骨が折れる話
No.560 / 2023年4月1日配信
ジャズ界の巨匠と言われるウェイン・ショーターさんが、3月2日に亡くなられました。彼のジャズを追っかけてはいなかったので、そんなに詳しくはありません。ただ、ジャズの歴史を眺める時、節目節目にその名前をよく見かけました。60年代の初め、名ドラマー・アート・ブレーキーのグループ「ジャズ・メッセンジャーズ」として来日も。その彼を見逃さなかったのがあのマイルス・デイビス。
早速マイルス・バンドに迎え入れられて、大活躍したのはいうまでもありません。その後、電気的な音作りの流れの中で、昔からの友人であったジョー・ザヴィヌルと作ったグループが「ウェザー・リポート」でした。それも職場のM君から後に教えられたことです。M君は「ウェザー・リポート」ファンで、ウェイン・ショーターさんと共にベーシストのジャコ・パストリアスも大好きでした。
M君はジャコ・パストリアスの速弾きなどの人間離れした技に惚れ込んでいて、ライブ会場の写真は、長髪にかっこいいヘッドバンド、渋いTシャツという、とてもジャズメンとは思えない容姿だと褒めまくり。観客を熱狂させるベースのソロプレイの「格好良さ」を話してくれました。「凄いよね。もう神の領域だよ」。そのM君はある昼食後、筋骨逞しい社員と机の上で腕相撲をしていました。
顔が赤らみ、両者譲らぬ攻防の最中、「バキッ」と音がしてM君の腕が折れたことがみんなに伝わりました。M君は痛みそっちのけで、ジャコのベースの音よりすごかったなぁと一言。一同唖然。狂っていたような若い頃の話。ジャコのベースの音をYouTubeで確認しながら、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をグイッと一杯。「ウェザー・リポート」の音楽、久しぶりです。元気ですかM君?