タコのバジルソース
No.606/ 2024年7月11日配信
地元の漁協が運営している直売店を覗いてみると、やや大きめのマダコの脚が私を呼んでいます。素直な私は誘惑に弱く、マダコの脚1本を購入することに。大の大人がマダコの脚を持ってニコニコと歩いている姿は滑稽ですが、こういう性分なので仕方ありません。まあ、英語名がデビル・フィッシュ(悪魔の魚)というくらいですので、誘惑されてしまうのは仕方ないのかも。
日本の沿岸で獲れるマダコは海外産(モーリタニアやモロッコなど)と違い、黒味がかった肌をしています。個人的にはこの色を見ると食欲とともに、なぜか安心感が出てきます。地元の漁師さんが水揚げしたマダコには、地域で収穫される農産物と同じで、その土地の住民として、同じ土地の窯の飯を食っているという「何かしらの一体感」を得ることができるからです。地産地消!
近年、日本の魚介類の水揚げが大幅に減っているのだとか。タコ類も水揚げが順調だった1968年に比べ、なんと78.4%も減ったそうです(農林水産省統計)。以前に比べて値段も上がり、それも残念ですが、食いしん坊に消費を止める訳にはいきません。買ってきたのは「ボイル済みの刺身用マダコ」で、九州自慢の濃い刺身醤油・わさびで食べると顎が落ちそうですが。
しかし今回は、家人のパスタ料理に合わせて、薄く斜めにひいたマダコの刺身にバジルソースをかけて食べることに。マダコの淡白な味が濃い味のバジルソースと相まって、想像以上の旨さ。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とマダコの取り合わせは、この地球から無くしてはいけない財産だと確信。ぐいと噛み締めてマダコを味わいながら感じる幸せ。さあ、マダコが美味しくなる季節です。