応援の力

No.464 / 2020年8月1日配信

 遅れて開幕したプロ野球やJリーグサッカーの今年ならではの試合模様にも慣れてきて、今では普通に楽しませてもらっています。無観客で始まったプロ野球の試合はこれまでにない硬質な雰囲気でした。TV中継では初めての経験の乾いた打球音、スタンドに打ち込まれたボールの「ゴン」という衝撃音、そしてベンチから聞こえてくる選手たちのリアルな声。

 7月には5千人足らずでしたが、やっと入場が解禁されました。観客は声援、拍手だけの静かな応援スタイルのみで、これまでのように鳴り物の応援はできません。ボリュームが小さくても、観客の応援はプロにとっては本当に大切なものなのでしょう。無観客では不振を続けていた選手が、「待ってました」とばかりにホームランを連発。お客様パワーは絶大です。

 この1、2年で私も我が家の「調理プレーヤー」になりました。週末や休日が私の料理日になりますが、何を企んでいるのか我が家の女性群は私の料理をやけに褒めちぎります。普段は憎たらしい返事ばかり返す娘も「お父さんはレストランや民宿でもやれるんじゃないの?」と随分と甘口の評価です。「よし、来週はスズキのムニエルだな」とすぐに乗せられる私。

 「でも、来週は用事があるからお父さんの料理は食べられないなぁ」と娘は残念そうな顔をします。その瞬間、自分のモチベーションが下がっていくのがわかりました。野球と一緒で、プレーヤーは応援してくれる人がいてなんぼの世界。私には伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」という応援団がついているから別にいなくてもいいよ、と寂しいジョークをぽつり。

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