肉まん・豚まん

No.625 2025年1月21日配信

 長崎の中華街で食べた本場の中華饅頭がとても美味しかったことを思い出しますが、一方で呼び名が違う「肉まん」の記憶も忘れずに残っています。残業が続いた日の「小腹を満たしてくれた」晩飯だったからです。昔、職場の近所に開店したコンビニにはお世話になりましたが、今思えば、肉まんはコンビニのホットスナックの出発点だったのかもしれません。

 フライドチキンやコロッケ、アメリカンドッグ、おでんなど、今やホットスナックも多彩になりましたが、今でも肉まんの人気は高いのじゃないでしょうか。ホットスナックは高まるインバウンド熱にも応えているというから、その実力には頭が下がります。先日、電話で私が関西風に豚まんと言うと、東京の友人から「それ、肉まんのこと?」と逆に尋ねられました。

 調べてみると「中華まんの呼び方・全国アンケート」では「肉まん」と答えた人が83%、「豚まん」は17%だったそうです。ただ関西では約65%が「豚まん」派。では、なぜ関西が「豚まん」かといえば、それは歴史が教えてくれていると思います。肉食禁止が長く続いていた日本の中で、近江の彦根藩では養生肉として牛肉の味噌漬けがつくられていたといいます。

 そんな江戸時代からの牛肉の歴史もあり、関西では「肉うどん」「肉じゃが」といえば牛肉が使われるように、肉といえば牛肉のことを指します。だから関西では豚肉を使った饅頭は「肉まん」ではなくて「豚まん」と言う人が多いのではないでしょうか。熱々の豚まんと伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のお湯わり。それを思うだけで心はホクホクしてきます。

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