ひつじ雲

No.218 / 2013年10月11日配信

 高くて青い空に、気持ち良さそうな、もこもこふんわりしたひつじ雲が広がっています。高積雲(こうせきうん)と呼ばれるこの雲は、ひつじの群れのようにずっと連続しているので「ひつじ雲」と言われているようです。こんなふわふわ感の中で眠りにつけたら気持ち良さそうだな、とメルヘン心に欠けて来たオジさんの私でも、つい、そう思ってしまいます。

 先日は「ひつじ雲」のお友達のような「いわし雲」という巻積雲(けんせきうん)を見ました。秋の高い空に魚のうろこをバラまいたような雲です。サバの背中の模様に似ているとかで、さば雲などとも言われるようです。魚好きの私はさば雲を見ると、すぐに脂の乗った秋さばを思い出してしまい、仕事が終わったら魚のウマい居酒屋に直行したくなります。

 小学校帰りに河原に寝転んで、友達と一緒に秋空の雲を眺めては、雲の名前の当てっこや呼び名をどれだけ知っているか競争したものです。いじめられたり、先生に叱られたりした日は互いに寄り添って、河原で雲を眺めました。二人でひつじ雲をじっと眺めているだけで、気持ちがふわっと持ち直したものです。

 ひつじ雲は夏を境に急に転校していった友達との思い出。宮崎駿監督は風立ちぬの中でユーミンの「ひこうき雲」使っていましたが、私の物語には「ひつじ雲」です。想い出の河原で伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』でもやりながら、またあの頃のように一緒に雲を眺められたら楽しいだろうな。転校の年は、大好きな秋を一緒に過ごせなかったから、いつか君ともう一度。

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