付けてはじめて、やっとその厳しかった一年とサヨナラできるわけです。

午前様になることも多く、夜の10時過ぎには「お腹が空いて」チカラが入らないことも。そんな時、誰かが「腹減ったな~、ジャンケンしないか?」と回りの社員に誘いをかけるのです。最初は「買い出しする人」を決めるジャンケンだったのが、いつの間にか「支払いまでする人」を決めるジャンケンにエスカレート。

 一杯が3000円以上もする牛丼を食べることになった夜もありました。悔しいので、ジャンケンで現れるグ~、チョキ、パーの出現率を人の性格に合わせて、その傾向を探ったりもしました。相手が構える前に、いきなり「ジャンケン」と大声を上げて仕掛けると、相手は遅れまいと、その瞬間リキんでしまい「グ~」を出してしまうことも発見。

 「今どき、そんな危険なジャンケンする人なんかいないだろうね」と、先輩が伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のお湯割りを口に運んでいます。今から考えると、バカバカしかったけれど、当時は結構幸せな時代だったようです。「昔は良かった」は、「後ろ向き」という理由で私たちの間では禁句。それも手伝ってか、先輩は「今がイチバン!」と飲み屋の帰り道でヤケ(?)気味に叫びました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です