らっきょう
No.386 / 2018年6月1日配信
甘酸っぱいらっきょう漬けの味は昔懐かしい食卓の味がします。「甘酸っぱい」という表現はティーンエイジャーの失恋の想い出にこそ似合いそうですが、らっきょう漬け場合はそういったレモンのような酸っぱさとは一線を画す「大人好みの甘酸っぱさ」がいいのです。材料であるらっきょうは初夏の終わりから夏の始まりの頃にかけ、梅とともに旬を迎えます。
らっきょうは痩せた土地でも良く育つので、砂丘地で作られることが多いのだとか。全国での生産量(平成26年産地域特産野菜生産状況調査)では、鳥取県が1位で、僅かの差で2位が鹿児島県ということになっています。そして、なんと、なんと伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の故郷である宮崎県が3位にランクインしているではありませんか。
甘酢漬けのらっきょうを「カレーの付け合わせ」として利用している人も多いと思いますが、福神漬の永遠のライバルですよね。夏バテ対策でビタミンB1の吸収に役立つ、あのニンニクと同じ「アリル硫化物」を含み、便秘の改善に役立つ水溶性の食物繊維も多く含むそうです。栄養学的にも、暑い季節にはポークカレー(豚肉はビタミンB1を多く含む)にぴったりです。
「漬ける」季節でもある6月を楽しまない手はありません。カリカリしたらっきょう漬けと幸蔵の組み合わせも悪くはありません。家人に「手作りのらっきょう漬けを食べたい」とリクエストすると、すぐに娘の横槍が。「お父さんは旬だからとか、手作りがいいとか、お気楽よねぇ。お母さんも色々忙しいんだけど」。ふん、想定内だ。そうくると思ったよ。