ピーマン・スライス

No.496 / 2021年6月21日配信

 ピーマンの季節がやってきました。一年中スーパーの売り場で見かけるピーマンですが、旬はやっぱり暑い夏の時期。そのピーマンは今でも子供たちの「嫌いな野菜ランキング」では堂々の一位を誇っているそうです。ピーマンが持つその青臭い味わいと苦味が嫌われるのでしょう。最初の記憶はいつだったか朧げですが、私も食べ始めの頃にはその苦味には相当苦戦しました。

 人間は時と共に成長するものですが、味を判別する舌の味蕾も成長するようです。石鹸のようだった初めて齧ったプロセスチーズ、この世のものじゃないと疑わなかったトマトジュース。昔、私が初めて遭遇した不思議な味、味、味。ピーマンの「苦味」も同列で語られる味だったのですが、私もいつの間にかその苦味を積極的に楽しむまでに。そうです、私の舌もしっかりと成長していたのです。

 これまではピーマンを使った料理といえば、ひき肉を詰めたピーマン焼きや中華料理の青椒肉絲(チンジャオロースー)などの熱を加えた料理が定番ですが、この夏のおすすめは焼酎にぴったりのシンプルなおつまみ料理。料理サイトのうけ売りですが、生ピーマンの千切りを醤油・オイスターソース・胡麻油であえ(軽く手揉み)、黒胡椒を振りかけると出来上がりという超簡単なものです。

 シャキシャキした歯応えとピーマンの苦味がきいた美味しい一品。まさに、シンプル極まる男の料理です。一番美味しい時期に出回る新鮮な野菜を、できるだけ生に近い状態で食べる夏の贅沢。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のオンザロックでやるこのピーマン・スライスは、焼肉や刺身だけがご馳走でないことを教えてくれます。財布にも優しいので、家人に大変喜ばれているのも良い点です。

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