印象派

No.392 / 2018年8月1日配信

 先月、太宰府にある九州国立博物館で開かれていた「至上の印象派展」には、多くの絵画ファンが詰めかけていました。ビュールレというドイツ生まれの実業家がスイスのチューリヒの邸宅を飾るために収集した美術品が公開されたのです。1800年代中盤からの、いわゆる「印象派」と言われる画家たちの優れた作品から抽象度が進むポスト印象派までの作品が出品されていました。

 印象派の絵は当初冷遇されていたものの、やがて、筆のストローク跡を大胆に残した斬新な描き方が、それまでの写実中心の絵画の世界で認められて行きます。有名なクロード・モネの睡蓮やゴッホの自画像など、「自分というフィルターを通して掴んだ印象」をしっかりした筆跡で表現していて、描き手の感性一つで表現が大きく変わってしまうのが面白いところです。

 ジャマイカの有名なレゲエシンガーだったボブ・マーリーが言った「雨を感じられる人間もいるし、ただ濡れるだけの奴らもいる」という言葉も、印象派の画家たちの心とどこかで繋がっているように思えます。「表現するんだ、感じるままに」ということでしょうか。まず、感じようとする心を失くさないように、そして感受性を錆付かせないように、です。

 伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を365日欠かさない毎日。「ピザにも芋焼酎」の超偏屈者として、「もう、そこまで行けば何も言えないわね」と、家人達も諦め顔。「幸蔵」を通して見えてくる美味しさだったり、新しい組み合わせの発見だったりと、案外、私こそが印象派にふさわしい感受性豊かな表現者かもしれないのに。家族の誰もわかってはくれませんが。

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