豚レバー

No.352 / 2017年6月21日配信

 今ほど最高気温も高くなかった時代とはいえ、やはり夏は暑く、20歳過ぎの若かった肉体にも「夏バテ」は訪れました。アパートでの1日2食、毎回サッポロ味噌ラーメンというインスタントな食生活の毎日。わずかながらのキャベツのビタミンも捨て難い栄養素でした。そんな食後、暑い昼下がりに力もなく学生アパートでゴロリと横たわっていたことを想い出します。

 このままではいけない、立ち上がらなくては。私の食生活は基本的にはアルバイトによって支えられていました。良くいえば「生きるため」に、本末転倒ではあっても、授業時間よりもアルバイトに費やす時間を優先させていたのです。しかし、授業やゼミの時間の都合で、どうしてもアルバイトが出来ない時期は、あの脱力感いっぱいの「ラーメン生活」が待っていました。

 そんなある夜、友人の紹介で労賃の高い「中央郵便局での仕分け作業」のバイトに出かけることに。仮眠時間が取れるといっても、夏の夜を通しての作業です。肉体も思いっきり使います。重い麻袋(だった?)に入った郵便物を各地域ごとに振り分ける作業は堪えます。深夜の夜食時間、局内の食堂人気メニューが「豚レバーのステーキ」だということにも納得してしまいました。

 珉珉(みんみん)や王将などのレバニラ炒めは食べたことがありましたが、大きいままの豚レバーをステーキで食べるのは初めてでした。冷房の音がうるさい食堂で、連夜ガツガツと豚レバーを掻き込んだ記憶が蘇ります。おかげで、貧乏学生のその年の夏はとても元気でした。久しぶりに豚レバーを買ってこようかな。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」とも合いそうですし。さあ、暑い夏の始まりです。

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