ロマン派

No.379 / 2018年3月21日配信

 日本で数ヶ所巡回して開かれる「ターナー展」に行きました。イギリスで最も偉大な画家と言われるターナー(1851年没)は自然や風景を詳細に描き、写実的な風景画から始まった画風はロマン派の巨匠と言われるまでになり、特に人生の終盤の画風はもう印象派といってもおかしくないほどです。日本人が好むモネやセザンヌの印象派にも大きな影響を与えたとされます。

 嵐を思わせる暗雲、荒狂う大波の描写。振り落とされてもおかしくないほど傾いた船と懸命な乗船員。自然の脅威をドラマチックに再現する優れた描写力に圧倒されました。その一枚の大きな油画の前で、次に続く観覧者の迷惑も顧みず、私は時間を忘れて固まったまま見続けたのです。(その時迷惑をかけた入館者の皆さんごめんなさい。)

 私の大好きな山下達郎さんの楽曲に「ターナーの汽罐車」というのがあり、ターナー晩年の傑作『雨、蒸気、速度』がそのタイトルモチーフらしいのです。音楽家と画家。ロマン主義者は通じあうのかなと、勝手に想像したり。そして、感受性を大切にする主観的な表現がロマン主義の特徴だとしたら、ロマン派は現在のデジタル時代に必要な「人間らしい」人達と言えるかも。

 日常と違う脳の使い方をしたからか、優れた絵画を鑑賞した後はなぜか疲れます。すぐに伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で疲れを癒やす必要があります。家人は私に「飲む事ばっかり考えているのだから」と非難めいた小言をくれますが、自我の自由な表現(欲望)を追求すれば、必ずそこに行き着くのです。ふふっ、何を隠そう私もロマン派なのだから。

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