守破離(しゅはり)
No.522 / 2022年3月11日配信
スポーツ界でも、特に日本においては「一番ベストとされる型」を体得できるまで、しっかりと反復練習をこなすことが重要だとされます。一流選手はそうやって得ることができた基本に、自分なりの工夫を加えて、独自のものにしていくのだと思います。優秀な野球選手へのインタビューでよく耳にするのは、前年に結果が出ていても、今年はさらに型を変えていくという話。驚きです。
この冬に話題になった羽生選手の「4回転半ジャンプ」やスノーボードの平野歩夢選手の「トリプルコーク1440」など、凄技に挑戦する選手のその姿勢には胸を熱くさせられたものです。そんな超人的な技を繰り出す選手の幼い頃の練習風景がTVで流されていました。基本技の習得の映像でしたが、その後、昨日を超えるためのチャレンジがどれだけ続いたことでしょうか。
以前聞いたことがある和菓子屋さんの社長の言葉に「守破離(しゅはり)」があります。茶道をはじめ日本の「道を極める」ための修行は師匠(先生)から教えられた型を守ることから始まり、やがて実力がつけばその既存の型を破ることができるようになります。さらに一歩進んで精通してくると、いわゆる暖簾分け可能な状態、これまで習得してきた「型」から立派に離れることができるように。
凡人の私でも、この「守破離」の言葉の感覚が少しばかり掴めるようになりました。それなりに頑張ってきた酒の肴作りでも、基本レシピから少し自由になってきました。調味料、香辛料などの量・使い方に柔軟な使い方ができるようになりつつあります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のトラディショナル精神と自由な手作りオードブル。結構、高みに登れている幸せ感。いい感じです。