秋 鮭

No.363 / 2017年10月11日配信

 北海道からの秋の味覚といえば、やっぱり秋鮭です。今は冷蔵・冷凍技術が飛躍的に向上し、流通システムの発展により、九州にいても美味しい鮭が食べられるようになりました。先日も家人が鮭のバターソテーを作ってくれ、ホワイトクリームをかけてたっぷり満喫しました。本当にこの季節には脂が乗った「秋刀魚」と「鮭」は欠かせません。

 そんな「生の秋鮭」は九州人にとって比較的新しい記憶です。鮭に対する以前の記憶は「ものすごく塩っぱい塩鮭」だけでした。まあ、昭和の中頃のことなので、当時の保存方法を考えたら、強力な塩蔵も当然だったのでしょう。その焼いた塩鮭の身を少し齧るだけで、まあなんとご飯をたくさん食べることができたものか。庶民にとって、家計を助ける優れたおかずでした。

 以前、同僚との飲み会で2次会、3次会と酔いも進み、千鳥足でおぼろげな帰宅。不覚にもマンション内の別の家庭のドアをうるさくノックしたことがありました。自宅のドアを誤った私は、家人から相当な非難を浴びたものです。「人に迷惑をかけてはならぬ」と娘にも教育中で、人としての心得の大切さを娘にも教育中だったので、自分の失敗にショックも倍増でした。

 鮭には帰巣本能があり、産卵のために生まれ育った川まで広い海から帰ってきます。その川の匂いを覚えていて、きちんと間違いなく帰ってくる鮭の本能の凄さ。一方の我が「帰宅本能」は鼻づまり気味、太刀打ちなんぞできません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲みながら、芋の香りを嗅いでみます。ふふっ、やっぱりここだな、私の帰り着く先は。

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