ハンターズ・ムーン
No.578 / 2023年10月1日配信
私たちの日本には満月を愛でる美しい習慣があり、今年の仲秋の名月(十五夜)は9月29日でした。2年後の中秋の名月は10月6日だそうで、10月に名月を迎えることもあるのです。毎年満月の日付は変わるので、当たり前なのかもしれません。その十五夜のお月見に欠かせないのが、お月見団子・芋・里芋なのですが、近年は団子を菓子店から買ってきていただく程度です。
アメリカでもネイティブアメリカンが月の満ち欠けを暮らしの中に取り込み、自然のカレンダーとして利用していたのだとか。1年・12ヵ月、それぞれの満月に名前がつけられていて、1月はウルフ・ムーン(狼月)と呼ばれています。厳寒の食料が不足する時期に、大きな月明かりの中で遠吠えをする狼がそのモチーフでとなっていたそうです。ワイルドでとてもカッコイイなと思ってしまいます。
さて、この10月はハンターズ・ムーン(狩猟月)。食料が豊富な夏から秋にかけて太った獲物を狩るのに適した時期だと言われています。シカや狐などの野生動物にとって、はた迷惑な話ですが、ハンターには10月の月明かりこそが最大の関心事項。満月は家族や部族の胃袋(命)を守ってくれるのです。農耕の歴史が長い日本人には、皮膚感覚的にわかりにくさもありますが、理解はできます。
わが国の話に戻ると10月はやっぱり十三夜。少し欠けている月を愛でる日本独特の風習で、今年は27日だそうです。植物の栗や豆を供えて祝いますが、その二日後はもちろんフルムーン。というわけで、10月末はお月見三昧といきましょう。十三夜は栗ご飯、フルムーンの27日はステーキが似合いそう。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」はどちらの味にもフィットするところが憎いところです。ふふっ。