春の大潮

No.307 / 2016年4月1日配信

 釣りを楽しまれる方にとっては、海の状況・情報はとても大切です。潮の大小、潮の満ち引きは釣り師必須案件になることくらいは私にもわかります。釣りキチの友人は毎日刻々変わる潮の高さが分かる「潮時表」を、スーツのポケットにいつも忍ばせていました。さらに、「タイドグラフが付いてるんだぜ、これ」と、自慢げに腕時計を私に見せつけたり。

 出勤の月曜日。よく彼は「昨日は、このくらいはあったよな」と言いながら、両手で釣れた「魚のサイズ」を教えてくれました。「え?、そんなに大きいのが?」と、一緒に行けなかった私は驚きます。決して私を騙す気はないのでしょうが、やっぱり釣り師には、両手を身体の後ろに回したままで話をさせなければなりません。

 退社した釣りキチの彼を思い出すのが、決まって春の大潮の時期です。佐世保市には日本3大急潮として名高い、針尾瀬戸があり、その瀬戸にかかる西海橋では、桜の季節の大潮時にはダイナミックな渦潮が顔を見せてくれます。渦潮をバックにした桜の花の美しい観景には見応えがありました。彼との釣行の帰りには、その橋をよく渡ったものです。

 クーラーボックスには、釣果の生き締めした大きな真鯛(産卵前の、いわゆる桜鯛)が入っていました。「すごい渦だな」「おいおい、前を見て運転してくれよ」と、友人。魚が釣れた日は早く帰りたいからか、ついついアクセルもふかせ気味。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が家で待っているから、仕方ありませんでした。元気かい?また一緒に釣りに行きたいね。

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