ごぼう天うどん

No.380 / 2018年4月1日配信

 博多の「とんこつラーメン」は有名で、今やインバウンド客だけではなく、ロンドン・パリ・ニューヨークなどの大都市でも人気の日本フードになりました。「博多の人達は、やっぱり沢山、とんこつラーメンを食べるのでしょうね?」と訊かれたことがありますが、私は「期待に背いて悪いけど、やっぱりコシのないふわふわの博多うどんを一番多く食べるよ」と答えました。

 今、日本中を席巻している「讃岐うどん」ほどネームバリューはありませんが、けっこう「うどん通」にうけているのが博多のうどん。博多の承天寺の聖一国師が、中国から持ち帰った製粉技術を広めたことから、うどん発祥の地としても知られはじめたようです(もちろん美味しいからですが)。そして、そのお膝元に住む私のイチ押しは「ごぼう天うどん」です。

 肉食派には全く物足りないごぼうの天ぷらだけのトッピング。柔らかうどんとやたら歯応えの良いゴボウの取り合わせ。その硬軟のコントラストが鮮やかな「ごぼう天うどん」は、これまで私の二日酔いの翌日の昼食時間をどれだけ救ってくれたことでしょうか。承天寺近く、山笠が走り抜ける道沿いの「みやけうどん」は、一度は経験してみる価値があると信じます。

 春は香りも楽しめる新ごぼうのシーズンだということで、この季節のごぼう天うどんは見逃すべきではありません。うどんに入れる香辛料は柚子ごしょうなら、もう言うことなしです。北海道のうどんファンだって「そだねー」と納得してくれる味に違いありません。家でも、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の締めにごぼう天うどんを試したくなります。

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