プラモデル
No.384 / 2018年5月11日配信
日本に行きたい外国人をご招待するというテレビ番組を見ていたら、アルゼンチン男性の「タミヤのプラモデル愛」が半端なく溢れ出る場面に、胸が昂りました。小学生の時に、どうしても軍艦のプラモデルが欲しくて、母に無理を言って新聞配達(夕刊)を許してもらい購入費用を調達、立派な戦艦武蔵のプラモデルを手に入れた事を懐かしく想い出します。
当時の子供達によるプラモデル人気は凄まじく、軍艦や飛行機、戦車などで火がつき、対象はやがて様々な自動車へと移って行きました。ガンダムのプラモデル登場前の時代の話です。社会人になってもジープを作ったりして本棚に飾っていましたが、埃にまみれて窓からの紫外線に劣化した車体は、ついに5年ほど前の大掃除で見事に崩れ落ちてしまいました。
プラモデルではありませんが、まだ一つだけ本棚にプラスチック玩具が残っていました。トミー(今はタカラトミー)の「黒ひげ危機一発」という、樽に短剣を指す勝ち敗けゲームです。結婚後に購入し、大小切り分けたケーキの「先にとれる権利」を争って、家族で楽しんだものです。プラモ・メーカーも玩具メーカーの商品も自分の歴史に深く係わっています。
そういえば、あの戦艦武蔵を商店街で買った時の抽選会でなんと「長崎九十九島1周の旅」が当選していました。苦しい家計を支える母親に、旅行のプレゼントができたのです。いまでも、母からのありがとうという言葉が忘れられません。母の日の5月。こちらこそ「ありがとう」なのに。今年も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のグラスを静かに傾けます。