大根の古漬け

No.404 / 2018年12月1日配信

 この5、6年食べ続けているものに農家手作りの大根の古漬け、いわゆる酸っぱめの淡い黄色の沢庵があります。子供の頃から酸っぱい味が好きだったわけではありませんが、この味には何か郷愁めいたものを感じます。昔は派手な黄色の着色料で色つけされた沢庵も数多く食べたものですが、その反動か、より自然に近い手作りのものに手が出るようになりました。

 寒風に晒しながらの天日干し、長期の糠漬けによる乳酸発酵。今でも売場で農家手作りの宣伝コピーに出くわすと、間違いなく目を止めてしまいます。この古漬けは白ご飯がどんどん進んでしまうほど魅力的なのですが、今の私には逆にそれが恨めしく思われます。家人からも「ご飯は1杯にしたら」と、2杯目に手が出せない暗い状況。

 コメの消費が落ちてきた近年、夕食シーンを調べてみると、若者だけでなく年配者の層でも「白ご飯離れ」が進んでいるのだとか。もちろんそれに合わせて漬物の消費量も減っているそうで、やはり、私のように炭水化物離れを強いられている人も多いのでしょう。そして漬物についていえば、40代家庭の夕食に出現する率は、すでに10%を切っているそうです。

 私が住む暖かい九州は漬物消費量が全国でも少ない方で、冬の保存食としての必要性が大きくなかったせいもあるのでしょう。それでも、若い頃の私の父はよく黄色い沢庵をつまみに酒を一杯やっていましたし、その血は争えないものです。私も昨日、カリカリと齧りながら、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をグイッ。我が一族の漬物好きは永遠に不滅なのです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です