昭和レトロ

No.273 / 2015年4月21日配信

 早いもので、平成時代になってもう27年目を迎えています。当時の小渕官房長官が四角いボードを持ち、テレビカメラの前で新しい元号の発表をしたのが、まるで昨日のような気がします。ずいぶん前の話ですが、不思議と記憶は鮮明です。彼は「平成おじさん」として私たちの顔なじみになりましたが、その優しい表情も忘れる事ができません。

 ゴールデンウィークの入口の役目を果たしている4月29日は、天皇誕生日からみどりの日、そして「昭和の日」と名前を変えました。最近はその29日に「昭和の日キャンペーン」が実施されることが多くなりました。昭和がだんだん珍しくなって来たのか、ショッピングセンターやデパートで昭和にまつわる商品販売や写真展などもよく見かけます。

 昨年は駄菓子を集めたコーナーで子供連れの若いお父さんが、子供そっちのけで自分が楽しんでいました。駄菓子も懐かしかったのですが、私が子供の頃にあこがれたのは黄色いパッケージの「ボンカレー」でした。そのころは女優の松山容子さんのホーロー引きの金属看板をよく目にしたものです。近所の個人商店の壁に掛かって風に揺れていました。

 母はよく大鍋にカレーをたっぷりと作りました。育ち盛りの私たち兄弟でどんなに食べても、鍋の底は到底見えてきません。よく3日続けてカレーを食べたものです。それでも、私にはボンカレーが気になって仕方ありませんでした。母の味が一番だったはずなのに。胸がチクリとします。レトロな気分にひたりながら、今夜も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のカップを傾けます。

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