さるく長崎

No.280 / 2015年7月1日配信

 長崎は今日も雨だった。梅雨期間中だから当たり前なのでしょうが、市街地の舗道も濡れて光っていました。久しぶりに訪れた私を、6月の長崎は白い歯を見せて歓迎してくれているようです。由緒ある石造りの眼鏡橋の川沿いでは、この時期ならではの紫陽花祭りが行われていて、中国からの観光客と一緒にその美しさに引き込まれてしまいました。

 もう少し足を伸ばせば、あの坂本龍馬が長崎で興した商社「亀山社中(後の海援隊)」まで辿り着けそうです。駅でもらった地図で亀山社中記念館を見ると、歩けない距離ではありません。しかし、小雨の中、運動不足の私を待っていたのは、目眩がしそうな「長い階段」。息を切らせながら、民家と墓地の間をすり抜ける急勾配の細い石段を登りました。

 大汗をかきながらやっとのことで、歴史的な場所を訪れることが出来ました。おかげで、この長崎を「さるく(ぶらぶら歩く)」気持ち良さ(?)を体験でき、大満足です。私が歩いた道も「長崎さるく」という2006年に始まった「まち歩き博覧会」のさるくコースに入っています。ゆっくり歩くと、自分なりの貴重な発見があることを再確認できました。

 階段を含む約2万歩はしっかりと筋肉痛をもたらしました。「やっぱり、二日目に脚が痛くなったんでしょ、お父さん」と娘が笑います。近代日本の礎となった人々を思いながら、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をカップに注ぎます。ただ、階段のぼりですぐに息を切らした自分がなんとも情けなく、ちょっぴり悔しい気がします。

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