西郷どん

No.389 / 2018年7月1日配信

 大河ドラマでは西郷吉之助が奄美大島を出て、また幕末の表舞台に姿を現すようになりました(またすぐに、島に送られるそうですが)。奄美大島時代では二階堂ふみさん演じる島の娘・愛加那との切ない結婚が描かれ、その演技にグッとくるものがありました。薩摩の男らしく、どっしりとした人間像がベースになっているので、その骨太感にうらやましささえ感じます。

 ただ頭が切れるだけの人間とは一味違う「男らしい男」は、私も若いころから憧れた男性像です。元来、素質に欠けるところがある上に、努力をしない人間だったので、西郷どんの様になれなかったのは当然のことです。意志薄弱、三日坊主、酒には飲まれるし。まあ、少しは頑張れたと言えるのは、「陰口を叩く様な男にはならない」ということくらいでしょうか。

 ある日、口下手な父親が、夕食時に約束を破った破らないでもめている、小学生だった私と兄に向かって説教を始めました。巨人の星のマンガの中で、星一徹が怒ってひっくり返すような卓袱台を挟んで、「いいか、男というのはペラペラ喋ってはいかん。必要なことだけを口にすれば良い。武士には二言はないんだから」と、ゆっくりと諭す様な口調でした。

 思いもよらぬ「武士に二言なし」の言葉に驚き、これから男が守り続けていくべき「大切なもの」を授かったような気がして、妙な興奮を覚えたものです。そのせいもあったかどうか、私は口数が少なく、家人と娘には口争いでも勝てません。まあ、よか。西郷どんも、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲み干した後には、恐らく「うまかぁ」の一言だけですタイ。

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