ホッケ
No.466 / 2020年8月21日配信
アジやイカの一夜干しが大好きです。干物で一杯やる美味しさは、刺身での一杯にヒケをとりません。よく釣ってきたアジを開き、塩水につけるか振り塩でベランダに干したものです。我が家の女性群はベランダが生臭くなるから止めて欲しいとか文句たらたら。その割には、そのアジの干物には「美味しいわね、この魚」なんて、開いた口が塞がりません。
九州には日本3大朝市で名を知られる「呼子(よぶこ・佐賀県)」をはじめ、豊富な海の幸を一夜干しにした特産品で有名なまちはたくさんあります。干し魚の消費も少なくないだろうと思っていたところ、上には上がありました。魚の干物の全国各県の消費量を見ると、圧倒的に多いのが東北・日本海側の県と北海道でした。きっと保存食の大切さを知る土地なのでしょう。
干物になったホッケを買ってきました。売り場に並んでいたのは解凍したものでしたが、九州近海で獲れる魚ではないのでそれは仕方のないことです。北海道の人には珍しくない魚でしょうが、九州の人間である私にとってのホッケはうなぎを食べるより稀なことかもしれません。ホッケを漢字で書けば「??」で、「魚へんに花」というなんとも艶やかな感じです。
皮の色目が綺麗なので「花」がついた魚名でも問題はありませんが、それより身が口の中でホロホロと崩れ、北の魚の華やかなうまさがまさに「花」と言えるかもしれません。身がしっかりと付いていて、食べ応えも十分。タラや金目鯛の肉質にも似た味わいがとても素敵です。北の干物と南の焼酎。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との相性の良さも確認できました。