花見おでん

No.270 / 2015年3月21日配信

 薄いピンクの花びらがぽつぽつ姿を見せ始めると、職場の私たちはみんなそわそわと落ち着かなくなったものです。週末になると、新入社員は花見の場所確保のために、午後の早い時間から桜が咲く公園に出張(?)させられたものです。先発隊としてブルーシートとビニールロープ、社名を書き入れた用紙を持ってよく出かけました。

 当日はみんな残業がないように仕事の調整をと、上司から指示が出されています。仕事の量が多い中、外勤も内勤もしっかりその時間に合わせて、よくあんなに真面目に参加したものだと、思えば不思議な感じがします。よくも悪くも職場単位で数多くのレクレーションを楽しんでいた時代でした。

 花見といいながら、やっぱりその中身は「酒宴」そのもの。つまみは持ち込んだ袋入りの珍味や菓子類です。それらをつまみながら、コップ酒でテンションをあげようとしても、「花冷え」のこの時期はなかなかエンジンがかかりません。勢いをつけようと、若さにまかせたコップ酒で私はあえなくダウン。気がつくと、いつの間にか誰かのコートを身体に掛けられています。

 「寒かったので、近所でおでんを買ってきて食べたのよ。温かくて美味しかったわ。あなたは寝てたから分らなかったでしょうけど」と女性社員に教えてくれました。そういえば、公園内におでんを出している店があったはず。桜が美しいこの時期、私には今でも食べ損なったおでんのことを思いだします。よ~し、今夜はおでんに合わせて、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』もお湯割りだ!

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