伊勢エビ
No.290 / 2015年10月11日配信
秋にかけて多くなるのが伊勢エビ漁解禁のうれしいニュース。漁が始まるのは全国一斉ではなく、宮崎県では9月1日が解禁日で、伊勢志摩の三重県は10月1日だそうです。その三重県の浜島では、水揚げされた伊勢えびを10月1日に伊勢神宮に奉納する習わしがあるそうで、それがその年の漁をはじまりだとか。
しかし、市場に伊勢エビが出回るようになっても、ハードルが高く、我が家の食卓にはけっして登場しません。結婚式の披露宴でステーキとともに登場するグラタンのような料理「伊勢海老のテルミドール」で、また旅先や宴会で刺身として何回も出逢っていたはずなのに、もう、あのえび独特の甘さやぷりぷりとしたその食感も忘れてしまいそうです。
私の心を見透かすように、世間では今年もおせち料理の早期案内が始まりました。広告では長寿への願いを込めたおせち食材「豪華な伊勢エビ」が重箱のまん中に鎮座ましています。そう、これだ!今年こそおせち料理は百貨店の有名日本料理店のおせち重にしようかなと、気持ちがぐっと傾きかけます。きっとえび好きな娘も喜んでくれるだろう、ふふっ。
「お父さん、今度の正月は二人っきりになりそうですよ」と、家人が娘の正月旅行の計画を教えてくれました。「何でまた、よりによって正月なんかに旅行するんだ」と、私は子供のようにむくれます。おかげで倹約家の家人に向かって「豪華な伊勢エビ」のおせち重購入の話を切り出せません。しかたがない、今夜も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』に慰めてもらうしかありません。