古典ネコ落語
No.649 2025年9月21日配信
この夏は(も)すごく暑かったので、集中力が欠けていて、読書があまり進みませんでした。と、言い訳が見苦しいですが、マンガだったら大丈夫だと思い、猫が描かれている「古典ネコ落語」という本を購入して読んでみました。一応、正真正銘の古典落語がベースなので、「初天神」などこれまでに何処かで耳にしたことがある落語ネタで、結構面白かったです。
監修があの立川志らく師匠で、漫画を描いた人は伊藤カヅヒロというイラストレーターの方です。記載されている古典落語自体が魅力あるのに、登場しているネコたちの妙にシリアスな表情や、すっとぼけた動作がなんとも言えぬ味わいで、着物姿のネコが織りなす古典ストーリーに思わずクスッ。ネコに任せる人情落語なんて、よくもまあできたものです。
私が住む福岡では毎年秋になると「博多・天神落語まつり」という、一大イベントが開催されます。もう、今年で19回目となりますが、数多くの有名落語家が来福されてとても賑やかな、落語好きにとってはたまらない催しとなります。今年は10月31日スタートとなります。もちろん、立川志らく師匠も登場されますが、猫の絵柄の着物なんか着て登壇されたら最高ですね。
デジタルな世の中になり、「良い」か「悪い」だけの判断で成り立つ世の中になってしまいましたが、落語に出てくる「人情」はそういった判断では理解できません。マンガとはいえ、「なんとかしてあげたい」というような、損得を抜きにした人間のアナログ感情に触れた後は、なんだか無性に手造りの伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を一杯やりたくなります。