からくり儀右衛門

No.387 / 2018年6月11日配信

 時間を大切にしましょう。だらだらと過ごさないようにね。そして決められた時間はきちんと守ること。というようなことを、小学生の頃、担任の先生が話をしてくれた事を想い出します。6月10日の「時の記念日」に絡めての話だったと思います。そして時計を作りあげたからくり儀右衛門の話を私たちに披露してくれました。私が少年期を過ごした久留米市での話です。

 江戸時代の末期、優れた万年時計を完成させたからくり儀右衛門こと田中久重は、久留米で生まれ、現在はあの東芝という大手企業の元になる製作所を設立するまでになります。幼少のころからものづくりの才能を発揮して、当時流行していた「からくり人形」に新しい仕掛けを考案して有名になったことから「からくり儀右衛門」と呼ばれるようになったと言われています。

 もっと知りたくなったので「小説・田中久重~明治維新を動かした天才技術者~(集英社文庫)」を入手。彼の人生は久留米から始まり大阪・京都・佐賀・久留米・東京と活躍場所を変え、稀代の技術者として幕末から明治初期、我が国のために大きな足跡を残しました。自動給油する「無尽灯」、和時計、大砲、蒸気船、蒸気機関車など、その製作物は数えられないほどです。

 彼のものづくりは人々のためにという強い信念で貫かれています。私利私欲に溺れずに、偉大な発明や技術革新に邁進した田中久重は素敵な言葉を残しました。「知識は失敗より学ぶ」。日本のものづくりの原点です。失敗を恐れてはいけません。あっ、もうこんな時間。さあ続いて、今夜も幸せへの秘密のからくり、「伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」タイムです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です