ハーベスト(収穫)
No.504 / 2021年9月11日配信
実りの秋、収穫の秋と呼ばれる季節がやってきました。食べることが大好きなので、「食欲の秋」は久しぶりに会う恋人のようです。今年の対面を前にして、あれやこれやと思いを巡らすと、妙に落ち着きを無くしてしまいます。新米にキノコ類を入れた炊き込みご飯、そのまま蒸しただけで楽しめる芋類、栗。近年漁獲量が減ってきているものの、脂が乗ってくる秋刀魚や秋鯖の塩焼き。
ずいぶん昔のことですが、学生アパートで空きっ腹を抱えて「ハーベスト」というアルバムを毎日聴き倒していたことを思い出します。授業に行かずバイトに精を出し、やっと手に入れたコンポーネントステレオの前に座り込んで、何回も何回もプレイヤーの針をレコード盤に落としていました。その「収穫」というLPレコードではお腹こそ膨れなかったけど、心だけは満ち足りていました。
「ハーベスト」というアルバムはニール・ヤングの4作目のアルバムで、CSN&Yやバッファロー・スプリングフィールドのメンバー後、シンガーソングライターとしてソロデビュー、最も商業的に成功したアルバムだと言われました。個性的なハイトーンのボーカルとフォークギター・ブルースハープで印象的な「ハート・オブ・ゴールド」というヒット曲が心に残ります。
その日もステレオ前の私はお腹がぐうっと鳴きました。また夕方までもやし入り味噌ラーメン1袋だけ。しかし神様は私を見捨てませんでした。福井県出身の友人から「今年も田舎から新米が送ってきたけど、お前来れるか」の電話が。ラッキー!私は天まで昇る気持ちで、彼のアパートまで駆け出したものです。今年も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との相性抜群な収穫の秋の到来です。