さつまいも

No.582 / 2023年11月11日配信

 ピンポーンとドアチャイムが鳴ったので玄関の扉を開けてみると、同じマンションの隣に住む男の子が立っていました。小学一年生のはずですが、とても小さい子です。両手でズボンの前を押さえて、「トイレ貸してください」と焦っている様子。お母さんが仕事から帰宅する前に、何か困ったことがあれば、隣のおうちに助けを求めるように、と言われていたようです。

 しばらくすると、母親が帰ってくる時間になったのでしょう、ジュースのコップをテーブルに置くと、「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げて玄関を出て行きました。家人と顔を見合わせて「よくできた子だなぁ。こんなデジタルの時代なのにしっかり躾が行き届いてる」と目を丸くしたものです。あなたよりはるかに礼儀正しいかもと、家人は失礼な一言を追加。

 すぐにその子の母親がサツマイモを数個手にして、お礼にやってきました。先日、知り合いの畑の芋掘りを手伝ったきたのだとか、少し熟成させていたものをくれました。それで早速、さつまいもの天ぷら作り。調子に乗って全部輪切りにしてしまい、2、3日は天ぷら三昧確定です。熱々、ほくほく、少しの塩。大好きな紅はるかではなかったのですが、甘くて美味でした。

 芋好きな私が愛するのはやっぱり芋焼酎。その伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の故郷はさつまいもの収穫量が多い宮崎県です。幸蔵に使う地元産のさつまいもは私が天ぷらにした福岡で掘り出された品種とは違うものでしょうが、さつまいもに違いはないはず。「親子呑み」にするとやっぱり口の中で極上の芋のハーモニーが。グイグイと杯が進んだ幸せな夜でした。

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