野菜炒め
No.600/ 2024年5月11日配信
私のT-falのフライパンのフッ素樹脂加工がはげ落ちてきて、手にすることが少なくなってきています。いかん、いかん、こんなことでは。おかげで、我が家族は私の美味しいイタリアン風イカソテーを食べることができないので、欲求不満が溜まっているのか、最近何かしら不機嫌です(ふふっ)。まあ、春のヤリイカがずいぶん値上がりしていたのも影響していますが。
フライパンからは貧乏学生時代のアパート生活が思い出されます。もやしと卵を入れたサッポロ一番みそラーメンは命を繋ぐ大切な主食でしたが、気温が上がる初夏になると、熱々ラーメンよりも「野菜炒め」とご飯が主役に。豆腐揚げの味噌汁も作って定食風です。バイトもなく、学食への出費も厳しい時には、部屋隣の友人と一緒によく野菜炒めを作っていたものです。
その野菜炒めの友人がソワソワして出掛けて行ったことがありました。4月に近所の女子短大の学生との合同ハイキングで見そめた女性とのデートでしたが、不発に終わったらしく肩を落としてアパートに帰ってきたのです。「おい、今日は食事して帰ってくるはずでは?」彼は力無く首を横に振りました。「まあ、いいか。一緒に野菜炒め食う?これから作るから」
昨日久しぶりに野菜炒めを作りました。豚肉をたっぷり入れ、野菜を強火で炒め、中華ダシを少し加え、野菜がベチャッとならないように気をつけて。食べてみるととても美味いのですが、なぜか腹をすかしていたあの時代に食べた野菜炒めの味には敵わない気がします。「思い出というスパイスには勝てないよ」と、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」がつぶやきました。