エリンギ

No.437 / 2019年11月1日配信

 過去の「食の体験」から美味しかったものを引っ張り出せば、その中でも秀逸だったものの一つに、アワビのバター焼きがあります。あのバター風味の味わいと柔らかい食感。思い出すだけで唾液腺が緩んできます。もう一度と、チャンスをうかがっているのですが、特別な日に黒毛和牛のステーキ肉は奮発できても、なぜかアワビを買い込むことはありませんでした。

 近所のスーパーはもちろん、郊外の農水産品直売所を覗いても、アワビは私が欲しい時に必ず売り場にあるわけではありません。必ず出会える「優等生食材」の牛肉のように安心できるタイプの食材ではないのですね。ヘソ曲がりの私は、逆にそのむらっ気に惹かれたりするのですが、ただ、価格が高い食材なので…やはり牛肉以上に手強い食材だと言わざるをえません。

 そこで登場するのが、あの歯触りの良い「エリンギ」です。この夏、牛肉と一緒に焼いて食べ、あらためてその食感に惚れ込んでしまいました。まるでアワビの食感です。もちろん、アワビと同じようにバターとの相性も抜群!(「あわび茸」というものがあるそうですが、いつかはそれも試してみたいです)エリンギを縦に細かく裂いて、バターと塩、黒ごしょうでソテー。

 醤油を少し垂らしても美味しそうです。最近、休みの日の酒の肴は自分で作ることも増えましたが、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」はどんなつまみとも相性が良いので助かります。ただ、エリンギの生産量は長野・新潟県がダントツで、ニュースによると台風19号の被害が気にかかります。この先、積極的にいただくことでその復興のお手伝いができればと思うのですが。

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