ホタルイカ

No.343 / 2017年4月1日配信

 イカが大好きで、旬と言われる時期だけでなく、年間を通じてけっこう食べます。もう全国的になって珍しくはありませんが、以前から「さばきたて」を食べさせてくれることで有名な、唐津市呼子町にもよく足を運んだものです。透き通ったコリコリする刺身は噛みしめると甘みが口中に広がり、最高です。残りのげそ(足)は天ぷらにしてもらいます。

 春に見逃してはいけないのがホタルイカです。ホタルイカは兵庫県や富山県等の日本海側で水揚げされるわずか数センチの小さなイカで、発光するイカとして有名です。これまでは、付け合わせの小皿で酢味噌和えで食べたことがあるくらいで、その味の記憶はとても弱々しいものでした。しかし、それが今年、味の認識が大きく変わってしまったのです。

 俳句の会に入っている家人から聞いた話では、ホタルイカは季語にもなっていて、晩春を表すようです。富山の方ではこの時期、一生で一度っきりの産卵のため富山湾の岸近くまで寄ってくるそうで、その美しい光は、まさにこの世とお別れをする「蛍の光」。食べる側もそんなホタルイカに対しては、やっぱりいい加減な気持ちで臨んだらダメでしょう。

 天ぷらにするため、生まれて初めてホタルイカのパックを購入。目の玉やくちばしなどを取る作業をキチンと手を抜かずにやりました。多少の手間はかかったけれど、揚げたてのアツアツを頬張ったらそんなことはすぐに忘れてしまいます。その日、旬の海の幸は私に幸せを運び、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で幸せな時間はさらに大きく膨らみました。

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