いつの日か、夢の「ななつ星」

No.238 / 2014年5月1日配信

 若い頃、先輩に続き自分もと、1日10ドルの旅を実行するため、リュックを背負って欧州に旅立ちました。その当時、通貨レートが1ドル250円前後でした。一人旅だと強がってはみても、海外旅行は初めてで、不安なことばかり。英語がしゃべれず、コミュニケーションは全くとれません。毎日の宿も決まってないし、地球の歩き方と6カ国語会話のガイドブックだけが頼りという心細さ。

 深夜特急(急行だったかしら)のコンパートメントに一人だけの時、ドアを開けて入ってきたのはトレンチコートに帽子、サングラス(夜なのに)姿の不審な大柄の男。武器を持っているかも?ハンパじゃないスリル感!特に、日本を発つ前、旅行ガイド本で「盗難、犯罪に注意」の記事を読んでいたせいで、過敏な状態。狙われやすい日本人というフレーズが頭にくっきりと浮かび上がりました。

 私はその頃特に、ジョン・ル・カレやロバート・ラドラムなど、欧州を舞台にしたスパイ小説ファンでした。うたた寝をしたすきに、いつの間にか姿を消すようにいなくなったその男のことを思うと今でもドキドキします。頭上の荷台にヒモでぐるぐる巻きに縛り付けていたリュックは大丈夫で、盗人ではないようでした。やっぱり、スパイ活動をしている男だったのじゃ。

 JR九州の豪華クルーズトレイン「ななつ星」が人気です。豪華な列車で、素敵な風景と行き届いたサービス、食事が最高なのだとか。若い頃の貧乏旅行とは180度違った心配のない「列車の旅」もいいな、と思います。しかし、私にとっては高額のツアー代が大きな壁。なので、やっぱり伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』でヨーロッパ旅行の想い出(無料)に浸ることにします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です