明日のアサリ
No.377 / 2018年3月1日配信
3月は貝類の美味しいシーズンです。3月3日の桃の節句にはハマグリの潮汁にスポットが当たり、その味わいには男の私でもついつい魅了されてしまいます。ハマグリはぷるぷるした食感で高貴なイメージ。そして、もう一方の貝の代表格が「庶民派のアサリ貝」。一年中、売られている貝なのでついつい旬を忘れそうになりますが、もちろん春の今が旬です。
大好きなアサリ貝は貝汁に、酒蒸しに、そしてバター焼きで頂きますが、酒の肴にごはんのおかずに、毎年お世話になっています。ただ先日も食べている最中に、殻の中に入っていた砂をガリッと噛んでしまいました。娘の顔も同じ様に曇っていました。大好きな味なのに、やっぱり興ざめしてしまいます。家人の塩水プラス鉄球「砂吐かせ作戦」も成功率が上がりません。
そんな私に朗報が。福岡市漁業協同組合が挑戦している「志賀島・活性化みらいプロジェクト」の「砂ゼロアサリの養殖」事業のニュースを目にしました。砂のない海中の網のなかで、揺られながらプランクトンを食べながら育つのだそうです。地域社会に雇用をもたらし、活性化にもつながる夢のプロジェクトで、昨年暮れには試しの出荷もはじまったようです。
早速、香港のフレンチレストランからの引き合いもあるのだとか。本場イタリアでの「ボンゴレ」メニューにもこのアサリが使われるのが夢だとか。砂を噛むような味けないニュースが飛び交う時代に、漁協の夢いっぱいの挑戦に拍手!伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の春の一杯も、なんだか希望に満ちた美味しさに。私も早く、お目にかかりたいものです。