雨のささやき

No.422 / 2019年6月1日配信

 6月になると、盲目のシンガーソングライター、ホセ・フェリシアーノが歌った「雨のささやき(原題Rain)」をよく思い出します。日本の梅雨について歌っているはずもないのに、勝手に私がこの時期のシーズンソングにしてしまっているわけです。生ギターのイントロに続くホセの寂しげな声、心に響くメロディライン。ただただ心を動かされていた記憶があります。

 当時、期末試験の勉強中、深夜放送のラジオからも「雨のささやき」が流れていました。降り続く雨の中で突然の雷鳴。雷の音が私には「英語の歌詞の意味を知りなさい」と聞こえたのです。私はすぐに英語の辞書を引っ張り出して、歌詞の冒頭の部分を訳すことに。聴き取れたのはリッスン・トゥ・ザ・フォーリング・レイン。「落ちてくる雨を聴いてみろ???」

 私には一度や二度聴いたくらいでは、全部の歌詞を書き留める事は出来ず、作業が辛いので和訳もそれっきりに。結局、英語の勉強が苦手な私は、大人になるまでその歌が愛の歌だとは知ることもなく終わったというわけです。努力不足の因果は巡ります。先日、街の中を歩いていると、外国からの旅行者に声をかけられました。しかしゆっくりな話も、全く理解できません。

 特に聞き取る能力が劣っていて、英会話などもっての外。そんな私に今でも夜の雨がささやきます。どうしてあの時に英語のヒアリングに目覚めなかったの?。せっかくのチャンスだったのに、と。さらに雨は「今からでも英会話を始めてみれば」と私を攻め立てます。ふ?っ、聞こえなかったことにしよう。今夜も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」に助けを求める私でした。

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