深夜のカレーチャンポン
No.201 / 2013年4月21日配信
バブルがはじける前の時代、私の職場もいつにも増して活気に満ちた時期がありました。私はちょうどその頃、会社の近くにある独身寮のお世話になっていました。その時期、独身寮の裏にある「食事処」で、仕事帰りに同僚の人たちとよく一杯やっていました。深夜までの仕事が連日続くとストレスが貯まり、飲まずにはいられなくなるのです。
博多気質の女将さんは、モーレツに働く若者の心を察してくれ、いつも温かく接してくれました。新鮮な刺身や焼魚等が中心でしたが、独身者の健康のためにと、深夜なのに野菜の小鉢がいつも用意してありました。飲みながら先輩から聞かされた経験談は役立つことも多く、ストレス発散も加えて、有益な時間だったと思っています。
ある夜、深夜1時を過ぎ、「おかあさん、カレーチャンポンできる?」と先輩が最後の〆に、初めて聞くメニューを注文しました。チャンポンを日常的に食べる北部九州ですが、「カレーチャンポン」なるものは初耳です。黄色みを帯びたチャンポンの丼が先輩の目の前に置かれ、美味しそうなカレーの匂いが溢れます。私も即座に追加注文しました。
とんこつスープにカレーが混じった味。この深み、これが実に旨いのです。カレーチャンポンは手軽に作れ、チャンポンづくりの最後に市販のカレールウのフレークを入れるだけです。先日、我が家の女性達に作って食べさせました。絶賛されました。私は満足げに伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をゴクリ。しかし、当時はカレーチャンポンも沢山食べたけど、深夜にまあよく飲んだものだなぁ…女将さんがびっくりするくらいに。