木 枯 し
No.440 / 2019年12月1日配信
地球温暖化の進行が止まりませんが、それでも冬はしっかりやってきます。九州の12月では頬を切り裂く冷たい北風にお目にかかることも少なくなりました。「木枯し」は冬の季語ですが、最近は天気の会話でも「昨日は木枯らしが凄かったね」など、そんな季語も聞くこと自体少なくなっています。木枯しピューピューって、なんとも言えない季節の趣があるのですが。
芭蕉も一茶もその俳句の中に「木枯」の季語を入れた俳句をたくさん作ったようですが、私には思い出せるものはありません。唯一思い出せるのは俳句ではなく、昔のテレビ番組で人気を博した「木枯し紋次郎」というタイトルだけです。思えば、「あっしにゃ関わりのねぇこって」とニヒルな無宿の渡世人・紋次郎がはくセリフがなんとカッコ良かったことか。
それまでの時代劇が持つ「勧善懲悪」ものから逸脱した硬派のストーリーであり、見せかけの善意を削ぎ落としたクールな渡世人のドラマでした。刀捌きでも、振り回したり突き刺したりと、流麗な殺陣ではなく妙にリアリティのある演技です。上条恒彦がハスキーな太い声で歌う「誰かが風の中で」というテーマソングに、私たちにも明日の希望を抱かせてくれました。
「あっしにゃ関わりのねぇこって」の紋次郎を演じた中村敦夫さんは、環境などの問題についても積極的に関わっておられます。私たちもリアルな現実を前にして思いを強くしなければ…。木枯しの夜だからこそお湯わりの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が美味しいはず。やっぱり私たち焼酎ファンも環境問題に対して「あっしにゃ関わりのねぇこって」のはダメですよね。