夜の水族館
No.572 / 2023年8月1日配信
かれこれ15年も前だったでしょうか、アメリカ20世紀フォックス映画で「ナイト・ミュージアム」という映画が公開され、とても面白かったことを思い出します。ニューヨークの自然博物館を舞台にした、ファンタジーコメディ映画です。夜になると動き回るティラノサウルスの標本、西部開拓時代の蝋人形、古代エジプトの不思議な石板など、魅力いっぱいの展示物が賑やかに登場します。
夜間勤務のさえない新米警備員とその息子、不思議な石板を盗み出す不徳な警備員も加わり、夜の博物館でくり広げられる騒動が文句なしに楽しい映画でした。舞台が夜間のアイデアは秀逸で、暑い日本の夏の夜にはもってこいの話です。花火大会はもちろん最高ですが、他にも見逃せないのが涼しげな水族館の夜企画。福岡であればマリンワールド海の中道の「夜のすいぞくかん」です。
「夜のすいぞくかん」はファミリーに人気のあるイルカのナイトショーや幻想的なイワシの舞など、夜ならではの魅力もいっぱい。昼間と違った照明の館内で、さまざまな海の生き物の姿も楽しめるそうです。しかし、水族館で今、私が気にかかるのがラッコのこと。今や日本に全部で3頭しか残っていなくて、そのうちの1頭(オスの16歳のリロ)がマリンワールド海の中道にいるのです。
ラッコはピークであった1994年には日本中で122頭も飼育されていましたが、ワシントン条約で国際取引が規制されはじめてからはどんどん減る一方。現在残る3頭も15歳以上と高齢になっています。この夏休みにラッコの可愛らしい顔を、夜の水族館見物を兼ねて観に行こうと思います。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をやりながら、そんな決意を固めている私なのでした。