アサリの季節
No.236 / 2014年4月11日配信
アサリ貝が昔より小粒になったような気がするのは私だけでしょうか。幼いころの記憶にある大粒なアサリ貝は有明海からやってきたものでした。おばあさんがリヤカーを引きながら、アサリはいらんね~と声を上げながら、ウチの近所を回っていました。凹んだアルミのポウルを持った母が、買っていたのを思い出します。
砂は吐かせてあるというものの、よく口の中がジャリジャリしました。母の目もあり、吐き出すことが出来ません。一粒の砂の為に、大切な食料を粗末には出来ない時代です。それでも、母の作る貝汁は最高でした。ぷりぷりとした大粒の身を噛み締めると、何とも言えない貝の旨みが口中にじわ~っと広がり、幸せな気持ちになれたものでした。
アサリ貝は近年、輸入品も多くなってきましたが、日本では愛知県がダントツの漁獲量を誇ります。平成22年度の国の調査データではなんと65%もあるのだとか。私の住む九州でも、以前に比べて量はかなり減ったと言われますが、有明海を中心とした近県の熊本、福岡、長崎の漁獲量が目を引きます。地域に私のようなアサリファンが多いのも頷けます。
スーパーや直売所のアサリ貝が私を誘う季節です。潮の満ち引きが大きくなる4月は、潮干狩りで賑わいますが、最近の私はもっぱら食い気のみ。我が家の女性軍は「やっぱりワイン蒸しよネ~」と譲りません。私の「貝汁だ!」という声がむなしくかき消されます。とても残念ですが、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』が一緒だから、まあ、それで良しとしよう。